潜在ニーズ|顕在ニーズとの違いや上手な引き出し方、活用方法を解説

潜在ニーズ|顕在ニーズとの違いや上手な引き出し方、活用方法を解説

記事更新日: 2020/03/23

執筆: 浜田みか

どんな商売でも、顧客ニーズを掴むことは必須。頭ではわかっていても、いざニーズを掴もうとするも上手く掴めずに、売上に繋がらないこともあります。

そもそもニーズは、大きく分けて「潜在ニーズ」「顕在ニーズ」の2種類に分けられます。この違いを理解しておかないと、せっかくのアプローチも実りません。

今回は、ニーズの中でも特に重要な「潜在ニーズ」に焦点を当てて解説します。

そもそもニーズとは何か、潜在ニーズとは何をいうのか、顕在ニーズとの違い、顧客の潜在ニーズをいかにして引き出すのか、そして引き出したニーズをどのように活用すればいいのか。

新人マーケッターが知っておくと実務に役立ちます。

潜在ニーズとは

ニーズには、潜在ニーズと顕在ニーズがあります。

では、そもそも「ニーズ」とは何なのでしょうか? 

この2つのニーズの違いについて知るためには、まず「ニーズとは何か?」を知らなくてはなりません。

ここでは、ニーズとはどのようなものなのか。潜在ニーズと顕在ニーズには、どのような違いがあるのかについて解説しています。

そもそも「ニーズ」とは

そもそもニーズ(needs)とは、簡単に言えば顧客が持つ「欲求」です。

「~が欲しい」「~したい」といった欲求は、視点を変えれば顧客の企業に対する要求であり、取引における需要に当たります。

ニーズの語源は、英語での「need」。

動詞を和訳すると「(~を)必要とする」、「(~の)必要がある」という意味になります。これらが転じて、マーケティング用語の「ニーズ」になったのです。

マーケティングでは、「顧客ニーズ」という言い方をよくします。つまり、これは"顧客が必要としている何か"を指します。

"何か"に当たる部分が、顧客にとって生活上や仕事上で求める理想的な状態です。たとえば、家事。

炊事・洗濯・掃除など、どれをとっても時間も労力もかかります。そのうえ、家事には名もなき家事と呼ばれる小さな仕事もたくさんあります。

それらが手早く簡単に済ませられたら嬉しいものです。現状で労力のかかる家事を、「時短できる」「楽にできる」のが理想の状態。

現実と理想のギャップを埋めたい・解消したいという欲求が「ニーズ」なのです。

潜在ニーズと顕在ニーズの違い

顧客が持つニーズには、「潜在ニーズ」と「顕在ニーズ」があります。顕在ニーズとは、顧客本人が自覚している欲求です。たとえば、夏場は暑いので、頻繁に水分が欲しくなります。

現代は、街中の至る所に自動販売機やコンビニエンスストアがありますから、水分が欲しくなれば、それらを利用すれば簡単に手に入ります。

「喉を潤したい」というのが、顕在ニーズに当たります。

潜在ニーズは、顕在ニーズの反対で自覚的ではない欲求を指します。顧客自身が認識していない欲求で、普段当たり前だと感じている部分に隠された「不満」や「現実と理想のギャップ」です。

たとえば、消しゴム。私たちの多くは「消しゴムは白いもの」という固定概念を持っていました。しかし、白い消しゴムは汚れが目立ちます。そのため、汚れた部分を削って使う人もいたほどです。

この行動の背景には、「汚れが気にならない消しゴムなら、こんなことをする必要もないのに」という欲求が隠されています。

潜在ニーズとは、顧客のこうした隠れた欲求を指しているのです。ちなみに、この欲求に応えて登場したのが「黒い消しゴム」です。

ニーズとウォンツの違い

顧客ニーズを語るうえで、必ずセットで取り上げられるのが「ウォンツ(Wants)」です。ウォンツは、和訳すると「望む」「(~を)欲しいと思う、(~が)欲しいと思う」となります。

