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AWS請求代行サービスは、AWS利用者が直接契約する代わりに、国内のAWSパートナー企業が請求や支払いを代行する仕組みです。
これにより、日本円での請求書払いが可能となり、コスト削減や運用サポートなどのメリットが得られます。
本記事では、おすすめのAWS請求代行サービス10選の紹介から、仕組みや直接契約との違い、提供される主なサービス、導入メリットまで詳しく解説します。
このページの目次
AWS請求代行サービスとは、AWSの公式パートナー企業が、ユーザー企業に代わってAWSの利用料金を支払う代行サービスです。
サービス導入により、企業は日本円での請求書払いが可能となり、為替リスクの軽減やクレジットカードの限度額超過といった課題を回避できます。
さらに、AWS請求代行サービスによっては、請求書払いの他にも料金割引や技術サポートなど、直接契約にはない支援も提供しています。
そのため、AWSと直接契約するよりも、コストの最適化や効率的な運用が可能です。
海外企業との直接取引に不安がある企業や、クラウド管理のリソースが限られている中小企業におすすめのサービスといえるでしょう。
AWS請求代行サービスと直接契約には、支払い方法以外にもサポートや機能制限などの違いがあります。
AWSの請求代行サービスは、支払い方法の柔軟さや割引、サポート体制の充実などが大きなメリットです。
しかし、無料枠の利用不可や一部機能の制限といったデメリットも存在します。
以下の表を参考に、自社の運用方針や予算が、どちらの契約形態に適しているかを把握しておきましょう。
AWS請求代行サービス | 直接契約 | |
契約相手先 | AWSパートナー企業 | AWS |
支払い方法 | 日本円での請求書払い | クレジットカード、海外送金 |
支払い通貨 | 日本円 | 米ドル |
利用料の割引有無 | あり | なし |
無料枠 | 利用不可 | 利用可能 |
機能制限 | 一部あり | なし |
付帯サービスやサポート | パートナー企業によるサポート(無料もあり) | AWS公式サポート(有料) |
AWS請求代行サービスでは、主に以下のような機能や支援を提供しています。
提供サービスはベンダーにより異なるため、導入前に自社に必要な機能が提供されているかを確認しましょう。
付帯サービス | 内容 |
請求管理機能 (円建て、請求書払いの対応可) |
AWSの請求を日本円で請求払いできるサービス。部門ごとの利用明細や月次請求が可能になるため、経理処理が楽になる。 |
AWS利用料の割引 | サービスによって2〜10%程度、AWS利用料金が割引される。 |
複数アカウントの統合管理 | 複数のAWSアカウントを一元管理できるため、問い合わせ先が1本化。AWS関連の問い合わせ窓口として、アカウント管理が簡素化される。 |
コスト分析やレポート機能 | 利用状況の分析やレポートの提供により、コスト最適化の支援が可能。 |
日本語サポート | 日本語でのサポートを提供し、技術的な問い合わせやトラブル対応を迅速に行う。 |
技術支援サービス | AWSの導入や運用に関する技術支援を提供し、システムの安定稼働をサポート。 |
AWSへの問い合わせ代行 | 障害やトラブル時もAWS請求代行サービスが窓口となるため、日本語で問い合わせが可能。 |
セキュリティ支援 | AWS環境に適したセキュリティ環境を構築。障害発生時に一次対応してもらえるサービスもある。 |
クラウド保険 | トラブル発生時やサイバー攻撃の被害に遭ってしまった場合、損害賠償金やセキュリティ事故に関する補償が受けられる。 |
AWS請求代行サービスを導入することで得られる主なメリットを4つ紹介します。
AWS請求代行サービスの導入でもっとも大きなメリットは、AWSの利用料金を日本円で請求できることでしょう。
為替変動リスクを回避しつつ、請求業務が簡素化できるため、経理処理の負担が軽減されます。
日本円で請求できるAWS請求代行サービスは、ドル建ての請求書を作成しなくて済むため、利用料の計算がしやすいです。
複数のAWSアカウントを所有している場合でも、請求窓口が1本化されるので請求業務の負担が大幅に軽減されます。
導入するAWS請求代行サービスによっては、AWS利用料に一定の割引率が適用されるので、コスト削減も期待できます。
日本語サポートやAWSの技術支援、セキュリティ対策など、AWS請求代行サービスごとに独自のサービスが利用できるのもメリットでしょう。
ツール名 | 最大割引率 | サポートタイプ | 付帯サービス | 特徴 |
