メールに添付して送ることのできない大きなデータを簡単に送受信できる、ファイル転送サービスの「宅ファイル」は、多くのユーザーに利用されていました。
しかし、2019年に大規模な個人情報が漏洩する事件が発生してから、完全にサービスが停止しています。
そのため、「宅ファイルの代わりになるファイル転送サービスを知りたい」「ファイル転送サービスを選ぶ際のポイントってなに?」と考えている方も多いでしょう。
そこで本記事では、宅ファイルの代わりになるファイル転送サービスを料金別に解説します。
このページの目次
ファイル転送サービスとは、サイズが大きく、メールでは送付できないようなファイルを専用のURLとパスワードに変換して、ダウンロードしてもらうサービスです。
クラウド上でファイルの送受信ができるため、ビジネスシーンにおいては利用頻度の高いサービスと言えるでしょう。
宅ファイルはファイル転送サービスの中でも運営期間が10年以上と長く、多くのユーザーに利用されていました。
しかし、2019年に約480万件以上のユーザー情報が漏洩したため、2020年3月にサービスが完全終了しています。
ファイル転送サービスを選ぶ際のポイントは、大きく分けて以下の3つです。
順に解説します。
ファイル転送サービスは個人使用なのか、ビジネス使用なのかで選び方が異なります。
個人用ファイル転送サービスの特徴は、以下2つです。
個人用のファイル転送サービスは、ブラウザからログインすることなく無料使用できる点が最大のメリットです。
しかし、セキュリティ面はビジネス用に比べるとレベルが低く、ファイルログの確認もできません。
一方、ビジネス用ファイル転送サービスの特徴は、以下の通りです。
ビジネス用ファイル転送サービスは個人用に比べて、セキュリティや機能面が充実している傾向にあります。
また、ログインや多要素認証を用いて管理し、ファイル転送したデータも高いセキュリティで保護します。
そのため、重要度の低いデータを個人的にやり取りする場合は個人用ファイル転送サービス、高いセキュリティで保護する必要があるケースにはビジネス用がおすすめと言えるでしょう。
ファイル転送サービスを選ぶ際は、搭載されているセキュリティ機能を確認しましょう。
セキュリティ対策が施されていないサービスを利用した場合、機密情報が第三者に漏洩する可能性があります。
宅ファイルも個人情報が流失したことを原因にサービスが終了したため、必ず確認しておきましょう。
また、ファイル転送サービスのセキュリティを確認する際は、以下のような機能が備わっているか確認すると良いです。
暗号化やIPアドレス制限など、直接的にデータを守る機能以外だけではなく、災害時もデータを守ってくれるバックアップ機能についても確認しておきましょう。
ファイル転送サービスを選ぶ場合、対応する容量について確認しておきましょう。
大きいファイルのやりとりを想定しているにもかかわらず、対応していなければ意味がありません。
例えば、ビジネス用として大きいデータの送付を考えている場合は、100GB以上の容量に対応するサービスの選択が必要です。
ただし、大きい容量のやり取りが可能になればなるほど、利用料金が高くなる傾向にあります。
予算と普段からやり取りするデータの容量を合わせて、ファイル転送サービスを選択すると良いでしょう。
有料版のファイル転送サービスは、セキュリティ対策に関する豊富な機能性が特徴です。
多要素認証やウィルスチェック、ダウンロードログの確認など、無料版よりも安心して利用できます。
そのため、ビジネス用としてファイル転送サービスの利用を考えているケースにおすすめです。
下記表は、ファイル転送サービスの金額・容量・セキュリティについて紹介しています。
金額(税込) | 容量 | セキュリティ | |
データ便(ビジネスプラン) | 月額300円or500円 | 無制限 |
|
firestorage |
|
|
|
おくりん坊 | 月額30,000円 | 200GB |
|
それぞれの特徴を解説します。
公式HP:https://biz.datadeliver.net/
データ便の有料プランは転送可能ファイルのサイズに上限がなくなり、無制限の状態でファイルのやり取りが可能です。
有料ファイル転送サービスの中でも、無制限は珍しく、どんなファイルでもインターネットに繋げていれば送受信できます。
アップロード制限も存在しないため、ダウンロードURLを取得すれば何人でも送ることが可能です。
そのため、容量を気にすることなくファイル転送サービスを利用でき、スムーズにファイルのやり取りを実現します。
データ便の有料プランの料金設定は月額300円、もしくは月額550円です。
送信機能のみが300円で、受取機能+送信機能が月額550円となります。
他の有料ファイル転送サービスと比べても月額料金は安価な設定となるため、初めてサービスを利用する方でも安心です。
また、通信は256bitのSSL暗号化通信で行い、保存ファイルの暗号化・高機能ファイアウォールが施されているため、高いセキュリティでデータを守ります。
firestorageの有料会員に登録した場合、ダウンロード追跡機能を利用できます。
ダウンロード追跡機能とは、メールグループや個人のメールアドレスを設定することで、誰が何回ダウンロードしたかを確認可能です。
そのため、アップロードファイルの不正やり取りを未然に防げるだけではなく、素早く状況を確認できます。
firestorageの無料会員は共通回線を利用してファイルの送受信を実行しますが、有料会員は独自の回線を扱えます。
共通回線の場合は、利用者数の多さに比例して転送速度が遅くなり、セキュリティが甘くなりがちです。
しかし、独自回線を利用する場合、圧倒的な転送速度とこうセキュリティ状態が維持されます。
大きい容量のファイルも素早く、安全にやり取りできるのは有料会員の特徴です。
公式HP:https://okurin.bitpark.co.jp/
