イベント保険とは|中止になった場合の補償はどこまで?事例を紹介

イベント保険とは|中止になった場合の補償はどこまで?事例を紹介

記事更新日: 2020/03/19

執筆: 編集部

イベント保険とはイベントに関連する損害を補償する法人向け損害補償保険の一種で、従来はイベントの事故だけに特化していました。

しかし現在ではイベントが中止になった際の損害をも補償してくれるイベント保険も誕生しています。

ここではイベント保険の補償内容や事例、保険料などの詳しい内容について解説していきます。

イベント保険とは?

イベント保険とはイベントに関連する損害を補償するもので、イベントに参加する来場者のための保険ではなく、イベント主催者の損害を補償するための保険です。

イベントの中止やイベント中の事故、またイベント施設や設備の損害補償が代表的な内容となります。

すべてをカバーしている総合的なイベント保険もあれば、イベントの中止に特化した保険、イベント中の事故に特化した保険、イベント施設や設備の損害に特化した保険があります。

イベントの中止に特化したイベント保険

イベントの中止に伴う損害を補償する保険で、イベント保険と呼ばれることもあれば興行中止保険やレクリエーション賠償保険と呼ばれることもある保険です。

イベント主催者と関係なく、突発的な原因によりイベントが開催できなくなった場合に、その損害を補償することができる保険です。

特化型の場合はイベントでの事故には対応していませんが、総合的にカバーしている保険もあります。

イベントでの事故に特化したイベント保険

イベント内での事故により出演者あるいは観客等が怪我をした場合の補償です。

イベント中の偶発的な事故による損害を補償するため、一般的に「病気」は含まれません。

イベントにて設営されたテントが倒れ来場者が怪我をしてしまった場合や、人為的ミスにより偶発的な事故が起こった場合などを補償しています。

特化型の場合はイベントの中止には対応していませんが、総合的にカバーしている保険もあります。

補償の対象となるのは?

悪天候や交通機関のマヒ

悪天候や交通機関のマヒにより、イベントが中止または延期された場合にはイベント中止が補償されているイベント保険の補償対象となります。

悪天候とは大雨や大雪、台風のことを指しているものが多いです。

またこれら悪天候に伴う交通機関のマヒ、偶発的に起こる交通機関のマヒにも対応しています。

地震や噴火、津波のような自然災害に対応しているかどうかは保険会社により異なりますので、必ず確認が必要です。

仕事中の不備で生じる事故

イベント主催者側のスタッフの職務上のミスにより生じた損害の場合にはイベント中の事故が補償されているイベント保険の補償対象となります。

例えばライブイベント時に誘導ミスがあり事故が発生した場合などが挙げられます。

運営上の不備による事故

イベント運営のために設営されたテントが風で飛ばされ、来場者にぶつかり怪我をした際など運営上の設備に不備がある場合には、イベント中の事故が補償されているイベント保険の補償対象となります。

補償の対象とならないケースは?

資金不足によるイベントの中止

イベントの中止が補償内容に含まれるイベント保険の場合であっても、資金不足によるイベントの中止は補償対象外です。基本的に主催者側に問題がある場合は補償されません。

集客できなかった・イベント関係者の逮捕

来場者数が見込みよりも少ないためにイベントを中止する際や、イベント関係者の逮捕等をはじめとするトラブルによるイベントの中止は対象外です。

感染症の発生または発生するおそれに起因する損害

イベント中止が補償内容に含まれるイベント保険の場合であっても、基本的に感染症の発生または発生するおそれに起因するイベント中止は補償されません。

イベント中止保険が補償する内容は基本的に偶発的な悪天候や交通機関のマヒによるイベントの中止です。

一部イベント中止保険では、感染症に対応しているものもありますが、これらには指定感染症に対して補償外となる規定があります。

新型コロナウイルスは指定感染症に指定されましたので、現在では感染症に対応していたイベント保険であっても、新型コロナウイルスに関連するイベントの中止は補償対象外となっています。

