問い合わせメールの返信には、返信するタイミングや文章構成など基本的ルールやマナーが存在します。
顧客満足度を大きく左右する問い合わせメールへの返信は、企業にとって非常に重要な業務です。
今回は、企業にとって重要な問い合わせメールにおいて、返信ルールや基本的な書き方、重要ポイントを解説すると共に、シーンに合わせた返信文例も紹介します。
このページの目次
顧客から寄せられる問い合わせは、顧客満足度の向上に繋がるものであり、顧客対応力を高めることは企業にとって非常に重要です。
特にメールでの顧客対応はデジタル化が進む現代において不可欠なチャンネルであり、その重要さは年々増しています。
そこで、はじめに問い合わせメールの返信で重要となるポイントから紹介していきますので、そのポイントをしっかり意識しながらメール作成に進んでいきましょう。
迅速なメール対応は顧客満足度の向上を高める重要な要素のひとつで、エンドユーザーが顧客対応に求める要素として「対応の早さ」がもっとも多く挙げられています。
同業他社がひしめくなか、迅速なレスポンスは他社との差別化を図るうえで非常に重要な取り組みです。
長い文章というのは面倒くささを感じさせます。問い合わせに対するメール返信ではダラダラとした文章は書かないこと。これは鉄則です。
要点を抑えつつ一文を短くし、メリハリのある文章レイアウトを心がけてください。句読点や改行、箇条書きを適度に用いると読みやすいレイアウトになります。
顧客対応の質は間違いなく顧客満足度に影響してきますので、問い合わせ対して真摯に向き合い、丁寧な対応を心がけるべきです。また、顧客からの問い合わせは今後の製品やサービスの品質改善に大きなヒントとなり得るため、一つひとつが貴重なのです。
そのため、寄せられた問い合わせには、丁寧にお礼することを忘れないでください。
問い合わせメールの返信には基本的マナーが存在します。まずは問い合わせメールへの返信マナーを確実に抑えておきましょう。
問い合わせメールはあくまでビジネスであり、プライベートのメールと同じように考えてはなりません。
問い合わせメールを受け取ったら24時間以内に返信する。これは鉄則です。
メールを送信してから24時間以内に返信が来ない場合は対応が遅い。そう感じる人の割合は過半数に達するとしています。
ただ、24時間以内に回答することが難しいケースも多々あります。そういう場合は、確認でき次第あらためて連絡する旨を説明しておきましょう。
顧客に返信メールを作成する際に、件名の「Re:」を削除するか否かで悩むことがあります。
件名にある「Re:」は、相手に返信メールであることを示す役割があるため件名は削除などせず、そのまま返信するのが基本です。
問い合わせのメールをしてくれたということは、少なからず自社の製品やサービスに興味を示しているということ。
つまり顧客獲得のチャンスでもあるのです。そのため、顧客に対して真摯に向き合い、丁寧な対応を心がけることが重要です。
また、文章の内容も簡潔に読みやすくなるよう意識し、意味のわからない専門用語を使うのは避けるべきです。
なお、問い合わせに対するお礼は必ず添えるようにしましょう。丁寧な対応は顧客満足度の向上に繋ります。
メール本文の最後には署名をつけることを忘れてはいけません。これは、送られてきたメールがどこの誰から来たものなのかを明確にするためです。
フィッシング詐欺やなりすましメールが多発する現代において、署名のないメールに不信感を抱く人も少なくありません。
なお、署名に入れる項目として基本的な内容は下記のとおりです。
では続いて、具体的な問い合わせ返信メールの例文を紹介していきます。
なお、例文はいくつかのパターンに分けて紹介していきますので、状況に合わせて参考にしてみてください。
自動返信メールとは、問い合わせメールを受信した際に、自動でメールを送信するための機能です。
問い合わせのメールを送信したのに反応がないと正しくメールが届いたのか不安になるので、自動返信メールを使用した一時対応は不可欠です。
件名:【〇〇(企業名など)】お問い合わせいただき、ありがとうございます。
このメールは、お問い合わせフォームよりお問い合わせをいただいた方へ、自動返信によって送信されています。
万が一お急ぎの場合は、お手数ではございますが、弊社コールセンター「00-0000-0000・受付時間/00:00〜00:00」へご連絡いただきますようお願い致します。
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△△ △△様
以下の内容でお問い合わせをお受けいたしました。
改めて、担当者よりご連絡させていただきますので、今しばらくお待ちくださいませ。
<お問い合わせ内容>
お名前:
電話番号:
メールアドレス:
お問い合わせ日時:
お問い合わせ内容:
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〇〇〇株式会社
△△ △△
メールアドレス :〇〇〇@〇〇〇
電話番号(会社):〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
電話番号(携帯):〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
会社HP:〇〇〇〇
クレームへの返信では、相手に誠意の伝わる文章であることが何よりも重要です。
適当に返信してしまうと不満も大きくなり、かえって事態が大きくなるリスクが考えられます。
