経理とは経営管理の略!会計や税務との違いから仕事内容を詳しく解説

経理とは経営管理の略!会計や税務との違いから仕事内容を詳しく解説

記事更新日: 2020/06/03

執筆: 奥谷佳子

経理とは「経営管理」の略称です。

経営管理の具体的内容は、生産管理、販売管理、人事・労務管理、財務管理などがあげられますが、実際にどんな仕事をしているのか見えにくいのではないでしょうか?

それは経理という仕事が、実に多種多様だからです。

本記事では経理という仕事が会社にとってどのような役割を果たしているのか?具体的な業務内容やスケジュール、求められるスキルなども合わせて解説します。

経理とは?会計や財務とどう違う?

経理とは経営管理の略称

経理とは「経営管理」の略称です。

経営管理とは、経営方針を決定し、それに基づき人員を雇用・配置、営業活動や設備投資を行うことです。

経営管理の具体的な内容は、生産管理、販売管理、人事・労務管理、財務管理などの業務があります。

一つ一つの業務内容については後述しますが、「経理」と混同しやすいのが「会計」や「財務」といった仕事です。

経理と「会計」「税務」の関係

「会計」には、企業全体の経営活動の結果を経営管理する内部の経営者や、利害関係がある外部の第三者に報告することを目的とした「企業会計」という捉え方と、経営活動を数値化し集計(決算書の作成)するためのスキルである「簿記会計」として捉える、2通りの考え方があります。

いずれも報告が目的であるという点では同じですが、「簿記会計」は「経理」に判断材料を提供するためのツールとして捉えるのに対し、「企業会計」は「経理」「会計」「財務」を一体として捉え、社内だけでなく外部にも情報発信してくことを目的としています。

これが経理と会計を混同しやすい理由の一つです。

また「経理」「会計」「財務」は役割こそ違いますが、お互いが深く関連付けられていますので、業務内容を兼務する場合もあり、明確に線引きすることが難しいのも原因かもしれません。

本記事では、企業の利益や資産状況などを管理するための狭義の会計である「簿記会計」として説明していきます。

イメージとしては下記のとおり。

経営者が決定した経営方針に従い「経理」が経営活動を行います。

「会計」は活動結果を複式簿記を使って数値化し利益と資産状況を明らかにします。

資産状況を元に「財務」が会社の資金運用や資金繰りを管理します。

さらにその後、「会計」「財務」から得た情報をもとに「経理」が再び経営方針を決定する…という流れで循環していきます。

「経理」「会計」「財務」がそれぞれの結果を互いにフィードバックしあって経営活動を行っているのです。

経理の業務内容

多岐にわたる経理の業務

経営者が管理・決定すべき業務「経営管理」は非常に多岐にわたります。

主な業務は下記のとおりであり、実際の経理の現場では起票、帳簿記帳、請求支払処理、給与計算、税金の申告、決算書の作成などを行っています。

経営管理(経理)
1. 生産管理 材料の調達、生産工程の管理、原価管理
2. 販売管理 売上伝票の作成、商品の配送、入金の管理
3. 在庫管理 商品・製品・完成品の在庫数量の管理
4. 人事・労務管理 給与計算、年末調整、社会保険・労働保険の適用届出や申告

 

1. 生産管理

生産管理は、自社で製造する商品・製品・完成品についての原価計算や生産数の調整を管理する業務です。

「製造業」「建設業」のように、仕入れた材料を自社において加工して得意先に販売する場合、「いくらの材料を使って」「どれだけの経費をかけて加工し」「どれだけの数量を生産すればよいか」といったことを管理する能力が求められます。

2. 販売管理

販売管理は、営業から出荷・回収までの一連の流れを管理する業務です。

得意先を確保するために営業をかけ人員を使って商品を納品し売上代金を集金する…集金した売上代金を元手にまた仕入れをして販売する…といったサイクルで、企業は回っています。

販売単価に間違いはないか?納品忘れや集金漏れがないか?など、販売にかかる業務の全てを管理します。

3. 在庫管理

在庫管理は、商品の入出庫や在庫数量を管理する業務です。

商品を仕入れて販売する「小売業」「卸売業」であれ、材料を加工して販売する「製造業」「建設業」であれ、社内に販売するための商品を常に持っておく必要があります。

これを「在庫」と呼びますが、在庫が過少であるといざ出荷する時に欠品していて販売できないということになり、過剰であれば運転資金が在庫として眠ってしまいますので資金繰りに支障をきたします。

