「キュレーションサイトとは?2020年におすすめの人気サイトは?」
「キュレーションメディアの作り方や収益を上げるコツが知りたい!」
そんな思いを抱えていませんか?たくさんのキュレーションメディアがありますが内容やビジネスモデルは様々です。
今回はキュレーションの意味、キュレーションサイトに人気が集まる理由、人気サイト15選まとめ、マネタイズ方法について成功例を用いて紹介します。
また、WELQ(ウェルク)の事例を振り返りながら、著作権問題などキュレーションメディアの問題点についても改めて考えていきます。
このページの目次
キュレーション(curation)とは?
インターネット上にある膨大な情報の中から、何らかの目的に合致したものだけを選別すること
キュレーションはキュレーター(curator)から派生した言葉です。キュレーションを行う人がキュレーターと呼ばれますが、元々は美術館・博物館・図書館などの学芸員や企画展を行う専門職の人を指していました。
キュレーターの役割は、たくさんの作品の中から展示する価値があるものを選りすぐること。それと同じように、ユーザーが求める良質の情報だけを集めることをキュレーションと言います。また、集めた情報を整理・編集して価値を高める作業もキュレーションに含まれます。
キュレーションの目的
ノイズの少ない情報を消費者に届けること
インターネットの普及により、「情報が多過ぎて取捨選択ができない…」という悩みが出現しました。
しかし、キュレーションされたものは、キュレーターの目利き力によってノイズが極力排除されているのが特徴。その結果「自分で検索して情報を入手するよりも短時間で的確な情報が得られる!」とユーザーを満足させることができます。
さらに、消費者の潜在ニーズを含む情報提供をすれば「そうそう!こんなことが知りたっかった!」とお客様の心を掴めます。
そのため、関係する分野の情報を集めさえすれば良いというわけではなく、キュレーターとしての目利き力を鍛えて、より上質な情報をユーザーに届けることが大切です。
キュレーションサイトを分かりやすく言うと「まとめサイト」です。検索結果をひとつずつチェックしないでも、まとめサイトを見れば欲しい情報が集まってますよね。キュレーションメディアの役割はまとめサイトとほぼ同じです。
「このキュレーションメディアを覗けば欲しい情報がすべて手に入る!」そう思ってもらえれば、ユーザーに毎日訪れてもらえます。
キュレーションの目的でも述べたように、情報量が多過ぎて本当に欲しい情報に辿り着けない…という悩みを抱える人が増加しました。
そこで登場したのがまとめサイトで、1ヵ所に特定分野の情報がまとまっているキュレーションサイトはユーザーにとってありがたい存在です。
また、パソコンではなくスマホで情報収集する人が増えていることも関係しています。スキマ時間に効率よく情報チェックできるキュレーションメディアは、時代の流れにマッチしたのでしょう。
情報収集をする手段としてテレビや新聞もありますが、どの媒体を見ても同じような内容であることがほとんど。
キュレーションメディアはマスコミと違い、個人の発信内容(オリジナル記事、SNS、ブログなど)も取り入れた作りになっているので様々な意見を知れるところがメリットです。
消費者は一方的に発信される情報を受け取るのではなく、距離感が近い身近な感覚の情報を好む傾向が強まっています。
従来のメディアとは違った良さがあることも、キュレーションサイトが消費者からの支持を得ている理由のひとつです。
キュレーションサイトが増えているのは、運営する側にも大きなメリットがあるからです。
キュレーションメディアは既にある情報をまとめるだけなので、ゼロから完全オリジナルのサイトを作成するよりも簡単に作れます。
それでいて短期間でたくさんのユーザーからのアクセスを集められる可能性があり、成功すれば大きな利益が見込めるのが特長。
特定分野に特化した作りにすれば、興味関心が似通ったユーザーが集まる場所となりターゲットを絞って効率よく収益を上げられます。
これら3つの理由でキュレーションメディアに人気が集まっているので、大手企業もキュレーションサイトを運営するようになりました。レッドオーシャンでの競争に勝つためには、他のサイトにはない魅力を打ち出す必要があります。
キュレーションメディアと聞くと「WELQ(ウェルク)」の問題を思い出す人が多いのではないでしょうか?次はキュレーションサイトの問題点について説明します。