---|---|---|---|---|
![]() |
10%
|
総合サポート型
|
・AWS技術サポート ・クラウド保険 ・管理ポータル
|
運用状況に合わせて選べる割引率
|
![]() |
10% ※2025年7月以降は8%
|
総合サポート型
|
・ビジネスサポート ・サイバーリスク保険 ・管理ポータル ・URI監視サービス
|
AWSビジネスサポート相当の技術支援が利用できる
|
![]() |
10%
|
総合サポート型
|
・構築運用割引 ・サーバー監視一次対応 ・AWSコスト管理ツール
|
MMSPコンプテンシー取得済みの高いセキュリティ
|
![]() |
15%
|
割引特化型
|
・セキュリティ運用 ・各種申請代行 ・不正防止
|
主要EC2メインならおすすめ
|
![]() |
10%
|
総合サポート型
|
・既存アカウント無料移管 ・サーバー構築 ・運用・保守・監視無料(オプション)
|
高いセキュリティ環境を求めている企業におすすめ
|
![]() |
5%
|
総合サポート型
|
・メンタリングプログラム ・損害保険 ・AWS運用自動化サービス
|
スタートアップ企業向けのメンタリングプログラム
|
画像出典元:「C-Chorus」公式HP
「C-Chorus」は、AWSの利用料金が最大10%割引される総合サポート型AWS請求代行サービスです。
マルチアカウント管理やコスト分析機能など、AWS運用を多方面から支援する機能を備えています。
AWSとGoogle Cloudを両方利用する企業には、セット割引プランも用意されているので、自社の運用状況に合わせてプランを選んでみましょう。
主な機能 |
|
割引率 | 最大10% |
サポート体制 | 24時間365日 |
導入実績数 | 6,000件以上 |
おすすめの企業 | 中堅〜大企業 |
8%割引プラン | 10%割引プラン | 個別割引プラン | |
利用料 | 無料 | ||
AWS割引率 | 8% ※GoogleCloudとのセット割引適用時は9% |
10% | 主要EC2:15% CloudFront:65% |
(※1)AWS・Google Cloudの利用料金が月額20万円(税別)以上でセット割引が適用
画像出典元:「JIG-SAW Prime」公式HP
「JIG-SAW Prime」は、AWSの有料サービスであるビジネスサポート相当のサポートが無料で利用できるAWS請求代行サービスです。
AWSの障害時対応やシステム運用サポートなど、無料で利用できる技術的な支援が充実しているため、社内のエンジニアリソースが足りない企業におすすめ。
オプション利用でオンプレミスからのクラウド移行が可能なので、技術課題がある場合は問い合わせてみてください。
主な機能 |
|
割引率 | 最大10% ※2025年7月以降は8% |
サポート体制 | 24時間365日 |
導入実績数 | 非公開 |
おすすめの企業 | 中小企業 |
初期費用と月額利用料は無料のため、割引後のAWS利用料金のみの支払いです。
画像出典元:「ハートビーツ」公式HP
「ハートビーツ」は、2013年から11年連続でAWSアドバンスドコンサルティングパートナーに選ばれているAWS請求代行サービスです。
厳格なセキュリティ運用プロセスをクリアした証であるAWS レベル1 MSSPコンピテンシーも取得しています。
高いセキュリティ管理は、機密情報の取り扱いが心配な企業でも、安心して利用できるでしょう。
主な機能 |
|
割引率 | 最大10% |
サポート体制 | 24時間365日 |
導入実績数 | 300件以上 |
おすすめの企業 | 個人情報や機密情報を取り扱っている企業 |
シンプルプラン | Organizationsプラン | AWSダイレクトプラン | |
初期費用 | 無料 | ||
サポート費用 | 無料 ※エンタープライズ相当 |
企業負担 | |
AWS割引率 | 10% | 5% | 5% |
RI/SP割引 | 5% | ー | 5% |
画像出典元:「AWS請求代行(クラスメソッド)」公式HP
クラスメソッドが提供している「AWS請求代行」は、不正防止や運用支援などの付帯サービスが充実している請求代行サービスです。
独自のナレッジ集を無料で閲覧できるので、セキュリティ対策や複数のAWS運用推進などにも役立つ情報が得られるでしょう。
また、AWSアカウントのセキュリティ設定も無料で対応してもらえるため、常に高いセキュリティ環境を維持できます。
主な機能 |
|
割引率 | 7% |
サポート体制 | 24時間365日 |
導入実績数 | 5,000社以上 |
おすすめの企業 | AWS運用を効率化したい企業 |
