従来の監視カメラは「録画機器のメンテナンスに高い費用がかかる」、「カメラが破損した場合にデータが消失する」などのデメリットが伴います。
「クラウド監視カメラ」を導入すれば、スマホやタブレットからも監視・データ分析ができ、カメラが破損した場合でもデータ消失のリスクがありません。
この記事では、費用・機能面からおすすめのクラウド監視カメラ11選を紹介し、選び方のポイント、メリット・デメリットを解説していきます。
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このページの目次
「クラウド監視カメラ」とは、撮影した映像データをインターネット経由でクラウド上に保存する機能をもったカメラのことです。
クラウド防犯カメラとも呼ばれ、従来型の録画用のHDD(ハードディスク)がセットになったタイプの監視カメラに比べて、手軽で利便性が高いことから、近年導入が広まっています。
クラウド監視カメラは、カメラそのもののにコンピュータが内蔵され、IPアドレスが割り当てられています。
そのため、カメラのみでインターネットに接続することができ、データの保存ができたり、逆に遠隔からカメラの向きなどの操作をすることも可能になるのです。
クラウド監視カメラはカメラをインターネットにつなぎ、録画データをクラウド上に保存するため、通常の防犯カメラには必須のハードディスクレコーダーの用意は不要です。
レコーダーの本体の費用に加え、メンテナンスなどの管理費も削減できるというのが、クラウド監視カメラならではのメリットです。
ハードディスクレコーダーを使用しないので、ハードディスク本体の故障や窃盗によるデータ消失を防止することができます。
何か問題が起きたとしても、カメラとインターネットさえつながっていれば、現地で何が起きているのかを即時確認する事ができます。
自然災害が発生した場合など、企業のBCP対策にも有効です。
クラウド監視カメラは、人数カウント機能や人物の行動分析機能、POSレジとの連携機能などにより、顧客の行動を分析しマーケティングに活用することもできます。
来店した顧客の購買達成率や顧客が集中するスポットなどが確認できるので、店舗のレイアウトなど「商品をどう見せたら売上アップにつながるか」という詳細な分析まで可能です。
また、高画質の監視カメラなら従業員の表情を読み取ることもできるので、接客や業務の改善指導や新人研修の教材としても利用できます。
これまで述べたとおり、クラウド監視カメラは、従来型の監視カメラに比べて管理の手間や利便性などで複数のメリットがあります。
そのポイントをまとめると以下のとおりです。
従来型の監視カメラ | クラウド監視カメラ | |
録画機の設置スペース | 必要 | 不要 |
録画機のメンテナンス | 必要・有償なことが多い | 不要 |
記録媒体 | SDカードなどを用意 | 不要 |
データ破損 | 記録媒体が壊れたら消える | カメラ本体が壊れても直前までのデータは残る |
映像の閲覧 | HDDと接続されたモニターで現地確認 | スマホやPCなどで遠隔からでも確認可能 |
外部システム連携 | 不可なことが多い | システム連携で多用な活用方法 |
面倒なメンテナンスの手間が減り、限られたスペースでも設置できるので、小規模店舗や、駐車場・工事現場・河川監視などにも用いることができます。
また、インターネットを通じて、遠隔でリアルタイム確認ができるため、店舗やオフィス外からでもいつでも確認ができ、災害時の監視にも役立つ点もメリットといえるでしょう。
画像出典元:「セキュアカメラクラウドサービス」公式HP
店舗や工場、オフィスなどの防犯対策のほか、マーケティングや店舗改善などにも活用できるクラウド型監視カメラです。
画像解析の精度は最大300万画素の高画質で360度全方位からの記録が可能、さらにリモート監視により現場を遠隔地より監視できるので、防犯対策が徹底できます。
また、人数カウント機能や動線密度分析機能など、画像解析に役立つ機能が備わっています。
POSデータと連携すれば、来店人数と購入人数の差が把握できたり、客が集まりやすいエリアが把握できたりするなど、店舗分析やレイアウトのシュミレーションとしても有効活用できます。
基本設定料金:15,000円 / 契約
カメラ購入費用:196,000円〜 / 台
※1契約あたりカメラは20台まで/以降20台ごとに基本設定料金(15,000円)が必要です。
※取付工事料金は含まれておらず、別途ネットワーク機器が必要となります。
サービス基本料金:5,000円 / 契約
セキュアカメラクラウドサーバー利用料金:4,500円 / 台
※1契約あたりカメラは20台まで/以降20台ごとに5,000円が必要です。
画像出典元:「lukuba」公式HP
lukubaは、カメラ本体代金不要・クラウド保存料のみで使える事業者向けクラウドカメラです。