4. 人事・労務管理

人事・労務管理は、従業員の雇入れや退職・解雇、給与や賞与の計算、社会保険・労働保険や税金の適用徴収、法律に基づく就業時間や休暇の管理などをする業務です。

製造や営業、販売などの業務について従業員を雇用し分業していき、雇用や支給などを一括管理するのが人事・労務管理です。

兼務することが多い会計と税務の業務

経理の業務として兼務する場合が多い会計と税務の業務についても少し解説します。

会計管理
決算書の作成、納税

経営活動により利益が出た場合、企業は利益に対する税金を納めなければなりません。

複式簿記のスキルを使って日々の業務を集計して数値化し、決算書の作成、税務申告から納税までを受け持つのが会計管理です。

また、経営方針が正しい方向に向かっているかを判断するための指標も作成します。

財務管理
資金調達、投資、予算管理

会計管理で明らかになった企業の資産状況を元に、企業内に留保した資金をどのように運用するかを管理するのが財務管理です。

経営の結果、資金不足となった場合には金融機関などからの資金調達を行うのも重要な業務となります。

規模や職種による違い

事業規模の小さい中小企業であれば、複数の管理業務を経営者ひとりでこなしているところや、総務部の人員で経理も人事も兼任している場合が多いです。

しかし、事業規模が大きくなるほど生産量や在庫数量、会計処理の事務量などが増加し、雇用する人員も多くなります。

事務負担を軽減するために管理業務を専任する従業員を雇用し分業する場合が一般的です。

また、製造業や建設業のように複雑な原価管理が求められる業種では原価管理専門の担当者を置く企業もあります。

必要な資格、知識やスキルは何か?

マニュアル化、細分化された事務の仕事を機械的にこなすだけでも経理の仕事は成り立ちますが、取得しておいた方がより正確でスピーディな処理が可能となるものがあるので紹介します。

・簿記

・工業簿記

・建設業簿記

・ファイナンシャルプランナー

・給与計算実務能力検定

・FASS検定

など。

経理は経営者の経営判断をサポートする立場にありますので、経理業務全般にわたる幅広い知識と情報を持たなければなりません。

また、数字の管理になりますので、細かい作業をする忍耐力と正確性も求められます。

さらに、知識やスキルの他、担当税理士さんとのやりとり、従業員らに状況を的確に聞き取る情報収集能力も不可欠です。

コミュニケーション能力に長け、経営者や従業員から信頼のある人が経理に向いています。

業務のスケジュール

経理業務は、基本的に「日次業務」「月次業務」「年次業務」の3つのスケジュールに分けられます。

一日のスケジュール「日次業務」

日次業務とは、日々の会社の取引を記録・管理していくことです。

日次業務

・売上伝票の発行

・仕入伝票の整理

・現金預金の記帳

・経費の精算

・退勤管理…など

 

月間のスケジュール「月次業務」

月次業務では、1ヶ月の会社の売上や経費を確認する試算表の作成の他、従業員の給与や社会保険料の計算などがあります。

月次業務

・取引先の入金確認

・試算表の作成

・住民税・源泉所得税の納付(毎月10日)

・給与計算

・取引先への支払い・請求書発行

・社会保険料の納付…など

 

年間のスケジュール「年次業務」

年次業務では、年間の一定の時期に行わなければならない手続きがあります。

※3月決算の場合

年次業務
4月 決算整理
5月

年次決算書作成
税務申告

6月

賞与計算・振込
社会保険の算定基礎届提出

7月 労働保険の更新
8月  
9月  
10月  
11月 中間税務申告
12月 賞与計算・振込
1月

年末調整
給与支払報告書・法定調書の提出
償却資産税申告書提出

2月  
3月 実地棚卸

 

繁忙期は年末?!

年間を通してみると、7月と12~1月に業務が集中していることがわかります。

特に12~1月の年末調整から償却資産申告までの業務は年末年始を挟みながら期限内に提出しなければなりませんので事務負担は大きなものです。

また、5月の年次決算書作成は文字通り「企業の総決算」ですので、事務量もさることながら会計や税務の専門知識が求められる高度な作業となります。

まとめ

経理は経営者の経営判断をサポートする大事な立場にあります。

業務は1つ1つが密接に繋がっていますので、正しく管理されていない部署があれば企業全体に悪影響を及ぼすこともあります。

自分が担当する部署の知識や情報だけではなく、関連するその他の経理業務に対する知識も積極的に身に付け、お互いの部署をサポートしあうよう努力することで、より質の高い管理ができるようになるでしょう。

画像出典元:o-dan

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