社内で使っているデスクやPC、書類など、モノの管理は会社運営には欠かせませんが、棚卸や台帳への記入など、管理にはなかなか手間がかかるものです。
そうしたモノの管理にかかる手間を減らし、業務効率を向上するには、物品管理システムの導入が効果的です。
この記事では、物品管理システムについて、その機能や種類を解説し、さらにおすすめのシステムについても紹介します。
このページの目次
物品管理システムとは、会社で所有しているIT機器、椅子やデスクなどの什器、事務用品などの物品を一元管理するためのシステムです。
モノがどこにあるか、どのような状態かを、バーコード、ビーコン、RFIDなどの技術と組み合わせて管理することができます。
従来のエクセルによる台帳管理や人の目によるチェックと比べて、効率化はもちろん、抜け漏れによる管理ミスを減らす効果も期待できます。
物品管理システムには、おもに2つの種類があり、機能や適した会社が異なります。
物品のデータを記録したICタグと通信して、非接触で情報を読み取ることができるRFIDという技術に対応したシステム。
一定の距離であれば一度に複数のタグを読み取ることができるため、大量の物品を効率よく管理するのに役立ちます。
一方で、バーコードやQRコードタイプと比べると導入費用が割高になる傾向があります。
物品にバーコードやQRコードを印刷したラベルを貼り付け、それをハンディ端末やスマホなどで読み取って管理するシステム。
ラベルの印刷はプリンターやテプラなどで簡単に行えるほか、端末に関しても専用機器を導入する必要がないため、ハードルが低いのが特長です。
管理する物品が少ない会社にとっては最適な選択肢と言えるでしょう。
物品管理システムは、おもに一般企業のオフィスや、病院をはじめとした専門機関での活用に適しています。
社内で使うPCやタブレットなどのIT機器、椅子やデスクなどの什器、事務用品などの管理および棚卸への活用が考えられます。
会社の規模が小さい場合はExcelによるマニュアル管理でもカバーできますが、ある程度の規模になると、システムが必須になります。
物品管理システムを導入することで、管理の抜け漏れ防止や記載ミス防止、一元管理による効率化などが期待できます。
病院をはじめとする医療機関の場合、物品の所在地を管理するだけでなく、厳重な使用期限や数量の管理が求められます。
そのため、目視やマニュアル管理では限界があり、精度の高いデジタル管理が必須になるのです。
医療機関や専門機関など用途特化の物品管理システムも数多く提供されており、用途に応じて最適な機能のものを選ぶことができます。
ツール名 | 読み取りタイプ | 対応管理業務 | 初期費用 | 月額利用料 |
---|---|---|---|---|
コンビベース | RFID対応(オプション) | 台帳・棚卸・貸出 | 0円〜 | 40,000円〜 |
物品管理システム | RFID対応 | 台帳・棚卸・貸出 | 要問合せ | 要問合せ |
B-Touch | RFID対応 | 台帳・棚卸・貸出・修理 | 要問合せ | 要問合せ |
資産・物品管理システム | RFID対応 | 台帳・棚卸・貸出・修理 | 要問合せ | 要問合せ |
Roconie | RFID対応 | 台帳・棚卸・貸出・人流 | 要問合せ | 要問合せ |
MONISTOR for メディカル | RFID対応 | 台帳・棚卸・貸出 | 要問合せ | 要問合せ |
ファインアセット | バーコード・QR | 台帳・棚卸・貸出 | 0円〜 | 5,000円〜 |
備品管理クラウド | バーコード・QR | 台帳・棚卸・貸出・修理 | 要問合せ | 5,000円〜 |
OPTiM Asset | バーコード・QR | 台帳・棚卸・貸出 | 0円 | 30,000円〜 |
zaico | バーコード・QR | 台帳・棚卸・入出庫・発送 | 0円 | 9,800円〜 |
WelThings® | バーコード・QR | 台帳・棚卸・貸出・発注 | 要問合せ | 要問合せ |
Pittaly | バーコード・QR | 棚卸・発注 | 50,000円〜 | 2,000円/台 |
(税抜価格)
画像出典元:「コンビベース」公式HP
「コンビベース」は、1,100社以上*への導入実績を誇る業界トップクラスの物品管理システムです。
台帳機能は、項目を自由に設定できて固定資産からIT資産、備品までどんな物品でも一元管理でき、更新状況もひと目でわかるため部署全体での活用にも最適です。
その他にも、写真やPDFと物品の紐付け、棚卸しリストの作成、貸し出し管理など、様々な機能が備わっており、幅広い業務に活用できます。
また、サポートも専任制で手厚く支援を受けられるため、安心して利用できるサービスでもあります。
評価の高いポイント3つ★★★
(* 2024年6月時点)
基本料金に加えて、活用する機能ごとのオプション料金が発生します。
また、初期費用はサポートの有無によって変化します。
内訳 | 価格 | |
初期費用 | 初期導入サポートなし | 0円 |
初期導入サポートあり | 900,000円 | |
月額利用料 | 基本料金 | 40,000円 |
