【例文5個】稟議書の書き方!備品購入・修理・採用|承認をとるコツも

【例文5個】稟議書の書き方!備品購入・修理・採用|承認をとるコツも

記事更新日: 2024/11/14

執筆: 桜木恵理子

稟議書は、個人の判断だけでは決められない事柄が発生した際に、上層の承認を得るために欠かせない書類です。

この記事では、稟議書の書き方や、承認を得るためのコツを詳しく解説します。

さらに、5つの例文も紹介しますので、あなたの稟議書がスムーズに承認されるよう、ぜひ参考にしてください。

稟議書とは?

稟議書とは、契約の締結や新しいシステムの導入など、個人の判断だけでは決定できない事柄について、関係者や上長の承認を得るために作成する書類のことです。

企業や組織規模が大きければ大きいほど、稟議書に目を通す人が増え、承認までに時間がかかってしまいます。

しかし、わかりやすく伝わりやすい稟議書を作成できれば、承認がスムーズになり、仕事もはかどるようになります。

 

承認を得られる稟議書の書き方

稟議書を書き始める前に、まずは承認を得るために効果的な5つのポイントを解説します。

  1. 簡潔明瞭にする
  2. 具体的なデータを用いる
  3. 得られるメリットを明記する
  4. 専門用語を頻出させない
  5. 誤字脱字・情報の誤りは厳禁

 1. 簡潔明瞭にする

承認者は、限られた時間で多くの稟議書に目を通さなければなりません。

稟議書は、以下のように5W2Hを意識すると承認者に意図や目的が伝わりやすくなります。

  • When:いつまでに実施したいか
  • Where:どの部署、部門、プロジェクトで実施するか
  • Who:誰が主体となって実施するか(担当者)
  • What:どのようなことを行うのか(具体的に実施する内容)
  • Why:なぜこの提案が必要なのか(理由・目的)
  • How:どのように実施するのか(具体的な手順・方法)
  • How much:どれくらいの費用がかかるのか(金額・コスト)

また、箇条書きやナンバリングで情報を整理し、見やすさにも配慮しましょう。

 2.具体的なデータを用いる

具体的な数字やデータを示すことで、説得力が増します。

例えば、「システム導入で、年間の人件費を500万円削減できる」など、具体的な試算をデータとして提示しましょう。

グラフや図などを活用して、視覚的に分かりやすく説明することも効果的です。

 3.得られるメリットを明記する

会社にメリットをもたらすことがわかれば、承認は得やすくなります。

定量化できる効果については、具体的な数値を用いて客観的に示すようにしましょう。

また、デメリットが存在する場合には、正直に伝え、具体的な対策を示すことが重要です。

デメリットを隠そうとすると、承認者が不信感を抱き、承認が難しくなってしまうことがあるので注意しましょう。

4. 専門用語を頻出させない

専門用語は、

現場にとっては馴染みのある言葉でも、承認者・経営層には通じないことがあります。

なるべく平易な言葉を使ったり置き換えたりすることで、読みやすさを求めましょう。

やむを得ず専門用語を使用する場合は、簡単な注釈をつけることを推奨します。

5. 誤字脱字・情報の誤りは厳禁

誤字脱字や情報の誤りは、稟議書が差し戻されたり、修正に時間がかかってしまう原因となります。

誤字脱字チェックツールなども活用し、ミスを事前に防ぎましょう。

稟議書に絶対必要な7つの項目

稟議書には以下の項目が必要です。

それぞれの項目のポイントを押さえて、抜けや漏れのない稟議書を作成しましょう。

  1. 申請日・決済日
  2. 起案部署・氏名
  3. 件名
  4. 稟議の目的・理由
  5. 金額・コスト
  6. メリット・デメリット
  7. 決裁者の記入欄

