業務で取り扱うデータの入力や集計、売り上げやサービス利用者の分析など、ビジネスシーンで多く利用されている表計算ソフト。
世界的に有名な「Microsoft Excel」以外にも、便利な機能が搭載されている無料の表計算ソフトが増えています。
本記事ではExcelと互換性のある便利な無料表計算ソフトのおすすめ8選と比較ポイントについて詳しく解説します。
コスト削減を目指す企業担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
このページの目次
表計算ソフトとは、売り上げデータなどの数値の集計やグラフの作成、複雑な計算を行うためのソフトウェアです。
代表的な表計算ソフトといえば「Microsoft Excel」ですが、近頃は無料で利用できる便利な製品が増えてきました。
表計算ソフトを活用すると、下記のような作業・分析が簡単になります。
表計算ソフトはビジネスシーンになくてはならない存在であり、データを取り扱う業務を効率化させるためにもうまく活用したいソフトといえます。
利用する表計算ソフトによって搭載されている機能が異なりますが、基本機能はどの表計算ソフトも同一です。
ここで表計算ソフトの基本機能を4つ紹介します。
表計算ソフトでもっとも基本とされる機能が「表計算」です。
セルと呼ばれる領域へ入力された数値を、数式や関数を利用して計算を行います。
単純な四則演算から四捨五入、平均値の抽出など、複雑な計算が得意なため、手計算によるミスがありません。
書式設定を活用すれば計算結果を見やすくしたり、テンプレートのように表示させたりも可能です。
表計算ソフトは、単純な計算のほかにも、入力された数値のグラフ化や図表作成が可能です。
入力したデータを元に棒グラフや円グラフ、折れ線グラフなど、さまざまなグラフが作成できます。
パターンを活用した図解の作成もできるため、資料作成にも役立つでしょう。
また、Excelなど一部の表計算ソフトには、写真の背景を削除するなど簡単な画像編集機能が搭載されています。
入力されたデータの集計や管理、分析も表計算ソフトの基本機能です。
ソート機能でデータの並べ替えやデータの抽出が可能なため、受発注リストや進捗管理シートの運用に向いています。
また、より高度な集計ができるピボットテーブル機能を活用すれば、膨大なデータの集計やクロス分析も可能に。
分析結果を色分けして目立たせる条件付き書式を設定すれば、分析と共に見やすい資料が完成します。
表計算ソフトにはVBA(Visual Basic for Applications)と呼ばれるプログラム言語が利用できます。
VBAの活用はマクロの記録で簡単なルーティン作業を自動化させたり、if文を使ったプログラムの記述をしたりと、業務効率化につながります。
具体的な活用例を挙げると簡単な操作でファイルを特定のソフトで開く、大量のファイルにパスワードを一括でかけるといった操作が可能です。
ツール名 | 対応OS | Excelとの 互換性 |
プラットフォーム | おすすめポイント |
---|---|---|---|---|
Calc | Windows、Mac、Linux、Android、iOS | ◯ | インストール型 |
|
Zoho sheet | Webブラウザ、iOS、Android | ◯ | クラウド型 |
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googleスプレッドシート | Webブラウザ、iOS、Android | ◯ | クラウド型 |
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Numbers | Mac、iOS、Webブラウザ | ◯ | インストール型(クラウド型) |
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Apache OpenOffice Calc | Windows、Mac、Linux | ◯ | インストール型 |
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Excel | Webブラウザ、Windows | ◯ | インストール型・クラウド型 |
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Polaris Office Web | Windows、Mac、Android、iOS | ◯ | インストール型・クラウド型 |
|
WPS Spreadsheets | Webブラウザ、iOS、Android | ◯ | インストール型 |
|
画像出典元:「Calc」公式HP
「Calc」は、OpenOfficeの後継サービスとしてリリースされたオープンソース型の無料表計算ソフトです。
Excelを始めとしたMicrosoftソフトウェアとの互換性が高く、オープンソース型のため拡張機能に富んでいます。
シナリオ設定すれば毎月の収益計算や、将来のドル相場予測などもボタンひとつでできるのが特徴です。
共有ファイルに設定しておけば、複数人での共同編集が可能で、同じセルを編集してしまった場合どちらの編集を有効にするか競合防止機能もあります。
評価の高いポイント3つ★★★
画像出典元:「Zoho sheet」公式HP
「Zoho sheet」は、チームで共同編集しながらデータ分析ができるクラウド型表計算ソフトです。
Webブラウザ、またはスマホアプリからデータにアクセスできるため、外出先からファイルの閲覧、データ編集ができます。
約40種類のチャートと動的ピボットテーブルビルダーが含まれていて、あらゆるデータを誰でも簡単に分析できるのが特徴です。
また、AIアシスタントを活用すれば、データ処理やデータ分析作業の一部を自動化できるため、業務効率化にもつながるでしょう。
評価の高いポイント3つ★★★
画像出典元:「Googleスプレッドシート」公式HP