一律割引プランv2 | EC2・CDN割引プラン | 組織維持プランv2 | |
初期費用・月額利用料 | 無料 | ||
AWS割引率 | 7% | アマゾン EC2:15% CloudFrontアウトバウンド通信:約65% インターネットデータ転送料金:5% |
4% |
AWS Organizations / AWS ControlTower利用 | 不可 | 可能 |
画像出典元:「AWS請求代行サービス(cloudpack)」公式HP
cloudpackの「AWS請求代行サービス」は、APNプレミアコンサルティングパートナーとして豊富な運用実績がある請求代行サービスです。
ISMSやISMSクラウドセキュリティ認証を受け、幅広い分野に精通したプロが運用・保守も対応しています。
システム開発やデザイン制作など、各分野のプロフェッショナルが揃っているので、AWSサービスを総合的にサポートしてもらいたい企業におすすめです。
主な機能 |
|
割引率 | 10% |
サポート体制 | 24時間受付、10〜19時対応 |
導入実績数 | 2,500社以上 ※AWS・GoogleCloud等含むクラウド導入実績 |
おすすめの企業 | サーバー構築からUIデザインまで支援してもらいたい中小企業 |
初期費用と月額利用料は無料のため、割引後のAWS利用料金のみの支払いです。
画像出典元:「AWS請求代行サービス(サーバーワークス)」公式HP
「サーバーワークスのAWS請求代行サービス」は、2009年からいち早くAWSの支援サービスを始めた請求代行サービスです。
企業のAWS運用状況に合わせて、4つのプランから最適なサービスを選べます。
「スタートアッププラン」は、事業運営や組織運営のメンタリングプログラムが利用できるので、設立10年以内の企業におすすめです。
主な機能 |
|
割引率 | 最大5% |
サポート体制 | 24時間365日 |
導入実績数 | 24,500件 |
おすすめの企業 | 設立10年以内のスタートアップ企業 |
ガバナンスプラン | アドバンスドプラン | ディスカウントプラン | スタートアッププラン | |
初期費用 | 無料 | |||
AWS割引率 | 5% | なし | 5% | 5% |
請求代行手数料 | 無料 | AWS利用料+サポート料金の10% | 無料 | 無料 |
画像出典元:「AWS請求代行サービス(アシスト)」公式HP
アシストの「AWS請求代行サービス」は、AWS Organizationsが利用できる請求代行サービスです。
マルチアカウント管理機能対応版の請求代行サービスであれば、さまざまな技術支援も受けながら日本円での請求書払いができます。
rootユーザーとして利用できるため、AWSと直接契約しているような環境で運用できるでしょう。
主な機能 |
|
割引率 | ー |
サポート体制 | 24時間365日 |
導入実績数 | 非公開 |
おすすめの企業 | アシスト製品を利用している企業 |
初期費用と請求代行手数料は無料ですが、サポートを利用する場合月額費用としてAWS利用料金の10%が発生します。
画像出典元:「スカイアーチ」公式HP
「スカイアーチ」は、AWSのアカウント発行とIAMアカウントの管理代行を支援してくれる請求代行サービスです。
割引はありませんが、AWS認定エンジニアによる技術サポートが利用できます。
また、最適化支援として構成レビューや、環境改善提案などの支援もしてもらえます。
主な機能 |
|
割引率 | ー |
サポート体制 | 平日10〜18時 |
導入実績数 | 非公開 |
おすすめの企業 | AWSの最適化支援を受けたい企業 |
初期費用は無料ですが、月額費用としてAWS利用料金+AWSビジネスサポート費用の10%が発生します。
画像出典元:「AWS請求代行・運用監視サービス」公式HP
ARIアドバンストテクノロジの「AWS請求代行・運用監視サービス」は、AWSアドバンストティア サービスパートナーに認定された請求代行サービスです。
AWSの保守契約が1本化されるため、管理の手間が軽減されます。
障害発生時に対応してもらいたい場合は、別途運用保守サービスの利用が必要です。
主な機能 |
|
割引率 | 2% |
サポート体制 | 24時間365日 |
導入実績数 | 非公開 |
おすすめの企業 | 運用監視対応もしてもらいたい企業 |
初期費用と月額料金は無料のため、AWS利用料金のみの支払いです。
画像出典元:「Sunny Pay」公式HP
「Sunny Pay」は、AWSで構築した環境をそのままデータ移行せずに利用できる請求代行サービスです。
