CPaaSについて

【2024年最新】CPaaS製品おすすめ8選を比較!具体的な活用例と導入メリットまで

記事更新日: 2024/07/24

執筆: 桐野ひさや

LINEやメール、電話など、コミュニケーションの手段が多様化したことで、マーケティングやカスタマーサポートに課題を感じていませんか?

複数のコミュニケーションチャネルを導入するために、注目されているのが「CPaaS」です。

CPaaSは、自社サービスやアプリへAPIを組み込んで、コールセンターやチャットボット機能などさまざまなコミュニケーション技術を導入できる画期的な技術です。

本記事ではCPaaSでできること、導入するメリットと共におすすめのCPaaS製品8選を紹介します。

CPaaSとは

CPaaS(Communications Platform as a Service)の略で、コミュニケーション機能が備わっているプラットフォームのことです。

音声・ビデオ通話から、SMS、チャットなど、さまざまなコミュニケーション機能を既存システムに連携できるため、業務効率化につながります。

ここで、CPaaSについて詳しく確認していきましょう。

1. CPaaSとは

CPaaS(シーパース)とは、コミュニケーション機能が備わったクラウドサービスです。

自社が提供しているサービスやソフトウェアに音声通話やビデオ通話、SMSなど、さまざまなコミュニケーション機能を簡単に組み込めます。

一般的なコミュニケーションサービスは、メールや電話など単一チャネルをパッケージングしていますが、CPaaSは複数チャネルの導入が可能です

CPaaSの大きな特徴は、APIを活用してコミュニケーション機能を導入するため、自社でインフラ環境を構築する必要がありません

運用・保守の工数も大幅に削減できるので、運用コストだけでなく人件費の削減もできるでしょう。

2. APIとは

API(Application Programming Interface)とは、ソフトやWebサービスと連携するインターフェースを指します。

インターフェースとは「接点」を意味し、CPaaSにおいて、APIはさまざまなコミュニケーション機能との連携を可能にする役割があります。

たとえば、SMSの送信機能を導入したい場合、CPaaSプロバイダーが提供しているSMS APIを活用すると簡単に連携が可能です。

少ない工数で複雑な通信機能を実装できるため、社内エンジニアに負担をかけることなくユーザビリティの高いサービスが提供できます。

CPaaSの具体的な活用例

CPaaSは様々な業界で活用されており、その用途は多岐にわたります。

代表的な活用例を表にまとめました。

活用例 説明
コールセンター 自社サービスに連携させて、電話転送やIVR機能でコールセンターの運営が可能
注文確認SMS 顧客が商品を注文した際に、自動的に注文確認のSMSを送信する
アラート通知 患者が利用しているセンサーと連携して、状態変化によるアラート通知を行い、適切な対応が可能
二要素認証 ログイン時やトランザクション実行時に、SMSで認証コードを送信する
リアルタイム配送追跡 顧客が配送状況をリアルタイムで追跡できるよう、位置情報を共有する
順番呼び出し 受付システムと連携し、予約番号が近づくとSMSまたは電話を活用して呼び出しする
オンライン授業 教育機関が、ビデオ通話機能を使ってオンライン授業を提供する
ライブチャット Webサイトにリアルタイムのチャットサポート機能を追加する
在庫通知 品切れ商品が再入荷した際に、興味を示した顧客にSMSで通知する
自動予約システム 予約システムと連携させれば、会議室などさまざまな自動予約が可能
予約リマインド 予約システムと連携させて、SMSなどで予約リマインドの送信が可能


