原材料の仕入れから商品販売に至るまでのあらゆるモノの管理や、在庫量の適正な把握等、物品販売を行っている会社にとって頭を悩ませることが多い物流管理。
その物流管理をスムーズに行えるようにしてくれるツールが、SCMです。
今回は数多くあるSCMの中からおすすめの9選をご紹介します。それぞれのツールの特徴や機能についてまとめてありますので、ぜひSCM導入の際に参考にしてください。
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このページの目次
SCMとは、Supply Chain Managementの頭文字をとった言葉で、「サプライチェーン・マネジメント」といいます。
原材料の調達から商品が消費者の手に渡るまで、生産・流通に関する全ての物流管理が行えるツールです。
サポート対応 | 無料おためし | 特徴 | |
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Spectee Pro |
電話での相談可能
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⭕️
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AIリアルタイム分析による物流危機管理
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mcframe |
電話での相談可能
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⭕️
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自社に合わせたカスタマイズが可能
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楽々ProcurementII |
専用フォームで問合せ可能
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要問合せ
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ワークフロー機能あり 他システムとの連携可能
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SAP SCMソリューション |
ヘルプサイトあり
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デモあり
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グローバル対応
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画像出典元:「Spectee Pro」公式HP
「Spectee Pro」は、災害や事故など、経営や事業計画に関わるリスク情報をリアルタイムに把握できる物流管理におすすめのAI防災・危機管理情報サービスです。
民間企業だけでなく、官公庁や地方自治体など、さまざまな分野での導入実績があり、安心して利用することができます。
ひとつの画面にあらゆるリスク情報が集約されるので、必要な情報をスムーズに把握できるサプライチェーンマネジメント。
企業の各拠点や取引先など、登録した場所の周辺で起こった事象を状況を瞬時に把握することができるので、SCMやBCPに活用できます。
・危機情報収集
・通知
・可視化・予測
・アラート通知
・ダッシュボードで一元管理
Spectee Proの料金については、問い合わせが必要です。
画像出典元:「mcframe 7」公式HP
1996年に誕生した「mcframe」。
SCMの基本的「生産管理」や「販売管理」といった基本的な機能を始め、マスタの改廃やグループ企業の統廃合等、自社の状況に合わせて柔軟かつ複雑なカスタマイズも可能。
あらゆる業務に適用できるシステムです。
・生産管理
・購買管理
・販売管理
・原価管理
料金は導入環境や利用規模により異なります。詳しくは公式HPよりお問い合わせください。
画像出典元:「楽々ProcurementII」公式HP
3ヵ月でのスピード導入が可能な「楽々ProcurementII」。簡単便利で使いやすいSCMで、業種や規模の異なる企業100社以上で利用されています。
実績に裏付けられたノウハウを基に、充実した機能がそろっているSCMツールです。
・依頼部門機能
・購買部門機能
・取引先機能
詳細はお問い合わせが必要です。
画像出典元:「SAP SCMソリューション」公式HP
グローバル展開している会社へおすすめの「SAP SCMソリューション」。
需要変動に対して迅速な対応が可能となるシステムが構築されており、顧客中心の商品が投入できるようになっています。
・製品ライフサイクル管理
・製品の設計、エンジニアリング、開発、原価計算
・製品収益性分析
・プロジェクトポートフォリオ管理
・イノベーション管理およびコラボレーション
詳細はお問い合わせが必要です。
画像出典元:「PlanNEL」公式HP
PlanNELは、20年以上のサプライチェーン・マネジメント領域のコンサルティングや施策提案をベースに構築されたSaaS型のSCMサービスです。
AI需要予測に加え、販売計画・在庫計画・補充計画・需給計画といった一連の計画機能を持ち、一元管理が可能です。
例えば、在庫基準は実際の販売実績をもとに設定し、その基準に沿って補充計画を作るなど、スムーズかつシームレスに計画策定を進められます。
さらに、各種計画データと拠点ごとの情報(設備・輸送能力など)を組み合わせた供給計画も策定可能です。
これにより欠品や過剰在庫を防げるので、中長期的にわたってサプライチェーンの最適化が実現できます。
PlanNELを導入することで、計画作成時間を80%短縮、過剰在庫・欠品30%減などの効果が期待でき、機能単位でのスモールスタートも可能なため、自社でシステムの構築が難しい中小〜中堅企業にとくにおすすめです。
PlanNELの詳しい料金プラン情報は開示されていませんが、ノウハウのある専任コンサルタントを介して高精度で安定的な計画を策定していくので、コストパフォーマンスは高いです。
企業の稼働状況にあわせた計画を立てられるので、関心のある方は問い合わせて相談するといいでしょう。
画像出典元:「 PROCURESUITE 」公式HP
