「社内運動会をするけどレクリエーション保険に加入すべき?保険料はいくら?」
行事の最中に思わぬアクシデントがあって誰かがケガをしたら困りますよね。レクリエーション保険とは、行事への参加者全員のケガを補償してくれる保険です。
今回はレクリエーション保険の対象になる行事、1日あたりの保険料、補償内容、受け取れる保険金額、保険金が支払われないケースについて解説します。
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レクリエーション保険は、運動会などのイベントで参加者がケガをした時に保険金が支払われるシステムになっています。
レクリエーション行事は楽しいイベントである一方で何が起こるか分からないため、主催者は不測の事態に備えておかなくてはいけません。アクシデントが起こると主催者側の責任が問われる可能性があるからです。
そんな主催者の悩みを解決してくれるのがレクリエーション保険です。保険に加入しておけば、もしものことがあった時に通院や入院にかかる費用の一部を保険金で賄えます。
レクリエーション保険は、参加者全員を一括して補償するのが特徴。一般的な傷害保険と違ってひとつの契約で参加者全員をカバーするので、参加者個人単位では加入できない仕組みです。
また、契約者は行事主催者です。イベント前に主催者が契約を済ませておけば、当日の参加者全てが補償対象となります。
レクリエーション保険は、行事がある時だけ1日単位で加入できます。1日だけでなく数日間まとめての契約もできますが、キャンプなど宿泊を伴う行事は対象外です。
レクリエーション保険は、「参加者が20名以上のイベント」など人数指定があるものがほとんど。数日間に渡って行われるイベントの場合には、1日あたりの平均参加者数が決められています。
レクリエーション保険は行事種目の「危険度」によって支払う保険料が異なります。いちご狩りと運動会を比べると、運動会のほうがケガをするリスクが高いですよね。危険レベルが高いと予測される行事種目は保険料が高く設定されています。
危険レベルが低い行事種目の保険料は、1日1名あたり20円~50円程度。参加者30名のいちご狩りで保険料30円だったら、30円×30名=900円/日となります。
しかし、「最低保険料は1,000円」と指定されている場合には、最低保険料が適用され900円ではなく1,000円の支払いが必要です。
また、「参加者50名以上で5%割引」など、団体割引があるレクリエーション保険もあります。
・いちご狩り
・日帰り遠足
・お花見
・いも掘り
・保育園、幼稚園主催のクリスマス会
・バーベキュー
・バドミントン
・もちつき
・町内清掃 など
危険レベルが中程度の行事の保険料は、1日1名あたり125円~250円くらい。50名が参加する運動会で保険料150円の場合には、150円×50名=7,500円/日です。
・運動会
・日帰りキャンプ
・船を使わない魚釣り
・アスレチック
・軟式野球
・マラソン
・市民、学童による防災訓練
・陸上競技
・ライン下り など
危険レベルが高い行事種目の保険料は、1日1名あたり250円~500円。参加者50名のお祭りで保険料300円なら、300円×50名=15,000円/日となります。
・山車や神輿を使うお祭り
・空手
・サーフィン
・サッカー
・ボクシング
・ラグビー
・スキー
・相撲 など
危険レベルは保険会社によってランク付けが多少異なります。また、ここであげた種目例以外でも対応してもらえるものがあるので、レクリエーション保険を検討している方は直接保険会社に問い合わせてください。
参加者がレクリエーション中にケガをした場合には、通院保険金や手術保険金が受け取れます。ただし、レクリエーション保険が適用されるのは、現地で集合してから解散するまでの期間のみ。自宅と集合場所の往復路は適用外となることが多いので注意してください。
レクリエーション保険は「ケガ」だけに対応しており、「病気」は含まれません。そして、行事参加中に突発的な事故が起きた場合に限って保険金が支払われます。
原因がレクリエーション中だとハッキリしていて、原因となった事故からケガまでの過程が直接的であるという条件を満たさないと保険金がおりない可能性があります。
レクリエーション当日よりも前から患っていた持病が悪化した場合などは、補償の適用外とみなされるでしょう。
イベントでは参加者以外の見学者などがケガをする危険もあります。レクリエーション保険は参加者だけが対象なので、第三者への補償が必要な場合には特約を付けましょう。
第三者にケガをさせた、他人の物を壊した…などが対象になるのが、「賠償責任保障」です。ケガの治療費用や物を壊した損害を埋め合わせるために必要な費用を負担します。
レクリエーション保険はケガだけを補償するものなので、熱中症や食中毒は対象外です。でも、イベントに参加した人が熱中症や食中毒になるのはよくあること。熱中症や食中毒も対象になる特約を付けておけば、いざという時の備えになります。
保険金を受け取るために故意にケガをしたと判断された場合には保険金が支払われません。もしくは、保険契約者、被保険者、保険受取人に重大な過失があった時も対象外です。