「WELQ(ウェルク)」は株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する医療・健康情報を集めたキュレーションメディアです。DeNAは東証一部上場企業でプロ野球球団を持つ大企業。
検索上位の記事を多数保有していたウェルクですが、誤った医療情報や医学的根拠のない情報が記載されているとして2016年に批判されました。
ウェルクは「医療・健康」という人の命に関わる分野の情報発信をしていたキュレーションサイト。それなのに、医学的な専門知識を持つ人のチェックがなく、素人が作成した記事をそのまま掲載していました。
ウェルクに書かれていた記事の例
「肩こりは霊のしわざかもしれません」
「ラクトフェリンは放射能保護効果がある」
医学・健康を扱う検索上位のメディアに個人的な感想レベルの内容が書かれていたら、読者が混乱するのは当然。また、ウェルクには他の人が書いた文章を切り貼りして作成した記事もありました。
利益だけを追い求めて、読者に与える影響やリスクの検討がなされていなかったことがウェルク騒動の問題点です。
DeNAが設置した第三者委員会の調査報告書では、10本の記事で法令違反の可能性があると指摘(薬事法8本、医療法1本、健康増進法1本)。最終的にはサイトを閉鎖し、守安功社長は月額報酬を50%減額されました。
さらに、ウェルク問題はGoogleの検索アルゴリズムにまで影響を及ぼしました。悪質なキュレーションメディアが上位表示されないよう、Googleは2017年に日本語検索でWebサイトの品質評価方法をアップデートしました。
その結果、クオリティの低いキュレーションサイトは上位表示されなくなり、ユーザーの目に触れにくくなったと言われています。
キュレーションメディアを読み手側の視点から見ると、手軽に情報収集できるのがメリットですが正確性に欠けるというデメリットがあります。
特に検索上位に入る人気キュレーションサイトは影響力が大きいので、間違った情報発信をすると世の中を混乱させてしまいます。
また、既存の情報をコピーして集めただけのキュレーションサイトがあるのも事実。他サイトの記事や写真の無断転載による著作権侵害もキュレーションメディアの問題点です。
一部の人からは、検索結果からキュレーションメディアを除外する方法が話題になっているほどの嫌われようです。それだけ悪質なキュレーションサイトが多いのでしょう。
キュレーションメディアの運営では、ユーザーに届ける情報の正確性を確保することと共に法令違反を起こさないための対策が必要です。
SmartNewsは世界で5,000万以上ダウンロードされているキュレーションサイト。テレビCMを行っていたので認知度が高く、海外も含めたくさんのニュースに目を通したい人から支持されています。
特徴は一度ニュースを取得すれば圏外になっても読み続けられることで、地下鉄内でもニュースが読み放題です。記事の読み込みは一瞬で完了するため、時間をかけずに情報収集したい人に最適です。
グノシーは幅広い範囲の話題を取り上げているのが特徴で、一般ニュース以外にエンタメ、おもしろ、グルメなど様々な視点でニュースを集めています。
ランキング形式で掲載されているので世間の関心が集まっているニュースが一目でチェックでき、「注目のキーワード」で気になるニュースを絞り込むことも可能。旬のニュースをまとめて見たい人から人気があります。
Energy Shiftは、日本初のエネルギービジネスに特化したニュース系キュレーションメディア。エネルギービジネスは、自由化が進み市場規模40兆円と多くの人が注目を集めている存在です。
再エネ、ストレージ、電力・化石燃料、eモビリティなどに細かく分類されていて、電力ビジネスの最新ニュースが知りたい人に向いています。
Energy Shiftの特徴は登録エキスパートが50名以上もいることで、専門家の解説付きの記事が好評。キュレーション記事だけでなくオリジナル記事も充実しています。
NewsPicsはビジネス系のキュレーションサイトとして有名です。「経済を、もっとおもしろく」というコンセプトで運営されており、テクノロジー、ビジネス、金融・経済、キャリア・教育などの記事が集まっています。
NewsPicsの特徴は、課金しないとすべてのサービスを使えないこと。「お金を払ってでも読みたい!」と思わせるだけの高品質キュレーションサイトです。
世間の人々から注目されている有名人の投稿が目玉で、ユーザーランキング、コメントランキングには著名人が名を連ねています。
