ChatGPTやBardなど、最近様々なAIサービスのリリースが相次いでいますよね。
2023年2月には、メモアプリケーションサービスとして人気のNotionから、Notion AIというAI機能がリリースされました。
Notion AIとはどんな機能なのか、無料で使えるか、特徴、価格、使い方、話題のChatGPTとの違いを徹底解説します!
このページの目次
Notion AIとは、メモアプリケーションサービスのNotionの最新機能として2023年2月にリリースされたAI機能です。
Notion AIは、Notionのワークスペース内の既存のコンテンツに対して、文章の要約、ライティング、修正、アイデア出しなど、ユーザーのアシスタントさながらのサポートをしてくれます。
現段階でのNotion AIには、以下の機能が搭載されており、ドロップダウンリストから選択するだけで実行できます。
機能 | |
AIを使用して文章を作成 |
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既存のコンテンツから生成 |
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既存のコンテンツを 編集またはレビュー |
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AIでドラフトを作成 |
|
また、AI技術は研究開発が飛躍的に進んでいますが、まだアウトプットには限界もあります。
公式HPにおいても、以下のようなアウトプットにはエラーが発生する可能性を示唆しています。
Notion AIの始め方は、非常に簡単です。
既にNotionのユーザーであれば、特別な操作はいらず、Notionのワークスペースを開けば、Notion AIの無料トライアルが試せる状態になっています。
このトライアルは、ワークスペースのメンバー1人あたり20件のAI応答が無料で試せるもので、2023年4月5日までは利用することが可能です。
20件以降は、有料のNotion AIの契約が必要です。
もしまだNotionユーザーでない場合は、以下の記事にNotionの始め方の詳細がまとめてありますので、ご確認の上ご登録頂けるとNotion AIがご利用頂けます。
Notion AIの使い方は、ユーザーがワークスペース内のコンテンツに対して、どんなアシスタンスが必要かによって大きく3つに分けられます。
ここでは、それぞれの使い方を具体的な例と共にご紹介します!
既存のコンテンツの内容を改善したい場合は、テキストをハイライトして「AIに依頼」を選択し、ドロップダウンリストからオプション選択、もしくは依頼を入力します。
Notion AIを使って、既存のコンテンツの文調を変えてみましょう。
Notion AIによって文調が書き換えられた文章を比べると、比較的使えそうな文章が「堂々とした」、かなり特徴的なのが「カジュアル」です。
「堂々とした」の文章は、元の文章の「言葉があてられる」という若干稚拙な文章を「例えられ~」のようなより正式な言い回しに書き換えられました。
一方「カジュアル」の文章は、ブログやSNSなどの個人的なコンテンツであれば利用できるかもしれませんが、「Yo, check it!」から始まる文章は、個人利用でも厳しいかもしれませんね。今後の改善に期待しましょう。
「/AI」と入力し、ドロップダウンリストから選択しAIブロックを作成するか、Notion AIに何か書くよう依頼します。
ワークスペース内に作成された文章の中から、具体的にアクションを起こすタスクを自動で抽出することができます。
文章の前に、「/AI」を打ち込み、「アクションアイテム」を選択し「生成」ボタンを押すと、自動的にタスクが作成されます。
このように、文章の中から、重要なアクションアイテムを抽出してくれます。
Notion AIに、ワークスペース上に作成されている文章の要約をお願いしてみました。
文章の前に、「/AI」を打ち込み、「要約AI」を選択し「生成」ボタンを押すと、自動的に要約文が作成されます。
元々700字近い文章で記載されていた内容が、およそ200文字程度の要約文にまとめられました。
要約文は、ある程度内容の要点を抑えられているかなという印象です。
新しいページや行で「スペース」キーを押し、プロンプト入力します。
ワークスペース上に、あらかじめ今回の記事の見出しを、Notionの「ブロックタイプの変換」から見出し1で作成しておきます。
全ての見出し1を選択し、自動的に出てくる「AIに依頼」ボタンをクリックし、具体的な指示内容を記載します。
今回は、「見出し1に説明文を追加して」と入力してみました。
実際に、Notion AIによって作成された新規の説明文は、以下のような内容でした。
内容はごくシンプルで、若干正確性にも欠けているため、当然ながらこのままでは利用することができません。
ただし、指示の仕方を変えたり、より細かい条件を加えることで、もう少し深い内容に書き換えることもできます。
基本的な使い方をマスターしたNotion AIユーザーのおすすめの使い方をご紹介します!
