TOP > インタビュー一覧 > 北海道から世界へ羽ばたくスタートアップを発掘・育成!Open Network Lab HOKKAIDO 3rd Batch Online Demo Dayイベントレポート
11月19日「Open Network Lab HOKKAIDO 3rd Batch Online Demo Day」が行われました。
「北海道から世界へ羽ばたくスタートアップの発掘・育成」をミッションに、2018年から始動したOpen Network Lab HOKKAIDO。
今年で3期目を迎え、今回は、農業・ドローン・漁業・介護とバラエティにとんだ内容となりました。
これまで、合計10社のスタートアップがプログラムを卒業。
今年は新型コロナウイルスの影響もありましたが、直近では1期生「AILL」と2期生「VETTEL」が大型の資金調達を行い、オンラボ北海道卒業生の5社が経済産業省北海道経済産業局によるJ−Startup HOKKAIDO北海道認定スタートアップに選ばれました。
3期は2020年3月より募集を開始。今期の応募の傾向として、雪や林業農業など北海道の抱える課題の他、10代などの比較的若い世代からの応募が増加傾向にありました。また、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、面接からDemoDayまで完全オンラインで行われ、その結果北海道はもちろん、九州やアメリカまで場所にとらわれず応募がありました。
そして、今期初の試みとしてプログラムが本格始動する前に、PreProgramを行い、レクチャーや複数のディスカッションを通して目線合わせをした上でプログラムを行いました。
このページの目次
ドローンを愛するメンバーによって構成された、株式会社Flyers。ドローンユーザーの抱える課題を解決するプラットフォーム「Flyers」を運営しています。
現在25万人のドローンユーザーは、2025年に3.6倍の90万人になると予測されています。そんな今人気のドローン業界で事業を展開する、注目の企業です。
まず最初に、ドローンを飛ばす上で生じる大きな課題は以下の3つ。
さらに、ドローンを飛ばすには大きく8つの工程があり、その面倒な工程全てを置き換えることができるサービスが、「Flyers」です。
また「Flyers」は、現在北海道の約72%の土地の管理者も把握しています。ユーザーと一緒に土地管理者データベースを作り上げる仕組みを導入し、一気に全国の情報を集め、飛行許可申請を高速化低コスト化します。
今後のプランとして、「Flyers」の基盤を利用するドローンや、エアモビリティからデータを取得し、5Gの大容量を生かしたリアルタイムの地球ビューアを作っていくとのこと。よく行く商業施設の駐車場今はどのくらい混んでるのか?ニセコは今どのくらい雪積もってるのか?などなど。
更新され続ける地図で新たなビジネスの基盤を作るということで、今注目のドローンの新たな未来に期待が高まります。
株式会社HELTEQは、介護事業所の営業支援サービス「ケアえもん」を運営しています。
代表の中元さんは介護事業所での実務経験を経て、介護事業所の営業が非常に非効率でアナログだということを知り、この課題を解決するため「ケアえもん」を立ち上げました。
現在日本では高齢化に伴い、介護サービスの需要が高まっていますが、約4割の介護事業所が空きを埋めることができず赤字といった現状があります。
このように介護事業所は新規の利用者獲得に非常に苦戦しています。
そこで「ケアえもん」では、ケアマネージャーから収集した利用者情報を介護事業所の受け入れ条件に応じて提供しています。
そして、介護事業所はケアマネージャーへアプローチする場を提供することで、介護事業者の非効率な課題を解決します。
マーケットは、2025年には605万人にものぼるとされており、この巨大な介護市場をターゲットとしています。
アナログでの繋がりだった介護業界の情報をつなげることで業界全体の業務効率化を図り、テクノロジーの力で介護業界の非効率を解決し、人と人とが触れ合うかけがえのない時間を創ります。
SkysenseはAI ベースの作物診断を主にアメリカや日本で展開しています。
AIスキルや、エンジニアの経験を活かして、農作物の育成状況を地図上に表示、病害を検知する技術を提供しています。
【課題】
その解決方法として、
1. 自動飛行ドローンが農作物を撮影。4Kカメラとマルチスペクトラルセンサーを用いて、農地全体をマップ化し、人間の目には見えない農作物の病害を検知できます。
2. AIベースで作物の数を数えたり生長をモニタリングできます。生長の問題をいち早く検知して収穫量を最大化したり、植物の表現形を判定することができます。
3. 画像データを処理してマップ上に診断結果が表示され、ユーザーはその病害情報をもとに対処することができます。収穫量が失われる前に先手をうち、リスクを回避することが可能となります。
マーケットサイズとしては農業用ドローン市場は売上が1000億円、1年毎に40%の成長率を上げています。
撮影済みの面積は4キロ平方メートル(東京ドーム86個分) です。広大な土地を有する北海道の特色を生かし、農作物の被害を最小限に抑えてくれる画期的なサービスです。