レクリエーション保険は、意図せず起こってしまった事故による突発的なケガだけを対象としています。使われていた物品に明らかな欠陥があったことが原因で参加者がケガをした…などのケースでは保険金がおりないでしょう。
イベントとお酒は縁の深いもの。みんなで集まってお酒を飲みながら楽しむレクリエーションもありますよね。でも、酔っぱらって自動車事故を起こした場合は保険金が出ないので注意してください。
お酒以外に薬物や無免許運転も同様で、正常な運転ができない恐れがある状態で自動車などを運転して事故を起こした場合は対象外です。
レクリエーション保険は、予定していた行事内容を行っていて事故が起きた場合に限って保険金が支払われます。
そのため、予定外の闘争行為(喧嘩)、自殺行為、犯罪行為によるケガは対象にはなりません。参加者同士のトラブルで喧嘩になって大ケガをしても保険金は出ないので気を付けましょう。
レクリエーション保険は、体の外側からの原因によるケガのみが対象です。つまり、体の内側(病気や妊娠など)に原因があると認められた場合には保険金が支払われません。
具体的には脳疾患、心神喪失、妊娠、出産、早産、流産、外科的手術やその他の医療行為などが原因のケースです。
例えば、行事前に骨折の外科的手術を受けていて、転んだ時に治りきってない骨折跡を再び痛めてしまった場合には対象外になるということです。
レクリエーションを行っている際に、首が痛む「むちうち症」や「腰痛」になっても、医学的所見がないと保険金の支払いを受けられないので注意が必要です。
むちうち症や腰痛は、痛みがあっても検査結果や診察結果で「医学的所見なし」と医師に判断されることがあります。その場合は保険金はもらえません。
地震やそれによって起こった津波、火山の噴火といった自然災害や、外国からの武力行使が行われる、戦争、内乱、暴動などよってケガをした場合は保険金は支払われません。
レクリエーション保険に加入していれば、ケガの治療のために通院した時に通院保険金が支払われます。通院保険金は「事故発生日から180日以内」と制限があるので、指定された時期を超えると通院保険金は支払われません。
通院保険金は通院保険金日額に通院日数をかけた金額になりますが、通院保険金日額は1,000円~3,000円程度です。また、「通院日数は90日まで」と決められています。
「通院保険金日額」×「通院日数」
ケガの治療で手術が必要になった場合には、手術保険金を受け取れます。入院保険金日額は1,500円~3,000円くらいです。
(1) 入院して受けた手術の場合
「入院保険金日額」×「10」
(2) 入院せずに受けた手術の場合
「入院保険金日額」×「5」
手術保険金は「事故当日から180日以内」と日数の縛りがあり、1事故につき1回の手術までしか保険金が出ません。
(1)と(2)の両方の手術を受けた場合には、(1)を1回受けたとカウントされます。例えば、入院手術2回+日帰り手術1回で合計3回の手術を受けても、支払われる手術保険金は(1)の「入院保険金日額」×「10」のみです。(※あいおいニッセイ同和損保の場合)
ケガが原因で入院が必要になった時に支払われるのが入院保険金です。「事故発生日から180日以内に入院した場合が対象で、入院日数の上限は180日」と日数の指定があります。
そのため、200日間の入院をしても、レクリエーション保険から支払われる保険金額は180日分だけです。入院保険金日額は1,500円~3,000円ほどです。
「入院保険金日額」×「入院日数」
事故によるケガが原因で後遺症が残った時には、後遺障害保険金が受け取れます。死亡・後遺障害保険金額は200万円~1,000万円です。
後遺障害保険金は「事故が起きてから180日以内」に後遺症が確定した場合のみで、約款所定の後遺症に限られるので気を付けてください。
「死亡・後遺障害保険金額」×「約款所定の保険金支払い割合(4~100%)」
事故当日から180日以内に死亡者が出た場合には、レクリエーション保険から死亡保険金が支払われます。
「死亡・後遺障害保険金額」の全額
死亡・後遺障害保険金額は200万円~1,000万円ほどですが、注意が必要なのは後遺障害保険金と死亡保険金の合算額は死亡・後遺障害保険金額が上限だということ。
後遺障害保険金で「死亡・後遺障害保険金額」×「100%」の金額を受け取っている場合には、死亡しても死亡保険金は0円です。
後遺障害保険金で「死亡・後遺障害保険金額」×「30%」の金額を受け取っていたら、死亡時に「死亡・後遺障害保険金額」×「70%」が支払われます。
これを死亡・後遺障害保険金額が500万円の例で考えると、後遺症が出た時点で150万円、死亡時に350万円の保険金を受け取ることになります。
レクリエーション大会を開催する際には、もしものアクシデントに備えておくことが大切です。レクリエーション保険に入っておけば、参加者がケガをした時に保険金で治療費の一部が補えます。
しかし、事故発生日から時間が経ちすぎると保険金支払いが遅れたり、保険金が削減される恐れがあります。そのため、事故が起きたらできるだけ早く保険金請求をしましょう。
また、レクリエーション保険はプランごとに保険料やルールが違います。契約する時には細かな部分まで確認してくださいね。
画像出典元:O-DAN
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