TOP > インタビュー一覧 > スタートアップ企業の成長を促し、共創を促進するプログラム「NAGOYA Movement」担当者インタビュー
名古屋市では、 スタートアップ企業の成長を促すため、事業会社との共創を促進するプログラム「NAGOYA Movement」を実施する。
スタートアップ企業と事業会社とのマッチング、その後の事業創出をサポートするプログラム。
これらのプログラムを実施することで、スタートアップ企業と事業会社との共創のモデルケースを作り、スタートアップ企業の集積と創出に繋がるための新たな「Movement」を生み出していく。
⚫️STEP1ー事業会社向け
「スタートアップ共創ノウハウ習得プログラム 」
事業会社が、スタートアップ企業と円滑に共創するために、スタートアップとの共創に必要なノウハウ習得と事業会社のアセットを明確にし、スタートアップ企業とのマッチング精度を高めるための準備プログラム。
⚫️STEP2ー事業会社×スタートアップ
「マッチングプログラム」
STEP1「スタートアップ共創ノウハウ習得プログラム」に参加し、スタートアップと共創するための準備が完了した事業会社と、スタートアップ企業とのマッチングを行うプログラムです。
どちらか一方的な基準でのマッチングではなく、両者が基準を設けて、面談等により相互評価を行っていくことで、マッチング精度を上げるとともに、その後の事業創出を円滑に行うための基盤づくりを目標とします。(*令和2年11月〜令和3年1月実施)
⚫️STEP3ー事業創出
「伴走型支援プログラム」
事業会社にコミットする伴走型支援。(*令和3年1月〜3月実施)
詳細は以下のリンクからご確認いただけます。
今回このプロジェクトを進める、名古屋市経済局イノベーション推進部スタートアップ支援室主査・稲垣氏と、主事・後藤氏にプロジェクトに対する思いを伺った。
ーお二人は普段どんなお仕事をされていますか?
名古屋市経済局イノベーション推進部スタートアップ支援室主査・稲垣氏
稲垣:私たちはスタートアップのサポートに特化したセクションにおります。
業務内容として、今回の「NAGOYA Movement」や、「NAGOYA BOOST10000 2020」の担当。主にスタートアップ起業家や、企業で新規事業開発をしようとする方の人材育成をサポートするような事業をしています。
また、「NAGOYA CONNECT」と言うイノベーターたちが集まるコミュニティを作る事業、そしてスタートアップのグローバル拠点都市の事務局も行っております。
ースタートアップに興味を持ったきっかけは何ですか?
名古屋市経済局イノベーション推進部スタートアップ支援室主事・後藤氏
稲垣: 以前は企業誘致のセクションにいました。特に名古屋は ICT 系の企業が少ないということもあり、首都圏のICT企業の方から「スタートアップやクリエイティブな企業が少ない街には中々進出しないよ」とよく言われていました。
やはり企業誘致とスタートアップの創出は車の両輪というか、スタートアップ企業がない街には企業誘致が成立しないなと痛感しまして、スタートアップ施策に力を入れていきたいと考えました。
後藤:リーマンショックで受注が激減し、技術職総出で不慣れな営業活動に出るという経験をし、受注生産型の企業であっても、これからは自社開発に取り組まなければならないと強く感じ、自社だけで出来ない場合は他社と連携することが必要ではないかと感じました。
そして市役所では、他社との連携を支援できる部署があることを知りまして、転職を決めました。
市役所に入庁してから、革新的な事業やサービスを起こす担い手としてスタートアップが注目されていることを知りまして、既存企業と連携したら面白いなと思い、興味を持ちました。
ー 今回のイベントの取り組みのきっかけや背景を教えてください。
後藤:名古屋市でここ近年スタートアップの施策がいくつか行われてきていまして、スタートアップやイノベーション支援に対する機運が非常に高まってきています。
次は実際に実績を作っていく企画をやりたいと思い、「NAGOYA Movement」を始めました。
稲垣:イノベーションを起こす手段としてオープンイノベーションが非常に注目されている中で、ものづくりとか製造業を中心に、尖ったテクノロジーを持った大企業や中堅中小企業が日本の中でも名古屋市に集積しているというのが非常に強みであると思っています。
スタートアップ企業の機運が高まっていく中で、オープンイノベーションの実績をうまく作っていきたいなと思います。そうすることによって スタートアップがこの地域に注目して、集積したり事例を見て次のスタートアップがこの地域で起業する流れができるんじゃないかなという思いで、プロジェクトを始めました。
ープロジェクトの一番の特徴はなんでしょうか?