CPaaSは柔軟にカスタマイズできるため、上記以外にもさまざまな活用法があります。

複数の機能を組み合わせれば、より高度なサービスの提供も可能となり、利用者からの満足度も高まるでしょう。

特に顧客とのコミュニケーションが重要なtoC企業の場合、リアルタイムでの情報提供やリコメンド機能により、きめ細かいサービスの提供ができるかもしれません。

CPaaS製品導入のメリット

CPaaSを導入する主なメリットは次の5つです。

1. システム構築の工数削減

CPaaSは、APIを活用して簡単にコミュニケーション機能を実装できるため、システム構築の工数が大幅に削減できます。

これまでのシステム開発では、各コミュニケーション機能との連携システムを一から実装し、運用・保守していましたが、CPaaSなら不要です。

基本的にCPaaSは自動で最新バージョンにアップデートされるため、更新・改修の手間ががないのもメリットでしょう。

2. 顧客満足度の上昇

さまざまなコミュニケーションチャネルを実装することで、顧客満足度の向上が期待できるのもCPaaSを導入するメリットです。

メインユーザーが利用する連絡チャネルを実装できれば、予約や注文状況などを手軽に確認できるため、ユーザビリティが向上します。

CPaaSを活用すれば、予約のリマインドはLINEやSMSで、お買い得情報はメールでなど、複数のチャネルからアプローチが可能になります。

3. コスト削減

CPaaSはこれまでかかっていたシステム開発コスト、運用コストなど、さまざまなコストが削減できます。

多くのCPaaSは機能ごとに料金が発生する従量課金制を採用しているため、必要な機能を無駄なく利用できるのがメリットです。

繁忙期のみのスポット利用はもちろん、プロジェクト単位でスモールスタートするなど、コスパを確認しながら柔軟に利用調整できるでしょう。

4. セキュリティの向上

多くのCPaaSサービスは、通信の暗号化やデータ保護をされた状態でサービス提供されているため、セキュリティの向上につながります。

コミュニケーション機能を活用する以上、セキュリティリスクへの対策は非常に大切なポイントです。

CPaaSを導入する際は、セキュリティチェックを実施してから実装されるのが基本のため、自社開発よりも高度なセキュリティ対策が実現するでしょう。

5. 柔軟なカスタマイズが可能

CPaaSの大きなメリットの一つに、自社のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできる点があります。

自社の既存システムとAPIの組み合わせ次第で、マーケティングに活用できたり、顧客とのコミュニケーション窓口を一元管理したりと便利に活用できます。

機能やチャネルの増減も簡単にできるため、スピーディーなシステム改修、業務改善が実現するでしょう。

CPaaS製品の比較表

ツール名 対応チャネル 日本語対応サポート 無料トライアル 特徴
Vonage
コミュニケーションAPI
音声通話・ビデオ通話・メール・メッセージングアプリ・SMS・本人認証 日本語対応 あり 高品質なリアルタイムコミュニケーションが可能
Twilio CPaaS 音声通話・メール・メッセージングアプリ・SMS・本人認証 日本語対応 あり 利用量に応じて割引あり
ネクスウェイのCPaaS メール・SMS・本人認証 日本語対応 なし 国内特化のCPaaS
Plivo 音声通話・ビデオ通話・メール・SMS × あり ノーコード実装が可能
Telnyx 音声通話・ビデオ通話・メッセージングアプリ・SMS × なし 24時間365日サポートが利用可能
Amazon Connect 音声通話・ビデオ通話・メール・メッセージングアプリ・SMS・本人認証 × あり AWSの利用で無料利用枠あり
U-cube CPaaS 音声通話・ビデオ通話・メール・メッセージングアプリ・SMS 日本語対応 なし 国内事業者向け機能&サポートあり
SkyWay 音声通話・ビデオ通話 日本語対応 あり セキュアな環境で通話が可能

