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セルフチェックインシステムとは、ホテル・民宿等の宿泊施設でのチェックイン手続きを自動化できるシステムです。
宿泊施設側には「人材不足の解消」「フロント業務の効率化」、宿泊客側には「スピーディーでストレスのないチェックイン・アウトが可能」といったメリットがあります。
本記事では、セルフチェックインシステムの概要やおすすめのシステムについて詳しくまとめました。
旅館業法にそったシステムの選定ポイントなども紹介しているので、担当者はぜひチェックしてください。
このページの目次
セルフチェックインシステムとは、ホテル・民宿等の宿泊施設の宿泊客が自分でチェックインを行なえるシステムです。
システムの導入により、宿泊施設・宿泊客それぞれに以下のようなメリットがあります。
宿泊施設のメリット | 宿泊客のメリット |
フロント業務の効率化 人材不足の解消 コスト削減 インバウンド客へのスムーズな対応 |
スピーディなチェックイン・チェックアウト 精算手続きの効率化 混雑による待機時間の短縮 |
セルフチェックインシステムには、主に以下の3種類があります。
この記事では3種類ともご紹介しているので、導入目的にマッチしたシステム選びに役立ててください。
(税別)※minpakuINのみ税表記不明
画像出典元:「maneKEY」公式HP
部屋数の多いホテルから民泊まで対応できる、セルフチェックインシステムです。
システムはサイトコントローラーと連携しており、予約状況の確認やメール送信もスムーズです。
事前に必要な情報を入力しておけば、宿泊客は発行されたQRコードを端末にかざすだけでチェックインできます。
取得した情報は全てクラウド上に保管されるため、データ管理の負担もありません。
なおオプションを選択すれば、スマートロックや支払い端末とも連携できます。
完全無人化から半無人化まで、宿泊施設のニーズにマッチしたチェックインシステムの構築が可能です。
初期費用:49,000円(ソフトウェア9,000円 、 ハードウェア40,000円)
月額費用:従量課金・定額固定(下表)
件数 | PLAN 1 従量課金 |
チェックイン件数1〜10件まで | 500円 / 1件 |
チェックイン件数 11〜50件まで | 400円 / 1件 |
チェックイン件数 51〜100件まで | 300円 / 1件 |
チェックイン件数 101〜500件まで | 200円 / 1件 |
チェックイン件数 501〜1000件まで | 100円 / 1件 |
チェックイン件数 1001件以上 | 50円/ 1件 |
(税別)
部屋数 | PLAN 2 月額固定料金 |
1~10部屋まで | 2,400円 / 1部屋 |
11~50部屋まで | 2,000円 / 1部屋 |
51~100部屋まで | 1,500円 / 1部屋 |
101部屋以上 | 要相談 |
(税別)
画像出典元:「AIチェックイン」公式HP
あらゆる規模・業務形態の宿泊施設に適用できるセルフチェックインシステムです。
システムは事前チェックイン・宿泊客情報のクラウド管理に対応しており、フロントに多くの人員を配置する必要がありません。
現金精算機やスマートロック・カードキーとの連携も可能で、運営形態に合わせた無人チェックイン・省人チェックインを実現できます。
ビデオ通話による本人確認と、多言語、現金決済にも対応しており、IT導入補助金の対象ツールとしても登録されているため補助金を活用して購入できるのも魅力です。
初期費用:1施設あたり30,000円~(※設置するタブレット台数や連携するシステムに応じて変動)
月額費用(下表)
部屋数 | 部屋単価 |
1~10 | 3‚000円 |
11~40 | 2‚000円 |
41~60 | 1‚800円 |
61~80 | 1‚600円 |
81~100 | 1‚400円 |
(税別)
画像出典元:「Tabiq」公式HP
iPadでチェックイン・チェックアウトを完結できるセルフチェックインシステムです。
運営会社のリクリエは、「省人ホテル運営事業」「SaaS事業」「ホテルコンサル事業」を展開しており、ホテルの無人化・省人化について豊富な実績とノウハウを持ちます。
システム導入時には丁寧なサポート・提案を受けられるため、フロント業務全般のDXもスムーズです。
本人確認方法は予約ID・ 電話番号・ QRコード・顔認証と豊富。
多言語機能・ビデオ通話機能も搭載しており、インバウンド対応にも不安はありません。
料金につきましては、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「minpakuIN」公式HP
主に民泊系宿泊施設の簡易PMSとして最適なセルフチェックインシステムです。
2018年に施行された「住宅宿泊事業法(民泊新法)」に対応しており、法律にのっとった民泊運営ができます。
顧客のスマホやタブレット端末でチェックイン手続きができ、約款へのサインやパスポート登録もタブレット上で完結。スタッフが介入する必要がありません。
本人確認ではビデオチャットにより直接ホストまたはコールセンターに接続できる機能もあり、対面による本人確認が必要な地域にも対応可能です。
TLリンカーン・TEMAIRAZU・ねっぱん・Beds24のサイトコントローラーとの連携に対応しており、必要な予約情報を適宜自動で取得できます。
