TOP > 起業 > 起業の準備 > PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の法人口座開設の審査はゆるい?実態と評判を徹底調査!
法人口座の開設は個人に比べ審査が厳しいのですが、一般的にPayPay銀行は審査がゆるいと言われています。
では本当にPayPay銀行の審査はゆるいでしょうか?
今回はPayPay銀行で法人口座を開設するときの審査、また特徴や評判、口座開設の手続きについて詳しく説明していきます。
このページの目次
まず最初にPayPay銀行の法人口座の特徴を解説します。
法人が口座を利用する際、大手銀行などは口座の使用料金がかかります。たとえば三井住友銀行の場合、月額利用料は2,160円です。
それに対して、PayPay銀行は法人口座を月額無料で利用することができます。
これは、店舗がないため人件費がかからないネット銀行ならではの大きな強みだといえます。
PayPay銀行は振込手数料が安いのも特徴のひとつです。ただこれはメガバンクと比較したときの話です。
下の表からも分かるように、楽天銀行など他のネット銀行と比べるとわずかに手数料は高くなっています。
PayPay銀行 | 楽天銀行 | 三井住友銀行 | |
月額基本料 | 無料 | 無料 | 2,160円 |
振込手数料 |
同行内:54円 他行宛 |
同行内:51円 他行宛 |
同行内 他行宛 |
店舗 | 無し | 無し | 約420店舗 |
開設までの日数 | 10日〜2週間 | 2週間程度 | 2週間程度 |
ただもう一点、PayPay銀行の振込手数料について知っておきたいのは、「優遇手数料」の存在です。
これは、PayPay銀行の前月平均残高が3,000万円以上だった場合、振込手数料が優遇されるというものです。
PayPay銀行あての振込と他行あての振込の毎月合計5回までが無料になります。
PayPay銀行はコンビニや銀行の提携ATMで、毎月1回目の入・出金の手数料が0円で利用できます。さらに、2回目以降の場合でも3万円以上の利用は毎回手数料が0円です。
3万円未満の場合は手数料がかかります。
ゆうちょ銀行の場合は324円、それ以外の提携ATMの場合は162円です。
ネット銀行の不安なところは店舗がない点ですが、コンビニと三井住友銀行・ゆうちょ銀行と連携しているため、いつでもどこでも入出金ができるのはとても安心感がありますね。
3万円以上なら常に手数料無料というのも、かなり魅力的な特典です。
PayPay銀行では、口座開設すると無料で使用できる「トークン」というセキュリティーサービスがあります。これは取引をするときに本人認証として、1度きりしか使用できないパスワードが表示されるものです。
振込や登録情報を変更する時などの重要な取引の際、それを行うのが本人なのか確認するため、トークンに6桁の数字がパスワードとして表示されます。このパスワードは1回きりの使い捨てパスワードなので、再利用ができません。
セキュリティ面でも安心できる仕組みとなっているといえます。
PayPay銀行は、個人事業主向けに一般的に発行の手続きが面倒な「屋号付きの口座」がネットから簡単に申し込みが可能です。
フリーランスや個人事業では個人名の振り込みよりも屋号のほうが、お互いに安心して振り込みができます。しかし、屋号の名前で口座を作るときはさまざまな手続きが必要です。
一方、PayPay銀行は用意する書類が少なく、簡単に口座を作れるのでおすすめです。
PayPay銀行の法人口座、あるいは個人事業主向けの口座を持つことで、PayPay銀行のビジネスローンを利用することができます。
最低金利4.8%で、最大500万円のローンを受けることができます。
PayPay銀行はビジネスアカウント1つで、最大20の口座が持てます。それぞれの口座に管理者、承認者、作成者の権限を与えることができるので、口座によっていろいろな目的に使い分けることができます。
法人口座の利用目的としてよくあるのが従業員への給料振込ですが、PayPay銀行ではCSVフォーマットで振込宛を指定し、1回あたり最大3,000件の振込をまとめてできます。
このように、法人ならではのさまざまな使い方が可能なところもPayPay銀行が法人におすすめのポイントです。
Pay-easyマーク
PayPay銀行では、税金や公共料金などの支払いが銀行やコンビニまで行かずにできます。
税金や公共料金の支払い用紙に「Pay-easy」マークがあれば、PayPay銀行のマイページのPay-easyページから自宅やオフィスにいながらパソコンやスマートフォンから支払いが可能なのです。
また、Pay-easyは24時間いつでも利用でき、さらに一部を除いて支払手数料が無料なのでコスト削減にも役立ちます。
正直これを使わない手はないですね!