稲垣:「NAGOYA Movement」の一番の特徴は、以下の課題を解決していくことです。
大きく解決策としては三つ。
1. 事業会社が自社のニーズや、スタートアップとマッチングの為の課題を最初に分析する。
2. 事業会社もスタートアップと目線を合わせて、理解を深めてもらうプロセスを取っている。
3. マッチングするだけではなく、事業開発をサポートする。
スタートアップと大企業、中堅企業とのマッチングのプログラムであるアクセラレーションプログラムは日本全国で沢山行われています。
マッチングは行われているものの、その先に進まない事例が多いんです。なぜかというと、マッチングしようとしている企業が、自己分析をせずにスタートアップとマッチングしようとしているからです。
私たち名古屋市でそこを解決して事業をやっていこうと、「NAGOYA Movement」を始めました。
ー他の自治体との違いは何でしょうか?
稲垣:他の自治体はマッチングやスタートアップの成長支援をメインにしているプログラムが多いと思います。
名古屋市は、オープンイノベーションの精度を上げるために、マッチングだけでは終わらないということ、そして事業開発に繋げるための三つの特徴※を盛り込んでいるのが、他の地域との違いだと思います。(※一つ前の三つの課題策)
ー取り組みのゴールについて教えてください。
後藤:事業会社とスタートアップが対等な立場で事業開発を進めて、ローンチに向けた準備が出来ることが成果の一つだと思います。
さらに、このプロジェクトに参加した事業会社やスタートアップが、本事業を機に知名度が上がるなどして、事業が拡大していただければ嬉しいと思います。
稲垣:オープンイノベーションの精度を上げるためのロールモデルを作ることが、大きな目標になってくると思います。
そういったロールモデルがあれば前例もできますし、この地域の企業も新しい取り組みをやっていくためのきっかけになればいいなと思っています。
ー今までどのようなスタートアップが名古屋市で活躍していますか?
稲垣:株式会社PREVENTという企業が、脳梗塞になられた方のその後の重症化を防ぐ為のオンラインサービス等を展開しています。
地元企業との協業実績や資金調達もしっかりされて、大変優良な企業です。
後藤:株式会社オプティマインドです。名古屋大学発ベンチャー企業です。
事業内容としてはラストワンマイルのルート最適化AI開発をしている企業です。
大規模なアクセラレータープログラムでの受賞歴や大企業との協業実績も十分で、当地域を代表するスタートアップです。「NAGOYA Movement」の事業会社向けプログラムのメンターとして関わっていただきました。
ー今後名古屋市をどのような都市にしていきたいですか?
後藤:名古屋市は大学や研究機関や産業界と、産業基盤の整った街です。そういった強みを生かして、色々なステークホルダーが連携しながら、イノベーションやスタートアップ・エコシステムが構築されていく、そんな街になってほしいと思っています。
名古屋は、新しいことを挑戦しやすい街だ!というイメージが国内外に広がることが、私の理想です。
稲垣:どんどん色々なことに挑戦する人が出て来てほしいなと思います。
挑戦の中にも失敗はあると思うんですけど、その失敗に対して寛容な街を作りたいなと思っています。そういう気持ちがないと、中々イノベーションやスタートアップは起きないと思うので。そういった機運を作って行くことが私たちの使命だと思っています。
ー今後スタートアップに届けたいメッセージがあればお願いします。
後藤:名古屋には技術力が高く、スタートアップとの共創に意欲的な企業が沢山あります。
是非このような企業と一緒に、新しい事業を創り上げたいというスタートアップがいましたら、ご応募いただければと思います。
稲垣:この「NAGOYA Movement」は、スタートアップの皆さんの目線に立って、時間を無駄にしないようなプログラムにしていますので、是非応募して頂きたいと思います。
私達はそれに対する万全のサポートをやっていきますので、是非申し込んで頂ければと思います。
ーありがとうございました。
技術開発本部 事業戦略部 開発企画G 高山祐希様
ー 本取り組みに参加する上での想いや期待を教えてください
本取り組みへの参加を通して、弊社が実現したいビジョンや創出したい事業のイメージを外部に発信し、それらを共有いただけるスタートアップ企業とのマッチングを目指します。マッチング後には、社会に存在する未利用エネルギーを有効活用する新規事業を共に創出できることを期待しています。将来的には本事業を広く社会に実装することで、エネルギーを地産地消できる社会の実現に貢献したいと考えています。
ー 本取り組みに参加する理由を教えてください