minpakuIN LIGHT | minpakuIN | |||
一棟プラン | 戸建・区分プラン(一室運用) | ドミトリープラン | ||
初期費用 | 100,000円~ | |||
月額 基本費用 |
2,480円 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 |
従量課金 | ー | 10室まで:3,000円/室 11~30室まで:1,000円/室 31室~:300円/室 |
ー | 500円 /1ベットあたり |
(税表記なし)
画像出典元:「Finexit」公式HP
ロビー等に設置する、筺体のセルフチェックイン&精算機です。
筺体は宿泊施設の雰囲気・インテリアに合わせて一から制作されるため、「施設のイメージに合わないのでは」などの心配はいりません。
チェックインでは、予約情報の検索からQRコードによる自動チェックインまでスムーズに対応。
一方精算はキャッシュレスから現金まであらゆる決済方法に対応しており、領収書の印刷も可能です。
宿泊客が自身で端末を操作することにより、チェックイン・精算・チェックアウトまでを自動化できます。
注意点は、「ルームキーは受付番号を発行し、フロントで受け取る」というかたちになること。
フロントの人員配置は必須なため、「完全無人化」を希望する宿泊施設のニーズには合わないかもしれません。
料金につきましては、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「MujInn」公式HP
民泊から大規模ホテルまで、あらゆる規模の宿泊施設に対応できるセルフチェックインシステムです。
宿泊客は事前にWebから必要な情報を入力しておけば、本人確認のみでチェックインが完了します。
システムはファミリーマート端末と連携しており、コンビニでの宿泊費決済や入室ナンバーキーの受け渡しが可能です。
サイトコントローラー連携機能・部屋割り当て機能までフル活用すれば、スマートにフロント業務の無人化・省人化を実現できます。
1棟プラン | 一戸建て・区分プラン(ヴィラ・1室利用など) | |
初期費用 | 無料 | |
月額基本料 | 5,000円/棟 | 5,000円/棟 |
月額利用料金 | ・2~10室:1,000円/室 ・11~30室:500円/室 ・31室~:300円/室 |
- |
月額利用料金 (ドミトリータイプ) |
1室6ベッドまで:3,000円 6ベッド以上は1ベッドごとに+500円 |
- |
(税別)
画像出典元:「TOMARO+」公式HP
専用端末の設置が不要なセルフチェックインシステムです。
必要な宿泊者情報は宿泊客がスマホから入力するため、情報取得の手間がありません。
施設側はチェックイン用QRコードを掲示するだけでよく、チェックイン・アウトを自動化できます。
対面による本人確認が必要な場合は、ゲストのスマホを使ったビデオチャットが可能です。
料金につきましては、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「OPEN SESAME!」公式HP
民泊、民宿、簡易宿所向けのセルフチェックインシステムで、宿泊客は設置されたiPadから自動チェックインが可能です。
システムには、記録・認証機能としてAIによる顔認証機能・ビデオ撮影機能・パスポート情報取得機能が搭載されています。
無人でも高精度の本人確認を実現できるため、フロントに人員を配置する必要がありません。
また本システムを利用すると、同社の施設管理システムを無料で利用できるのもうれしいポイント。
フロント業務・施設管理業務をDXすることで、民泊・民宿運営に必要なあらゆる管理業務を効率化できます。
初期費用:無料
月額費用(シングルタイプ):1,980円(税別)
※チェックイン端末1台あたりの費用
※タブレットは利用施設側で用意
30日間の無料トライアル可能
画像出典元:「aipass for hotels」公式HP
宿泊施設の運用・管理に必要な機能を網羅したホテル管理システムです。
複数のサイトコントローラーとの連携に対応しており、予約情報の取り込みもスムーズに行えます。
チェックインの自動化につながる機能として、スマートチェックイン・スマートチェックアウト・オンライン決済・スマートキー・セルフチェックインなどを選択できます。
Light | Basic | Pro | |
初期費用 | 無料 | ||
月額費用 | 20,000円~ | 30,000円~ | 要問合せ |
(税表記なし)
※10室以下の施設は、小規模ディスカウントが可能
画像出典元:「AirHost HMS」公式HP
サイトコントローラー機能とホテル管理機能を備えた、オールインワン型のホテル管理システムです。
宿泊者用モバイルアプリ「AirHost ONE」を選択すれば、非対面・非接触のチェックイン・チェックアウトができます。
インバウンド客には、AIによる本人確認機能を利用可能。
国内外の宿泊客のチェックイン・チェックアウトにスマートに対応でき、フロント業務の負担を軽減できます。
初期費用:要問合せ
AirHost HMS サイトコントローラ + PMS(ホテル・宿泊管理システム) |
|
1~3件 | 6,000円 |
4件 | 8,000円 |
5件 | 10,000円 |
10件 | 20,000円 |