1.申請日・決裁日

稟議書を申請した日付を記載します。

決裁日はその日付から稟議の内容が有効になるため、必ず記載しましょう。

2.起案部署・氏名

稟議書を作成した部署と担当者を記載します。

どの部署の誰が作成した稟議書なのかを明確にすることで、稟議書の内容について質問や確認事項が生じたときに、担当者へすぐに連絡を取ることができます。

3.件名

件名は、見返したときにも稟議書の内容がひと目で分かるように、具体的に記載しましょう。

また、優先して承認すべき稟議書なのかどうか、件名から判断してもらえます。

4.稟議の目的・理由

なぜこの稟議が必要なのか、その目的と理由を具体的に説明します。

例えば、「市場調査の結果、新製品に対する需要が高いことが判明したため」などといったように、背景や経緯も合わせて説明するとより説得力が増します。

5.金額・コスト

金額・コストに関する情報は、承認者にとって重要な判断材料となります。

あらかじめ見積書を取り、できる限り正確な金額を記載しましょう。

予算が計上されていない場合は、現在の予算残高を記載し、残りの予算で実行できることを示します。

6.メリット・デメリット

稟議を実行することで得られるメリットと、発生する可能性のあるデメリットを具体的に記載します。

デメリットに対する対策も合わせて示すことで、稟議が却下されるリスクを軽減できます。

7.決裁者の記入欄

決裁者の記入欄は、いつ誰が決裁し、どのような判断をしたのかを明確にします。

稟議の進捗状況がひと目でわかるだけでなく、承認または却下の理由を記録することで、今後の改善に役立てられます。

そのまま真似できる例文・5パターン

そのまま使用できる例文をパターン別に5つ紹介します。

1. 備品購入

高額なものを購入する際には、備品購入の稟議書が必要です。

今回はタブレット端末におけるサンプルです。

令和〇年〇月〇日

営業部長 ▲▲様

営業部 ◆◆◆ 

営業用タブレット端末の購入について

作業効率向上のために、以下についてご検討のほどよろしくお願いいたします。

 対象製品:〇〇社製 〇〇タブレット ABC-DEF11型

 価格:1台45,000円

 数量:5台(営業部員1人1台必要となるため)

 理由・背景:営業提案の説得力を高めるための資料全てを持ち歩くことは困難。
       しかしタブレットがあれば、資料の持ち運びの負担を減らせる。
       また資料の印刷し忘れやカタログ不足などのリスクも軽減可能。
       さらにペーパーレス化を促進でき、経費削減も期待できる。

 添付資料:作業効率に関する計測データ1通
      〇〇タブレット ABC-DEF11型 カタログ

以上

 

2. 社員採用

社員を新たに採用するためには、稟議書の提出が必要です。

とくになぜ社員を採用する必要があるのかを説明することが欠かせません。

令和〇年〇月〇日

人事部長 ▲▲様

総務部 ◆◆◆ 

派遣社員の正社員登用について

派遣社員の正社員登用をお願いしたく、下記についてご検討お願いいたします。

 1. 登用予定者

  〇〇 ▼▼(XX歳)

 2. 登用理由

  ・◆◆のスキルが長けており、部署には無くてならない存在である
  ・同業での就労経験があり、自社の環境も理解している
  ・部署の同僚とも良好な人間関係を築けている      

 3. 雇用条件

  勤務地:本社
  勤務時間:9:00~18:00
  初年度年俸額:〇〇万円

 4. 入社予定日

  10月1日

以上

 

3. 新規の取引先との契約

新規事業者と契約締結する際に必要となる稟議書のサンプルです。

令和〇年〇月〇日

新規取引に関して

下記のとおり、当社との新規取引を開始したく提案いたします。

 新規取引検討先 株式会社〇〇〇

 主な事業内容 BtoBマーケティングならびに営業支援

 推奨理由   ①当社の「〇〇」サービスによって、自社の「▲▲」を効果検証できる
        ②当社の「〇〇」サービスは競合他社でも利用されている
        ③株式会社〇〇〇は売上が伸びており、経営状況も良好である     