自前主義の開発では既存事業の枠組みに囚われてしまい、革新的な事業や世の中のニーズの変化に適応した事業の創出は困難と考えます。そのため自前主義の開発から脱却し、企業価値向上につながる新規事業を連続的に創出するための手段として、スタートアップ企業とのオープンイノベーションによる新規事業の共創が必要であると考え、参加を希望しました。
社長室 係長 松島卓也樣
ー 本取り組みに参加する上での想いや期待を教えてください
私たちはスタートアップ企業との協業による事業創出を通じて、法律実務に携わる人々のパフォーマンス向上と、「法律」が誰にとっても分かりやすく身近なものとなり、より安心・安全に暮らせる社会の実現を目指しています。スタートアップの皆さんがお持ちの先端技術・斬新なアイデア・顧客視点と、当社の法律コンテンツやネットワークを活かして、新たな価値を生み出す事業やサービスを一緒に創り出していきたいと考えています。
ー 本取り組みに参加する理由を教えてください。
近年のDX推進により、法曹業界や企業の法務部においてもデジタル化への関心が高まっているものの、導入・運用までにはまだまだハードルがあります。そこで、私たちは、イノベーションの創出を積極的に推進し、スタートアップ企業との協業による事業創出を通じて、法律実務の「業務効率」や「生産性向上」、そしてその先の「顧客サービスの充実化」に貢献できる、新たな価値を生みだすサービスを開発・提供したいと考えています。
IoT事業開発室 藤澤康平様
ー 本取り組みに参加する上での想いや期待を教えてください
東朋テクノロジーは、先端技術を持ったスタートアップ企業との協業を、重要な経営戦略のひとつとして位置付けています。すでに米国やイスラエル等の海外スタートアップとの協業を進めており、一部技術では製品化・事業化に成功しております。
スタートアップの先端技術をコアに、当社がカスタマイズ/エンジニアリングを行うモデルで、顧客に新しい価値を提供します。
ー 本取り組みに参加する理由を教えてください
本取り組みに参加する理由は、先端的な技術を持っているスタートアップと組み、新事業を創ることが目的です。東朋テクノロジーは様々な顧客のニーズを理解し、一方で供給側スタートアップ企業の技術特性も理解して、カスタマイズ・エンジニアリングをやり切る技術力を保有しています。スタートアップの技術+東朋のエンジニアリング力で新事業(新製品)を市場に導入していきます。
事業開発部 次長 嶋野純様
事業開発部 主任 西淵泰斗様
ー 本取り組みに参加する上での想いや期待を教えてください
当社は、中期経営計画にも記載のとおり、エネルギー供給にとどまらない新サービスを創出し、当地域のお客さまにこれまで以上の価値を提供していきたいと考えています。
そのためには、スタートアップ企業様の斬新な事業アイデアや技術と、当社が培ってきた様々なアセットを掛け合わせることが有効ではないでしょうか。
当地域の発展に寄与する価値創出をとおして、スタートアップ企業様とともに成長していくことが我々の願いです。
ー 本取り組みに参加する理由を教えてください
当社が提供しているライフサービスプラットフォーム”ASMITAS”を「共創型プラットフォーム」へと進化させるべく、必要なサービス開発や機能拡充に資するサービス・技術等を保有するスタートアップ企業様を募集します。
なお、今回の募集テーマは敢えて間口を広く設定しており、スタートアップ企業様からのアイデアを幅広く取り入れたいと考えています。適宜、可能な限りの追加情報を開示しますので、お気軽にお問合せください。
代表取締役社長 酒井 健宏様
開発部 イノベーションセンター長 鳥居謙悟様
管理部 システム統括リーダー 樫山悟様
ー 本取り組みに参加する上での想いや期待を教えてください
弊社は中小製造業の持続的な発展を目指して、大きな課題である生産性改善につながる事業創出を進めていきたいという強い思いがあり、その実現に向けた一歩を踏む出すために、今回参加を決意しました。また、スタートアップ企業殿の志や企業文化等を学ぶことにより、今後の弊社自身の企業価値を高めていく為の良い機会とも考えており、中小企業における事業創出/企業価値向上の一つのモデルーケースになれればと期待しております。
ー 本取り組みに参加する理由を教えてください
弊社は自前主義を中心とした技術開発をこれまでは進めていましたが、変革の激しい現代社会で成長していくためには、当社の思いにも共感いただけるパートナー様との共創も不可欠と考えております。本プログラムを通して、弊社事業と関連が深いアルミ鋳造分野向けで、デジタル技術を活用した生産性改善につながる事業創出を目指していき、将来的には「デジタルツイン」などの更なるDX技術の実現につなげていければと考えております。
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