PDCAサイクルに代わる新たなメソッド「OODAループ」とは

PDCAサイクルに代わる新たなメソッド「OODAループ」とは

記事更新日: 2018/10/25

執筆: 小石原誠

ビジネスの世界では Plan・Do・Check・Act の4ステップを回していくことで業務管理しながら品質を向上していく「PDCAサイクル」という概念が広く浸透しています。

ところが近年、ビジネス環境が加速度的に変化するようになり、PDCAサイクルを回すのでは追いつけないような状況になってきています。

そこで登場したのが環境の変化にも柔軟に対応できる新たなメソッド「OODAループ」です。

今回はOODAループについて、その成り立ちとビジネスメソッドとしての使われ方について解説していきます。

OODAループとは

OODAループは戦場生まれのメソッド

OODAループは、状況の変化を見極めて判断を行い行動するという「即応性」が特徴となっているビジネスメソッドです。

アメリカ空軍の元パイロットであるJohn Boyd(ジョン・ボイド)氏が、自身が経験した朝鮮戦争における航空戦について分析を行い、戦場においては当初のプランに沿って動くのではなく刻一刻と変化する戦況に合わせて速やかに行動できる「意思決定の速さ」が重要だと提唱したことで生まれた、言葉通り「戦場生まれ」の実戦的な理論です。

OODAの4ステップ

OODAループは、「Observe:観察」「Orient:情勢判断」「Decide:意思決定」「Act:行動」の4つのステップで構成されています。

これらを分かりやすく例えるならば、サッカーの試合で選手がボールをもった際の状況にとても似ています。

サッカー選手はボールをもった瞬間に味方や相手選手の位置などの状況を「観察」し、攻めるべきか引くべきかの「情勢判断」をします。その上でドリブルで抜くか、あるいは味方選手にボールをパスするかなど具体的なプレーの「意思決定」をし、実際の「行動」に移します。

リアルタイムで進行し常に状況が変化しているサッカーでは、選手それぞれがOODAループを回して状況に合ったプレーを行っているということができるのです。

 

各4ステップで重要なこと

それでは、各ステップの詳しい内容とビジネスにおける例を見ていきましょう。

Observe:観察

OODAループの最初のステップは「Observe:観察」です。

自分たちが行動を起こそうとしているフィールドについての環境を分析する外部観察と、自分たち自身の状態を把握する内部監察との双方を行うことで、自分たちが置かれている状況を理解します。

例えば事業を行おうとするときには、競合他社の情報、マーケットの動向、法令などのルールによる規制、あるいは研究開発が進んでいる技術など、自分たちの事業に関係するであろう情報を俯瞰的に把握することで、自分たちの置かれている状況を見極めます。

加えて、自分たちが持っている人・物・金といった経営資源の状態などの内部の状況も把握しておくことも必要となります。

Orient:情勢判断

観察の結果に基づき速やかに「Orient:情勢判断」を行います。

自分たちの目標は何かを念頭に置き、最終的にそこに到達できるようにどのような道筋を立てればいいかを判断します。

例えば、強力な競合他社がいる場合、「競合他社に打ち勝ちマーケットを支配する」か「競合他社との争いを避けてニッチな層にサービスを提案していく」かで、その後にとるべき行動が変わります。

「Observe:観察」した情報を元に、自分たちの方向性を決定する必要があります。

Decide:意思決定

情勢判断が行えたならば、具体的にどのように行動をとるかを決める「Decide:意思決定」を行います。

競合他社に真っ向勝負を挑むのであれば、例えばサービスを一気に市場に広めていくために低価格戦略を採用したり、他社にはない革新的な技術の開発を目指したりと様々な取り組み方があります。

そうではなくあくまでニッチな層を狙った新たなサービスの開発を目指すのであれば、まずはそういった顧客層が必要としているサービスについて調査・検証を行ったり、試験的にサービスを提供して反応をみるなどの取り組みが考えられるでしょう。

方向性に合致する様々な選択肢がある中で、自分たちがとれる具体的な行動を決定していきます。

Act:行動

どのような行動をとるか意思決定をしたならば、すぐに行動に移します。

この際、行動しながら、あるいは行動の結果により、周りの環境や自分の状態などといった状況がどのように変化し続けているのかを認識しなければいけません。

もし行動により思ったような成果が得られなさそうな場合、あるいはふたたび状況が大きく変化してしまった場合には、また新たにOODAループを回して対応する必要が生じるからです。

PDCAサイクルとOODAループの比較

PDCAサイクルとOODAループそれぞれを端的に表すと、PDCAサイクルは「計画ありき」で、OODAサイクルは「状況(の変化)ありき」のメソッド、と言うことが出来ます。

PDCAサイクルの特徴と弱点 

そもそもPDCAサイクルは、生産管理や品質管理を目的として使われるビジネスメソッドです。あらかじめ練られた計画に沿ってサイクルを最後まで動かしていくなかで、問題点等を把握し改善点を編み出し、次サイクル以降の計画に反映させていきます。

ビジネスが安定して動いてくれていれば、PDCAサイクルを回していくことにより理論上は常にクオリティを上げていくことができるようになっています。

一方で、PDCAサイクルの計画は大きな状況の変化があることを想定しない上に、一度動かし始めたら完遂する必要があるために、状況が大きく変化した場合であってもその変化に対して素早い対応ができない、という弱点があります。

OODAループの一番の強みは即応性

OODAループは先述のとおり「状況(の変化)」ありきで動くビジネスメソッドであり、状況の変化に即時に対応できる「即応性」が一番の強みです。

またPDCAサイクルの場合は計画策定がトップダウンで行われるのに対して、OODAループの場合は状況の変化に直面した際の速やかな判断・意思決定・行動がカギとなっており、これらはトップダウンではなく現場で動いているパーソンにも求められます。

そのため「上からの指示を待つのではなく自分で意思決定できるようになる」という人材育成の観点からもメリットがあります。

OODAループはベンチャー企業に有効なメソッド

情報化社会の発展によりビジネス環境が流動的かつスピードをもって変化するようになってきた現代においては、環境の変化への対応の速さがビジネス展開におけるキーポイントのひとつとなっています。

特にこれまでにない新たな商品やサービスを生み出そうとするベンチャー企業の場合は、内外で状況が刻一刻と変化するだけでなく、突然不測の事態が発生してしまう場合も多くあるので、これらの変化に応じて即座に対応するOODAループが非常に有効なメソッドといえます。

まとめ

今回はPDCAに変わる新たなビジネスメソッドとして「OODAループ」をご紹介しました。OODAの最大の強みは変化への対応です。

常に状況をよく観察し、方向を決めたら計画よりもまず行動をします。その結果生じる新たな状況の変化を掴み取りましょう。

ベンチャー企業のバリューは「スピード」でしかありません。迅速な行動と顧客の観察を忘れずに事業を展開しましょう。

画像出典元:Photo-AC

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