Startup Timesは起業家向けのキュレーションサイトで起業・新規事業に関するニュースをAIが選び出しているのが特徴です。
運営はバイトルなどを手掛けるディップ株式会社。人材サービスに加えてAI・RPAを提供することに長けているディップ株式会社の強みを活かした作りになっています。
Smartlogは男性向けのキュレーションメディア。メンズファッションだけでなくデート・恋愛、メンズビューティー、ライフスタイルまですべて揃っています。
ブランドビジョンは「男を変え、未来を変えていく」。地球上で最も男性のことを考え、寄り添い、応援する企業が運営しているだけあり男性向けキュレーションサイトの一番人気です。
TASCLAPはプロが書く男性向けファッションメディアです。男のおしゃれに特化した内容で、等身大ファッションを意識したコンテンツが揃っています。
”買えるファッション誌”と銘打っている通り、気になるアイテムを見つけたらECサイトでの購入がスムーズに行える仕組み。時計専門ライターを初め、メンズ美容、着こなし、ビジネススタイルなどの得意分野を持つライターがいるのがTASCLAPの魅力です。
by.Sはサイバーエージェントが運営する大人女子向けのキュレーションサイト。ファッション以外にも、へアアレンジ、セルフネイル、香り、姿勢まで女性の美に関することをすべて扱っています。
by.Sの特徴はオリジナル記事に重点を置いていること。ファッション・美容業界のプロによるアドバイスが20代~30代の女性ユーザーに好評です。
MERRYはかわいくなりたい女の子から大人気です。ウェルク問題のDeNAの子会社による運営だったため一時は閉鎖されていましたが、ユーザーの期待に応えて再開しました。
ファッション、コスメ、恋愛、グルメ、旅行…と女の子の好きなものが勢揃い。MERRYは写真が多く掲載されていて、キラキラした雰囲気。見ていて楽しくなるのが女子を虜にしている理由でしょう。
ippinは食のプロが厳選した逸品を紹介するキュレーションサイトです。「手土産選びに迷ったらippin!」と言われているほどで、絶対に失敗しないと評判です。
お気に入り機能があって記録に残しやすく、フォルダ管理もできます。シーン別、商品ジャンル別などユーザーが自由に検索できるので使いやすさも抜群です。
TERIYAKIは堀江貴文さんプロデュースの、美味しいお店が集まっているキュレーションメディアです。他のグルメガイドとの違いは、サービスやコスパ、批評などの雑音を一切排除し「うまさ」だけにこだわっていること。
独自の視点で選ばれているため、穴場的なお店を見つけられるかも。日本中のうまい店を知っているテリヤキスト達がいるほか、TERIYAKIランキングで人気のお店が分かります。
RETRIPは旅行・観光・おでかけに関する情報を集めたキュレーションサイト。世界中の旅行記、国内旅行、近場までお出かけ好きな人にはたまらない情報が満載です。特徴は誰もが発信者になれることで、旅の思い出を共有できます。
RETRIPには「RETRIPキュレータープログラム」があり、記事の閲覧数や評価により報酬がもらえるシステムです。このプログラムのために広告枠を設置して広告収入をキュレーターに配分、その資金で次の旅に出てもらう…そんな「職業、旅人」を生み出す取り組みです。
Compathyは世界中の個人をつなげることをミッションにしているワンダーラストの運営で、海外旅行が好きな人に最適です。旅行記録を「旅のコレクション」として共有できるだけでなく、自分だけの旅行プランが作れるのがCompathyの特徴。
ウイッシュリストや地図から行ってみたい場所を探して旅行プランに追加するだけで場所間の移動情報も思いのまま。みんなの旅行記録や旅行プランを検索して楽しむこともできます。
All Aboutはありとあらゆること全てが掲載されているキュレーションメディア。871人の専門家が1,294ものテーマで記事を発信しています。住宅、マネー、健康、ビューティー、デジタル、暮らし、恋愛まで、とにかく何でもあるのがAll Aboutの特徴です。
All Aboutのミッションは「システムではなく、人間」です。インターネット全盛の時代でも本当に役立つ情報を持っているのは「人」という考えで、人が持つ想いやノウハウ、技術を提供しています。
北欧、雑貨の道具展は、オーダーメイドのライフスタイルを提供しているクラシコムが運営しています。特徴はカタログのような作りで、読み物よりもお買い物ページがメインです。