各種オプション (棚卸し/貸出管理/追加ライセンスなど) |
10,000円〜 |
(税表記なし)
画像出典元:「物品管理システム」公式HP
日立システムズエンジニアリングサービスの「物品管理システム」は、日立グループが提供する信頼性の高いサービスです。
複数の種類の資産を一元管理できる充実した台帳機能のほか、貸出管理機能も備わっており、多くの用途で使えるのが特長です。
RFID・バーコード・QRコードに対応しているため、幅広い環境で使えるのもポイント。
また、SaaSでの提供のため、無線環境のない倉庫での利用やスモールスタートにも最適です。
評価の高いポイント3つ★★★
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「B-Touch」公式HP
「B-Touch」は、シンプルな画面で使いやすい物品管理システムで、RFIDに対応しているため、大量の物品管理を一度に行うことができます。
また、棚卸しだけでなく、物品の貸出や修理の管理など、複数業務に活用できるのも特長。
物品の写真登録やコメント入力、貸出予約、持ち出し指示など、細かい機能が充実していて使いやすいのもポイントです。
棚卸しだけで使いたい企業には、用途を絞ったライトプランもおすすめです。
評価の高いポイント3つ★★★
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「資産・物品管理システム」公式HP
吉川システックは、会社の資産から在庫、工具、資材まで幅広い物品管理のソリューションを提供している会社です。
RFID・バーコード・QRコードでの読み取りに対応しているほか、ハンディ端末やシステムインストール済みの機器まで一括導入ですぐに使えるのが特長です。
また、特定の物品の探索機能や貸出管理機能も備わっているため、物品数の多い倉庫や会社でも使いやすいシステムでもあります。
評価の高いポイント3つ★★★
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「Roconie」公式HP
「Roconie」は、RFIDを使った物品管理を、現場の環境に応じて導入できるクラウド型のアプリパッケージです。
タグやリーダー機器などのデバイス、業務に合わせた資産・在庫・人などの管理アプリケーション、サーバーを含むクラウド環境をワンパッケージで提供します。
これによって、手軽にRFIDでの物品管理環境を整備し、素早い立ち上げを可能にします。
また、機能のカスタマイズや既存システムとの連携などにも柔軟に対応可能で、ニーズを問わず使いやすいサービスでもあります。
評価の高いポイント3つ★★★
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「MONISTOR for メディカル」公式HP
「MONISTOR for メディカル」は、医療機関向けに特化した機能を持つ物品管理システムです。
医療機器からベッドや椅子などの什器、書類、備品まであらゆるものをICタグやバーコードで管理することができます。
また、棚卸だけでなく賃借管理や予約機能、探索機能なども備わっており、幅広い用途で利用可能。
医療機関での利用を検討しているのなら、最適な選択肢になるでしょう。
評価の高いポイント3つ★★★
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「ファインアセット」公式HP
「ファインアセット」は、シンプルで使いやすく、リーズナブルな物品管理サービスです。
台帳機能はもちろん、棚卸や貸出管理などをしっかりカバーしており、また画面構成がシンプルで誰でも使いやすいのがポイント。
それでいて月額1万円から全ての機能が利用できるため、コストをかけずに物品管理をシステム化できます。
既存台帳をインポートすればすぐに使えるほか、無料期間で全機能をお試しできるため、導入のハードルが低いのも安心です。
評価の高いポイント3つ★★★
棚卸のみ利用可能なプランと、標準機能がすべて使える物品管理プランが用意されています。
物品管理プラン | 棚卸専用プラン | |
初期費用 | 0円 | |
月額利用料 (1,000資産まで) |
10,000円~ | 5,000円~ |
追加料金 (100資産単位) |
1,000円 | 500円 |
(税抜)
画像出典元:「備品管理クラウド」公式HP
「備品管理クラウド」は、使いやすさと導入ハードルの低さが特長の物品管理サービスです。
シンプルなインターフェースで非常にわかりやすく、それでいて台帳管理から棚卸、貸出管理、修理管理まで幅広い機能を備えています。
登録も台帳をインポートするだけ、JANコードや商品ラベルを読み込むだけと簡単で、すぐに管理体制を構築できます。
また、導入支援も充実しており、月額5,000円から利用可能とハードルが低いのもポイントです。
評価の高いポイント3つ★★★
管理できる物品の上限が異なる3プランが用意されています。
スタートプラン | スモールプラン | ミドルプラン | |
初期費用 | 要問合せ | ||