設置したカメラの映像はインターネットに接続しているデバイスがあれば、どこにいても視聴可能。
運営会社の株式会社Hashikakeは、クラウドサービスと動画を活用し業務効率化を支援する事業を多く展開してきた実績があります。
基本機能を兼ね備えたカメラが無料で利用できるため、コストを抑えて監視カメラを導入したい中小企業や個人経営の店舗に特におすすめです。
lukubaでは、カメラ本体の料金は無料のため、クラウド録画利用料のみとなります。
利用料は、映像保存期間ごとに設定されており、7日間から最長1年間まで選択可能。
保存期間経過後のデータは削除されますが、管理画面から事前にダウンロードすることも可能です。
利用料の支払いは、年払いのみとなります。
保存期間 | 7日間 | 14日間 | 30日間 |
月額利用料(税込) | 1,320円 | 1,760円 | 2,200円 |
年間利用料(税込) | 15,840 円 | 21,120円 | 26,480円 |
(税表示なし)
画像出典元:「safie」公式HP
safie対応のたまご型カメラCC-2とCC-2Lであれば、インターネットを接続するだけで工事の必要がなく、費用はカメラの本体料金と月額料金だけなので、従来の防犯カメラに比べ大幅に初期費用がおさえられます。
コンパクトでどこにでも簡単に設置でき、映像はスマートフォンやタブレットなどから確認できるなど、手軽な使用感です。
手軽な使用感ではありますが、100万画素の鮮明な画質、1秒間に最大30フレームの表示機能を備えています。
クラウドに保存される録画データは、最新の暗号化技術によって守られ、セキュリティ面においても安心です。
カメラ本体:21,780円〜
1,320円(7日間)〜7,700円(365日間)
※録画の保存期間によって料金が変わります
録画機器や専用モニターなどは必要ありません。
画像出典元:「Eagle Eye Cloud VMS」公式HP
「Eagle Eye Cloud VMS」イーグルアイネットワークスが提供するクラウド監視カメラシステム(VMS)です。
VMSの中でも特に対応機種が多く、アナログカメラ・IPカメラとも利用できるので、既存のアナログカメラを利用したまま、監視体制をクラウドに切り替えたい企業、アナログカメラからIPカメラへ段階的に切り替えたい企業におすすめです。
ただ、直販はなく、販売パートナー経由での購入となるので、自社でカメラを購入し設定するタイプのVMSよりは割高になるでしょう。
料金は初期費用と月額費用に分かれています。
※録画画質はSD、HD(720p)、HD2(1080p)から選択
※保存期間は7日(最低期間)/14日/30日/60日/90日/180日/1年/2年から選択
※2年以上の場合は相談が必要です。
画像出典元:「キヅクモ」公式HP
キヅクモの最大の特徴は、録画した映像を必要な箇所だけピンポイントでチェックできるクラウド防犯カメラ点です。
他社サービスの場合、常時録画から長時間の映像チェックが必要ですが、キヅクモは「動体」をとらえた時間が、タイムライン上にオレンジの点で表示されるため、その箇所のみチェックすればOKというのが便利です。
「動体」は「人」「車」「動物」で識別されるため、各企業の目的に合わせて、例えば「人以外はチェック不要」という場合にも、確認がスムーズになります。
映像チェックの時間を短縮して、効率的にカメラの映像を確認したいという企業におすすめです。
キヅクモの料金プランは、初期費用+月額費用という構成になっています。
※機器設置費用は別途見積もりが必要です。
ライトプラン (利用台数:1台) |
スタンダードプラン (利用台数:40台まで) |
|
初期費用 (デバイス費用) |
35,200円~ | |
月額利用料 | 1,320円~/1拠点 |
おすすめプラン例 |
台単価 | 1,320円/1台 | 2台:1,320円 3台:1,320円 4台:1,100円 8台:990円 12台:880円 16台:770円 ※1台当たりの金額 |
クリップ動画数 | 1,000本~/拠点 | 最大 50,000本 2台:3,000本 3台:4,000本 4台:5,000本 8台:10,000本 12台:15,000本 16台:20,000本 ※1拠点あたりの本数 |
基本機能 | ・各種通知機能の設定 ・遠隔監視 ・ビデオアナリティクス ・トリップワイヤー ・グランドゾーン ・複数ユーザー利用と管理 ・双方向音声 ・常時録画(SDカード保存) ・クリップ動画の保存 ・アクティビティ履歴管理 |
ライトプランの基本機能 + ・複数拠点の管理 ・常時録画(外部レコーダー保存) ・レポート機能 |
ピープルカウント オプションの追加 |
なし |
月額 550円 ・人数カウント ・滞在人数カウント ・ヒートマッピング ・混雑状況監視 ・待ち時間測定 |
(※税込価格)
画像出典元:「SpotCam」公式HP