このように、PayPay銀行には料金の安さ以外にも多くの特徴があります。
利用可能な特典やサービスをしっかりと理解して上手に活用しましょう。
PayPay銀行は満15歳以上であれば個人・法人・個人事業者の普通預金口座の開設が可能です。申込みページから、必要書類を確認して準備を行います。
法人口座を開設するときは、口座開設に必要な書類を郵送する必要があります。この提出書類をもとに口座開設できるかどうかの審査が行われます。
どのような書類を準備・提出するかはあとから解説します。
書類提出が完了し、無事に審査を通っていた場合は、キャッシュカードとトークンが送られてきます。書類を提出してから届くまで約10日~2週間ほどかかります。
届いたらインターネットから初期設定をしましょう。この初期設定を行わないとATMからの出入金などが行えません。
状況によって多少変わりますがPayPay銀行法人口座の開設で必要な書類を解説します。
必要書類の提出の前に、一度Webで必要事項の記入を行うのですが、その際にこの「履歴事項全部証明書」が必要となります。
履歴事項全部証明書とは法人登記した内容を証明する書類のことで、法務局から取り寄せます。
履歴事項全部証明書の取り寄せ方については、以下の記事で解説しているので参考にしてください。
PayPay銀行の法人口座開設の場合、印鑑の届け出が必要になります。必要なのは代表者の実印と銀行印です。
そして、印鑑の登録が済んだら印鑑証明書を取得しておきましょう。
会社の印鑑については以下の記事で解説しています。
手続きを進める途中で指定されるフォームを利用します。
以下のうちいずれか1点を用意してください。
業務内容などを確認するための資料です。
のちほど詳しく説明しますが、審査の通過に関わってくるので非常に重要な資料です。
法人番号を確認するための資料が必要になる場合があります。必要かどうかは、PayPay銀行のサイトで確認ができます。
法人口座を開設するためには審査が必要で、この審査が通らなければ口座を作ることができません。審査に通らなかった場合も、どうして通らなかったのかその理由を教えてもらえません。
ここでは、PayPay銀行の審査を通過するために知っておきたいポイントを紹介します。
これがPayPay銀行の審査の最大の特徴だといえます。
ネットバンク・メガバンクかかわらず、他の銀行の法人口座開設では固定電話を契約していなければ審査に落とされます。
しかしPayPayに限っては携帯電話でも申し込みが可能です。
会社設立後まもなくは固定電話を契約する余裕がないことがほとんど。固定電話なしで口座開設できるPayPay銀行は、創業まもない起業家にとって非常にやさしい銀行だといえます。
銀行が審査を行う理由は、詐欺などの犯罪に口座が利用されることを防ぐためです。
そのために実態を伴った信用できる会社か、というのが審査ではみられています。
つまり、
といった部分が審査に通るかどうかの差につながるということです。
法人口座開設のための審査は、会社として信用できるかどうかが審査のポイントなのです。
審査に通るためには、会社の信用をアピールすることが重要です。特にネット銀行は窓口で顔を合わせて話をすることなく審査されるので、書類でのみ判断されます。
審査に通るためには必要書類をしっかりと用意することはもちろん、他にどのような点に注意したらいいのかを紹介します。
会社を設立するためには資本金1円からでも可能です。しかし、実際のところは資本金1円で起こした会社が社会的な信用を得られるかというと、難しいと判断されることが多いのです。
資本金の平均的な額は、業種や会社の規模によりますが100万円から300万円ほどだと言われています。
法人口座の審査を受ける際には、最低でも100万円程度の資本金があるのが理想です。
近年、フリーランスで仕事をする人が増えてきていることも相まって、バーチャルオフィスの存在が注目されています。しかし、法人口座を開設する場合はバーチャルオフィスでは信用を得ることが難しく、審査に通らない可能性があります。
バーチャルオフィスは価格が安く、比較的簡単に借りることができるのですが、会社の所在が示されるものではないため銀行側としては信用を得る材料にはなりません。
最近では、振り込め詐欺の拠点としてバーチャルオフィスを利用するケースもあるので、マイナスなイメージがついてしまっているという側面もあります。
PayPay銀行では法人口座を開設するために、会社実態や業務内容を確認できる書類を提出します。審査を通りやすくするためには、会社がどのような業務を行っているか証明できる材料を加えて提出することをおすすめします。
例えば、会社のパンフレットや他の銀行との取引明細などを提出することで、実際に取引を行っている会社であることをアピールできます。
法人口座を開設するためには、事業内容や事業実態を証明するための書類を用意する必要があります。その他に、事業を始めてから6ヶ月以上運営しているホームページがあれば、事業の内容や実態の確認としての審査対象にすることができます。
そのホームページが会社の名前と業務内容などの詳しい記載がなかったり、見ただけではどんな仕事をしているのか分からないものだったら、かえってマイナスイメージを与えることになりかねません。
そのようなことがないように、ホームページには最低でも以下の項目を記載しましょう。
例えば、飲食店の場合はメニューや店内の様子がわかる写真を掲載することで、実際にお店を運営していることが確認でき、信用の評価につながります。
PayPay銀行の法人口座開設の審査はゆるいと言われています。
実際のところ、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行といったメガバンクに比べれば、審査が比較的簡単なのはたしかです。
しかし他のネット銀行(楽天銀行・住信SBIネット銀行)などと比べてゆるいかというのは、一概にはいえない印象です。
ただ固定電話が不要というのはPayPay銀行だけの特徴であり、その点申し込みやすい銀行であるのは間違いないです。
PayPay銀行の特徴と法人口座開設の流れ、審査について解説してきました。
しっかり準備をしても審査に通らない可能性はどうしても残るので、必要書類をまとめて用意して複数の銀行に申し込むのがおすすめです。
今回紹介したPayPay銀行以外の銀行の法人口座開設については以下の記事で解説しているので、こちらもぜひ参考にしてください。
画像出典元:Pixabay、PayPay銀行公式HP