20件 | 30,000円 |
20件以上 | 要問合せ |
(税別)
AirHost ONE 非接触チェックイン + ゲストエクスペリエンス |
|||
BASIC | PRO | PREMIUM | |
室数 | 1棟20室まで | 1棟50室 | 1棟100室 |
月額料金 (1部屋あたり) |
1,000円 | 1,500円 | 2,000円 |
(税別)
画像出典元:「HOTEL SMART」公式HP
あらゆる運営形態・規模に対応する、タブレット設置型のセルフチェックインシステムです。
ホテル管理業務を全てDXしたい場合は、クラウド型「ホテルPMS」と合わせて導入してください。
システムを導入すると、清掃・収支・売上・予約管理機能・宿泊者台帳管理機能・24時間対応コールセンター機能などを利用することが可能です。
スマートロックやサイトコントローラー・決済システムとの連携も可能ですが、AIによる顔認証についてはオプション契約が必要となります。
料金につきましては、お問い合わせが必要です。
一般的なセルフチェックインシステムを導入した場合、宿泊客の予約からチェックインまでは以下の流れとなります。
注意したいのは、セルフチェックインシステムで自動化できるのは、基本的に「本人確認まで」である点です。
部屋の鍵の受け渡しについては「対面で鍵を渡す」「ボックスを備え付けて鍵を渡す」「スマートロック(デジタルデバイスをルームキーとして使えるシステム)と連動する」などの方法を選択しなければなりません。
「完全無人化」「効率化」を目指すのであれば、物理的な鍵が不要なスマートロックシステムとの連携がおすすめです。以下の記事もぜひ参考にしてください。
システムによる違いもありますが、セルフチェックインシステムの導入で実現できるのは、主に以下の項目です。
このほか、決済機能や部屋割り機能、チェックアウトと同時に業者に清掃を自動で依頼する機能を搭載しているシステムもあります。
旅館業法では、フロントの無人化には以下の3つの対応を必須としています。
特に宿泊客の本人確認について、厚生労働省は「ビデオカメラでの顔認証による本人確認機能等のICT設備が必要」としています。
フロントの無人化を目指す場合は、AIやビデオチャットにより顔認証できるシステムを選択しましょう。
旅館業法に関するFAQ|厚生労働省
「旅館業法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」について(概要)|厚生労働省
2023年12月13日の旅館業法改正により、宿泊者名簿の必須記載事項として「職業」の削除と「連絡先」の追加が行われました。
宿泊客の個人情報管理や宿泊者名簿への転記が可能なセルフチェックインシステムを利用する場合は、改正後の法律に準拠しているかどうかもチェックしてください。
さらなる改正にそなえて、法改正に対応するためのシステム改修・アップデートに追加料金が必要になるのか、基本料金の範囲内なのかも確認しておきましょう。
セルフチェックインシステムを選ぶときは、以下の機能について考慮しましょう。
セルフチェックインシステムには、タブレットや専用端末の設置が必要なもの・宿泊客のスマホのみで完結するものがあります。
イニシャルコストや客層・運用コストを勘案し、自社の営業形態にマッチするものを選びましょう。
事前チェックインとは、宿泊客が事前にWeb上で情報を登録しておけば、当日の宿泊客情報入力が不要になる機能です。
団体客・グループ客を多く受け入れる宿泊施設は、事前チェックイン可能なシステムを選択することで待ちのストレスを低減できます。
インバウンド対応が必要な宿泊施設は、多言語対応可能なシステムを選択すると専門スタッフを配置する必要がありません。
以下のポイントに注意して、必要なシステムを選択してください。
日本国内に住所を有しない外国人の宿泊については、法令に基づき、氏名・住所・連絡先・国籍・旅券番号の記載と旅券の提示・コピーが必要です。
外国からの宿泊客が多い宿泊施設は、パスポート読み取り機能・保存機能を利用できるシステムを選択しましょう。
また地方自治体によっては、対面での本人確認を義務付けているところがあります。
該当する地域の宿泊施設は、対面に準じた対応として、直接顔を合わせて本人確認できるテレビ電話機能が付いているかも重要なポイントです。
チェックイン特化型のシステムは、鍵の受け渡しや精算に対応していないものもあります。
チェックインからチェックアウトの精算まで自動化したい場合、スマートロックや自動精算・各種クレジット決済に対応しているシステムが必須です。
なお物理キーをスマートロックに変更する場合、部屋ごとに工事費・機器代・月々の利用料金が発生します。
導入を検討する際は、採算性について十分に精査することが必須です。
ホテル管理システム(PMS)と一体型のシステムなら、予約情報から宿泊客の個人情報まで一元管理可能です。
セルフチェックインシステムで人材不足の解消や業務効率化を目指す場合は、予約・客室・宿泊者名簿・パスポートデータ・売上などをシステム上で管理できるかどうかチェックしましょう。
セルフチェックインシステムの導入により、宿泊施設には人材不足の解消・コスト削減・チェックイン・チェックアウト業務の効率化、宿泊客には待ち時間のストレス低減などのメリットがあります。
施設の規模や営業形態・客層を勘案し、施設に最適なシステムを選択してください。
画像出典元:O-dan