店舗の改善や、工場・倉庫の効率化のために動線分析を取り入れてみたくても、方法がわからなくて困っていませんか?
動線分析ツールを活用すれば、店舗の課題とその改善策を見つけやすくしてくれます。
適切な人員配置にも、マーケティング施策を打ち出すのにも役立つでしょう。
動線分析ツールの導入メリットと比較ポイントを解説し、おすすめのサービスを実店舗・工場向けとWebサイト向けとに分けて紹介します。
このページの目次
動線分析とは、利用者が入店してから購入するまでの行動パターンを分析することで、施設やサイトの課題を見つけ出し、店舗の改善につなげるための手法です。
施設内のどの部分に人が集中しているか、顧客へのサポートが必要な場所がどこなのかを見つけ、レイアウトの変更や従業員の配置などをおこなうので、知識や経験が必要とされます。
動線分析ツールとは、動線分析に必要なデータを収集したうえで、動線分析の経験がない人でも解析しやすいように、データを指標化・可視化してくれるツールです。
データの取得にはセンサーやカメラ、GPSが用いられ、AIやビッグデータを活用して、人の動きだけでなく、顔認識による年代・性別などの推定やリピート率、POSと連動した売上の分析も詳細にできます。
動線分析ツールのなかには、店舗改善のサポートやコンサルティングを含むものもあります。
動線分析を適切におこなうことで、ニーズに合わせた施策の実施が可能になり、来客数や購入率アップも期待できるでしょう。
画像出典元:「ABEJA Insight for Retail」公式HP
ABEJA Insight for Retailは、リアル店舗向けの動線分析ツールです。
AIが活用されている点が特徴で、顧客の行動を可視化し、立ち寄り分析やリピート推定、動線分析を行います。
高度な分析ができるのにもかかわらず、簡単・手軽に、店舗データを分析できる管理画面と、サマリーレポートの週次メール配信で、忙しい管理者の負担を軽減してくれます。
初期費用:要問合せ
月額費用:16,000円~
月額費用はカメラの台数に応じて変動します。初期設定費用のほかにカメラ取付のための施工費用(実費)が必要です。
画像出典元:「moptar」公式HP
moptarは、レーザーセンサーなど様々なデバイスに対応した、高精度の動線分析ツールです。
リアルタイムの動線情報に基づいたデジタルサイネージ広告や、退店後に顧客に応じたLINE・メールを送信するなど、One to Oneプロモーションが可能です。
不審者や危機を認識するなどセキュリティー管理に活用でき、工場・倉庫での作業効率化、無人店舗など幅広い業種に対応可能です。
1ヶ月から利用できる月額のライセンス販売と、システム環境設定のオンプレまたはクラウドの3つから選ぶことが可能です。
料金の詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「Genavis」公式HP
動線解析に必要な位置情報の取得から解析まで、ワンストップで利用できるサービスです。
スマートフォンのBluetoothなどから動線分析をおこない、取得したログをCSVファイルにして、自由に加工や解析をおこなうことが可能です。
分析・解析システムの利用経験がなくても、設置からデータ解析までをコンサルティングしてくれます。
リアル店舗のほか、工場や建設現場といった幅広い業種で利用できます。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「動線分析ソリューション」公式HP
動線分析ソリューションは、ヒトの動きを「見える化」するサービスです。
さまざまなデータを自動で収集し、動向分析することで、課題の早期発見と対策を可能にします。
収集したデータを活用することでリアル店舗の実態を定量的に把握することができます。
来場者人数をカウントし、施策前後の人数を比較することで、施策の効果を見える化 します。
詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「トリノ・ガーデン株式会社」公式HP
トリノ・ガーデンは、オペレーションを計測・数値化して分析することに長けた企業で、「店舗オペレーション研究所」などの動線分析サービスを提供しています。
「科学的な検証」と「行動心理」に基づくアプローチが特徴です。
IoTツールなど、設備導入の影響を数値化し、効果を最大化するオペレーションを提案してくれます。
サービス業のほか、建設、医療、教育、美容、スポーツなどの分野で導入実績があります。
撮影時間、集計対象の人数、カメラ台数、集計項目によって料金が変動します。
下表は見積もりの参考例です。
事業 | 郊外型 ファミリーレストラン |
牛丼・定食 | ラーメン |
撮影時間 集計対象人数 カメラ台数 集計項目 |
14.5時間 スタッフ15人 5台 6項目 |
4時間 スタッフ4人 3台 8項目 |
20時間 スタッフ3人 1台 3項目 |
内訳 | 調査 7万 集計 63万 分析 80万 |
調査 7万 集計 83万 分析 120万 |
集計 4万/月・店 全店比較分析 5万/月・社 |
合計 | 150万円 (参考) |
210万円 (参考) |
20店舗で 85万円/月・店 (参考) |
画像出典元:「RetailNext」公式HP
RetailNextは、アメリカシリコンバレーの企業が小売店舗の最適化を目的として開発した動線分析ツールです。
商品の品ぞろえや陳列状況が購入行動に与える影響を測定し、可視化できる機能が搭載されています。
詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「RaFLOW」公式HP
RaFLOWは、位置測位センサーを活用して「現場の問題点」を見える化してくれる動線分析ツールです。