PROCURESUITEは、都度購買・カタログ購買・請求書実績払いなど様々な購買方法に対応した調達支援ソリューションです。
現場から購買・仕入先まで、各ステージに応じた機能が搭載されているため、一元化された集中購買を実現できます。間接材購買の購買で課題を抱えている企業に特におすすめしたいツールです。
画像出典元:「Oracle SupplyChainManagement」公式HP
各種データを統合して、サプライチェーンマネジメントの戦略そのものを改革することを目指しているツールです。
横断的に自社組織を改革したい企業におすすめです。
画像出典元:「クラウド型間接材調達支援サービス」公式HP
拠点ごとに異なる様々な品目、個別の仕入先を全てクラウド上で一元管理し、間接材に関わる取引を全て見える化できるツールです。
購買に関わる支出が明確になるため、支出削減のポイントを明確化でき、多くの企業が支出削減に成功しています。
一見関係がなさそうに思える家賃や光熱費などの無形財まで、経験豊富な専任コンサルタントがアドバイスしてくれます。
画像出典元:「ONEsLOGI/WMS Cloud」公式HP
課題の把握から導入後のサポートまで、Face to Face で対応してくれるツールです。
現場主義を掲げており、倉庫の視察や業務ヒアリングを丁寧に行い、一緒に課題の洗い出し作業をしてくれるので、心強いですね。
基幹系システムとの連携も可能です。
月額5万円から利用できます。
経営を最適化してくれるSCMですが、その範囲は実に膨大なものとなります。そして、それぞれのSCMによって得意とする範囲も異なります。
商品の仕入れ一つをとってみても、一つの工場内で行う仕入れなのか、それとも会社全体の複数工場で行う仕入れなのかによって、規模が大きく異なります。
まずはSCMの導入によって川上から川下まで全てを網羅させたいのか、それとも一工場に特化したいのか等、ソリューションを適用させたい範囲を明確にする必要があります。
すでに様々なシステムを導入している会社が多いと思いますが、SCMを導入する際にも既存システムの存在をどう扱うかが重要になります。
既存システムを活かしながらSCMを導入するのか、もしくは既存システムすべてをSCMに置き換えるのか、どちらにするかによって選定するSCMが大きく変わります。
よって、SCM導入の際はまず既存システムとの兼ね合いについて検討することが大切です。
SCMは一度導入すれば、後はそのまま問題なく使用できるというツールではありません。
導入後、実際にツールを使用しながら、それぞれの会社によって異なる物流や経営、市場規模との兼ね合いを加味して、改善しながら運用を行っていく必要があるのです。
そのため、導入するSCMツールのサポート体制はどのようになっているのかを確認するとともに、SCM販売をしている会社の担当者との相性も、ツール選定の上で重要なポイントとなります。
ERPとは、Enterprise Resource Planningの頭文字をとったもので、統合基幹業務システムや基幹システムと呼ばれています。
ERPは「ヒト・モノ・カネ・情報」といった自社における様々な経営資源を一元管理するシステムで、経営資源の効率化や経営における重要な判断をスムーズに行えるようにするものです。
一方、SCMは原材料の仕入れから製造、輸送、そして販売までを効率的に行えるようにする物流管理に特化したツールで、利益の増加を目指して使用するものです。
SCMで管理されるデータもERPの一部に含まれますが、SCMとERPでは目指すものや扱うデータの幅が異なります。
それぞれの会社の状況や目指すものによって導入するツールが変わるため、まずは自社が抱える問題を明確にし、どのようなツールを必要としているのかをはっきりさせることが大切です。
SCM導入最大のメリットは、物流に関するあらゆる情報を一元管理できるようになることです。
ツールの導入によって原材料の仕入れから小売店での商品販売に至るまで、すべての物流管理が一元管理できることでスムーズに行えるようになり、物流に関する重要な情報をすぐに各社へ伝えられるようになります。
また、SCMの導入によって物流管理における課題や実情が把握・共有しやすくなるため、より効率的に業務を進めることも可能となります。
SCMを導入すると、リアルタイムで詳細な物流管理ができるため迅速かつ最適な量の仕入れや配送が可能となります。
また、情報を一元管理できることで複数工場や店舗間での供給システム構築が可能となり、より効率的に配送ルートを確立させられるため、配送コストも削減できます。
さらにSCMによって需要と供給のバランスが可視化され、抱える在庫の適正量を保持することが可能となります。
SCMの導入は、物流に関するあらゆるコストの削減に繋がります。
今やどの業界においても人手不足が深刻な問題となっていますが、SCMを導入することで人材不足を解消できます。
物流に関する様々なデータを一元管理できることで社内における物流管理が効率的に行えるようになり、必要最低限の人数で回すことが可能となるのです。
また、工場や店舗間の移動において効率的な配送ルートを構築できることで配送に携わる人数を減らし、適正な在庫量の保持により無駄な作業が削減できます。
SCMで物流管理を正確に行えるようになることで、人材をより有効的に活用できるようになるでしょう。
SCM導入のデメリットは、コストがかかることです。様々なメリットがあるSCMですが、初期費用だけでなく月々のコストもかけてまで導入する必要があるかどうかの検討が必要です。
付随する機能によってもコストが変わってくるため、今の自社に必要な機能はどれなのか、どの範囲を網羅するSCMを導入するかの見極めが大切です。
また、SCMは導入後も様々な見直しが必要となるツールです。
SCM導入後のカスタマイズで費用がかさみすぎることがないか、しっかりと見極めた上で導入してください。
SCMを導入することによって実現可能となる物流管理の効率化ですが、一方で効率化重視のあまり、ある一定の対象からは絶大な支持を受けている品や地域特有の品を廃盤にしてしまう可能性があります。
あまりにも効率化を重視しすぎてしまうと、今までの顧客が離れていってしまう危険性もあるため、効率化だけでなく、特定のニーズにも目を向けたうえでSCMを有効活用してください。
原材料の仕入れから商品の販売まで、物流管理が一元化でき、コストの削減やより有効的な人材活用も可能となるSCM。
商品の製造から販売段階まで、一度きちんと見直してみたいというお考えをお持ちの方は、ぜひ今回ご紹介したSCMの導入を検討してみてください。
画像出典元:O-dan