電子錠とは?種類解説から選び方、仕組み、利用方法や防犯メリットまで

電子錠とは?種類解説から選び方、仕組み、利用方法や防犯メリットまで

記事更新日: 2020/11/25

執筆: 編集部

最近、防犯対策の一環として注目を集めているのが電子錠です。みなさんも名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

電子錠は端的に説明をすると、電気を利用して開閉する錠前のことを指しています。手動で操作する一般的な鍵とは違い、電気の力で動作するのです。

とはいえ、電子錠と言われても具体的にイメージするのは難しいはずです。

ここでは電子錠の基本的な仕組みや種類、セキュリティ、利用方法や、メリット・デメリットなど必要な知識をまとめてご説明します。

電子錠はどのような仕組み?概要とセキュリティ機能

電子錠の概要

電子錠とは金属製の錠前に代わって、電気の力で動作する錠前や錠前と鍵のセットを指します。

電気の供給元は電池ですので、簡単に電気を供給できるメリットがあります。

なお、配線を引いて電力を供給するものは電気錠と呼ばれます。電子錠とは少々異なるものですので間違えないようにしましょう。

役割は一般的な金属製の錠前と同様に施錠するなどのセキュリティ対策を担っています。

オートロック機能を有しているものが多く、鍵はいくつものタイプがあります。例えばカード式や指紋式があります。用途に応じて鍵の種類を選べることが特徴です。

電子錠のセキュリティ

電子錠のセキュリティが心配だと感じている人もいるかもしれません。

確かに金属式のアナログな鍵と比較すると、電気的なものは誤作動などが不安になってしまうこともあるでしょう。

しかし、電子錠のセキュリティについて心配する必要はありません。金属製の錠前並のセキュリティやそれ以上のセキュリティを保てる仕組みとなっています。

その理由は様々ですが例えば以下が考えられます。

  • オートロック機能を有しているものが大半
  • カードや指紋で開閉するためピッキングが不可能
  • 鍵となるカードなどの紛失時も設定で無効化が可能

オートロック機能は単なる金属製の錠前には無いものです。金属製でも電気錠であれば対応しているものもありますが、電子錠を利用するメリットだといえる部分です。

また、電子錠は金属製の鍵を利用しない錠前です。そのため、鍵穴を物理的にピッキングするような犯罪からも守ることが可能です。

電子錠の種類ごとの特徴やメリット・デメリットとは

まずは電子錠の種類とメリット・デメリットについて理解していきましょう。まずはこの点を理解し、それぞれの電子錠の特徴を把握してみましょう。

暗証番号式

暗証番号式は扉に金属製の鍵がついているものではなく、暗証番号を入力する装置がついているものです。

メリット デメリット
  • 鍵を紛失してしまう心配がない
  • 暗証番号の変更が容易でセキュリティが高い
  • 大人数で利用する場合も鍵を発行する手間がない
  • 暗証番号を失念すると解錠できない
  • 番号が流出すると誰でも解錠できる

形としては様々なものがありますが、大半のものには単純に暗証番号を入力するタッチパネルだけがついています。

このタッチパネルにあらかじめ決められた暗証番号を入力することで解錠ができる電子錠です。

不正な開閉を防ぐために、一定回数以上連続して間違えるとロックがかかったり通報が発生したりするものも発売されています。

リモコン・カード式

リモコン・カード式は一般的に利用されている金属製の鍵ではなく、リモコンやカードを鍵に利用するものです。

メリット デメリット
  • リモコンやカードがあれば解錠できる
  • タッチ式のものであれば財布などに入れたまま解錠できる
  • カードやリモコン毎に権限設定ができる
  • 解錠にはリモコンやカードが手元に必要となる
  • カードの磁気不良・リモコンの電池切れなどで操作できない可能性がある

電子錠にはリモコンからの電波を受け取ったりカードをタッチしたりする部分が用意されています。場合によってはカードを差し込む挿入口が用意されていることもあります。

形式はいくつかのパターンがありますが、リモコンやカードを電子錠に近づけて操作をすることで開閉ができる電子錠です。

タッチキー式

タッチキーはカード式が進化したものです。

電子錠のセンサーに鍵をタッチする必要がなく、カバンなどに鍵を入れている状態で電子錠のボタンにタッチをすることで開閉ができます。

メリット デメリット
  • 鍵を取り出す必要がない
  • 電子錠にタッチすれば良いので両手がふさがっていても利用できる
  • 鍵を持ち歩く必要がある
  • 家の中に置き忘れたまま開閉などをする可能性がある

