契約書の書き方を見本付きで解説!契約書の重要性や注意すべき点とは

契約書の書き方を見本付きで解説!契約書の重要性や注意すべき点とは

記事更新日: 2024/09/12

執筆: 挾間章子

ビジネス上の取引において契約書は必要不可欠ですが、いざ作成しようにも専門的な知識がないと、どのように契約書を作成すれば良いのか戸惑う方も多いのではないでしょうか。

インターネット上で公開されている契約書のテンプレートを利用して作成する場合も、知識がないまま流用してしまうと後々トラブルに発展するケースもあるようです。

そこで今回は、契約書を作成する際の基本的なルールや作成ポイントなどを中心に、契約書の書き方について詳しく解説していきます。

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基本的な契約書の書き方

1. 契約書を作成する目的

契約書を作成する目的は、大きくに3つあげられます。

  • トラブルを未然に防ぐ

  • トラブル発生時の法的証拠

  •  契約内容の明確化


契約は、賃貸借契約など法律によって契約書の作成が義務付けられているもの以外は、基本的に契約書を交わさず当事者同士の口約束だけでも成立します。

しかし、取引を口約束だけで進めた結果、当事者間で合意した事実内容が曖昧で、契約内容を明確に証明できずトラブルに発展するケースがあります。

こうしたトラブルを未然に防ぎ、仮にトラブルが起こった際には、契約内容を明確に証明し法的根拠となるのが契約書です。

契約書は、厳密に言えば法律上で作成方法に決まりはないため自由に作成可能ですが、一般的には、ある程度のルールに則って作成されています。

2. 契約書作成の流れ

契約書の作成・締結までの流れは、一般的に4つのステップがあります。

1. 契約内容の確認

契約書を作成する際には、まず事前に当事者間で契約する項目(具体的には、契約内容・期間・金額・条件など)に関する合意の確認が必要です。

ここで、しっかりと双方の合意が取れていないと、後々トラブルに発展するので注意しましょう。

2. 契約書(案)の作成

契約内容の確認が取れたら、当事者のどちらかが合意内容を元に、契約書のドラフト(案)を作成します。

作成の際には、次の節「契約書に記載すべき項目」に記載のある項目が漏れなく記載されているか確認しましょう。

3. 契約書(案)の確認・修正

契約書のドラフト(案)が作成できたら、再度当事者間で内容の確認を行い、場合によっては加筆・修正を行います。

締結前に、ここでしっかり確認を行わないと、締結後の修正には、別途変更契約書を取り交わすなど煩雑な手続きが必要になることもあるため、注意が必要です。

4. 契約書の作成・締結

契約書(案)の内容で最終的に合意が取れたら、契約書の作成・締結を行います。

紙の契約書を作成する場合は、当事者の数だけ製本し、各自署名欄に記名、もしくは署名と押印を行い契約が締結されます。

契約書締結後は、紙の契約書の場合は、収入印紙を貼付して印紙税を納めたり、契約内容に応じた保管期間、破棄せず保管する必要があります

3. 契約書に記載すべき項目

基本的な契約書に記載すべき内容は、以下6点があります。

1. 契約書のタイトル(表題)
2. 前文
3. 本文
4. 後文
5. 契約書作成日付
6. 住所・署名捺印



契約書ひな型出典元:弁護士法人クレア法律事務所
 
 

1. 契約書のタイトル(表題)

契約書のタイトル(表題)を決定し、文書の冒頭に記載します。

「業務委託契約書」「賃貸借契約書」など、その契約書の内容・種類が反映されたタイトルをつけるのが一般的です。

タイトルの付け方に法律上の規定はありませんが、契約の概要が把握しやすく、分かりやすいタイトルにすることがポイントです。

2. 前文

前文には、契約の当事者が誰であるのか、本文中に何度も出てくる当事者の略称の定義を記します。

法的な決まりはないですが、一般的に「甲・乙」の表記を用いることが多く、お客様を甲とし、乙を自社(事業業)と表します。

なお、前文を入れなくても契約書としての効力に変わりはありません

3. 本文(約定事項)