おくりん坊の有料プランは、独自ドメインや独自SSLにも対応しているため、ネットワーク技術者不要ですぐにスタート可能です。
200GBのディスクスペースを自由に利用できるため、ファイル転送サーバーを介してスムーズにデータのやり取りができます。
また、1ユーザーごとに最大2GBまで自由に容量を取得できるため、細かい設定を行うことなくサービスを利用可能です。
おくりん坊の有料プランはドメインや管理画面など、自社に合わせて自由にカスタマイズできます。
バナーカスタマイズやドメイン設定など、様々なオプションが用意されているため、状況に合わせて設定可能です。
また、保存期間やダウンロード回数の指定もできるため、ユーザーごとに最適な設定を施せます。
カスタマイズを実行した後も、国内最高レベルのセキュリティを誇るデータセンターで管理しているため、安心してファイルやり取りができるでしょう。
無料版のファイル転送サービスはコストをかけずに利用できる反面、セキュリティ対策が整っていないことが多いです。
1GB以上に対応していないサービスも多いため、大容量ファイルのやり取りが難しいことがあります。
そのため、無料版のファイル転送サービスは、機密性の高いデータや容量の大きいファイルをやり取りしないケースに向いていると言えるでしょう。
下記表は、ファイル転送サービスの容量・セキュリティについて紹介しています。
容量 | セキュリティ | |
ギガファイル便 (https://gigafile.nu/) |
無制限 (1ファイル200GBまで) |
|
データ便 (フリープラン、ライトプラン) |
|
|
firestorage | 2GB |
|
おくりん坊 |
|
|
ネット便 | 2GB |
|
それぞれの特徴を解説します。
公式HP:https://gigafile.nu/
ギガファイル便は完全無料・無制限(1ファイル200GBまで)でファイルのやり取りが可能です。
使い方もオンラインストレージ上にファイルをアップロードし、変換されたURLを取得するだけのため、比較的簡単に利用できます。
また、複数のファイルをまとめて.zipとしても送付できるため、データごとに個別やり取りを行う必要もありません。
ギガファイル便では、ファイルをアップロードした際の読み込み時に自動でウィルスをチェックするため、変換する前に安全性を確かめられます。
パスワードや7日〜60日間までファイルの保持期間を設定できるため、機密性の高いデータも対応可能です。
スマホアプリも提供されているため、外出中でも手軽にデータのやり取りができるでしょう。
公式HP:https://www.datadeliver.net/
データ便はファイル受信の際に受信者本人であることを送信者が確認してからでないと受信できない仕組みとなるため、セキュリティの高い状態でデータをやり取りできます。
サーバー・通信・データ保護など、それぞれが高セキュリティを保持しているため、安心してファイルをアップロード可能です。
また、直感的な操作環境と万が一宛先を間違えてもデータが開かれることはない、高いセキュリティ状態で利用できます。
データ便の無料プランはライトプランとフリープランが用意されており、アドレス帳機能などを利用できます。
各種機能が開放されるフリープランは、簡単なアンケートに回答するだけで問題ないため、安心して利用可能です。
また、無料プランでも最大2GBまではやり取りできるため、大容量を扱わない場合には最適と言えるでしょう。
firestorageの無料プランは、ウイルスチェック機能やデータフッキュ機能など、ビジネスでも活用可能な高いセキュリティを搭載しています。
提供とサーバー管理は国産となるため、無料プランでも安心して利用可能です。
また、無料の会員登録をするだけでも容量とセキュリティレベルのアップ、海外版の利用が可能になります。
大容量のやり取りをしない場合は、会員登録だけでも問題ないでしょう。
firestorageはアップロードしたファイルをURLだけではなく、QRコードに変換できます。無料プランでもQRコード変換はできるため、画像を読み取るだけで相手に情報を送付可能です。
また、QRコードをLINEで送付することもできるため、プライベートな場面でもスムーズに利用できます。
公式HP:https://okurin.bitpark.co.jp/
おくりん坊は非常にシンプルなサイトレイアウトとなるため、初めてファイル転送サービスを利用する方でもすぐに利用できます。
会員登録不要で500MBまでファイルをアップロードできるため、個人利用としても問題ないでしょう。
また、国内でもトップクラスに高いセキュリティーを提供しているため、安心して利用できます。
おくりん坊は無料会員でも、送信履歴の確認やアドレス帳の登録など、有料プラン級の機能を利用できます。
他のファイル転送サービスでは利用できないことが多いため、おくりん坊ならではの特徴と言えるでしょう。
公式HP:https://1ne.jp/
ネット便は会員登録を行うことなく、ブラウザからすぐに最大2GBまでファイルを送受信できます。
アップロードしたファイルはSSLで暗号化されるため、高いセキュリティを維持したまま相手に送付可能です。
また、変換したURLは何人・何度でも送受信できるため、非常に使い勝手の良いサービスと言えるでしょう。
ネット便は会員登録することなく、パスワードや送受信通知の設定、ファイルの自動削除機能を利用できます。
ファイル転送サービスに必要な機能は一通り揃っており、短縮URLの発行など便利な機能も無料で活用可能です。
宅ファイルは非常に便利なサービスでしたが、他にも使いやすいファイル転送サービスは存在します。
本記事で紹介した内容を参考に、自身に合った用途や機能を備えたファイル転送サービスを利用してみましょう。
画像出典元:AC
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