「Googleスプレッドシート」は、社内だけでなく社外との共有、共同編集がしやすいGoogleが提供している表計算ソフトです。
ExcelライクなUIなので普段Excelを使用している方であれば、迷わずに操作できるでしょう。
常に最新のファイルをチームで共有・編集が可能で、変更内容は自動保存されるため、保存忘れによるデータ損失がありません。
アドオンが豊富で作業内容に適した機能を追加すれば、人手不足解消や業務効率化を目指している企業におすすめです。
評価の高いポイント3つ★★★
画像出典元:「Numbers」公式HP
「Numbers」は、MacやiPhone・iPadなど、Apple製品に無料でインストールされている表計算ソフトです。
アプリ版はApple製品のみが利用できますが、Apple IDを登録するとWindowsOSでもブラウザ版Numbersが利用できます。
カスタムしやすいテンプレートと700種類以上の図形が提供されているため、ビジュアル的な報告書や分析結果をまとめることが多い企業におすすめです。
評価の高いポイント3つ★★★
画像出典元:「Apache OpenOffice Calc」公式HP
「Apache OpenOffice Calc」は、教育機関や自治体など、機密性の高い組織でも利用できるオープンソースコード型の無料表計算ソフトです。
操作性はExcelと変わらず、拡張機能やテンプレートも豊富なので、基本機能では物足りないと感じるプロフェッショナルも扱いやすいでしょう。
ユーザーコミュニティでのサポートが手厚く、操作方法のHOW TOや高度な活用方法までさまざまな情報が手に入ります。
評価の高いポイント3つ★★★
画像出典元:「Excel」公式HP
「Excel」は、世界中の企業で利用されているデファクトスタンダードな表計算ソフトです。
あらゆるビジネスシーンで見かける表計算ソフトであり、初心者から上級者まで誰でも簡単に表計算、分析ができます。
プログラムの作成やデータベースの構築が可能で、簡単にデータ分析を自動化できるのも魅力です。
また、AIであるCopilotが活用できるため、データ分析や適した数式の提案をしてくれるのも便利です。
評価の高いポイント3つ★★★
※WordやPowerPointなどが利用できるMicrosoft 365 Businessは有料プランです。
画像出典元:「Polaris Office Web」公式HP
「Polaris Office Web」は、韓国発のマルチデバイス対応の表計算ソフトです。
インストール・会員登録不要でWebブラウザから即座にファイル編集できるため、すぐに表計算ソフトを導入したい企業に向いています。
Excelとの互換性があり、デバイスごとにドキュメント表示を最適化してくれるため、シームレスな編集作業が可能です。
拡張機能を活用すれば、DropboxやGoogleドライブで直接ファイルを開けるので、共有データの閲覧や編集も簡単にできます。
評価の高いポイント3つ★★★
※有料プランを利用すると、クラウドストレージの容量増加やファイル復元可能日数が延長されます。
画像出典元:「WPS Spreadsheets」公式HP
「WPS Spreadsheets」は、官公庁や自治体、教育機関などでも利用されている表計算ソフトです。
Excelの操作性とUIに近く、利便性が高いため、WPS Spreadsheetsに乗り換える企業も増えています。
Webブラウザ・スマホアプリ・デスクトップアプリと、作業内容によって使い分けがしやすく、働く場所を選ばずに作業できるのも魅力です。
また、一つのウィンドウに複数のファイルを表示できるオールインワンモードは、「.docx」や「.pptx」など別のファイル形式をまたいだ編集を簡単にしてくれます。
評価の高いポイント3つ★★★
30日間トライアル | ライトプラン | |
初期費用 | 無料 | 要問合せ |
月額利用料 | 300円/ユーザー |
(税抜)
無料で使える表計算ソフトを導入する際は、次の3つの比較ポイントをチェックしてみてください。
多くの企業が導入しているExcelファイルとの互換性があるかは、無料の表計算ソフトを選ぶうえで非常に重要です。
一般的な表計算ソフトであれば「.xlsx」ファイルの閲覧・編集が可能ですが、まれに表示ズレなどを起こしてしまう製品もあります。
特に独自の機能が搭載されている表計算ソフトは、Excelファイルへの書き出し時に一部機能が失われる可能性があるため、互換性については必ず確認しておいてください。
表計算ソフトを導入する際は、クラウド型かインストール型のどちらが自社の作業内容にあっているか検討してみましょう。
クラウド型はいつでも閲覧・編集できる利便性がありますが、サーバーダウンなどオフライン状況下では利用できません。
インストール型はデバイス依存ですがオフライン状況でも閲覧できるため、自社の作業環境に合わせてどちらか選ぶとよいでしょう。
業務効率化や情報共有スピードに関わるため、表計算ソフトを導入する際は、同時編集機能が搭載されているソフトを選ぶのがおすすめです。
たとえば、Excelは共有データでない限りファイルごとに編集をして、手作業で統合しなければなりません。
複数人でプロジェクト管理をしている企業は、統合の手間やミスを防ぐためにも同時編集機能の有無を導入前に比較しておくとよいでしょう。
ビジネスシーンで多く活用されているExcelですが、無料の表計算ソフトでも互換性があれば閲覧・編集が可能です。
クラウド型の表計算ソフトであれば、外出先からでもデータの閲覧や簡単な編集ができるため、業務効率化につながります。
また、無料で使える表計算ソフトのなかには、Excelにはない便利な機能が利用できる製品もあります。
コスト削減のために無料の表計算ソフトをお探しの方は、ぜひ本記事の比較ポイントを押さえつつ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
画像出典元:写真AC