ここで混乱しがちなのが、ニーズもウォンツも欲求を示しているという点です。

しかし、和訳にあるように、ニーズは顧客にとっての必要性を意味しており、ウォンツは顧客にとっての具体的な要望を意味しています。

家事で例えるならば、「家事にかかる時間を短くしたい」「家事をもっと簡単にしたい」という点がニーズに当たります。

「食器洗い機が欲しい」「自動掃除機が欲しい」というのは、ウォンツに当たります。

これらのことから、ニーズとは目的を示し、ウォンツは手段を示していると言い換えることができます。

潜在ニーズの引き出し方

顧客が自分で認識していないニーズを引き出すには、今自覚しているウォンツに対して掘り下げていくことです。

ここでは、潜在ニーズの引き出し方について解説します。

ステップ1. 「なぜ?」「どうして?」で核心に迫っていく

ビジネスにおいて顧客の潜在ニーズを引き出す場合、まずは顧客の置かれている現状を把握しなければなりません。

いわゆる、リサーチです。ニーズは、現実との理想のギャップによって生まれるもの。現実を知らなければ、潜在ニーズにたどり着けません。

ここで大切になってくるのが、質問です。

顧客から発せられる「○○が欲しい」という情報に対して、少しずつ「なぜ、それが欲しいのか?」「どうしてそう思うのか?」を順序立てて質問を繰り返していきます。

「○○が欲しい」というウォンツに対して、何度も質問を重ねることによって、質問された側は自分自身でも気づいていなかったニーズに気づくようになります。

ステップ2. 「ウォンツ」から潜在ニーズを把握する

ウォンツで顧客が自覚しているのは、あくまでも目先の欲求です。しかし、何かを欲するとき、その根底には必ず解決したい何かを抱えているものです。

潜在ニーズを掘り起こすには、その根底に近づいていかなければならないのです。

たとえば、枕。寝具は一度購入すると、なかなか買い替えるものではありません。新商品を売るためには、潜在ニーズを顧客自身に認識してもらう必要があります。

顧客が「いま、使っている寝具を買い替えたい」ウォンツ状態であれば、「なぜ、買い替えたいのか?」「買い替えれば、どんな良いことがあると考えているのか?」を深堀りしていきます。

顧客 「いま、使っている枕を買い替えたいんです」

あなた「なぜ、買い替えたいのですか?」

顧客 「熟睡できている気がしないんです」

あなた「熟睡できる枕があれば、今とどんな違いがあると思いますか?」

顧客 「リフレッシュできて、次の日の仕事も捗る気がします」

質問を繰り返せば、顧客が抱えている潜在的なニーズへの発見に繋がります。引き出し方は、上記のようなインタビュー方式やアンケート、行動観察による方法などがあります。

顧客の本音に触れるには、信頼関係の構築があってこそ。営業で潜在ニーズを引き出す際は、まずは顧客と信頼関係を築くことが最初のステップです。

潜在ニーズを活用した事例

潜在ニーズが見えると、最初のウォンツとは別の手段で、顧客ニーズを満たすための選択肢や解決策の提示が可能になります。

ここでは、潜在ニーズを活用した事例について言及しています。

事例1. 高齢者が喜ぶ"転ばずに歩ける"靴「徳武産業」

香川県にある徳武産業は、もとはスリッパの製造メーカーでした。

それが、あるとき高齢者が若者に比べてつまづくことが多いことに疑問を持ったのがきっかけで、高齢者向けの靴を製造販売するようになった経緯があります。

一般的には、靴は左右同じサイズで販売されるのが当たり前です。

ところが、高齢者になると、病気やケガなどによって左右のサイズが異なる人、左右の足で歩き方の異なる人がいます。

高齢者の潜在的ニーズは「転ばずに歩けるようになりたい」というもの。ですが、市販されている一般的な靴では、上記のような高齢者の悩みを解決できません。

そこで徳武産業は、歩行観察を繰り返して靴の改良を行い、高齢者にとって歩きやすい靴の製造販売へと繋げました。

事例2. 子供の興味と親の関心を融合させた「うんこ漢字ドリル」

お子さんがいる読者の方なら、おそらくほぼ全員が知っている「うんこ漢字ドリル」。

いまでは「計算ドリル」など、バラエティ豊かに展開しているこのシリーズも、実は潜在ニーズを上手く活用した事例といえます。

子供にとって勉強は興味もそそられず、楽しくないもの。その一方で、親には、勉強をさせたいというウォンツがあります。

なかでも娯楽性の低いドリルは、子供にとって苦痛の時間です。

自主的に勉強をさせるには、手っ取り早く子供の「楽しければいいのに」「面白ければいいのに」という欲求を満たしてやるのが一番です。

そこで、目が付けられたのが「うんこ」というワードです。覚えがある方も多いかと思いますが、低年齢の子供ほど、このワードに対して異常なほどに関心を示します。

「うんこ」というワードをたくさん盛り込めば、子供は楽しみながら自主的に勉強するだろうと「うんこ漢字ドリル」が生まれたのです。

まとめ

潜在ニーズを引き出すことは、マーケット戦略において重要なポイントです。

インタビューやアンケート、行動観察などを組み合わせて、顧客の心理に迫るようにしましょう。

潜在ニーズは、顧客の深層部分に隠された課題や問題そのもの。

顧客から潜在ニーズを引き出すには、それ以前に本音を打ち明けられる関係性を築いておきましょう。

画像出典元:Unsplash

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