続いて、契約の具体的な内容を記載する本文を記載します。

本文の構成は、大きく分けて「一般条項」と「主要条項」になり、その内容は、「条」、「項」、「号」といった階層構造に記載していくのが基本です。

  • 一般条項
    契約内容に関わらず、法の基本理念に基づき取り決めておくべき条項のこと
    代用的な条項例:支払い条件、契約期間、秘密保持義務、契約の解除など
  • 主要条項
    一般条項以外の条項、その契約独自の契約条項


1つの条に対し、1つの内容記載しますが、さらに細かく区分する必要がある場合は、条の下に「項」、そして「号」と、段階ごとに下へと続く階層構造で作成していきます。

4. 後文(末文)

契約書における後文とは、契約書の締めくくりとして記載する文のことです。

後文の内容としては、一般的に「契約書の作成数」「各契約当事者の契約書の所持数」「各契約当事者が所持する契約書が原本か写しかの記載」「署名者に契約締結権がある旨の宣誓」となります。

5. 日付(契約書作成年月日)

契約書の末尾に記載する日付は、以下のいずれかの日付で記載することが多いです。

  • 契約書作成した日
  • 自社が押印する日
  • 相手側が押印すると思われる日
  • 事前に当事者間で決めた日

ただし、契約書の作成日が契約の合意日と見なされるため、契約書を作成した日付を記載するケースが一般的です。

契約書に記載された日付から契約は有効になるとみなされるため、非常に重要な箇所といえます。

6. 住所・署名捺印

最後に、当事者の略称の順に、署名捺印をする箇所を作成します。

署名捺印は当事者同士が契約に合意したことを示す意思表示にあたるため、最も重要な部分と言えるでしょう。

なお、契約書における当事者の名前を表示する方法としては、「署名」または「記名」の2種類が存在します。

<署名とは>
署名とは、氏名を当事者本人が手書き記した自筆サインのことです。
署名には筆跡が残るため、筆跡鑑定で本人であることが判明できることから証拠能力として極めて高くなります。
署名があれば捺印がなくても契約は有効ですが、契約締結の際には署名捺印を行うのが一般的です。

<記名とは>
自筆ではなく、ゴム印を使って押印した、印刷された、代筆された名前のことをいいます。
本人の筆跡が残らないため、記名のみの場合法的効力を持ちません
記名の場合は、記名+押印をすれば、署名と同等になり、その契約が有効になります。

署名捺印が最も法的効力が高く、署名、最後に記名押印という順で効力があります。

契約書を作成する場合は、基本的に署名捺印はセットで考えておけば良いでしょう。

契約書作成で押さえておきたいポイント!

