TOP > インタビュー一覧 > 【イベントレポート】鳴門の地から、農業の常識を塗り替える。一次産業の課題を「希望」に変える「NARUTO CONNECT - Vol.3 AgriTech -」
NARUTO CONNECT - Vol.3 AgriTech -
徳島県鳴門市。ここは「なると金時」や「れんこん」など、全国に誇るブランド農産物の宝庫です。しかし、その裏側では、全国の農家が直面する「担い手不足」や「生産コストの高騰」といった深刻な課題も抱えています。
そんな中、2026年2月12日、鳴門市の一次産業を「課題先進地」から「イノベーション最前線」へと変えるべく、スタートアップが集結しました。それが、鳴門市によるアクセラレーションプログラム「NARUTO CONNECT - Vol.3 AgriTech -」です。本記事では、プログラム当日の様子をレポートします。
目次
鳴門市の強みは、生産者、JA、加工事業者がコンパクトに集積しているところです。この「リアルな一次産業の実証フィールド」があるからこそ、スタートアップの技術が机上の空論ではなく、現場で通用する「武器」へと進化します。
本イベントでは急成長を目指すスタートアップから、これからの鳴門市、そして日本の農業を支えるであろう5つの革新的なソリューションが提案されました。
深刻な人手不足の中、特に手間がかかる収穫作業に対し、ABC株式会社は、VLM(視覚言語モデル)を搭載した自動収穫ロボットを提案しました。AIがイチゴの成熟度を95%以上の精度で瞬時に判定し、自律制御されたアームが最適な経路で収穫します。労働時間を最大90%削減し、面積効率を2.5倍に高める可能性を示しました。
「環境にやさしい農業は、手間がかかり収量が下がる」という常識に挑むのが、名古屋大学発スタートアップの株式会社TOWINGです。独自技術で植物の炭などのバイオ炭(多孔体)に微生物を付加した高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を提案。数年かかる土づくりを1ヶ月に短縮し、化学肥料を削減しながら収量を向上させる、鳴門の「みどりの食料システム戦略」を加速させる技術です。
PLANT DATA株式会社は、生産者とバイヤーを直接つなぐプラットフォームをプレゼンしました。特徴的なのは、カレンダー形式のUIで作付前に「予約売買」を締結できる点です。将来の需給を可視化することで、価格暴落リスクを回避。スマホ画像解析による生育診断機能も備え、データに基づいた経営の安定化を支援します。
果樹園などの凹凸や傾斜がある現場で活躍するのが、輝翠株式会社による宇宙ロボティクスの技術を応用したローバー「Adam」です。最大積載量300kgを誇り、険しい道でも重い荷物を運搬できます。草刈りや農薬散布のアタッチメントも装着可能で、果樹・野菜農家の重労働を軽減する「次世代の相棒」を目指します。
東京大学発のAIスタートアップである株式会社きゅうりトマトなすびは、LINE感覚で使える営農支援AIを提案しました。日々の作業を音声や画像で報告するだけで、AIが自動で営農記録を作成し、過去のデータに基づいた的確な栽培アドバイスを24時間提供します。ベテランの「勘と経験」を次世代へつなぐ新しい形です。
プレゼンテーションの後は交流会が行われ、鳴門市の生産者や事業者とスタートアップが熱心に意見を交わしました。
「NARUTO CONNECT」は、イベントだけで終わりではありません。
本イベントをきっかけに、技術に興味を持った鳴門市の農家・事業者とスタートアップとの個別マッチングが本格的に始動します。現場のニーズと最先端の技術を丁寧に結びつけ、鳴門市内をフィールドに具体的な課題解決に向けた一歩を踏み出すことを目指しています。
次なる展開に、ぜひご注目ください。

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