ワークスペース内にある、表にしたい文字を縦横で整理した上でAIに依頼すると、表を作成してくれます。
ここが好きだよNotion AI
— Shin丨PM School正式リリース4/25予定 (@shin_sasaki19)March 13, 2023
いつも愛用している使い方が「文字の羅列をテーブル表示に整理」してもらうこと。テーブルにしたい文字を縦横で整理してAIに依頼するとこんな感じに出力して挿入できる。文字数が多い時ほど一瞬でDBが作れるので愛用してますpic.twitter.com/tE9BgSlEVD
気になるWebの記事をワークスペース内にコピーし、Notion AIに要約や続きを書いてもらい理解を深めることができます。
Notion AIが威力を発揮すると感じるのは「Webクリップ→AIに依頼」という使い方です。気になる記事をNotionにクリップしておき、そのクリップした記事を要約したり続きを書かせたりすることで自分の記事の理解を助けてくれる感触があります。ChatGPTへコピペするよりお手軽ですしね。
— S.Kasahara(Google for Education Certified Trainer) (@skshr_kokugo)March 19, 2023
簡単な文章を添削して、用途に合った文調に直してもらうことができます。
IQ低そうな文章をNotion AIに添削してもらう動画
— MAQ(マッキュ) (@m_k_yama)March 17, 2023
ほんとにすごい…これ…pic.twitter.com/1S0ZjFqqrw
自然言語の生成AIが、より自然な回答を生み出すための方法論「プロンプトエンジニアリング」をNotion AIで実践している人もいます。
NotionのCustom AI BlockとDatabaseを使って、選択式で簡単にプロンプトエンジニアリングができる方法を発明したので、ぜひみなさんに真似してほしい。
— Yasuhiro Yokota / Designer (@yktyshr)March 21, 2023
リンク先から複製してすぐ使えます。https://t.co/1TNzUkxQbqpic.twitter.com/VJ4YZR8x9S
2022年11月、人工知能を研究するOpenAIという企業によってリリースされたChatGPTは、リリースから2か月で全世界でユーザー数が1億人を突破するほど大きな話題になっています。
Notion AIも、ChatGPTも高度な自然言語処理を用いた人工知能を搭載していますが、この章では、Notion AIとChatGPTにはどんな違いがあるのかについて解説していきます!
Notion AIとChatGPTの機能の違いは、以下のような点が挙げられます。
Notion AI | ChatGPT |
AIアシスタント | AIモデル |
ワークスペース内にAI機能が搭載されている | 独立したAI搭載ツール(切替えが必要) |
ワークスペース内のメモや文書、プロジェクトのすべてにアクセスできる | ChatGPT内で入力された質問に対応 |
テキストデータを元にした一部自動応答機能あり | チャットによる自然な会話が模倣できる |
Notion AIは、Notion内限定のタスクに対するAIアシスタントとしての機能で、ワークスペース内での文章作成、編集、タスク管理、スケジュール管理などに適しています。
一方ChatGPTは、あくまでも独立したチャットボットサービスのため、作業しているタスクとは別で、質疑応答や、文章作成、翻訳などを行うことができます。
Notion AIもChatGPTも、無料で利用することができますが、Notion AIは無料利用の場合は20回しか使えません。
ChatGPTは、基本的に無料で利用できますが、有料プランに移行することでより高度なAI機能が利用できたり、応答時間の短縮、ピーク時のアクセスがしやすいなどのメリットもあります。
Notion AIは、大元のNotionの料金プランにアドオンオプションとして追加する形の料金設定になっています。
Notion AI自体を無料で利用することは可能ですが、その場合Notionの契約が有料プランでも全20応答までの使用制限がかかります。
もし無制限でNotion AIを使用したい場合は、Notion AIの有料プランをプラスする必要があります。
Notionの契約内容 | Notionの料金 | Notion AIの料金 | Notion AIの使用制限 | |
フリー | - | 無料 | 無料 | 20応答まで |
無料 | 10ドル/人 | 無制限 | ||
プラス | 年払い | 8ドル/人 | 8ドル/人 | 無制限 |
月払い | 10ドル/人 | 10ドル/人 | 無制限 | |
ビジネス | 年払い | 15ドル/人 | 8ドル/人 | 無制限 |
月払い | 18ドル/人 | 10ドル/人 | 無制限 | |
エンタープライズ | - | 要問合せ | 要問合せ | 無制限 |
また、公式HPに、今話題のChatGPTなどを含む料金比較も掲載されています。
Notion AI | ChatGPT Plus | Grammarly Premium | Jasper | |
月額料金/人 | 10ドル | 20ドル | 12ドル~ | 49ドル~ |
文章のリライト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
初稿の作成 | 〇 | 〇 | - | 〇 |
プロジェクトの すべてにアクセス |
〇 | - | 〇 | - |
ドラッグ&ドロップでの テキスト編集 |
〇 | - | - | - |
Notionは、他社と比較しても、月額料金がかなりリーズナブルなことがわかります。
メモアプリケーションツールのため、そのワークスペース内であればAIの機能は単純に文章の作成・リライトだけでなく、様々なプロジェクトにアクセスする利点があります。
この記事では、2023年2月にリリースされたNotion AIの特徴や機能、価格、使い方、話題のChatGPTとの違いを解説しました。
まだ、機能としては始まったばかりで、ぎこちない点も多いですが、今後AI技術の成長と共に、より使いやすく便利な機能になることは間違いないでしょう。
使い方も非常に簡単なので、是非無料のNotion AIから試してみてはいかがでしょうか。
(画像出典元:Notion公式HP、O-DAN)