TOP > SaaS > 人事 > 人事評価 > 部下の育成で大切なことは?部下が育つ上司の特徴やよくある課題を解説
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部下育成は、会社の成長や活性化を促すだけでなく人材流出を防ぐ対策として非常に重要です。
しかし能力やキャリア、仕事へのモチベーション、性格が異なる部下を育てるのは容易ではありません。
ただ部下は、育成が上手い上司のもとでこそ育つものです。
そこで今回は、部下育成において大切なことを具体例を交えて解説します。
このページの目次
部下を育成するには以下の2つの軸が不可欠です。
社内で2つの軸を確立するために必要なポイントを解説しましょう。
部下の成長をサポートするには、具体的に4つのプロセスが必要になります。
まずは部下と一緒に目標を設定し、「どのような成果を期待されているのか」「どのようなスキルを身につけるべきなのか」などについて話し合います。
期待値が共有できると、部下の中で働くことに対する価値観が明確になる上、成長を評価してくれる上司がいることでモチベーションもアップします。
サポートや指示を待ち、言われなければできないという状況で部下は育ちません。
「どのような計画を立てると間に合うか」「どうずれば解決すると思うか」といった目標やソリューションを部下自身に考えさせ、達成できるまで繰り返しサポートすることが大切です。
こまめなコミュニケーションが、部下の成長をサポートします。
仕事中のやり取りに始まり、定期的な面談、雑談や社内レクリエーションでの交流などを通じて常に部下との間で風通しを良くしておきます。
こまめに進捗を報告してもらうことで、達成度合いを把握しやすくなり、軌道修正も早めに対応することができます。
部下によって特性やスキル、経験値、モチベーションは異なります。
それを考慮せず一様に育てようとしても成果は期待できません。
部下の様子や性格を観察し、丁寧に教える段階か、課題を与えて任せるべきか、などといった判断を的確に行いましょう。
部下が成長できる環境を整えるには、以下の4つの条件を満たすことが重要です。
部下が成長してもスタンドプレーが目立ったり、独善的だったりするのは問題です。
「チームが何のために存在しているのか」「何をミッションとしているのか」を明確にして共有することで、チームの団結力が高まり組織が活性化します。
自ずと部下たちの意識が向上し、モチベーションアップも期待できるでしょう。
情報共有の機会をこまめに設けることも部下の成長を促進します。
具体的には、以下の3パターンが考えられます。
チームとしては経営方針や短期・中長期計画の通達、プロジェクトの進捗状況を。
個人としては目標や進捗、改善点などの共有を図りましょう。
こうすることで早期に問題点や改善点を発見し、対応することができます。
上司と部下の間は風通しが良くなければ、情報共有は上手く進みません。
そのために、会議や朝礼の場では部下が発言しやすい雰囲気を作り、意見は丁寧に聴き取ってフィードバックする姿勢が大切です。
一方的な命令や、忙しいことを理由にして聴き取りを後回しにすると、部下のモチベーションが低下し、前向きな意見が出てこなくなってしまう可能性があります。
以下の要素が満たされていると、部下は安心して仕事に取り組むことができます。
こうした環境が整備されていると、ミスを恐れずチャレンジでき、チームや会社の成長を考えて行動できる部下が育ちやすくなります。
部下の育成が上手い上司には、以下のような特徴があります。
上司としてはどうしても成果に目が行きがちになりますが、プロセスを正当に評価する姿勢も大切です。
結果が悪くても決して感情的にならず、行動が良ければ褒める。
マイナスの結果に対してはどこに原因があったのか、冷静に指導することが大切です。
適切に評価されていると感じると、フィードバックも素直に受け入れてくれるようになります。
言いたいことだけを押し付けて部下の言い分や提言を無視すれば、上司への反発が高まり、仕事へのモチベーションも低下してしまいます。
