ベンチャーから大手への転職必勝法!成功するためには何が必要か?

ベンチャーから大手への転職必勝法!成功するためには何が必要か?

記事更新日: 2020/08/31

執筆: 編集部

いったんベンチャーに就職したものの、いろいろと仕事をしていく中で「大手企業で仕事をしてみたい」という気持ちになり、転職を考える人もいるでしょう。

大手企業の社員であれば、企業の看板を背負って大きなプロジェクトに参加できる、しっかりとした収入により安定した生活を送ることができるなど、公私ともに充実しているというイメージがあります。

では、ベンチャーや中小企業から大手企業への転職は、実際にはうまくいくのでしょうか。

本記事では、ベンチャーから大手企業への転職に関して、大手企業が中途採用者を募集する背景や求める人材、転職活動のポイントなど、しっかりと分かりやすく解説していきます。

ベンチャーや中小企業から大手企業へ転職はできるのか?

スケールの大きな仕事ができる、安定した収入と手厚い福利厚生が保障されるなど、大手企業には魅力的な部分がたくさんあります。

ベンチャーや中小企業からの転職を考える時、できるなら、今よりも条件の良い大手企業に就職したいと考える人もいるでしょう。

一昔前では、いったんベンチャーや中小企業に就職すると、大手企業には転職できないと言われていました。

転職者はゼロではなかったものの、大手企業の名前だけを見て、頭から無理だと考えて、選択肢に入れない、入れられないと思う人が多かったのです。

しかし、現在はその構図が崩れつつあります。大手企業での中途採用の求人が増加傾向にあり、ベンチャーや中小企業出身者を採用する企業もたくさん出てきました。

今は、ベンチャーや中小企業から大手企業へ転職ができる時代なのです。

大手企業が中途採用を増やしている理由

では何故、大手企業が中途採用を増やしているのでしょうか。

それには2つの理由があります。ここでは、その理由について詳しく説明していきます。

社会の多様性

現在、ダイバーシティといった年齢や性別、国籍などにとらわれず、多様な人材を積極的に活用しようとしている企業が増えています。

メディアなどで、ダイバーシティな働き方をアピールして、イメージアップを図る大手企業もあります。

年齢や性別以外にも、学歴や職歴を問わず、積極的に良い人材を採用しようとする企業も増加しています。そのため、ベンチャーや中小企業など関係なく、大手企業への転職の道が拓けてきているのです。

新卒の離職率の増加

厚生労働省が公表している新卒者の就職後3年以内の離職率を見ると、平成28年3月に卒業した大学卒では32.0%と前年より0.2ポイント増加、高校卒では39.2%と前年より0.1ポイント減少していますが、いずれも高い離職率となっています。

また、事業所規模が1,000人以上の事業所では、大学卒が25.0%と前年より0.8ポイント増加、高校卒は26.0%と前年より0.7ポイント増加となり、規模の大きい事業所の離職率増加が目立っているのです。

離職者の増加に伴い、従業員の欠員による穴埋めが必要となり、中途採用を行っているのです。

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)

大手企業が求める人材とは?

ベンチャーから大手企業への転職者が増加しているからといって、誰でも採用されるという訳ではありません。ただ、どの大手企業も、中途採用として必要とする人材はほぼ同じです。

ここで、大手企業が求める人材について、詳しく説明します。

専門性の高いスキル

大手企業が中途採用を行う場合、応募者のそれまでの知識やスキル、経験を重視します。

その人が高い専門スキルを持っていれば、以前の勤務先がベンチャーであろうと大手企業であろうと、あまり問題ではないのです。

高い専門スキルがあれば、即戦力として採用される可能性が高くなります。新規プロジェクトを立ち上げる場合、ぴったりのスキルを持ち合わせていれば、チームの一員として重宝されます。

高いマネジメント能力を持つ

大手企業が抱える課題の一つに、組織をマネジメントできる人材不足があります。

社内でマネジメント教育を行っていても、実際に管理するとなると、なかなかうまくできない人が多い印象があります。

それに、会社の規模が大きくなればなるほど社員一人の仕事への責任や裁量が細分化してしまうため、組織全体を一人で動かすというよりも、組織の一つの歯車となって動くという人が多くなる傾向にあります。

ベンチャーでは、規模が小さくなる分、個人一人ひとりの責任や裁量が大きくなり、勤務年数が短くても、責任のある立場で仕事をする機会も増えます。そのため、若くても責任感が強く、マネジメント能力が高い人が多くいます。

組織にとって若い指導者は必要ですし、特に大手企業では歓迎されるでしょう。責任のある立場で仕事をした経験があるのであれば、それをアピールしましょう。

ベンチャーから大手企業へ転職するメリット

ベンチャーから大手企業へ転職すると、それまでとは環境や待遇が大きく変わってしまいます。

実際にベンチャーから大手企業へ転職した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。

給料やボーナスがしっかりもらえる

ある程度の規模の会社では当たり前のことかもしれませんが、しっかりと収入が得られることは、非常に大きなメリットです。

給料やボーナスがきちんともらえると、自分の将来設計を立てることができます。

将来のための貯蓄や投資について考えるのも良いですし、子供がいれば学費や養育費を見越した貯蓄も検討しなければなりません。しっかり収入があれば、将来への備えができるようになります。