VonageとTwilioを比較!特におすすめCPaaS製品

VonageコミュニケーションAPI

画像出典元:「Vonage」公式HP

特徴

「Vonage」は、コールセンター化や自社サービスへの二段階認証導入など、カスタマーサポート機能に強みのあるCPaaS製品です。

音声通話などのリアルタイムコミュニケーションの品質が高く、多機能なため、さまざまな業界で導入されています。

海外発のサービスですが、利用規約や請求書、サポートは日本対応なので、困ったときも相談しやすいでしょう。

評価の高いポイント3つ★★★

  • 電話転送や自動音声応答などコールセンター化
  • 無料テクニカル&カスタマーサポート
  • 日本円で請求書払いが可能

料金プラン

サービス 料金
Voice API
(通話料)
5.5円/分〜(秒単位での課金)
SMS API
(ショートメッセージングサービス)
11円/1通〜
Verify API v1
(成功課金+送信料)
認証成功 7.5円/回
SMS 11円/1通〜
電話 5.5円/分〜
Video API 0.29円〜(1参加者1分あたり)

(税込)

Twilio CPaaS

画像出典元:「Twilio CPaaS」公式HP

特徴

「Twilio CPaaS」は、CPaaSのパイオニアとして、SMSや音声通話、チャットなど、高度なコミュニケーション機能を搭載してるCPaaS製品です。

エンジニアの実装負担が少ないのが特徴で、コードサンプルを活用すればすぐに自社システムと連携できます。

顧客データプラットフォームにより、効果的なキャンペーンの実施、マーケティングも可能です。

評価の高いポイント3つ★★★

  • ボリュームディスカウント・確約利用割引あり
  • サンプルコードの提供で時短実装
  • 大規模運用にも向いている

料金プラン

サービス 料金
SMS発信 国際電話番号 $0.0840
国内番号 $0.1200
Voice API $0.0040〜$0.00610/分
Email API $19.95/月〜

(税表記なし)

その他おすすめ!CPaaS製品

ネクスウェイのCPaaS 

画像出典元:「ネクスウェイのCPaaS」公式HP

特徴

「ネクスウェイのCPaaS」は、国内に特化したメールサーバーを搭載している国産CPaaS製品です。

各キャリアに合わせたSMS・メール送信が可能なため、到達率が高く、音声やFAXなどさまざまなチャネルにも対応しています。

サービスにトラブルが発生した場合も、年中無休の監視サポートがあるため、すぐに対応してもらえるでしょう。

評価の高いポイント3つ★★★

  • 国産CPaaSで高い到達率
  • 手軽にオムニチャネルが実現
  • 専任担当によるサポート&24時間365日の監視体制

料金プラン

詳細については、お問い合わせが必要です。

Plivo

画像出典元:「Plivo」公式HP

特徴

「Plivo」は、220か国以上の多くの企業が導入しているCPaaS製品です。

メールアドレスのみで利用登録が可能で、ノーコードで簡単に導入できるよう専用のテンプレートが用意されています。

さらに複数のチャネル配信に対応したい場合は、Plivo CXの利用もおすすめです。

評価の高いポイント3つ★★★

  • 使用料に応じた割引あり
  • 無料トライアルあり
  • メールアドレスのみで登録が可能

料金プラン

サービス 料金
SMS API $0.0555〜
音声API $0.0030〜$0.0385/分

(税表記なし)

Telnyx

画像出典元:「Telnyx」公式HP

特徴

「Telnyx」は、数百万規模のメッセージングAPIを活用しているCPaaS製品です。

ノーコード実装ができるCPaaSで、自社のニーズに合わせて手軽にカスタマイズできるのが特徴です。

また、24時間365日といつでもサポートしてもらえるため、実装時やトラブルが発生したときも安心して相談できます。

評価の高いポイント3つ★★★

  • 業界に特化したIoTサービスのリリースが実現
  • 直感的な操作でカスタマイズが可能
  • 新しいLLMモデルをリリース当日からサポート

料金プラン

サービス 料金
メッセージングAPI
(SMS・MMS)
$0.073/通
SIPトランキング $0.023〜/分
音声API $0.025〜/(SIPトランキング利用料含む)
ビデオAP $0.002〜/分

(税表記なし)

