ベンチャー版「しくじり先生」|有名企業の転落とその後

ベンチャー版「しくじり先生」|有名企業の転落とその後

記事更新日: 2020/02/03

執筆: 大野琳華

自動洗濯折りたたみ機のセブンドリーマーズラボラトリーズ、即時換金アプリ「CASH」を運営していたバンクなど、一時期名前をよく聞いてたあの会社、今はどうしてるんだろう…?

そんな疑問にお答えします!

この記事では、以前注目されていたベンチャー企業5社のその後を徹底調査しました。

1.セブンドリーマーズラボラトリーズ

自動洗濯物折り畳み機「ランドロイド」で一躍注目を集めたセブンドリーマーズラボラトリーズ。

テレビにもたびたび取り上げられ、パナソニックや大和ハウス工業など大手企業も出資者に名を連ねた。

調達総額は設立わずか3年で、100億円超。国内屈指の有名スタートアップだった。

その現在はというと…?

なんと2019年4月に経営破産。負債額は22億5千万円。なぜこのような事態となったのか。

注目されたランドロイドはすべすべした素材の衣類を折りたたむことができなかった。

この問題を解決するための技術開発が予想以上に難航。商品化実現には至らなかった。

 

さらに、同時並行で進めていた、いびき予防の鼻腔チューブ「ナステント」事業にも問題が発生した。

2017年初め、利用者が睡眠中にナステントを誤飲。これにより自主回収に追い込まれた。

その後、ナステントを使うには医療機関の処方指示書が必要になったため、売り上げは落ち込んだ。

 

唯一、うまく収益化できていたのがゴルフシャフト事業だ。

ゴルフクラブの棒部分、シャフトの完全オーダーメードが売りとなり、人気を集めた。

しかし2018年11月に突然、事業を譲渡。

譲渡先は創業者、阪根信一氏の父親が経営するI.S.Tだった。

 

売上高は最も高くて年間7億円。

華々しいメディア出演とは裏腹に、常に資金繰りに苦しんでいたことがわかる。

2.バンク

即自換金サービス「CASH」後払い旅行サービス「TRAVEL.Now」を運営しているバンク。

特にCASHは、取り引きしたいアイテムの情報を入力し、撮影するだけで、すぐに現金化できるといった斬新さが話題を呼び利用者が殺到。

わずか16時間半ほどで、キャッシュ機能が停止する事態となった。

そんなバンクの現在とは…?

バンクは2019年9月にチームを解散。

理由については「さらなる成長には相当な努力と時間が必要だ」とした。

事業については他社に売却し、サービスを継続するとしている。

バンクは2017年2月に設立後、同年10月にはDMMが70億円で買収した

しかし、わずか1年後の2018年11月には創業者の光本勇介氏がMBOを実施。

わずか5億円で全株式を取得した。

またDMMはバンクを子会社化した際に、20億円の運転資金を貸し付けていた。

これについてはMBO時、光本氏がバンクでサービスを継続させていき、5年間で返済する予定であったが、5年たたずしての解散となっている。

現在、光本氏は2008年に創業したオンラインショップ制作サービス「STORES」を運営するヘイの取締役、ストアーズ・ドット・ジェーピーの取締役会長として活躍している。

3.VALU

ビットコインを用いてユーザー同士で自由に支援しあえるサービス「VALU」。

自分の価値を「VA」として売り出し、支援者はビットコインでVAを購入するシステムだ。

2017年5月にリリースされるや否や、堀江貴文氏が注目し、SNS上で話題に。急激にユーザー数を伸ばした。

またヒカルなどのYouTuberがVALUに参加、高騰したタイミングで売却したことでいわゆる「売り逃げ」を行ったとし、一時騒動になった。

そんなVALUの現在は…?

VALUは2020年3月末で暗号資産カストディ業務にかかわるサービスを停止すると発表した。

VAの売買自体は3月2日13時に終了する。

その大きな原因が2019年5月に可決された改正資金決済法。

これにより暗号資産を管理するだけでも、ユーザーに本人確認義務や分別管理義務が適用されるようになった。

これを受けVALUは関係各所と対応を検討したものの、ついに断念することとなった。

なお運営会社自体は今後も存続し、抜本的な事業転換を行うとしている。

4.AnyPay

2016年6月に設立されたAnyPay。

割り勘アプリの「paymo」やオンライン決済サービス「paymo biz」を開発した。

特にpaymoのコンセプトムービーはその高すぎるクオリティで話題を呼び、YouTubeで250万回以上再生された。

そんなAnyPayの現在とは…

AnyPayは2019年5月に「paymo」を正式終了、2020年3月には「paymo biz」を終了させると発表した。

「paymo」終了について、AnyPayは「経営方針の変更」を理由とした。

しかしプリペイドカードを発行していないことから、他社の類似サービスと比べ、使えるお店が限られていたことも関係しているのではないかと推測される。

「paymo biz」については「サービスを取り巻く市場環境や今後の事業展開を踏まえた結果」としている。

類似サービスの中でも手数料が低く、使いやすかったことからサービス終了を嘆く声がSNSであがった。

現在、AnyPayはキックボードのシェアサービスに挑戦。実証実験を進めている。

またインドではカーシェアプラットフォームに対して車両の供給を開始している。

5.ライフロボティクス

2007年に創業されたライフロボティクス

ソフトウェアに比べ、多額の資金が必要で事業化が難しいとされるハードウェア産業において、協働ロボット「CORO」を発売。

腕部分を伸縮させることで、省スペース化を可能にした。

吉野家が食器洗浄のためにバックヤードに試験導入するなど、大手企業からも注目されていた。

そんなライフロボティクスの現在は…?

2018年にライフロボティクスは工場の自動化に取り組むファナックに買収され、完全子会社となった。

さらに、その4か月後には「CORO」を生産中止、回収した。

当初、ファナックは「CORO」を高く評価し、量産に取り組もうとしていた。

しかしライフロボティクスには品質管理を専門としたチームがなかったために、品質面でファナックの審査基準に到達していなかった。

信頼性確保のためにも、ファナックは「CORO」の生産中止、回収に踏み切ることとなった。

現在まで「CORO」は再販売に至っていない。

創業者の尹祐根(ユン・ウグン)氏は創業前に働いていた産業技術総合研究所に復職している。

まとめ

上記5社はいずれも厳しい結果となった。

成功には運などさまざまな要素が絡み合うが、失敗は原因が明らかだ。

自社の経営を振り返る際に、他社の失敗も参考にできるのではないだろうか。

出典
pixaboy

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