1. あらゆるリスクは条項内に記載

契約書を作成する際は、契約により想定されるあらゆるリスクを洗い出し、それをカバーするような内容を記載事項として盛り込む必要があります。

契約後、トラブルに発展しないように、当事者双方で話し合いを持ちましょう。

2. 当事者間での内容確認は徹底的に

契約書を作成する際は、当事者間で契約内容を確認し合い、しっかり協議を重ねたうえで作成することが重要です。

契約書作成前、ドラフト段階、契約書作成後締結前と少なくとも3回は双方で確認を行いましょう。

3. テンプレートの丸ごと流用は避ける

最近は、インターネットで検索すれば契約書のひな型やテンプレートが公開されており、利用すれば簡単に契約書のドラフトが作れます。

しかし、そのまま流用すると、記載するべき契約条項が漏れていたり、また余計な内容が盛り込まれてしまうこともあります。

ひな型やテンプレートを使用する際は、あくまで参考程度にとどめ、自社オリジナルの契約を作成するようにしましょう。

4. 客観的に見て分かりやすい文章で作成する

契約書は、契約内容を明確にする目的があるほか、万が一トラブルが発生し裁判まで発展した場合、証拠として利用する場合もあります。

当事者しか理解できないようなオリジナルな用語や業界用語などの多用は避け、第三者が見ても内容が把握できるよう心がけましょう。

5. 法律に基づいているかを確認する

契約内容は、「契約自由の原則」によって、当事者の合意があれば、原則自由に決めることができます。

しかし、強行規定に反する契約や公序良俗に反する契約、自由を著しく不当に制限する契約などの内容が含まれている場合は法律が優先され、契約が無効になります。

もし作成した契約書の効力が有効なものであるかどうか確認したい場合は、弁護士など専門家に相談することをおすすめします。

6. 契約書が2枚以上になった場合は割印する

契約書の枚数が2枚以上にわたった場合、契約書の改ざん防止のため、各頁に割印を押しましょう。

割印は、下記のように複数枚それぞれ少しずらした状態にして重ね、契約書に捺印する全員で、またぐようにして押すのが一般的です。

7. 電子契約を利用できるか確認する

ここまでは、基本的に紙の契約書に関して解説してきましたが、リモートワークが定着したここ数年で、爆発的に導入が進んでいるのが、電子契約サービスです。

不動産に関わるものなど契約内容によっては、紙の契約書を作成しないといけないものもありますが、電子契約を利用できる契約内容であれば、移行するということも選択肢の1つになるでしょう。

メリットとしては、リモートワークでも契約締結ができる、コスト削減(収入印紙不要)、保管場所が不要になるなど挙げられます。

自社の契約業務を効率とコスト面から見直したいと考えている企業は、電子契約も検討してみることをおすすめします。

より詳しく電子契約サービスについて知りたい方は、以下の記事や無料の資料をご確認ください。

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おすすめの電子契約サービス5選

ここからは実際に押さえておきたい有名サービスを紹介していきます!

1. 国内トップシェア!『クラウドサイン』

画像出典元:「クラウドサイン」公式HP
 

クラウドサインは日本で8万社が利用している電子契約サービスです。

同社によると日本の電子契約サービス市場で8割のシェアを占めているということですから、まさに国内シェアNo.1といえるでしょう。

クラウドサインのおすすめポイント

  • 日本最大級の弁護士ポータルサイトを持つ「弁護士ドットコム」が運営
  • タイムスタンプが標準搭載され万全のセキュリティ対策
  • 取引先が押印・署名を忘れないよう確認依頼メールが送信される
  • 取引先がアカウント取得することなく契約締結可能

 

クラウドサインの料金プラン

  Standard Standard plus Business 
月額固定費用(税込) ¥11,000 ¥22,000 ¥110,000
送信件数ごとの費用(税込) ¥220 ¥220 ¥220
ユーザー数 無制限 無制限 無制限
主な機能
  • 書類の作成・送信
  • 電子署名+タイムスタンプ
  • テンプレート作成・管理

 

(Standardの機能に加えて)

  • 紙の書類のインポート

(Standardの機能に加えて)

  • アカウント登録制限
  • IPアドレス制限
  • 承認権限設定
  • 電話サポート

 

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2. 最適な契約管理をワンプラットフォームで「ContractS CLM(旧:Holmes)」


画像出典元:「ContractS CLM」公式HP

 

特徴

ContractS CLMは、電子契約締結だけでなく、契約の作成・相談・承認・締結・更新管理をワンプラットフォームで行える上に、Word編集機能やナレッジマネジメント機能なども備えており、契約プロセス全体の効率化を実現できるシステムです。

電子契約サービスを利用したい場合だけでなく、「紙と電子の契約書両方の管理を行いたい」、「システム導入によって契約関連業務すべてを効率化したい」などといった本格的な導入を考えている企業に向いているサービスです。

料金プラン

プラン 費用 アカウント数 特徴
Standard 初期費用+基本料金 無制限 テンプレート、電子締結、契約管理など
Professional 初期費用+基本料金 無制限 Standard+シングルサインオン、API対応
Enterprise 要相談 課題にあわせて個別見積もり


上の表のとおり、プランは3種類あります。キャンペーン期間中であれば、初期費用と基本料金以外は原則費用は発生せず、電子締結料は0円/件です。

契約期間は1年単位。料金の詳細はお問い合わせをする必要があります。

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3. 送信料が無料!「freeeサイン」

画像出典元:「freeeサイン」公式HP
 

特徴

「freeeサイン」(旧:NINJA SIGN by freee)は、Googleドキュメントを使用することで、テンプレートやドラフトの編集をシステム上でできる機能がとにかく画期的です。