「SpotCam」はクラウド型の監視カメラで、パソコンやスマートフォン、タブレットからいつでもリアルタイムの映像を見ることができます。
防犯として家庭や店舗のセキュリティ強化に役立つだけでなく、ビデオ日記やスマートホームなどに幅広く活用できます。
専門的な知識がなくても簡単に設置でき、ソフトウェアも必要ないためITリテラシーが低い人でも使いやすいと評判です。
「SpotCam」は、24時間録画が永久無料で利用できます。
また、無料でお気に入りの動画クリップを永久保存することも可能です。
有料プランでは、録画データの保存期間に応じて3日間から365日間まで多数用意されています。
3日間録画 | 7日間録画 | 30日間録画 | |
月額利用料金 | $3.95 | $5.95 | $19.95 |
年額利用料金 | $39 | $59 | $199 |
画像出典元:「mineo監視カメラサービス」公式HP
利用の用途に応じて、HDコース(大型モニターに最適)とVGAコース(スマホ・タブレットに最適)、2種類の画質が選択できるので、イベントでの利用など大人数を監視したい場合はHDコース、店舗での売上分析などに利用する場合はVGAコースなど用途にあわせて無駄なく利用できます。
パソコンからならアプリのインストールなしでブラウザから映像が閲覧でき、スマートフォン・タブレットでは専用のアプリをインストールすることで閲覧が可能です。
クラウドとモバイル回線がセットになっているため、関西エリアで利用する場合は、別途インターネット回線に関する契約の必要がなく導入もスムーズ。
その他にも、カメラの設定をスマートフォンのような操作感で行えたり、撮影時間の指定を直感操作で行えたり、簡単操作で利用できるのが魅力です。
画像出典元:「CLOVA Vision」公式HP
「CLOVA Vision(クローバビジョン)」は、モーション検知機能が特徴のクラウド監視・防犯カメラです。
HD画質・フルHD画質で映像を確認でき、映像の人物の表情まで鮮明に記録するため、小売店での接客品質の向上のために利用することも可能です。
また、モーション検知次第すぐに通知すれば夜間の侵入者にも迅速に対応できます。
複数のカメラを一括で管理することもできるので、設置範囲が広く映像管理を統一したい方におすすめです。
CLOVA Visionの料金プランは初期費用・月額費用ともに要問合せとなっています。
従来の防犯カメラと違い、クラウド型の防犯カメラは月々のランニングコストがかかるため費用対効果も考慮しながら利用を検討しましょう。
初期費用 (税込) |
要問合せ |
月額費用 (税込) |
要問合せ |
画像出典元:「クラウド型カメラとれ〜る」公式HP
クラウド型カメラとれ~るは、クラウド型で簡単に導入できるセキュリティカメラです。
POSレジ連携サービスを利用すれば、レジ周りのトラブル対応や接客サービスの向上にも効果的に活用できます。
利用するカメラは用途に応じて9種類から選択。PoE給電、屋内、屋外、赤外線、ズーム、Wi-Fiなど、必要な機能から選ぶことができます。Wi-Fi機種を選べば好きな場所に設置でき手軽に導入できます。
サポートセンターは365日利用でき、カメラの設定からダッシュボードの操作方法などに丁寧に対応してくれます。
データ保存日数 | レンタル型 | お客様用意型 |
30日間 | 4,180円 | 2,750円 |
60日間 | 5,170円 | 3,740円 |
90日間 | 6,160円 | 4,730円 |
180日間 | 8,470円 | 7,040円 |
※カメラ1台あたりの月額料金(税込)です。
※上の表の通り、データ保有日数やカメラ機器の有無で料金が異なります。インターネット接続料金が別途必要です。
画像出典元:「ELMO QBiC CLOUD」公式HP
ELMO QBiC CLOUDは、低コストで手軽に導入できるクラウドセキュリティカメラサービスです。
プライバシーマスク機能で個人情報や機密情報などをマスキングし、プライバシーを保護しつつ録画が行えます。
暗闇で撮影できるナイトビジョンや異常検知時のプッシュ通知で、夜間の監視も安心です。
画質のプランが2種類あり、用途に合わせて選ぶことができます。
※7日間~90日の5種類の保存日数+2種類の映像画質の組み合わせで料金が決定します
画像出典元:「ギガらくカメラ」公式HP
ギガらくカメラの特徴は「簡単な設定で使い始められる」「365日対応の安心サポート付き」のクラウド型カメラサービス。
NTTというブランドの安心感と、導入しやすいシンプルな価格体系、さらに品質も高いことから、これまで防犯カメラの設置を面倒だと感じていた人や、初めて設置する人におすすめです。
オプションメニュー「PLACE AI」は、映像の中から人の部分を自動的に「人型」に編集してくれるサービスです。人の姿がマスキングされることで、プライバシー対応に配慮が不要となります。
データ保存日数 | クラウドプラン | 端末セットプラン |
