12月2日 (月)にバイトル運営会社、dipはAIアクセラレーター10期デモデイを開催。
イベントではAIを活用した事業に挑戦しているスタートアップ6社がピッチを行いました。
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dipでは労働人口の減少に危機感を持ち、人とAIを組み合わせた人材供給に取り組んでいます。
しかし、AIを活用している企業はまだまだ少ないのが現状です。
そこで「人工知能スタートアップ特化型」アクセラレータプログラムをたちあげました。
このようなプログラムは日本初の試みです。
▲プログラムスケジュール(AIアクセラレータの公式サイトより)
参加企業はdipのリソースを活用することができます。
例えば、AI専門サイト「AINOW」を運営したことで得られたAI関係者とのネットワーク、「バイトル」「はたらこねっと」などの求人サービスで使用している20万件超の企業データを利用可能です。
これまで500社以上がエントリーしており、採択企業は約80社に上ります。
資金調達も成功しやすく、資金調達率75%、調達総額は約40億円と高い水準を誇っています。
今回は10期生6社が登壇しました。
テッククランチ東京2019で優勝した実力者、RevCommはクラウド型IP電話「MiiTel」を運営。
電話営業による顧客対応をAIによって可視化しました。
これまでの営業は何をどのように話しているか他者は知ることができず、属人的なものになっていました。
これを解決するべくMiiTelでは電話営業をすべて録音、解析。
さらには音声を文字起こしし、いつでも内容を振り替えられるようにしています。
またそれぞれの従業員のダッシュボードがあり、優秀な人の営業方法を参考にすることも可能です。
音声解析を主軸として取り組んでおり、将来的にはCSやHR領域にも事業を展開していきます。
自社のプロダクト名などを守るためにも大事なのが商標権。
しかし商標を出願するには難解な法律を理解する必要があります。
さらに商標調査を弁理士に依頼すると1か月以上も時間がかかってしまいます。もちろん費用も高額です。
CotoboxではAIによって商標出願を簡単にしました。
いいネーミングを思いついたら、それが既に商標となっているかすぐに確認。
もしなっていなければ出願し、クレジットカードで決済を済ませることができます。
これにより早さは30倍、費用は4分の1にまで抑えることに成功しました。
商標制度は世界共通であることから、スタートアップでありながらも既にグローバル展開を見据えています。
テレビや動画サイトで毎日のように見ている広告。
しかし、ユーザーが本当に求めている情報とは乖離しており、中には料金を支払うことで広告を停止できるプランを提供しているサービスも…。
ID Cruiseでは、性格は5つの要素で組み合わされているという心理学の理論「ビッグファイブ」を用いて、ユーザーの性格に合った広告を提供します。
性格の分析方法もいたってシンプルで、サイトにワンタグを設置するだけ。
これにより顧客獲得単価を30%削減することができます。
中学生活を全く楽しくなかったと語るSandBox、CEOの菊池秋人さん。
一方でオンラインゲームでは楽しい人間関係を築いたことから熱中し、世界大会にまで出場するプロゲーマーとなりました。
このような経験から「よりよい出会いで、より豊かな人生」を提供すべく、開発したのが脳波解析サービスです。
被験者に動画広告を見せ、その際の脳波から好感度や興奮度などを分析。
それぞれのユーザーに合わせた最適なCMで、よりよい出会いを提供します。
ゆくゆくは人同士の出会いにつなげるとのこと。
人間関係に苦しむことはなくなるかもしれません。
平日の夜に60分待ち…。
どんな人気アトラクションかと思えば、実はこれ、旅行相談窓口の待ち時間なのです。
それを避けようとオンラインサイトに行っても、先に旅行先を決めないと何もできません。
AVA Intelligenceでは旅行したい、でもどこがいいかわからないといった旅行潜在層向けのプロダクトAVA Travelを開発。
簡単なアンケートに答えるだけでAIが最適な旅行先を提案、そこからすぐに航空券やホテルも予約できます。
プロセスすべてを網羅するべく、口コミやスケジュールといった機能も今後、搭載予定です。
ゆくゆくはユーザーに合った食事、保険も提案するような事業を展開します。
IT業界の盛り上がりにより、多くの企業で求められているエンジニア。
しかし、それゆえにエンジニアを採用するのはかなり難しい状況となっています。
REPERIOではエンジニアに特化した採用支援プロダクト「DISCOVER」を開発。
ソーシャル情報を集約することで潜在転職者層にもアプローチし、メールの文例作成から送信まで代行します。
これにより採用コストを54%も削減することが可能です。
現在、急成長企業をターゲットにし、どんどん導入企業を増やしています。
将来的には社員の最適配置を担うようになり、才能が適所につながることのできる社会を作ります。
登壇企業がテーブルを回り、来場者は自由に質問することができました。
やはり気になるのは、各社のフェーズと事業展開。
5分という短い時間ながら鋭い質問が飛び交いました。
懇親会で交流できるピッチイベントは多いものの、このように、登壇したすべての会社と必ず話すことができる仕組みを取り入れているのは、かなり珍しいです。
今回のピッチイベントではユーザーの嗜好を把握し、今まで見えていなかった潜在層を狙っている企業が多いことが特徴的でした。
特にAVA Intelligenceのピッチで出てきた「AIでユーザーのコピーアバターをつくる」という言葉は、SFの世界がついに現実に到来したと感じさせるものでした。
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