Amazon Connect

画像出典元:「Amazon Connect」公式HP

特徴

「Amazon Connect」は、AWSが提供しているCPaaS製品です。

複数のチャネルに対応し、数分でセットアップできるため、開発コストやリソースが削減できます。

すでにシステム開発でAWSを利用している場合は、無料利用枠が用意されているので、低コスト運用ができるでしょう。

評価の高いポイント3つ★★★

  • 顧客が好むチャネルで積極的なアピールが可能
  • 受付係の通話量が60%削減した事例あり
  • AIを搭載したチャットボットの利用が可能

料金プラン

サービス 料金
自動発信通話 0.025USD/分
受信・手動発信通話 0.018USD/分
チャット使用料 0.004USD/件
SMS利用料 0.01USD/件

(税表記なし)

U-cube CPaaS

画像出典元:「U-cube CPaaS」公式HP

特徴

「U-cube CPaaS」は、音声通話やチャットボット・IVR・SMS配信など、複数のチャネルに対応したCPaaS製品です。

既存システムへの実装はもちろん、一部機能だけの活用も出来るため、柔軟な実装ができます。

国内事業者にあったサポートがあるので、活用方法に悩んだ時の相談が可能です。

評価の高いポイント3つ★★★

  • 複数チャネルに対応
  • シンプルなコードのみで実装可能
  • U-cube CPaaSを活用した様々なソリューションの展開

料金プラン

詳細については、お問い合わせが必要です。

SkyWay

画像出典元:「SkyWay」公式HP

特徴

「SkyWay」は、低遅延、高品質、セキュアな音声通話が可能なCPaaS製品です。

オンライン英会話やライブ配信などに活用されていて、TURNサーバーが世界に4拠点あるため、海外との通話も安定しています。

1ルームで100人との通話も可能なので、海外ユーザーへのウェビナーにも活用できます。

評価の高いポイント3つ★★★

  • 無料プランあり(無料で開発・検証が可能)
  • トークンベースの認証・認可機能の提供で安心
  • 3つのプラットフォーム対応(JavaScript SDK・iOS SDK・Android SDK)

料金プラン

  Freeプラン Enterpriseプラン
初期費用 無料
月額利用料 無料 110,000円〜

(税込)

CPaaS製品の比較ポイント

ここでCPaaS製品を導入する際の比較ポイントを3つ解説します。

1. 配信チャネルが自社に対応しているか

自社のニーズに合うCPaaS製品を導入する際は、必ずターゲット顧客に適した配信チャネルに対応しているか確認しましょう。

若年層の顧客が多い場合は、LINEなどメッセージングアプリに対応しているCPaaSを導入したほうが、より効果的なアプローチがしやすいです。

今後、幅広い年代へのアプローチを検討しているようであれば、チャネルの選択肢が多いCPaaS製品がおすすめです。

2. 自社の課題解決につながる機能が搭載されているか

CPaaS製品は多機能なサービスが多いため、自社のニーズに合致した製品を選ぶことが大切です。

たとえば、顧客サポートに課題を感じているのであれば、チャットボット機能や自動応答システムが搭載されているCPaaS製品がおすすめです。

将来の拡張性も考慮して導入する場合は機能だけでなく、自社が使用しているほかのシステム環境にも対応できるかも確認しておきましょう。

3. 予算に合うか

CPaaS製品は従量課金制を採用しているサービスが多いですが、一定量使用すると割引が適用されるケースがあります

また、複数の機能と組み合わせて契約すると、使用単価が安くなる可能性もあるため、導入規模と予算が釣り合うか確認しておくと安心です。

海外製のCPaaS製品を導入する場合は、為替レートによって利用料金が変動するリスクもあるので、余裕を持ったコスト感で検討しましょう。

まとめ

CPaaSは、顧客とのコミュニケーション戦略の強化、業務効率化が実現できるツールです。

複数のコミュニケーションチャネルを導入すれば、窓口の一本化による対応スピードの向上など、顧客満足度アップにつながります。

また、システム開発の工数やコスト削減、セキュリティ対策の強化などさまざまなメリットがあるため、ぜひこの機会にCPaaS製品の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

画像出典元:写真AC

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