企業勤めの人にとって、大きなイベントであるボーナス支給。
2022年の冬のボーナスはコロナ禍からの本格回復が見込まれると予想されているのをご存知ですか?
嬉しいニュースですが、「自分はどれだけもらえるのか?」気になる方も多いかと思います。
今回の記事では、2022年冬のボーナスの予想額と過去の平均額などを解説します。
また、夏ボーナスとの差や業界別・年代別の金額も紹介しますので、ご参考になさってください。
このページの目次
2022年冬のボーナスは、一体いくらもらえるのでしょうか?
民間企業の2022年冬のボーナスは、平均39万458円(前年比+2.5%)*との予想だそうです。
コロナ禍の業績不振でボーナスをやめていた企業でも支給が再開され、支給労働者の割合も83.4%(前年比+0.9%pt)*となる見込みです。
額も上がり、支払われる人たちも増え、物価高に苦しむ昨今には吉報といえるでしょう。
一方、国家公務員の冬のボーナスは12月9日に支給され、平均65万2,100円(前年比+0.1%)と500円の小幅増でした。
この微増の背景は、2021年の冬ボーナスを、コロナ影響で業績悪化した民間企業の水準にあわせて下げる法案の改正が間に合わず、前年がほぼ減額されないまま支給(次の夏ボーナスで調整)されることとなったことも理由です。(2021年人事院勧告参照)
そのため、時期ずれナシでみれば、民間と同様、コロナ禍を脱した、物価高に応じた増額に転じているともいえるでしょう。
*出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「2022年冬のボーナス見通し」より
一般的に冬のボーナスはいつごろもらえるのでしょうか?
ボーナスをもらえる時期は、民間企業と公務員で異なります。
民間企業は「12月中旬ごろ」に冬のボーナスを支給されることが多いです。
民間企業のボーナス支給時期については、とくに法律等で定められていません。
各社の就業規則に応じて異なるので、気になる人は調べておきましょう。
国家公務員のボーナス支給日は法律により「12月10日」と定められていますが、該当日が土曜の場合は前日金曜になります。
2022年は12月10日が土曜なので、支給日は、12月9日(金)になります。
地方公務員は各条例で異なりますが、基本的には国家公務員の定めにならって支給されます。
冬のボーナスの平均額も、民間企業・公務員で異なります。
民間企業の冬のボーナス平均額は、およそ給料1〜2ヶ月程度といったところです。
民間企業のボーナス額の決定については「毎月の給与と連動」「業績と連動」などのパターンがあります。
気になる人は自社のボーナス金額算出方法をチェックしておきましょう。
※参照元:厚生労働省|「毎月勤労調査 令和3年年末賞与」
公務員のボーナス額については、金額だけ見ると民間企業よりも多いです。
ただし公務員のボーナス額は、民間企業の平均に応じて変動するため、実際は毎年若干減少傾向にあります。
とくに近年では新型コロナの影響で業績を下げた民間企業も多く、公務員のボーナス額にも影響を与えているのです。
※参照元:内閣人事局|「令和3年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」
全体を見ると、冬のボーナス支給額は夏よりも若干多いですが、そこまで極端に大きな差はありません。
厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査」によると、令和3年の夏季賞与と年末賞与の平均支給額は以下のとおりでした。
企業の規模別でも比較しているので参考にしてください。
【令和3年全体の夏と冬の平均ボーナス金額】
夏季賞与(夏) | 年末賞与(冬) |
380,268円 | 380,787円 |
【令和3年企業規模別の夏と冬の平均ボーナス金額】
企業規模 | 夏季賞与(夏) | 年末賞与(冬) |
500人以上 | 636,176円 | 621,724円 |
100〜499人 | 417,894円 | 424,899円 |
30〜99人 | 338,240円 | 344,921円 |
5〜29人 | 265,204円 | 273,064円 |
30人以上 | 440,487円 | 442,231円 |
このように、500人以上の大企業を除いては、夏よりも冬のボーナスの方が若干多くなる傾向にあることがわかります。
夏よりも年末の方が何かと物入りになるため、冬のボーナスを重視している企業は多いのかもしれません。
冬のボーナス平均額が多い業界トップ3は以下の通りです。
もちろん、民間企業は会社ごとにボーナスの算出方法が異なるため一概には言えません。
ただし、転職を考える際の一要因として参考にしてみるのもよいでしょう。
なお、以下の平均額については、毎月勤労統計調査「令和3年年末賞与」を参考にしています。
令和3年度冬のボーナス平均額は「794,941円」でした。
電気・ガスは生活に不可欠であるため、比較的社会情勢の影響を受けにくいです。
安定した売り上げを見込めるため、ボーナスも高くなるのでしょう。
令和3年度冬のボーナス平均額は「671,032円」でした。
インターネットが発達した現在において、情報通信技術は必要不可欠です。
生活に強く根付いたサービスであるため、ボーナスが高いことにも納得できます。
令和3年度冬のボーナス平均額は「625,813円」でした。
金融業界は規制業種であり、他業種よりも競争率が低いため、高い利益率を保持できているということがいえます。
また、金融業や保険業では、ひとつの商品につき大きな金額が動くことが考えられます。
成約すれば企業にも大きな利益をもたらすため、業績に反映したボーナス額も高くなるのでしょう。
年間ボーナスの年代別の平均額は下表の通りです。
冬のボーナスの平均額は下記金額のだいたい半分になると予想できます。
年代 | 平均額 |