「部下の話を関心を持って最後まで聞く」「相手が言いたいポイントを整理して、質問をしながら問題を掘り下げる」といった傾聴の姿勢を示せば、部下にも向上心やチェレンジ精神が芽生えるでしょう。
部下は一人ひとり性格もスキルもモチベーションも異なります。
年次や立場によって抱えている課題もさまざまです。
部下の様子を一面でとらえるのではなく、広い視野から総合的に理解し、その状態を受け入れると部下から大きな信頼が得られるでしょう。
「この人は分かってくれる」という安心感があると、さらに本音を聞かせてくれたり、仕事への意欲や忍耐力が増したりします。
決まった業務をルーティン化するだけとか、指示したことをさせるだけでは部下は育ちません。
部下自身に課題や改善点を気付かせ解決策を見つけられるように促す上司がいると、部下に主体性が生まれ、意思決定や状況判断能力が強化されます。
失敗を恐れずチャレンジする精神も育つでしょう。
コミュニケーション不足が報連相を遅らせて、誤解や勘違い、不満の要因となることが多いです。
常にコミュニケーションできる状況があれば、部下の仕事の進捗や課題が把握しやすく、部下も上司の言いたいことを汲み取りやすくなります。
すると部下はミスにより無駄な時間を費やすケースが減り、より高い次元での業務リテラシーを習得できるでしょう。
上司、同僚、部下、顧客、下請けなど、仕事上の人間関係は多彩です。
どれだけ優秀な人でも、周囲の人たちの支えや理解なくして仕事は成り立ちません。
勘違いやミスによって迷惑を掛けることもあるでしょう。
そんなときに素直に感謝したり、謝罪できたりする上司は部下から人として尊敬されます。
その姿は部下にとっての手本となり、成長を促す原動力にもなるのです。
上司自身が学び、成長しているとそれに倣って部下も向上心や仕事へのモチベーションがアップします。
過去の実績にこだわらず未来に向けて学ぼうとしていると、部下の悩みや疑問にも的を射た答えができ、問題対処能力も向上するでしょう。
部下が育つ上司になるには、以下の4つのスキルや意識が必要です。
論理的思考能力とは、テーマや課題に関する根拠を筋道立てて結論に導く能力のことです。
部下が仕事で失敗したり問題に直面したりした際、感情や感覚といった曖昧な根拠ではなく、論理的に解決へと導くのに役立ちます。
客観的なデータや事実に基づくロジックに裏付けられた説明は、納得感が得やすいです。
部下自身も上司を真似て論理的思考能力を習得できれば、業務課題の解決スキルは確実に向上するでしょう。
部下を育てるには各自に合った目標を設定し、その達成に向けて管理する能力が必須です。
部下のスキルや経歴、強みを正しく理解し、会社としての期待値も加えて具体的な目標を設定しましょう。
本人が納得の上で取り組ませ、進捗を追いながらサポートや軌道修正を行って目標達成を目指します。
成功体験が得られると、さらに次の課題に向けて意欲が高まり成長度合いがアップするでしょう。
仕事はどれだけの成功を収めても、その瞬間に過去のものとなります。
したがって立場に関係なく常に学びの姿勢を崩さないことが重要で、若い部下からも新しい知識を学ぶくらいの気概を持つことが大切です。
上司が謙虚に学び続ける姿は、部下にとっても大きな刺激となるでしょう。
部下の育成に必要なコミュニケーションスキルとしては、以下のようなものがあります。
これらを磨けば、意思疎通が進んで高いモチベーションが引き出せるでしょう。
上司が陥りやすい部下育成の失敗例と対処法を紹介します。
ミスを恐れたり、過小評価したりして簡単な仕事しか任せないと、部下は育ちません。
「自分は期待されていない」と考えて上司への信頼感やモチベーションが低下してしまいます。
上司から難易度の高い仕事を与えられて成長できたという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そうした過去を思い出し、思い切って高いレベルの仕事を任せてみることも大切です。
部下にはつい上から目線で感情的・高圧的に接しがちです。