カメラ撮影よりも詳しい、人・モノの動線データを自動的に収集・作成。リアルな3Dモデルで物流現場を再現することができます。
倉庫・物流センターのほか、病院、介護施設などの業種で利用できます。
詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「FollowUP」公式HP
「FollowUP」は、小売店の店舗内カメラの画像認識とPOSデータなどを掛け合わせて解析をおこなう店舗分析ツールです。
導入後は、課題の洗い出しや、売り上げ改善のための目標設定 、施策立案を支援してくれます。
初期費用:無料
月額費用:19,000円~
※基本プラン(プラットフォーム、入店カウント機能、滞在時間および滞在人数測定機能)の場合
(税表記なし)
画像出典元:「Knowns Biz」公式HP
「Knowns Biz(ノウンズ ビズ)」は、ノウンズ株式会社の提供するデータ分析ツールです。
独自の分析フレームワークで、従来の分析では見逃しがちな新たなビジネスチャンスを可視化します。
また、億単位の膨大なデータから、属性データと消費者意識データを掛け合わせた高度な分析で、顧客の潜在ニーズや行動を深く理解することができます。
さらに、料金体系は、利用アカウント人数によるため月額制ですきなだけデータの活用が可能です。
Knowns Bizの料金プランは下記の通りです。
Lightプラン | Basicプラン | Proプラン | |
初期費用 | 10万円 | ||
月額利用料 (12ヶ月間契約) |
10万円 | 20万円 | 50万円 |
月額利用料 (6ヶ月間契約) |
11万円 |
22万円 |
55万円 |
アカウント利用人数 | 1〜3 | 1〜10 | 1〜40 |
分析機能※1 (オリジナルジャンル) |
× | ○ | ○ |
カジュアルリサーチの 自動ダッシュボード |
× | ○ | ○ |
オプション※2 特化型分析(CM分析) |
○ | ○ | ○ |
(税表示なし)
※1 オリジナルジャンル 独自に選んだ自社と競合だけでのポジショニングマップなども制作可能。
※2 特化型分析 より専門的に分野を絞った分析。
また、下記の機能もオプションサービスとして提供されています。
サービスの無料お試しも可能なので、導入前に利用してみましょう。
画像出典元:「KARTE」公式HP
KARTEは、ユーザーの顧客体験(CX)向上を支援する、Webサイト向け動線分析ツールです。
ユーザー行動をリアルタイムに追跡・解析し、顧客満足度の向上やコンバージョン率の最適化のほか、一人ひとりに合わせた体験の提供が可能です。
詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「User Insight」公式HP
User Insightは、サイトへの流入数とCVRを改善し、サイトの価値を最大化させるWebサイト向け動線分析ツールです。
マウスの動きを追跡し、ユーザーがどこを見ているか、どこで離脱したかなど12種類のヒートマップ表示により、課題点を発見することができます。
詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「Marketing Cockpit」公式HP
Marketing Cockpitは、顧客データを統合・分析し課題の整理を行う、伴走型PDCA支援サービスが特徴の、Webサイト向け動線分析ツールです。
ツール運用、施策実施のほか、煩雑な分析、集計、レポーティング業務を支援してくれるので、販促のPDCAサイクルの循環が可能になります。
詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「Juicer」公式HP
Juicerは、サイトの分析と改善機能を無料で使うことができる、Webサイト向け動線分析ツールです。
利用登録後に発行されるタグを、Webサイトに埋め込むだけで利用できるため、手軽に動線分析ツールを取り入れたい方におすすめです。
多様なデータを分析し、自社サイトのペルソナを自動生成するのが特徴です。
初期費用:無料
月額費用:無料
基本プランはすべて無料で利用できますが、オプション機能の利用は有料です。
動線分析ツールを導入するメリットは、リアルタイムで人やモノの動きを可視化できることです。
購入から離脱してしまう問題点を把握し、陳列や入荷商品の傾向など、需要に合わせた施策を行うことができます。
接客が必要な顧客を見つけて従業員に通知を出すことで、適切なタイミングで接客できるようになります。
来店客の多いエリア・時間帯を把握し、人員配置やレジ待ちの改善が可能です。
人とモノの動きを確認することで、接触事故の防止などリスクの低減化が可能です。
最適な設備配置を実現することで、より迅速に動けるようになり、効率の改善につながります。
動線分析は、小売店や大型のショッピング施設、工場、物流倉庫など、人やモノが多く行き交う場所で利用されます。
工場や店舗、リアル店舗やWebサイト向けなどの動線分析ツールがあるため、用途にあったツールの選択が必要です。
現状の課題を整理し、何のために調査をするのか明確化しておきましょう。
導入後に活用したい情報が「顧客一人ひとりの動き」「トータルで管理するため全体の動き」という場合では、必要な機能が変わります。
ツールを導入しても、読み解くのに時間がかかるなど、担当者が見やすいデータでなければうまく活用できません。
無料トライアルは積極的に活用し、検知した情報がどのようにデータ化されるのか確認するとよいでしょう。
施設内の動線や顧客行動を把握することで、業務の効率化、収益化が実現できる動線分析ツールについてご紹介しました。
比較のポイントを押さえ、自社にとって最適なシステムを導入してください。
画像出典元:O-dan