AWSコンソールとは別に請求金額やアカウントの利用状況がわかる管理ポータルが利用できるため、EC2やRDEの稼働状況を簡単に確認できます。
付帯サービスとしてAWS障害時に発生した場合、損害保険が無料で利用できます。
主な機能 |
|
割引率 | 5% |
サポート体制 | 24時間365日 |
導入実績数 | 400社・1,100アカウント以上 |
おすすめの企業 | AWSアカウントを譲渡せず請求代行を利用したい企業 |
初期費用と月額料金は無料のため、AWS利用料金のみの支払いです。
自社のニーズに合ったAWS請求代行サービスを選ぶために、以下のような視点からサービスを比較してみてください。
AWS請求代行サービスを比較する際は、AWS利用料に対する割引率や、請求代行に伴う手数料の有無を確認することが重要です。
手数料の有無は運営会社や契約プランによって異なるため、コスト削減が目的の場合は欠かせない比較ポイントです。
また、割引率の高いプランを提供している請求代行サービスを選べば、より大幅なコスト削減が期待できます。
日本語での対応やトラブル発生時の対応スピードなど、充実したサポート体制がある代行サービスを選ぶと、万が一の際にも安心です。
AWSへ問い合わせが必要な場合は、基本的にパートナー企業が窓口となるため、迅速かつ的確な対応が可能な体制が整っているか確認しておきましょう。
また、サポートを利用する際に追加料金が発生するケースもあるため、サポート体制を確認する際に無料なのか有料なのかも確認しておいてください。
AWS請求代行サービスによっては、無料の付帯サービスを提供しているケースがあります。
たとえば、セキュリティ設定の支援やサイバー攻撃による損害を保障する保険などがあれば、万が一の場合も安心です。
AWSの構築支援や運用・保守支援がある請求代行サービスを選べば、社内のリソースが不足しているときも安定したAWS運用ができます。
ただし、契約するプランによって利用できる付帯サービスが異なるケースがあるため、利用条件等は事前に確認しておきましょう。
豊富な運用・導入実績のあるAWS請求代行サービスなら、トラブル発生時や請求処理もスムーズに対応してもらえるので、安心して利用できます。
特に同業種での導入実績があるサービスであれば、自社のニーズに合ったサポートが受けられる可能性が高いでしょう。
メリットの多い請求代行サービスですが、いくつか注意点も存在します。
導入後に慌てないために、注意点もしっかりと確認しておきましょう。
すでにAWSアカウントを持っている企業は、AWS請求代行サービスにアカウントを移行する手間がかかります。
AWSアカウント移行には権限の再設定や詳細設定の変更が必要であり、複数のサービスを利用している場合は移行作業が煩雑になるかもしれません。
AWSを直接契約すると、アカウント利用状況に応じて無料利用枠が適用されます。
しかし、請求代行サービスにアカウント管理を移管すると、無料枠が適用されなくなります。
そのため、現在無料枠を活用している企業や、これからAWSを導入する企業は、無料枠を使い切ってから請求代行サービスへ移行したほうがよいかもしれません。
AWS請求代行サービスを導入した場合、これまで利用していたサービスの一部に制限がかかる可能性があります。
たとえば、AWSのメンテナンスやイベント情報などの情報がタイムリーに届かなくなります。
また、rootユーザー権限がパートナー企業に移管されると、自社はIAMユーザーとしてアクセスすることになり、AWSの利用制限や権限開放申請ができません。
請求代行サービスの導入後はAWSの運用方法が変わるため、最新情報の共有タイミングや運用変更の申請フローなど、事前に確認しておくと安心です。
請求代行サービスは、パートナー企業にシステムの構成情報や機密情報のアクセス権限が付与されるため、AWSと直接契約するよりも情報漏えいリスクが高まります。
情報漏えいリスクを軽減するためにも、運用実績の豊富な信頼できるパートナー企業を選ぶことが重要です。
具体的には秘密保持契約(NDA)の締結や、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などの第三者認証の取得など、セキュリティ体制を確認してみましょう。
AWS請求代行サービスは、コスト削減や支払い方法の柔軟性、運用支援など、多くのメリットを提供します。
自社のニーズに合ったサービスを選定することで、AWSの利用をより効率的かつ効果的に進めることができます。
本記事で紹介した各サービスの特徴や選定ポイントを参考に、最適なAWS請求代行サービスを導入し、コスト削減と運用効率化を実現しましょう。
画像出典元:写真AC