 添付資料   株式会社〇〇〇のパンフレット
        株式会社〇〇〇からの提案資料

以上

 

4. 出張

出張する際に稟議書が必要な企業もありますので、そのためのサンプルです。

令和〇年〇月〇日

〇〇県への出張について

下記のとおり、××社が開催する会合に参加するため、〇〇県へ出張許可をお願いいたします。

 1. 日時

  〇〇年〇月〇日(〇)〇時~〇時

 2. 出張費用  

  〇〇万円(宿泊、交通費込み)

 3. 開催場所 

  〇〇県▲▲市XXXセンター

 4. 目的

  ①××社が開催する会合に参加し、交流を深めるため
  ②長年お世話になった〇〇氏が今年定年退職を迎えるためご挨拶のため      

以上

 

5. 備品修理

PCなどの機材を修理する際の稟議書サンプルです。

令和〇年〇月〇日

営業部長 ▲▲様

営業部 ◆◆◆ 

ノートPCの修理について

現在使用しているノートPCが不調でエラーメッセージが頻出します。

メーカーに問い合わせたところ、修理の必要があるようです。

そのため、下記についてご検討のほどよろしくお願いいたします。

 メーカー: 〇〇社製 ABC-DE

 修理費用: 〇〇万円

 理由: 今回修理依頼をするノートPCは共有パソコンとして、多くの情報やデータが保存され
     ており、早急な修理と復旧が不可欠であるため。

以上

 

稟議書が却下される2つの原因

ここからは稟議書が却下される2つの原因を解説します。

1. 必須の項目が書かれていない

通りやすい稟議書を作成するためには、必須項目を満たしておくことが重要です。

最低限以下の項目が含まれた内容を目指しましょう。

  • わかりやすい件名
  • 概要
  • 承認してほしい内容
  • 申請目的
  • メリット・デメリット

2. 背景や理由が十分説明されていない

2つ目の原因は、稟議書を提出する背景や理由が十分説明されていないことです。

承認者は、そこまで現場の詳細な事情を知らないことも多いものです。

そのため、このくらいは承知しているだろうという前提で、稟議書を作ってしまうと、説明不足と思われて却下されやすくなります。

部署外の人が見てもわかるレベルでまとめることが重要です。

稟議書を電子化すると楽になる?

昨今では、従来の紙での稟議書ではなく、電子化された稟議書を用いる企業も増えてきています。

紙の稟議書では承認されるまでに手間も時間もかかりますが、電子化することで承認業務を効率化することができます。

ここからは、稟議書を電子化する方法とメリット・デメリットをみていきましょう。

ワークフローシステムの導入

稟議書の電子化というと、ワークフローシステムの導入が一般的です。

ワークフローシステムとは、申請や承認などの業務フローを電子化・効率化するツールのことです。

ワークフローシステムでは稟議書のフォーマットを自由に作成でき、テンプレート化することも可能。

事前の根回しや承認フローもシステム上で行われるため、電子印鑑や承認ボタンで作業が完結します。

メリット

ワークフローシステムを導入することで、承認フローがスムーズになります。

承認者が不在で承認フローがストップすることもなくなり、申請者・承認者共に時間を有効に使えるようになるでしょう。

また稟議書が電子化されることで、ペーパーレス化が推進され、かつ過去の稟議書の検索も容易になります。

デメリット

ワークフローシステムを導入する限りは、それなりの運用コストが発生します。

オンプレミス型だと初期費用が高くなりますが、クラウド型であればコストを最小限に抑えられるサービスも選択可能です。また、承認フローや社内ルールの見直しも必要になります。

まとめ

今回は、稟議書の書き方について解説しました。

この記事で紹介した必要項目を満たすことで、承認者に伝わる稟議書を作成できるのではないでしょうか。

ただし、企業によって稟議書のフォーマットは異なる可能性がありますので、過去の稟議書などを確認しながら作成してみてください

画像出典元:O-DAN Unsplash

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