自社で修正した箇所は履歴として自動保管されるなど、ワードファイルでは実現不可能な効率化を実現してくれます。

他社サービスと比較検討してfreeeサインの導入を決めるユーザーが90%を占めており、人事部のみが契約書を確認できるようにする、といった”フォルダ権限設定”ができることが、ユーザーに高く評価されているポイントです。

ただし無料プランで送信できるのは月に1通まで、Lightプランでは送信数無制限・送信料0円で4,980円(税込5,478円)/月という料金ですが、これは1アカウントの利用料金なのでこの2点は注意が必要です。

現在、対応言語は英語とベトナム語があります。

料金プラン

プラン 初期費用 月額固定費用 機能
無料 0円 0円 基本機能のみ
スターター
(個人事業主向け)
0円 980円
(税込1,078円)
Freeプランの機能
+公式テンプレート/タイムスタンプ
Light 0円 4,980円
(税込5,478円)
API連携オプション
選択可能
Light Plus 0円 19,800円
(税込21,780円)
Wordテンプレート
登録等追加
Pro お問合わせ 50,000円~
(税込55,000円〜)
ワークフロー機能追加
Pro Plus お問合わせ 120,000円~
(税込132,000円〜)
全機能、全オプションが利用可能

 

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4. 国外でも広く使われる「DocuSign」


画像出典元:「DocuSign」公式HP

特徴

DocuSignは、国外でも広く使われている契約締結システムです。米国をはじめ世界各国における文書の法的有効性を保証できます。

ネットが繋がっているデバイスであればいつどこでも署名ができ、「DocuSign」のクラウド上で保存されます。契約締結に必要な工程の大部分を行ってくれるため、ペーパーレスだけでなく時短や業務改善の期待ができます。

また、契約書の締結工程で通知設定なども行えるので返送された契約書の処理や締結先の連絡を忘れず、管理面も優れています。

文書への署名のみが必要な場合は、無料のドキュサインプランが利用できます。署名できる文書の数に制限はなく、署名した文書はドキュサインの安全なクラウドストレージに保管され、いつでも簡単にアクセスできます。

料金プラン

プラン 月額費用 ユーザー数 特徴
無料版 $0 機能は文書への署名のみ
Personal(個人向け) $10 シングルユーザーのみ 基本的機能搭載
Standard
(企業向け)
$25/1ユーザー 5名以上で利用したい場合はお問い合わせ 通知メールや署名用画面のカスタマイズ機能等が追加
Business Pro
(企業向け)
$40/1ユーザー 5名以上で利用したい場合はお問い合わせ 一括送信機能・支払い機能など高度な機能が追加
高度なソリューション お問い合わせ お問い合わせ Business Proの全機能に+α

 

 

5. 契約書ごとに署名方法が選べる「電子印鑑GMOサイン」


画像出典元:「電子印鑑GMOサイン」公式HP

特徴

「電子印鑑GMOサイン」は、16万社以上の企業のITインフラを支えるGMOが運営している電子契約システムです。20年以上日本のインターネット基盤を支えている企業ならではの充実機能には定評があります。さらに弁護士監修の点も安心です。

また電子印鑑GMOサインはトップレベルのセキュリティを誇る電子契約システムです。一つひとつの契約データごとに暗号化して保管していたり、契約データのバックアップも毎日行っているので、重要な書類を安全に取り扱うことができます。

お試しフリープランは無料で利用できるので、まずは試験的に使ってみて、その後導入を検討してみるのが良いでしょう。

料金プラン

「契約印&実印プラン」は月額利用料9,680円(税込)で利用できます。

詳しいサービス内容・料金を知りたい方は、資料チェックできます。

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まとめ

契約書は契約に対し双方が合意したという、客観的で有力な証拠であり、ビジネス上必要不可欠なものです。

また、最近では紙の契約書だけではなく、電子契約という形態も企業内に浸透しつつあります。

いずれの場合も、正しい作成方法に基づいて作成していけば、トラブルなく契約締結・履行することができるでしょう。

また、もし契約書作成において不安が残る場合は、是非行政書士や弁護士など専門家に相談し、自社にとって損害のない契約締結ができるようにしていきましょう。

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画像出典元:PhotoAC

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