そのようなケースを繰り返しているうちに部下は萎縮し、言いたいことが言えなくなります。
ミスを恐れずチャレンジする精神も萎えてしまうでしょう。
部下には自分から明るく挨拶したり、調子を尋ねたり、話しかけられたらいったん手を止めて冷静に傾聴する姿勢を忘れてはなりません。
通常業務が忙しく、部下育成を後回しにしてしまうというケースもよくあります。
一度指導すれば何のミスもなくそのまま育っていく部下など存在しません。
育成には時間がかかることを自覚し、コミュニケーションを密にしながら繰り返し働きかけることが必要です。
部下が育てば結果として業務負担が減り自分への評価も上がる可能性があるので、意識して部下育成の時間を確保することが重要です。
部下育成では、本人に課題と解決策を見つけさせることが大切です。
しかし、そのプロセスを飛ばして指示をしてしまうと、部下は指示待ちのクセがつき、主体性や責任感が育ちません。
「君はどう思う?」「サポートするから、いいと思う方法で進めてみて」と部下の力を信じて委ねることも大切です。
片手間で場当たり的なやり方では、部下から信頼されたり意欲を向上させたりするのは困難です。
部下は勝手に育つものという考えは捨て、一人ひとりに目標を設定し、それに合った手法を取り入れましょう。
具体的な手法は次章で詳しく解説します。
部下育成には、以下の5つの手法が有効です。
MBO(目標管理制度) | 部下に自ら目標を設定させ、その達成度合いで評価する手法 |
コーチング | 部下に問いかけながら自発的行動を促す手法 |
OJT(On the Job Training) | 現場での実務を通じて育てる手法 |
Off-JT(Off-the-Job Training) | 現場を離れて研修などで育てる手法 |
1on1 | 部下と1対1で定期的に面談し、フィードバックを通して育成する手法 |
MBOは「Management By Objectives」の略で、経営方針から逸脱しない範囲で部下自身に目標を設定させ、その達成度合いを評価する手法です。
部下の主体性やモチベーションが高まり、クリアすべき指標や目標が明確なため人事評価の透明性も確保できる特徴があります。
上司との対話の中で気づきを与え、答えを導き出させる手法です。
上司は直接的な答えを教えないという点が特徴です。
過去の仕事ぶりを振り返り、良かった点や改善点に気付けたら、それを元に今後の行動計画を設定のうえ自発的に実行させます。
実際の職場で具体的な業務をさせながら育成していくのがOJTです。
部下のスキルや経験に応じた実務を指導するため成果が出やすく、その業務では即戦力に育つ利点があります。
機械的な指導にならないように注意し、フィードバックを繰り返しながら習熟度に合わせて段階的に難易度を上げていくのがポイントです。
Off-JTは、OJTと異なり現場を離れて研修をおこなう育成手法です。
座学が中心になるケースが多く、業界や特定分野の基礎知識を身につけるのに向いています。
講師を外部から招いたり、自社と異なる施設に出向いて学んだりする例もあります。
体系的な学びや他社・他部署の人たちとの交流を通じて仕事に対する姿勢を見直し、モチベーションを高める効果も期待できます。
上司と部下が面談形式でじっくり向き合い、課題や改善点を浮き彫りにする手法です。
相互理解が深まり、信頼関係が構築しやすい利点があります。
実効性を高めるには週次や月次という形で定期的に行い、具体的な項目についてフィードバックを欠かさないことです。
部下育成は「成長をサポートする」「成長できる環境を整える」という2つの軸が基本になります。
その上で上司が部下が育つだけの条件を備え、適切にアプローチすることが欠かせません。
記事内で紹介したありがちな失敗例を参考に自己を見直すことも重要でしょう。
部下育成の要点が理解できたら、早速5つの部下育成手法から適切なものを導入してみてはいかがでしょうか。
画像出典元:Pixabay
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