7日間 | 1,870円/月 | 3,300円/月 |
14日間 | 2,420円/月 | 3,850円/月 |
30日間 | 2,750円/月 | 4,180円/月 |
60日間 | 3,740円/月 | 5,170円/月 |
90日間 | 4,730円/月 | 6,160円/月 |
180日間 | 7,040円/月 | 8,470円/月 |
30日保存・高画質 | 5,500円/月 |
クラウドプラン:カメラ本体が不要な場合のプラン
端末セットプラン:カメラ本体とクラウドプランの利用料金をセットにしたプラン
(導入した台数×月額利用料)
※端末セットプランは最低利用期間が24ヶ月ですが、途中で解約する場合5,000円の違約金が発生します。
画像出典元:「クラウドカメラサービス(OPTAGE for Business)」公式HP
株式会社オプテージの「クラウドカメラサービス」は、高画質カメラ・回線・クラウドを全てワンストップで提供してくれる、導入しやすいクラウド型セキュリティカメラシステム(VMS)です。
他のVMSでは、カメラとシステムの提供のみで、インターネット回線は自社で用意する必要があるので、「クラウドカメラサービス」は導入の手軽さでリードしています。
映像をモバイル機器からも確認できるため、テレワーク環境を推進できる点も魅力です。
※別途インターネット回線(常時接続)の準備は必要です。
画像出典元:「サーマルチェッククラウド」公式HP
「サーマルチェッククラウド」は、コロナ対策でオフィスでの体温測定をスムーズに導入したい企業におすすめのサービスです。
検温に適した死角のない360度全方位カメラを利用し、無人・無接触でもスムーズな体温計測を実現します。(※マスク着用の判定機能はありません)
多人数を同時撮影できる『AIサーマルユニット』と、一人ずつ撮影する『サーマルチェックユニット』から選択できます。
商業施設など人通りの多い箇所では『AIサーマルユニット』、企業セミナーなど個別チェックが必要な場合は『サーマルチェックユニット』など、利用目的に合わせて柔軟に対応できるのが魅力的です。
現在NTTPCの公式ホームページでは、料金の詳細は掲載されていません。
ただし、2020年07月20日のプレスリリースによれば
という情報が公開されています。
店舗や施設で利用する場合はマーケティング施策として顧客の導線を把握したり、クレーム対応の確認として音声とともにズーム録画できるタイプなど、目的にあった画像解析機能が搭載されているカメラを選択しましょう。
また、設置可能な機材は各会社が指定するカメラである場合が多いです。
撮影範囲が360°のカメラであれば1台で広範囲を撮影できるので、その分、機材費用を抑えることができます。用途に合わせて選定しましょう。
クラウド監視カメラには、POSレジと連携することで予実管理が可能な機能や、顧客の導線をデータ化し売上に繋がるレイアウトを提案したり、録画映像をリアルタイムでYouTube配信できる機能など、監視目的以外に便利な機能が搭載されたサービスがあります。
業務効率改善・クレーム対応・混雑状況の配信など自社の利用目的にあわせて、このような便利機能がついたカメラを提供しているサービスを選択するのがおすすめです。
ほとんどのクラウド監視カメラは撮影機材費用+データ保存料金(月額制)という料金構成ですが、録画日数によって料金プランが選択できるサービスを利用すると、コストを最小限に抑えることができます。
クラウド上のデータが閲覧できなくなった場合の対応や、カメラの破損時のトラブル対応など、サポートが充実しているサービスを選択しましょう。
カメラで撮影された映像データは、インターネットを介しクラウド上に保存されるため、電波やWiFiに不具合が生じた場合、録画が中断してしまうリスクがあります。
カメラの中には、オフライン時には、SDカード保存に切り替わるものもあるので、防犯カメラとして利用する場合など少しの空白時間も許されない利用目的である場合は、利用を検討してみましょう。
従来のハードディスク型の防犯カメラは、一度機器を揃えてしまえば大きな出費は終わりですが、クラウド監視カメラはクラウドサーバーにデータを保存するため、サーバーの使用料金が発生します。
サーバーの使用料金自体はそれほど高くありませんが、カメラ一台につき料金が発生する場合は、カメラの台数が増えるほどコストが高くなります。
導入前には利用目的のほか、カメラの台数などもしっかり把握し予算を立てるようにしましょう。
今回ご紹介したクラウド監視カメラを利用すれば、初期費用をおさえ監視カメラが利用できるほか、店舗改善やマーケティングへの活用用途も広がります。
ハードディスクを使用しない分データ消失のリスクも回避でき、BCP対策にも有効です。
クラウド型監視カメラの利用を考えている企業は、ぜひ今回紹介したシステムの利用を検討してみることをおすすめします。
画像出典元:O-dan