北欧風でおしゃれな雑貨やファッションアイテムが揃ってるので、趣味が一致する人から絶大な支持を集めています。センスに自信がない人でも北欧、雑貨の道具展で買い物すればハイセンスな商品が手に入るのがメリットです。
キュレーションメディアの主なマネタイズ方法は、広告、商品販売、課金、成功報酬の4種類。それぞれについて成功事例を交えながら説明します。
キュレーションサイトのビジネスもデルとして最も多いのが広告枠からの収入です。アクセス数の多いキュレーションメディアなら、「高額な費用をかけてでも広告を出したい」と企業に思ってもらえるので高い収益を見込めます。
例えば、有名なキュレーションサイトのひとつ「NAVER まとめ」は2019年8月末時点で月間4,800万UBと圧倒的なリーチ数があるのが強みです。
そのため、NAVER まとめに広告を出す際の費用は15万view保障の記事広告で250万円、2週間連続保障の記事広告で400万円となっています。
NAVER まとめの広告費用の例
・15万view保障の記事広告:250万円
・2週間連続保障の記事広告:400万円
・動画広告:200万円
・ジャック広告:500万円
広告収入ではアクセス数の多いサイトだけでなく、特定分野に特化したキュレーションメディアも重宝されます。旅好きな人が集まるサイトに旅行関連の広告を出せば高い効果が期待できるからです。
このようにキュレーションサイトは、非常に多くの人が訪れる場所、共通の好みの顧客が集まる場所になっているので広告収入によるビジネスモデルと相性が良いのでしょう。
商品販売によるマネタイズの代表がファッション・雑貨系のキュレーションメディアで、紹介する商品を簡単に購入できる仕組みで作られています。
キュレーションメディアは雑誌のインターネット版とも言い換えられ、欲しい商品を物色しているユーザーが多いです。そして、好みの洋服や流行のアイテムがキュレーターによって厳選されているキュレーションサイトには固定ファンがたくさんいます。
商品販売タイプの成功事例が「北欧、雑貨の道具展」です。クラシコムは2006年創業で、翌2007年に北欧、雑貨の道具展をオープン。
2017年の年間売上高は約20億円(クラシコムの社員数40人程度)、2019年7月期見込の年間売上高は30億円弱(社員数60人ほど)と順調に業績を伸ばしています。
画像出典元:クラシコム公式HP
北欧、雑貨の道具展の強みはコアなファンが多いこと。お客様アンケートでは、毎日サイトを訪問している顧客が72%と驚異的な数字です。
まだ多くはありませんが、有料課金によるビジネスモデルで成功を収めているキュレーションメディアもあります。その代表が「NewsPics」で、有料会員数が増加中です。
その結果、2019年の売上は41.9億円(前年比+40%)と好調です。
固定課金してくれるユーザーがいれば広告に頼ることなく収益が安定し、独自路線でキュレーションメディアを運営できます。
課金収入タイプのキュレーションサイトを軌道に乗せるためには、とにかく質が重要。課金する価値があると思ってもらうために、ハイクオリティの内容を維持する必要があります。
成功報酬タイプのビジネスモデルは、人材紹介会社や不動産仲介業者に多いです。サービスを求めている人と請負業者を繋ぐ役割があり、両者で契約が交わされた時に請負業者から報酬が入ります。
成功報酬タイプのビジネスモデルで成功するためには、サービスを提供する分野に詳しいことはもちろん、信用される存在になることが大切です。サービスを求める人と請負業者の両方に「安心して依頼できる」と思ってもらえないと顧客が集まりません。
数多くのキュレーションメディアがありますが、規模を拡大してユーザー数を増やすサイト、特定の顧客だけにレアな情報を届け続けるサイトなどタイプも品質も様々。
ただ、どのような形だったとしても、生き残っているのは利用者から愛されているキュレーションメディアばかりです。
これまで数々の問題点が指摘されてきたキュレーションサイトですが、ユーザーの視点がより厳しくなり質の悪いサイトは淘汰される時代になっているのかもしれません。
お気に入りのキュレーションメディアを見つけると共に、興味のある方はサイト運営にも挑戦してみてくださいね。
画像出典元:O-DAN
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