代表の千葉さんは自身のお祖父さんを海難事故で亡くされた経験をもとに、漁師が転落した際にSOSを発信できるデバイス「yobimori」を開発しました。
「yobimori」は、漁師が海難事故にあった際、救助までの時間を劇的に早めることを可能にします。
漁師は最も危険な職業の一つで、いつ海に落ちて命を落としてもおかしくありません。実際毎年多くの漁師さんが落水事故によって亡くなっています。
その死亡率は80%となっており、さらにライフジャケットを着ていても25%の方は亡くなっています。その理由としては、事故が発生したことに誰も気付けないからです。
日本では一人乗りの漁師さんが多く、連絡したら何時間も誰にも助けを呼ぶことができない。遅れれば遅れるほど捜索範囲の拡大に広がり、死亡率はもちろん、遺体が上がらない確率もどんどん高くなります。
さらに大きな二次被害があります。
1. 失踪扱いで死亡認定が下りず、家族は最大7年間保険料を受け取れないリスクがある
2. たくさんの漁師さんが何日間も稼ぎを止めて捜索し続けることになり金銭的な損失も発生する
これらの課題をどんな時でもSOSを呼べるデバイスと、操作を簡単にするアプリ「yobimori」が解決します。
首掛けのデバイスが落水を検知し、他の「yobimori」ユーザーのスマホ位置情報とともにSOSを通知します。通常救助の流れは、事故が発生した後救助要請をし、そこから捜索が開始され生還するという流れです。
現在、「yobimori」は福岡の二つの漁業組合約80名分の導入が決定しています。
また、今後はアプリで得た航海や事故データを集積し、漂流予測やAI ドローンを用いて救助を図ります。そして、魚の水揚げデータと組み合わせてトレーサビリティや資源管理で魚の価値の向上、漁場予測による漁のコストダウンをすることも可能とする予定です。
恋愛ナビゲーションサービス「Aill」は、恋愛で傷つきたくないという20〜30代の男女に向け、恋愛からお付き合いまでをAI がナビゲートすることで、失敗しない恋愛をすることが可能となるサービスです。
「Aill」を福利厚生として導入した企業の独身社員のみが利用でき、社会の出会いを提供し、AI でコミュニケーションアシストを行います。
恋人がいない20から30代正社員独身社員は、800万人にものぼります。
彼らの90%が恋人が欲しいと思っており、恋人ができない理由としては、恋愛で傷つきたくないといった自分の心を守ることを優先していたという結果でした。
「Aill」は、 AI で出会いから付き合いまで男女の関係や進展をナビゲートすることで、結果が不透明な恋愛の心理的ハードルを下げ、傷つかずに恋愛することを可能にします。現在導入企業数は400社を超え、2020年12月末までには1000社を超えることが確実となりました。
移動型完全個室スマートベビーケアルーム「mamaro」。
「mamaro」は、授乳、オムツ替え、離乳食などあらゆるニーズに応えるスマートベビーケアルームです。工事不要で簡単に設置可能なため、施設側も導入しやすく、現在は日本各地で展開されています。
子どもを産んだばかりのお母さんの90%以上が、授乳やおむつ交換台が探せなくて困っています。一方で、設営者としては赤ちゃん休憩室の設備や、授乳室の整備は多額の費用やスペース的な制限などもあり、整備するのは非常に難しいという現状があります。そんな双方の課題を解決するために、「mamaro」が開発されました。
スマートなシングルルームで、1畳ほどのスペースがあれば設置でき、工事も不要。さらに動かすことができるので急なレイアウト変更にも対応できます。
日本の子育て環境を素晴らしいものにしたいという思いから生まれた温かいサービスです。
「Oh my teeth」は、従来の歯科矯正が抱える定期的な通院、高いコスト、続けられないというハードルをテクノロジーで解決したDtoCサービスです。
通院は歯形スキャン時の1回。2019年12月にローンチ後ユーザーは希望者を含め約3000名を突破しています。
一度歯形スキャンに参加したら、その後は自宅に矯正キットが届きスタートすることができます。その後はLINEを活用したオンライン診療でサポートしていきます
また、中間マージンをカットし従来の歯科矯正の約1/3の価格を実現したことで、Googleでは100件以上のポジティブなレビューが掲載され、Forbesや業界紙でも多数掲載されたことから、売り上げはローンチ後50倍に増えました。
最優秀賞であるBest Team Awardは、プログラム期間での成長度合いや、ビジネスアイディアの新規性、プレゼンテーションの説得力を審査員が総合的に判断し、優秀なチームに送られます。
今回のBest Team Awardは、「yobimori(株式会社nanoFreaks)」が見事受賞しました!
受賞後のコメントでは、
「非常に嬉しく思っています。プログラム中は何回もチームのことや事業のことなど壁が沢山ありましたが、皆さんの力を借りてなんとか諦めずに前へ進めることができました。今後はもっと事業を拡大していきたいと思います」
と喜びのメッセージがありました。
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