また、メールは文章が証拠として残るため、とくに言葉遣いなどには注意しなければなりません。
△△様
平素より弊社をご利用くださいまして、誠にありがとうございます。
〇〇〇株式会社の〇〇と申します。
この度は弊社製品の不備により、ご不快な思いをさせてしまい、深くお詫び申し上げます。
今回、△△様よりご指摘をいただき、原因調査いたしましたところ、製造工程において一部のシステムに不備があったことが判明いたしました。
弊社におきましては、今後このような事態が生じないよう、再発防止に努めていく所存でございます。
この度は本件について、誠に申し訳ございませんでした。
今後もご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
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〇〇〇株式会社
△△ △△
メールアドレス :〇〇〇@〇〇〇
電話番号(会社):〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
電話番号(携帯):〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
会社HP:〇〇〇〇
日々寄せられる問い合わせのなかには、要点を得ない内容の問い合わせが来る場合もあります。
要点を得ない問い合わせに返信する場合は、理解できない部分を確認し、明確にすることが重要です。
その際、部分引用を使いながら確認すると分かりやすく、詳細な回答を得られやすいです。
△△様
この度はお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
〇〇〇株式会社の〇〇と申します。
お問い合わせいただきました○○の件につきまして、大変恐縮ではございますが、下記の内容を確認させて頂けますと幸いです。
>「寄せられた問い合わせを部分引用」
〇〇という認識でよろしいでしょうか。
お手数をおかけしますが、お手すきの際にご返信いただけたら幸いです。
引き続きよろしくお願い申し上げます。
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〇〇〇株式会社
△△ △△
メールアドレス :〇〇〇@〇〇〇
電話番号(会社):〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
電話番号(携帯):〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
会社HP:〇〇〇〇
問い合わせの返信は24時間以内におこなうのが鉄則ですが、内容によっては今すぐの回答がむずかしいケースもあります。
その場合、確認でき次第、後日あらためて回答する旨を説明しましょう。
△△様
この度はお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
〇〇〇株式会社の〇〇と申します。
お問い合わせいただきました○○○○の件につきまして、社内にて詳しく確認させていただき、後日あらためてご連絡差し上げます。
貴重なお時間をいただいてしまい、大変申し訳ございませんが、今しばらくお待ちくださいませ。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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〇〇〇株式会社
△△ △△
メールアドレス :〇〇〇@〇〇〇
電話番号(会社):〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
電話番号(携帯):〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
会社HP:〇〇〇〇
クレームや質問などではなく、ときには「こうした方が良い」や「この部分が使いにくい」など、意見や提案をいただく場合もあります。
そういう場合は、謙虚な姿勢で感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
△△様
平素より弊社をご愛顧くださり、誠にありがとうございます。
〇〇〇株式会社の〇〇と申します。
この度は弊社「〇〇〇(製品名)」に関して貴重なご意見をくださり、誠に感謝しております。
貴重なご意見を参考にさせていただき、今後の商品開発に活かして参る所存でございます。
その他お気づきの点がございましたら、お気軽にご連絡いただければ幸いです。
今後とも、弊社製品をご愛顧くださいますようお願い申し上げます。
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〇〇〇株式会社
△△ △△
メールアドレス :〇〇〇@〇〇〇
電話番号(会社):〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
電話番号(携帯):〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
会社HP:〇〇〇〇
褒められて嫌な気分になる人はいません。ただ、褒められると「そんなことはないです」など謙遜するところが日本人にはあります。