〜19歳 | 143,600円 |
20〜24歳 | 376,100円 |
25〜29歳 | 648,100円 |
30〜34歳 | 778,400円 |
35〜39歳 | 910,200円 |
40〜44歳 | 1,006,100円 |
45〜49歳 | 1,068,500円 |
50〜54歳 | 1,172,300円 |
55〜59歳 | 1,146,700円 |
60〜64歳 | 661,300円 |
65〜69歳 | 360,100円 |
70歳 | 252,100円 |
基本的には、年齢が上がるにつれてボーナス額も上昇傾向にあります。
50代で最も多くなり、それ以降は定年を迎えることも多いため減少していくと考えましょう。
参照:令和3年賃金構造基本統計調査内の「学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
ここでは、ボーナス額の決め方について解説していきます。
具体的なボーナス額は、以下4つの基準をもとに算出することが多いです。
また、ボーナスの決め方について、夏・冬で違いはありません。
それぞれ詳しくみていきましょう。
「基本給連動型」とは、基本給をベースにしてボーナス額を決定する方法です。
日本の民間企業では、一般的に基本給連動型が採用されています。
ボーナス額の計算式は「基本給×◯ヶ月分」です。
月数は「2.5ヶ月分」のように端数がつくケースもあります。
基本給連動型で計算式に使われるものは「基本給」であり、各種手当の金額は含まれません。
毎月の給与が高い割にボーナス額が低い場合は、「各種手当が多く基本給が少ない」という可能性もあるので注意しましょう。
「業績連動型」とは、会社内の業績に応じてボーナス額を決定する方法です。
参照する業績は「会社全体」「各部署」「各部門」「個人」など、会社によって異なります。
営業利益を指標とするケースが多いです。
業績連動型の計算方法は各社に応じてルールが異なるため一概には言えません。
一例としては「営業利益の◯%」「予算のうちの◯%」などがあります。
「決算賞与型」とは、決算月前後に支払われる臨時ボーナスです。
年度内の業績が好調だった場合に、会社の成果に応じて社員に利益が分配されます。
現金だけでなく商品券や金券などで支給するケースもあります。
決算月は、3月・9月・12月のいずれかであることが多いです。
もちろん、あくまでも臨時支給であるため、業績が不調であれば支払われません。
公務員の場合は、不公平感を解消するために民間企業のボーナス平均額を参考にして決定されます。
民間企業内でも規模によってボーナス額にバラつきがあるため、公務員よりもかなり高い(or低い)ということもあるでしょう。
公務員は、業績に左右されず一定レベルのボーナスを受け取れる点が魅力と言えます。
査定期間については、あくまで一例ですが以下のケースが一般的でしょう。
ボーナス時期と査定期間に開きがあるのは、査定対象の評価を正確に取りまとめるためです。
とくに規模の大きい企業では、査定対象者が多いため評価の取りまとめにも時間がかかります。
ボーナス直前だけ頑張っても査定額に影響は与えないため注意しましょう。
民間企業については、各社でボーナス支給対象が異なります。
正社員でもボーナスが支給されない企業もあれば、新卒やパートに対しても支給するところもあります。
企業によっては「寸志」という形で少額を渡すケースもあるため、自社の仕組みをチェックしておきましょう。
ボーナスからも、毎月の給与と同じく、税金などが引かれます。
厚生労働省などの平均データは、支給額(額面)で、「手取りは額面の8割ほど」になるのが一般的といわれていますので注意しましょう。
具体的な計算方法については、以下の記事を参考にしてください。
ボーナスでは大きな金額が支給されるため、「ボーナスをもらってから転職しよう」と考えるケースもあるでしょう。
退職前に、損なくボーナスの支給を受けられる方法を確認していきましょう。
仮に退職が決まっていても、ボーナス支給月に企業へ在籍していれば問題なくボーナスは支給されます。
「退職予定者にボーナスは支給されない」ということはないためご安心ください。
逆に言えば、査定期間にしっかり仕事をしても支給月前に退職したら、ボーナスは支払われません。
具体的なボーナスの支給条件は各社で異なるため、事前に就業規則をチェックしておきましょう。
ただし、ボーナス額を決める基準は各社で異なるため「退職希望者は減額する」という可能性も0ではありません。
例えば、ボーナス額を決める基準に「会社に対する将来への期待度」があれば、減額されることもあるでしょう。
退職希望者は、今後の会社に対する長期的な貢献度が低いため、ボーナス額に影響を与えてしまうのです。
もちろん極端な減額は問題ですが、場合によっては減らされる可能性も視野に入れましょう。
上記のように、原則として退職希望者にもボーナスは支給されます。
しかし、査定条件をブラックボックスにして、退職希望者のボーナスを減額することも可能です。
ボーナス減額を防ぐには、念のため「ボーナス支給後」に退職を申し出たほうがよいでしょう。
退職を申し出る時期を間違えないためにも、自社のボーナス支給月をチェックすることが大切です。
退職前にボーナスを受け取るには、退職の意思を「支給前に会社へ伝えない」ことが無難でしょう。
あくまでも、退職の意思を伝えなければよいだけなので、転職先については早めに探しても問題ありません。
ボーナスは一度に大きな金額が入ってくるため、会社勤めの人にとって重要度の高いものです。
具体的なボーナス金額は、時期・業界・会社の業績などによって異なります。
今回の記事を参考に自分がいくらもらえるかを知っておき、生活費に充てる計画などを立てておきましょう。
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