確定申告で家賃・電気代・ネット代を経費に!家事按分の仕方

確定申告で家賃・電気代・ネット代を経費に!家事按分の仕方

記事更新日: 2023/09/05

執筆: 編集部

自宅で個人事業を営んでいる皆さんは、家賃や電気代、ネット代などを経費として計上されているでしょうか。中には、「え?自宅として使っているし経費になるの?」という方もいらっしゃるかもしれません。

実は、自宅を事業に使用している場合はその使用割合によって家賃などを経費として確定申告できるのです。ただし、経費にできるのは実際に仕事で使用している分だけですので、それを按分(あんぶん)して計上する方法をとります。

それでは家事按分について見ていきましょう。

家事按分とは

家事関連費(家賃、光熱費、ネット代等)を個人用と事業用に分け、事業で使用する割合分のみ経費として計上することを家事按分(かじあんぶん)といいます。

その割合に関して決まりはありませんが、税務署にきちんと説明できる内容に比率を設定しましょう。会計ソフトによっては「家事按分」の機能がついているものもあり、家事関連費の比率を登録しておくだけで経費になる金額を割出してくれます。

まずはそれぞれの費用がどれくらい経費として計上できるかを設定していきましょう。

按分できるのは?家賃?光熱費?ネット代?

では、どういった支出が経費として計上できるのでしょうか。

まずは自宅オフィスの家賃。持ち家の住宅ローンについては必要経費になりませんが、賃貸物件であれば仕事に使用している床面積の割合で部分的に経費として認められます。

持ち家の個人事業主の場合は、家屋の減価償却費や住宅ローンの金利部分、固定資産税や火災保険などについては按分して計上することが可能です。

注意が必要なのが光熱費。事実に基づいて按分しますので、水道代やガス代については、事業で使用している場合でなければ経費にはなりません。ですので、飲食業以外の事業については水道代やガス代を按分するのは難しいかもしれませんね。電気代については、使用時間等に応じて按分の上、計上できます。インターネット料金についても、電気代と同様です。

具体的な按分の例

家賃

床面積80㎡、家賃20万、業務に使用するスペースが20㎡

20㎡÷80㎡=0.25 (家賃の25%が経費に)

20万×0.25=5万 →5万円を経費として計上可能!

電気代

電気代が年間12万、月平均の消費電力が300kwh、業務に60kwh使用

60kwh÷300kwh=0.2

12万×0.2=2万4000円→2万4000円が水道光熱費(電気代)として計上可能!

ネット代

インターネット使用料が年間8万4千円、週5日業務で使用する

5日÷7日=約0.7

84,000×0.7=58,800円→58,800円を通信費として計上可能!

引っ越し費用や敷金・礼金は?

では自宅兼オフィスを引っ越した場合の費用はどうでしょうか。

基本的に原則どおり事業に関わる分は経費で計上が可能です。ただし敷金はあとで返金されるものですので、これに関しては計上不可となります。

礼金については、金額によって扱いが変わってきます。

20万円未満(注:按分前)だと「地代家賃」として一括で経費にできます。20万円以上は「繰延資産」として、5年もしくは賃貸期間で減価償却します。調整可能な方はこの部分を自宅オフィスの選択の際の参考にしてもいいかもしれませんね。

ちなみに更新料に関しては礼金と同じ扱いとなります。

共益費については家賃と同じ按分割合で経費にすることができます。

20万未満の礼金・更新料

→支払金額×按分割合

20万以上の礼金・更新料

→5年もしくは賃貸期間で減価償却額×按分割合


また引っ越し費用についても、事業関連(什器備品、書類など)のものを運んでもらうのであれば、経費にすることが可能です。引っ越し業者の方に見積もりを出してもらう際に、事業関連のものの割合を確認してもらい、事業関連分とプライベート分を分けて領主書を出してもらうと申告の際にスムーズです。

駐車場費も経費にできるの?

駐車場費に関しては、実際に事業で使用している割合によって経費にできるかが決まります。事業で全く使用してないのであれば、当然経費にはできませんし、反対にほぼ事業で使用しているのであれば高い割合で経費として計上することが可能です。

注意点として、ほぼ事業用で使っているものの少しでもプライベートで使用しているのであれば(たまに車で買い物に行くなど)、事業割合を100%にしないで10%程度はプライベートで負担するくらい(事業割合を90%にする)だと税務調査が入った場合も安心でしょう。

まとめ

賃貸の家賃を含め生活の延長にあるものもいろいろ経費として計上できるものもありましたね。ただし、経費として計上する際の按分割合に関しては、使用事実に即して設定しないと税務調査が入った際に説明に苦しむことにもつながります。

按分割合を決めるときには、税務署に説明することを意識して設定し、賢く節税しましょう!


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画像出典元:Pexels

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