日本語ドメインとは?そのメリットとおすめしない6つの理由

日本語ドメインとは?そのメリットとおすめしない6つの理由

記事更新日: 2020/06/12

執筆: 編集部

日本のインターネットの黎明期である1990年頃は、「インターネットは英語が読めないと役に立たない」と言われていました。

しかし、あっという間に日本語コンテンツが充実して、家庭から百科事典が一掃されてしまいました。

そんな中で登場したのが「日本語ドメイン」です。URLが漢字で表記されるというインパクトの強さから注目を集め、SEO効果があるとも言われました。

しかし、その目新しさが薄れるとともに、使い勝手の悪さも指摘されるようになりました。

この記事では日本語ドメインを取得することのメリットとデメリットを分かりやすく解説しています。取得を検討している人はぜひ参考にしてください。

日本語ドメインとは

日本語ドメインとは、インターネットのサイトURLを「日本語.com」「企業.jp」のように、日本語で表記したドメインです。

もともとドメインに使用できる文字は英語(アルファベット)のみでしたが、IDN(Internationalized Domain Name 国際化ドメイン名)」という技術によって非英語圏のユーザーが自国の言語をドメイン名に使用できるようになりました。

日本では2001年にJPRS(日本レジストリサービス)が日本語ドメインの登録サービスを開始しました。JPRSによると2020年1月現在1,576,407件の登録がされています。

参照:JPRSが『JPドメイン名レジストリレポート2019』を公開

日本語ドメインのメリット

日本語ドメインのメリットは、日本人が見たときの分かりやすさとインパクトです。

1. 一目で何のサイトか分かる視認性の高さ

http://bihaku.comでは何のサイトかすぐには分かりませんが、http://美白.comならすぐに分かりますね。

2. ドメイン名を覚えやすい

英語やローマ字のドメイン名に比べて、漢字まじりの日本語ドメインはインパクトが強く、記憶に残ります。

3. 漢字・ひらがな・カタカナを全て使える

日本語の3つの表記方法を全て使えるので、社名や商品名をドメイン名に分かりやすく入れ込むことができます。

4. 希望の文字列が登録しやすい

.comや.netなどのメジャーなドメインでは、希望するドメイン名が世界の誰かが登録済みのことが少なくありません。

しかし、日本語ドメインなら競合は日本国内だけなので、空いている可能性が高くなります。

日本語ドメインをおすすめできない理由

上記に日本語ドメインのメリットを紹介しましたが、デメリットも多く当記事としてはおすすめできません。

日本語ドメインをおススメできない理由(=デメリット)には次のようなものがあります。

1. SEO効果は期待できない

あらゆるサイトの死活を制してるのが、Googleの検索ランキングです。

Googleはそのアルゴリズムの詳細を公開していないので、「たぶんそうだろう」的なSEO対策がさまざまに詮議されています。

その一つが「日本語ドメインはSEO効果がある」というものですが、根拠はありません。

2. ブラウザ以外では文字列が変わる

日本語ドメインは、閲覧中のブラウザではURLが日本語になっていますが、リンクを貼るときは他の文字列に変わってしまいます。

例えば、次のような意味不明の文字列になります。

  • ブラウザのURL : http://起業.jp
  • シェアされるURL : http://xn--q6vt28e.jp

このような怪しい感じすらする文字列になってしまうのは、インターネット通信のときに関与するDNSサーバーでピュニコード(Punycode)と呼ばれる文字列に変換されるからです。

これは、日本語というローカルな言語が、インターネット通信で共通語に翻訳されるということです。

3. メールアドレスが作れない

日本語ドメインでは、そのままメールアドレスを作ることはできません。メールアドレスを作ると、一見スパムメールにも見えるピュニコードのメールアドレスになってしまいます。

  • サイトのURL : http://起業.jp
  • メールアドレス : xxxx@xn--q6vt28e.jp

 

4. インターナショナルでない

コンテンツが日本語のサイトは元々インターナショナルではないのですが、将来英語のコンテンツも加えたい場合、あるいはネットショップなどで外国人へも販売したいなどの場合は、日本語ドメインは避けるべきです。

5. 使用できないサーバーがある

サーバーによっては、日本語ドメインが使えない場合があります。

とくに海外の格安のサーバを利用していると、日本語ドメインは使えない可能性があります。

6. 目新しさがなくなった

日本語ドメインが登場した当初は、目新しさもあって注目されましたが、普及するにしたがって新鮮さがなくなってきました。

まとめ

日本語ドメインは、一目で何のサイトか分かる視認性の良さと、記憶に残るインパクトの強さがあります。

その反面、シェアしたときに意味不明の文字列に変換されるという使い勝手の悪さがあります。また、ドメイン会社が広告するようなSEO効果はほとんど期待できません。

SEO効果が期待できないとすると、ピュニコードに変換されたときの怪しいイメージなどのデメリットの方が大きく、結論としては日本語ドメインはおすすめできません。

画像出典元:Unsplash、pixabay

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