 

指紋認証式

指紋認証式は指紋を認証するセンサーがついているものです。

メリット デメリット
  • 暗証番号を覚えるなどの手間が無い
  • 鍵を持ち歩く手間もない
  • 偽造される可能性が非常に低い
  • 状況によって指紋が反応しないことがある
  • 人によっては指紋を登録しにくいことがある

指紋認証ですので直接センサーに指を押し当てて開閉をします。もちろん開閉をするためには事前に指紋を登録しておかなければなりません。

電子錠を利用するかどうかを判断する2つのポイント

電子錠を利用するべきかどうかを判断する2つのポイントについてご説明をします。これらを参考に電子錠の導入を検討してみましょう。

不具合発生時のリスク

不具合発生時のリスクを踏まえて判断することが重要です。電気的に動くものですので、何かしらの不具合が発生してしまうことがあります。

例えば電子錠は電池で動く錠前です。電池切れになってしまうと急に動作しなくなるリスクがあります。場合によっては扉が開かず、入室できないなどのトラブルが発生する可能性があります。

また、カード式などを利用している場合には、不正に偽造されたカードで解錠される可能性もあります。

電子錠も全く不具合が発生しないものではありません。何かしらの不具合が発生する可能性については考慮しておくべきです。

発生する可能性はごく低いものですが、万が一のリスクを踏まえて判断をしましょう。

費用とのバランス

費用とのバランスも考えなければなりません。お金をかけてでも電子錠を設置する必要があるかどうかが重要です。

一般的な金属製の鍵と比較すると、電子錠は導入時コストがかかりやすいのです。ただ、その代わりオートロックが手に入るなど、セキュリティ面が強化されるメリットを受けられます。

また、暗証番号式などであれば、利用者が増えても追加の費用が発生しません。長い目で見ると金属製の錠前を購入するよりも低価格に抑えられる可能性もあります。

導入の判断は費用に対してメリットが価値あるものかどうかということです。セキュリティの強化や長い目でのコスト削減がメリットになるかどうかで判断をしましょう。

電子錠の利用方法と取り付け方法

電子錠の利用方法

電子錠は現在利用している錠前と交換することや後付ではめ込むことで利用できるようになります。すでに錠前が扉についているはずですが、これを新しく購入したものに交換したり電子錠を組み合わせて鍵がかかるようにしなければなりません。

利用するための取り付け方法は大きく分けてふたつです。1つ目の取り付け方法は、電子錠を購入したお店などの専門業者に依頼することです。技術費用などが発生してしまいますが、専門家に任せられる安心感はあります。

2つ目の取り付け方法は、専門家に依頼せず自分で対応するということです。多少の専門知識は必要となりますが失敗してしまうリスクもあります。ただ、低価格で抑えられる方法です。