テロ行為や戦争

テロ行為や戦争によるイベントの中止またはイベント内での損害はイベント保険の補償対象外です。

こんな特約を付けておくと安心

イベント保険はこれまでバラバラに加入していた施設所有(管理)者賠償責任保険や傷害保険等をイベントに特化しまとめた法人損害補償保険です。

そのため保険会社により補償内容が大きく異なります。それぞれ保険会社の補償内容を確認した上で特約を選ぶようにしましょう。

訴訟対応費用保障特約

損害賠償請求など訴訟が発生した場合に、訴訟に関する書類作成等に関する費用を補償する特約のことです。訴訟に伴う臨時的な雇用費用や交通費等も補償されます。

初期対応費用補償特約

保険で補償される事故内容について、社会通念上支払う必要のある初期費用が補償されます。例えば怪我をした際の応急手当費用や、事故現場の片付け費用などです。

飲食物危険補償特約

イベント時に提供した飲食物で食中毒が発生した場合などの補償です。

実際にいくら支払われるの?契約事例を紹介

冬スポーツ大会(2日間)の場合

開催期間2日で雪不足のためイベントが中止になった場合、テレビ放映に対するスポンサー料として1日あたり4,000万円の補償となるようです。この場合の保険料は2日間の合計で240万円です。

絵画展の場合

絵画の不着や破損によりイベントが中止した場合には、最大で1億円の補償プランを使用することが出来ます。この場合の保険料は240万円です。

大阪府の公園のお祭りの場合

開催期間1日で悪天候により総額100万円のお祭りが中止となった場合、ポスター費用は設備用として100万円の補償となるようです。この場合の保険料は10万円です。

イベント保険の入り方・保険料

イベント保険会社を探す

イベント保険に入るためにはイベント保険会社を探さなくてはなりません。

イベント保険会社は法人向け損害保険を取り扱っている会社です。大手では東京海上日動の「興行中止保険」や三井住友海上の「レジャー・サービス施設費用保険」、グット保険サービスの「イベント中止保険」などがあります。

イベント中止保険はイベントに特化しているとは言え、法人向け損害保険の一種だと考えると分かりやすいですが、各社で補償内容に大きな差があります。

そのため目的に合わせ保険会社をしっかりと選ぶことが重要となっています。

開催日の14日前までに契約

イベント中止保険では開催日の14日前までに契約を締結している必要があります。

そのため保険加入を検討する場合には、それより以前に加入保険等を詳しく精査しておかなくてはなりません。それ以降に加入ができてしまうと悪天候等ある程度正確な予測ができる可能性があるためです。

またイベント中止保険ではなく、イベントの事故に対応しているイベント保険の場合では14日と限定せず、7日前まで加入ができる等、会社により契約締結期間が異なります。

イベント保険の中でも、イベント中止保険を利用する場合には早めに契約締結を行えるようにしておきましょう。

保険料

イベント保険はイベントの中止や事故に関する内容等、補償範囲や内容をオーダーメイドで選ぶ損害保険となっている場合が多いです。

そのため保険料はイベントの規模、開催日時、開催場所、補償内容により保険料は1万円から100万円以上と大きく異なります。

東京海上日動が保険料例として挙げれているものとしては、総額費4000万円の屋外コンサートの場合で突発的な事由で中止が決定した場合、出演料や会場設営費、チケット等印刷代で最大600万円の補償を受ける場合、保険料は140万円となっています。

まとめ

ここまでイベント保険についてその種類や補償内容について詳しく説明してきました。

イベント保険と一口に言っても補償内容や条件等は保険会社により大きく異なります。そのことを理解した上で、補償内容をそれぞれ精査し加入する保険を選ぶ必要があります。

法人向けの損害補償に対する各種保険がイベントに特化しまとめられていると思うと非常に分かりやすいでしょう。

画像出典元:Pixabay

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