月額利用料 | 5,000円 | 要問合せ |
(税表記なし)
画像出典元:「OPTiM Asset」公式HP
「OPTiM Asset」は、使いやすさと必要十分な機能構成が特長の物品管理システムです。
既存台帳をインポートして、物品にQRコードを貼り付けるだけとセットアップが簡単です。
UIもわかりやすくて操作しやすいうえに、項目の変更や追加などもしやすく柔軟に活用できます。
さらに、スマホアプリでも台帳の確認や棚卸を実行できるため、ハード面でも非常に手軽に活用できるサービスです。
評価の高いポイント3つ★★★
基本料金に加えて、1,000点を超える物品を管理する場合には追加費用が発生します。
また、無料トライアルの利用が可能です。(期間についてはお問い合わせが必要です)
▶初期費用:0円
▶月額利用料(税抜)
基本料金(1,000物品まで管理可能):30,000円
物品追加オプション(1,000物単位):10,000円
画像出典元:「zaico」公式HP
「zaico」は、在庫管理を中心とした物品管理が可能なシステムで、17万社以上*への導入実績を持つ信頼性の高いサービスです。
他の物品管理システムとは異なり、出入庫に関わる細かいステータスの管理や、発送に伴うデータ作成機能などが備わっているのが大きな特長。
それでいて、ベーシックな機能のみであれば月額9,800円から利用可能と、比較的リーズナブルな価格設定もポイントです。
評価の高いポイント3つ★★★
(* 2024年6月時点)
管理できる物品数やインポートするデータの上限、利用可能な機能など異なる3プランが用意されています。
また、31日間の無料トライアルが利用可能です。
ライトプラン | フルプラン | エンタープライズプラン | |
初期費用 | 0円 | ||
月額利用料 | 9,800円 | 39,800円 | 100,000円〜 |
(税抜)
画像出典元:「WelThings®」公式HP
「WelThings®」は、在庫管理を中心に豊富な機能を備えた物品管理システムです。
出入庫や棚卸などの管理はもちろん、発注・ロット・セット品などの管理も可能で、さらに在庫以外の資産管理や貸出管理までカバー。
営業・発注担当・倉庫担当など複数の部署でのデータ共有もしやすく、権限設定や閲覧履歴機能でセキュリティを担保しながら使えます。
また、倉庫作業で利用するハンディ端末と連携すれば、読み込みだけで入力作業を簡略化できるため、効率面でも効果が期待できます。
評価の高いポイント3つ★★★
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「Pittaly」公式HP
「Pittaly」は、多数の大企業の導入実績を誇る、スマホアプリ型の物品管理システムです。
最大の特長はスマホアプリでバーコードをスキャンするだけで管理ができる手軽さで、機器の導入やPCでの面倒な作業は必要ありません。
さらに、棚卸や在庫管理だけでなく、発注業務までアプリから行えるのも特長です。
それでいて、スマホアプリの利用は無料で、クラウドサービスも月額2,000円から利用可能とリーズナブルで、始めやすいサービスでもあります。
評価の高いポイント3つ★★★
スマホアプリは無料で利用可能ですが、管理側のクラウドサービスの利用に対して、端末1台ごとに費用が発生します。
また、1ヶ月間の無料トライアルが利用可能です。
1〜50台 | 51台〜 | |
初期費用 | 50,000円 | |
月額利用料 | 2,000円/台 | 1,000円/台 |
(税抜)
物品管理システムの大きな比較要素として、物品情報の読み取り方法が挙げられます。
RFIDに対応している場合は、一度に多数の物品を読み取り、効率良く管理できます。
QRコード・バーコードの場合は、個々の物品を読み取る必要がある一方で、導入ハードルや費用面で優れています。
自社で管理する物品の数や予算に合わせてより適した種類を選びましょう。
物品管理システムの対応範囲は、台帳機能、棚卸機能などを基本に、貸出管理や在庫管理・発注などをカバーしているシステムまでさまざまです。
また、病院や医療機関向けのシステムの場合、使用期限の管理がしやすい特化型の機能を備えている場合もあります。
自社の業務の特性に合わせて、最適な構成のものを選びましょう。
物品管理システムの費用は、初期費用は0円〜数万円、月額利用料は5,000円〜5万円程度が相場です。
RFID搭載型や機器も含めた導入の場合、対応業務範囲が広いシステムなどは割高になる傾向にあります。
はじめての物品管理システムなら、まずは手軽に使えるバーコード・QRコードタイプで、スマホでも読み取れるものにするとリスクを抑えつつ手軽に始められます。
IT資産管理について詳しく知りたい方はこちらもおすすめ!
会社の資産や備品、在庫など、モノの管理を効率化するには、物品管理システムの導入が効果的です。
システム選びにおいては、RFID対応/バーコード・QRコードなど読み取り方法の種類や、対応業務範囲、コスト面などを中心に比較するのがおすすめ。
自社にあったシステムを選んで、効率的な物品管理を実現しましょう。
画像出典元:O-dan