TOP > インタビュー一覧 > 協業のニューノーマル。スタートアップと時代を切り開くFUJITSU ACCELERATORの目指す未来
提供:富士通(株)
富士通もスタートアップもそうですけど、新しいことにチャレンジしたいという思いは双方とても強いと思うんですよね。そういうエネルギーを感じながら、その熱を持って何かを成し遂げていく。そこを一緒に伴走しながら仕事ができるところは、我々の仕事のやりがいでもありますし、魅力だと感じます。
そう話すのは、FUJITSU ACCELERATOR代表の浮田博文氏。
革新的なスタートアップの技術・製品と富士通グループの製品・ソリューション・サービスを組合せ、世の中へ新たな価値を提供することを目的としてスタートした、「FUJITSU ACCELERATOR」
年々スパイスを加え進化を遂げるこのプログラムも、今回で第9期を迎える。
今、どんな思いでこのプログラムを運営しているのか。そして、どんな変革を行なってきたのか、代表の浮田氏にお話を伺った。
プログラムが開始した2015年頃は、僕はFUJITSU ACCELERATORの事務局ではなく、実際にスタートアップと協業検討を行う事業部門にいました。
何かしら新しいものを作っていくやり方を色々と模索して行かなきゃいけない。その一つのやり方としてスタートアップとの協業があるという所で、やり始めました。
ただ、当時はあまりスタートアップと協業するという意識が会社の中で浸透していなかったんです。
事業部門という立場だからこそわかる色々な難しさがあるんですよね。
社内でいろいろなプロセスを通したりだとか、ここがボトルネックになるんだとか、ごく少数がやる気でも大きい組織だと中々動かないだとか。
そういったところを、FUJITSU ACCELERATORの事務局にフィードバックして少しずつ変えていきました。スタートアップとの協業活動をどうやって全社的な動きにしていくかという所を念頭に、改善点を模索してきました。
その後、FUJITSU ACCELERATOR代表へ。
基本的に協業メインではやっていますけど、募集が始まる前にちゃんと事業部門の要求を理解し、リストアップして、そのリストを世の中に公開する。それに対してスタートアップの方々にエントリーして頂くので、マッチングの精度をあげるという工夫をしています。
PoCをやる際に、状況に応じてFUJITSU ACCELERATOR事務局から事業部門の背中を一押しするという意味でも、PoC費用を一部負担するという形で、なるべく事業部門の支援をしていく。
そういった細かな積み重ねも毎回行ってきました。
また、我々は協業メインでやっていますけど、協業の出口を見つける必要があります。お客さまに近い営業に協業で生まれたプロダクトをしっかり認知してもらう所が非常に重要なので、プログラムの成果発表会であるDemo Dayは富士通グループの営業部門への露出を高めるように意識しました。
まだ一部ですが、営業部門にも企画段階で入ってもらい、フィールドの声をできるだけ取り入れる形で協業を進めています。
我々富士通グループのICTソリューションカンパニーならではの軸足がどこにあるかというのを見定め、見据えて、スタートアップとの協業をやっていかないといけないなと思っています。
デジタル化が進んでいくと、例えば車がコンピューターになったりだとか、銀行もITを活用してデジタル化を進めているということで、我々の業態と現業をもっている企業との境目が無くなってきているというのを感じています。
一方でサプライヤーとしての役割は重要で、そこをスタートアップの方々と一緒に、我々の役割をよく考えて知恵を絞る。
そこで、価値を提供していく。そこをしっかりと伴走してビジネスモデルを作り上げていくといったところが他社との違いであり、特徴かなと思います。
最近は特にそうですけど、過去の振り返りや過去の反省は意識的にやるようにしています。過去の反省を踏まえて次はどういう企画にしようかという点は、チームの中で話し合いを重ね少しずつ改善を重ねているところです。
第9期の改善ポイントは事業部とスタートアップのマッチングの精度を高めると言う点。書類選考の時点でスタートアップと面談をして、事業部門とのマッチングの確率を高めます。ピッチコンテストは、協業検討責任者が実際にそのスタートアップと協業検討を行うかを判断する場となります。
また、第9期DemoDayは社内に閉じた形ではなく外部に公開する形にしました。そこで商品性を世に問うプロセスに変更しています。
今回からは世の中にプロダクトが出る「商品化」までの伴走をプログラム期間内に組み込んで、尚且つある程度時間を区切ることによって、世に出す所までをより迅速にフェーズ分けを行うことにしました。