大きな仕事ができる機会が増え、実績が作れる

大手企業では、その会社のネームバリューで仕事ができるようになります。

会社名を出しただけで営業の話が進む、取引先に安心して仕事を任せてもらえるなど、さまざまな場面で有利に仕事を進めることが可能なのです。

大手企業というバックボーンがあることで、大きな規模の仕事やプロジェクトをする機会が増え、その実績を自分の経験として蓄積することができます。

若くしてそのような規模の仕事ができれば、よりやりがいを感じることができるでしょう。

さまざまな視点から物事を考える機会が増える

社員数が多い大手企業では、確率的に優秀な社員が多くなります。

優秀な人たちと接点を持つことができれば、さまざまな知識や考えを得る機会が増えていきます。また、社内だけでなく、多くの大手取引先などとの人脈も広げることができれば、さらに広く知識を得ることが可能になります。

さまざまな人たちから刺激を得ながら、あらゆる視点で物事を捉える機会を増やすことができるため、仕事への高いモチベーションを保つことができるでしょう。

ベンチャーから大手企業へ転職するデメリット

転職して環境や待遇が変わる分、さまざまなデメリットも出てきてしまいます。ここでは、転職のデメリットについて紹介します。

仕事のペースが遅くなる

大手企業で仕事を進める場合、何人もの上司のチェックを受ける必要があります。チェックの都度仕事が止まることとなり、ペースが遅くなってしまいます。

これは、企業の規模が大きいだけに、一つの仕事やプロジェクトに関する決定が企業全体に影響を与えることがあるからなのです。そのため、チェックを重ねて、慎重に検討する必要があるのです。

大手企業では、仕事をスムーズに進めるには、上司などのチェックに要する時間も考慮して、予定を組む必要があるのです。

仕事が固定化されて、何も考えなくても仕事が回ってくる

大手企業の仕事の多くは、パターン化されたオペレーション業務です。そのため、仕事が固定化してしまい、ボーっとしていても仕事が回ってくる状況となります。

その場合は、なるべく早く、より効率的に仕事をこなしていくことが求められます。

一度、自分が大企業の歯車だと思ってしまうと、新しい企画やプロジェクトなど、仕事を生み出そうとする考えがなかなか持てず、仕事に対するモチベーションも下がってしまうかもしれません。

使えないと判断されれば、早期リストラの対象に

社員数が多く、人材も豊富な大企業だからこそ、企業の方針や期待などに沿うことができず、使えないと判断されてしまうと、リストラの対象となるリスクが大きくなります。

特に、ベンチャー時代の実績によって期待されていた中年の転職者だと、早々に結果を出せなければ、早期リストラの対象になってしまいます。

大手企業に入った以上は、組織の仕事のルールに従って仕事の流れや方法を学び、その中で自分の個性を活かすようにしていきましょう。

大手企業への転職活動のポイント

いざ大手企業への転職活動を始めようと思っても、手あたり次第では非効率です。

そうかと言って、転職を希望する会社を絞っても、募集がなかったり、中途採用の枠が少なかったりと、ハードルが高くて諦めなければならないこともあります。

ここでは、ベンチャーから大手企業への転職を成功させるために、押さえておきたいポイントを3つ紹介します。

1. 中途採用が多い企業を選ぶ

大手企業への転職を望むのであれば、まず、中途採用者の割合が比較的多い企業を選びましょう。

受け入れる側の企業も中途採用者への対応に慣れているでしょうし、他の中途採用者もいるので、転職者には働きやすい環境にあるといえるでしょう。

せっかく転職しても、職場に馴染めなければ成果が出しにくくなります。自らの成功のためにも、中途採用者が馴染みやすい環境にある企業を選びましょう。

2. 第二新卒であれば、若さを売り込む

新卒から入社3年目までの、いわゆる「第二新卒」であれば、転職市場での価値は高く、需要も高まりつつあります。

なぜなら、最低限の実践的なビジネスマナーを有していて、それなりに社会人経験があるからなのです。

第二新卒の方がベンチャーから大手企業への転職を考えているのであれば、「ベンチャーでの就業期間で、多くの経験を積むことができた」と、ベンチャーで得た経験をポジティブにとらえて、しっかりと自分を売り込んでいきましょう。

そして、自分自身の若さを前面に出して、最大限のアピールをしましょう。

3. 同じ業界の大手企業を狙う

ベンチャー経験者の大きな強みは、幅広く仕事がこなせるという能力があることです。

大手企業であれば、別の社員や他の部署で行う仕事も、ベンチャーでは一人で全てこなしていることも多いため、大手企業の一社員より経験値も能力も高い人が多いものです。

そのため、大手企業への転職には、ベンチャーでの幅広い仕事で培った経験が大きな武器となります。

この武器を携えて、ベンチャーでの実績を評価してもらえるような同一業界の企業に絞ってアプローチをすれば、大手企業への転職がより現実になるでしょう。

さらに、同一業界であれば、問われる専門スキルが同じ場合が多く、転職後のギャップも少なくて済むでしょう。

まとめ

ここ何年か前から、ベンチャーから大手企業への転職の機会が増え、ベンチャーで培った専門的知識やスキルを大手企業で活かせるような環境が増えつつあります。

従来の体質を見直し、新しい風を入れるために、社会人経験がある中途採用者を入社させようとする大手企業も存在します。

しかし、中途採用者なら誰でも良いという訳ではありません。大手企業では、前の企業での実績とマネジメント能力をしっかりと見ているのです。

ベンチャーから大手企業への転職を成功させたいのであれば、ベンチャーで専門知識とスキル、そしてマネジメント能力をしっかりと身につけてから、行動に移すようにしましょう。

画像出典元:Pixabay、Unsplash

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