どちらの方法であっても電子錠を利用するためには取り付け作業が必要ということです。購入するだけではなく取り付けのことも意識して利用しなければなりません。

電子錠の取り付け方法

電子錠の取り付けをいくつかのステップに分解すると以下の通りです。

  • 電子錠の取り付け先を確認
  • 電子錠の購入
  • 電子錠の取り付け

それぞれのステップでやらなければならないことをご説明します。

1. 電子錠の取り付け先を確認

最初に電子錠の取り付け先を確認します。これは全ての電子錠がどのような場所にでも取り付けられるわけではないからです。

扉の形状や素材によって取り付けられるものとそうではないものがありますので、事前に確認をしておかなければなりません。

確認しなければならないポイントは、電子錠を取り付ける場所の余裕はあるか・ドアの厚さはどの程度か・鍵穴の大きさはどの程度かということです。

設定する場所や扉の厚みなどによって購入するものを選択しなければなりません。

2. 電子錠の購入

取り付け先が決定すれば、適応する電子錠を購入します。大きさやタイプは取り付け先の確認結果を踏まえて判断しましょう。

購入は鍵を専門に取り扱うお店だけではなく、ホームセンターなどでも取り扱いされています。また、ネット通販でも購入が可能です。

購入前には説明書きの内容をよく確認し、事前に確認した内容に合致するものであることをよく確認しましょう。

3. 電子錠の取り付け

電子錠の取り付け方法は購入したものの取扱説明書を必ず確認してください。利用するものによって取り付け方法には差があります。

以下では大まかな流れをご紹介します。

  • 取り付け位置を決定する(型紙などが同梱されている)
  • 取り付け位置に合わせて穴をあける
  • 穴からコードなどを通し、本体を噛み合わせて固定する

取り付けに必要な穴を空ける際には注意が必要です。まず、電動ドリルなどの工具がなければ穴を空けられません。保有していない場合には電子錠と一緒に購入が必要です。

また、そもそも扉の素材や構造によっては、素人では穴を空けられないこともあります。後者については業者に依頼するしかありません。

なお、後付の電子錠であっても取り付けの作業は必要です。コードを通すなどの作業は簡略化され、不要なものも。両面テープなどで取り付けるものもありますので、説明書をよく読みながらしっかりと取り付けましょう。

取り付けに不安がある場合には業者へまとめて依頼

取り付けに不安がある場合には、まとめて業者に依頼した方が良いでしょう。失敗するリスクを格段に減らすことが可能です。

業者に依頼をすれば購入する電子錠の選定も手伝ってもらえることがあります。例えば電子錠は扉のサイズなどを踏まえて適切なものを購入しなければなりません。このような注意点を踏まえて購入するべき商品を紹介してもらえるのです。

もちろん購入した後の取り付け作業もスムーズに対応してもらえます。何かしら不安な部分がある場合には、多少費用がかかっても専門家に依頼することを考えましょう。

法人・個人向けおすすめ電子錠4選

法人向けのおすすめ1:スマートロック L!NKEY

引用元:LINKEY公式サイト

穴あけ不要で利用できる後付けの電子錠です。一種類の鍵だけに対応しているのではなく、交通系ICカードやナンバーキーなど複数の鍵に対応していることが魅力的です。

すでに会社で利用している社員証などを利用しての開閉も可能ですので、法人でも使い勝手の良い電子錠です。

通販サイトなどで確認してみると価格は50,000円程度と高機能でありやや高額なものです。

法人向けのおすすめ2: EPIC 電子錠 N-TOUCH

引用元:EPIC公式サイト

暗証番号式で利用できるおすすめの電子錠です。桁数も4桁から12桁まで設定できますので、様々な番号を設定できるメリットがあります。

暗証番号ですので、利用者の増減が激しい法人でも気軽に利用できます。通販サイトなどで確認してみると価格は23,000円程度と手の届きやすい価格です。

個人向けのおすすめ1:Qrio

引用元:Qrio公式サイト

Qrioは個人向けに発売されている電子錠です。スマホから操作でき、簡単に鍵の設定が可能です。また、事前に設定しておけば家族以外などにも開閉の権限を与えられます。

しかも、取り付け方法はサムターンにかぶせ、両面テープで貼り付けるだけで完了するなど、初心者でも利用しやすいことが魅力です。価格も通販サイトなどで確認してみると20,000円弱と購入しやすい価格です。

個人向けのおすすめ2:REMOCK

引用元:REMOCK公式サイト

リモコン式で鍵穴を必要としない電子錠です。カバンの中にキーを入れておき、ボタンを押すだけで解錠が可能です。

荷物が多いときでも簡単に開閉が可能であり、個人で利用するのにおすすめのものです。

リモコンなど鍵の費用が必要となることもあり、価格は通販サイトで42,000円程度とやや高価格です。

 

まとめ

電子錠には種類がありそれぞれにメリット・デメリットがあります。その点を理解してどの方式を利用するかを考えなければなりません。個人や法人で求めるものも異なるはずですので、その点も踏まえて考えることが重要です。

価格は10,000円から50,000円程度であり、方式や鍵の個数など機能によって左右されます。価格も踏まえてどの電子錠を利用するのかを考えなければなりません。

セキュリティの心配をする人も多いようですが、金属の錠前よりもセキュリティは高いと考えられます。少々値が張るものもありますが、セキュリティ対策の一環で電子錠を導入してみましょう。

画像出典元:Burst、Photo AC

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