過去の例で挙げると、商品化までに場合によっては4年くらいかかったものもありました。ある程度我々としても区間を区切って、スピーディーにスタートアップのスケールアップを支援する。彼らのスピードを生かす所がスタートアップ協業の一つの特徴だと思いますので、商品化のところをダラダラ続けるのではなく、ある程度区切って仕事を進めて行こうかなと思っています。
商品化検討フェーズまでプログラムの枠の中で行う。ゴールである商品化までフォローする点が第9期の改善ポイントになります。
新型コロナウイルスの影響で、当然我々もそうですし、我々のお客様もこれまでののやり方から何かを変えないといけないと言う意識は高まっているのかなと思います。
ただ当然それだけでは物事は全然進まなくて、もう少し具体的に、何が本当に解かなきゃいけない問題で、それに対する解決策は何で、そこに対してどう言うソリューションを提供できるかってところは、考えていかないといけないですよね。
だからこそ事業部門とスタートアップのマッチング精度を上げるといった所は、しっかりと事業部門の課題認識を特定した上で、本当にそこの課題を解決できるスタートアップかどうかというところを見極めて協業に入っていくといった点もプロセスとして組み込んでいく所です。
しかし、何より変わらない所は、協業ありきのプログラムですね。最終的にスタートアップの方々と何かを作り上げてお客さんに提供していくという軸は、今も今後も変わらないです。
今後グローバルプラットフォームをやる人もいれば、ローカルの問題解決ソリューションをやっていくプレイヤーも当然必要。
そういう人たちがいないと、日本の課題だとか日本にとってのニューノーマルに対応していくということができないんだろうなと思います。
夢物語ではなく、ローカルの課題みたいなところにアンテナを高く持って、ある程度現実的なところを見据えてしっかり課題解決をしていく。今そういう状況なんだろうなと思っています。
だからこそ、なんだかんだ現業を持っているお客さまの方がある意味強い。
我々はどちらかと言うと国境や実態のないデジタルな世界で、車とコンピューターの境目がなくなってきているんだったら、もしかしたら今後、自動車業界に飲み込まれるかもしれない。
そういった境目や国境がないなくなってきているデジタルの時代に、一緒に活路を見出して変革を一緒に成し遂げていけるようなそんなスタートアップの人と出会いたいと思っています。
感覚的には明治維新的な感覚ですね!
黒船が来て迎えて行かなければいけないんですよ。ニューノーマルという黒船がやってきて、幕府という大企業と薩長と言う意気の良いスタートアップが戦うのではなく、黒船来襲に備えて協業する。
最終的には幕府が崩れるかもしれないですけど。いい意味で壊していってくれればと。
「ニューノーマルの黒船来襲」というところは、今後しっかりと意識しなければいけないところだと思っています。
【応募締め切り】
〆切2020年9月30日
【9期応募ページ】
https://www.fujitsu.com/jp/innovation/venture/entry/index.html
【協業事例】
https://www.fujitsu.com/jp/innovation/venture/interview/index.html
【エントリーフォーム】
https://forms.gle/Mcb8fxhQGSeVMkke7
【Facebook】
https://www.facebook.com/FujitsuVenture/
“裸眼のVR”で新しいバーチャル表現で池袋のカルチャーとコラボレーションするkiwamiの取り組みとは
日本のHR市場がこれから目指すべき、TalentXが描く「タレント・アクイジション」の世界
TalentX代表 鈴木貴史氏
「上場=目的達成のための手段」Kaizen Platformの創業者が語る“上場”とは
ビジネス書大賞『売上最小化、利益最大化の法則』の作家に聞く 「利益率29%の⾼収益企業を作る方法」
資金調達に新しい選択肢を。ブリッジファイナンスとしてのファクタリングを「PAY TODAY」が解説
【令和の渋沢栄一になる】エンジェル投資で日本にイノベーションを
米国新興市場上場を経て10億円を調達 「代替肉」で社会課題に取り組むネクストミーツの歩み
海外で活躍する女性起業家の実態 〜2児のママがシンガポールで起業した理由とは?株式会社ハニーベアーズ〜
湊 雅之が見る欧米と日本のSaaS業界の違い | 注目海外SaaS 6選
BtoB/SaaSベンチャー投資家 湊 雅之
広告事業だったのにコロナ禍で売り上げ上昇! 〜売り上げ90%減からの巻き返し〜
代表取締役 羅 悠鴻