しかし、謙遜はときに否定にもつながりますので、褒められた謙遜は入れず、素直にお礼を伝える文章にしましょう。
△△様
平素より弊社をご愛顧くださり、誠にありがとうございます。
〇〇〇株式会社の〇〇と申します。
この度は弊社「〇〇〇(製品名)」について、お褒めのお言葉をくださり、誠にありがとうございます。従業員一同、大変感激しております。
今後も△△様よりいただいたお言葉を励みに、より良い製品開発、製造、管理に精励する所存にございます。
今後とも、弊社製品をご愛顧くださいますようお願い申し上げます。
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〇〇〇株式会社
△△ △△
メールアドレス :〇〇〇@〇〇〇
電話番号(会社):〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
電話番号(携帯):〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
会社HP:〇〇〇〇
インターネットが普及している現代社会において、もはやメールでの顧客対応は不可欠です。そのため、ポイントを押さえた適切なメール返信は顧客満足度を向上させる要素のひとつです。
顧客満足度を向上させるために重要となるメール対応。続いて、お客さまにメール返信をおこなううえで心得ておくべきことをお伝えします。
メールの返信は早いに越したことはありません。メールの返信が早いほど顧客に与える印象も良くなります。なお、一般的に対応が早いとされる時間は1時間以内と言われています。
そのため、どんなに遅くても24時間以内の返信を心がけたいところです。ただし、前述のとおり、返信が遅れそうな場合には、あらかじめ返信が遅れる旨を説明しましょう。メールの返信漏れは絶対にやってはならないことです。
返信が早ければ良いというわけではありません。いくら返信が早くても文章が読みにくく分かりづらい場合は、かえって顧客に悪印象を与えてしまうことになりかねません。
誤字脱字が無いのはもちろんのことですが、句読点や改行を適切に使いながら誰でも分かりやすく、読みやすい文章レイアウトを心がけてください。
寄せられた問い合わせが自分のみで解決できる問題であれば良いですが、すべてがそうとも限りません。時にはひとつの問い合わせに対して複数人で対応しなければならないケースもあります。
複数人で対応する必要がある場合は、他のひとでも進捗状況がわかるよう、情報の共有が重要です。進捗状況がわからないと二重対応などの原因になり、二重対応は顧客に不信感を与えてしまいます。
こうしたミスが発生しないよう、社内では情報共有できる体制を整えることが重要です。
返信メールの基本的な構成要素は下記のとおりですので、一からオリジナルで作成したいという方は参考にしてください!
前述のとおり、返信メールは受け取ったメールに対して返信するため、件名には手を加えず、そのままのカタチで返信するようにします。
件名につく「Re:」も基本的にそのまま残します。ただ、やり取りも複数回になると「Re:」も同時に増えていくため、やり取りが複数回にわたる場合は「Re:」をひとつ残してあとは削除すると良いでしょう。
返信するお客さまの名前を記載します。お客さまの名前を間違えることは非常に失礼なことにあたりますので、絶対にやってはならないミスです。
そのため、送信する前に再度確認するなど、間違いのないよう注意が必要です。
本文の冒頭は挨拶から始めます。
挨拶は「平素よりお世話になっております。」や「この度は弊社サービスに関してお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。」などと記載するのが一般的です。
自己紹介では「社名・部署・名前」のみを記載します。なお、自己紹介の例としては「株式会社〇〇の〇〇と申します。」と記載するのが一般的です。
問い合わせの返信をおこなう場合、お客さまからいただいた問い合わせ内容を部分引用するかたちで回答していきます。
文章を部分引用する場合は、引用符である「>」を文章の先頭に置くのが一般的です。部分引用を使うことで、質問と回答が見やすくなるため、やり取りもスムーズになります。
本文の最後に添える締めの挨拶を「結び」といいます。ビジネスメールでは、要件だけ書いて終わらせるのではなく、相手への配慮の気持ちを伝えるのが礼儀です。
結びでは一般的に「何卒よろしくお願い致します。」というフレーズが広く使われます。なお、結びはその時の状況に応じて言葉を変える必要もあります。
本文の最後に署名を入れます。署名として入れる項目としては前述のとおりです。
本文の最後に署名を入れるのはビジネスメールの返信マナーとして基本的なことですので、入れ忘れに注意してください。なお、署名のテンプレートを作成し、自動的に挿入されるようにすると便利です。
顧客満足度に大きく影響してくる顧客対応は、企業にとって非常に重要な業務です。
とくにメールでの顧客対応は、インターネットが普及する現代社会において不可欠なものとなっており、その重要性は以前にも増して高まっています。
また、問い合わせメールの返信は、単に問い合わせに対して返答すれば良いというわけでもありません。
問い合わせを受けたときから返信に至るまでに、さまざまなルールやマナーが存在します。
ぜひ、いま一度メール対応における基本的ルールを確認し、いま以上に質の高い返信ができるよう顧客対応力の向上に取り組んでください。
画像出典元:O-DAN