5Gは、今後の通信技術を担う重要な存在です。
大容量データを超高速で送信できるので、動画やVR(バーチャルリアリティ)コンテンツなどをはじめ、さまざまなビジネス分野で活躍が期待できます。
5Gはまだ発展途上の技術であるため、メリットを感じにくい人もいるはずです。
この記事では、5Gのメリットや具体的な活用事例などをわかりやすく解説します。
このページの目次
5Gとは、具体的に以下の特徴を持つ通信を指します。
5Gでは、超高速で大容量データの通信が可能になります。
5Gの利用エリアや周波数によって異なりますが、4Gの「20〜100倍の通信速度」を出せます。
5Gによる超高速通信のメリットをわかりやすく実感できるのは、例えば以下のシーンです。
2021年末時点で、日本国内の5G普及率は「7.6%」です。
アメリカは「49.2%」、中国は「20.1%」など、世界各国と比較すると日本ではあまり5Gの普及が進んでいません。
2022時点で5Gを使えるエリアは、主要携帯会社ごとで異なります。
いずれも「主要な駅および空港」「都心の一部」「7都道府県の一部」などのように限定的です。
各携帯会社の公式HPに「5G対応エリアマップ」が掲載されているので確認しておきましょう。
5G通信に対応するメリットは以下の4つです。
5Gを利用した通信データは、約0.001秒で届きます。
4Gの10分の1程度で届くため、データ通信の遅延が相当少なくなり、遠隔操作のタイムラグもほぼ発生しません。
そのため、以下のようなシーンでの活用が見込まれています。
4G通信では、1つの基地局を経由して同時接続できる台数が、100〜1,000台程度に限られていました。
5Gでは、1つの基地局経由で、1万〜2万台程度の数に接続できます。
多数同時接続が可能になったことで、以下のように複数機器との接続が必要な技術を手軽に扱えるようになりました。
5Gでは大容量データを超高速で通信するため、遅延などによる障害発生回数の減少が期待できます。
障害発生回数が減少すれば、修復に必要なコストが不要になるため、少ないコストでの運用が可能です。
同時接続もスムーズに実施できるため、より少ない基地局数で運営コストも削減しながら5Gを利用できます。
上記で解説したように、5Gでは大容量データを超高速かつ低コストで運用可能です。
そのため、さまざまなエンターテインメントにも応用しやすく、消費者が楽しめるコンテンツの拡充が期待できます。
具体的なコンテンツとしては以下が挙げられます。
具体的に、5Gと従来の4Gおよび3Gとの違いを一覧でまとめました。
5G | 4G | 3G | |
通信方式 | 4Gよりも高速化 | 3Gよりも高速化 | デジタル方式 |
最大通信速度 | 約10Gbps | 110Mbps〜約1Gbps | 64〜384kbps |
通信料金 | 下の一覧表参照 | ||
同時接続数 | 100万台/㎢ | 2.5万〜3万台/㎢ | 記載なし |
消費電力 | 非常に多い | 多い | 少ない |
遅延時間 | 0.001秒 | 0.01秒 | 記載なし |
適用可能範囲 | スマホ・ゲーム・家電・医療機器・自動運転技術など、かなり広範囲 | インターネット接続を用いる用途全般 | メール送信・音声通話・インターネット接続の一部 |
参考:総務省「第5世代移動通信システム(5G)の3つの特徴」
通信方式は、各世代ごとに以下の変遷を遂げています。
通信方式としては、1G→2Gの変化が大きく、2G以降はデジタル方式の質がどんどん高まっています。
世代が上がるごとに通信速度は向上し、対応用途も幅広くなっています。
3Gまでは、テキストベースの情報閲覧が限界であり、画像や動画ダウンロードに多くの時間を費やしていました。
4G以降は通信速度も格段に向上し、YoutubeやNetflixなど、多くの人が動画コンテンツを楽しめています。
5G | 4G | 3G | |
ドコモ | 2,178〜7,315円 | 2,178〜7,205円 | 4,235〜16,445円 |
ソフトバンク | 990〜7,238円 | 1,766〜5,977円 | |
au | 2,178〜9,988円 | 2,420〜4,070円 |
※すべて税込
各社とも大きな料金差はありませんが、(割引適用前に関しては)ややauが割高です。
携帯料金としては極端に高いわけではありません。
とはいえ、格安SIMやポケットWi-Fiの登場を考えると、料金面で若干の高さを感じます。
5Gプランを利用する場合は、公式サイトにも記載されているように、対応機種とエリアの確認は必ず行いましょう。
5Gは、3G・4Gと比較して圧倒的な同時接続数を誇ります。
4Gでもスマホやインターネットをはじめとして、複数デバイスとの同時接続が可能でした。
5Gでは、従来の接続デバイスに加えて、家電・ゲーム・防犯カメラなどさまざまな製品と同時接続できます。
同時接続数が激増したことで、家電のスマホ操作やゲームで世界中の人とつながるなど、日常生活での利用シーンが増えました。
端末の状態やネットワーク環境によっても異なりますが、基本的に消費電力は5Gが一番多いです。
厳密にいえば、「通信あたりの消費電力量」に関して、5Gは4Gの10分の1程度に減少します。
ただし5Gでは、動画ダウンロードなど利用範囲が急激に広がったことで、必然的に通信データ量自体の増加が見込まれます。
つまり「データ通信の総量自体」は増えるため、結果的に消費電力は増加傾向になるということです。
5Gの遅延時間は約0.001秒です。
4Gの10分の1程度で済みます。
4Gの遅延時間も十分少ないですが、わずかなタイムラグが事故につながる分野では活用が難しかったのです。
例えば以下の分野です。
5Gは極限まで遅延時間を削減しているため、僅かなタイムラグが事故につながる分野でも応用が期待できます。
5Gでは、インターネット接続はもちろん、以下の幅広い分野における利用が期待できます。
今後、さらに通信技術が発達すれば、より多くの分野で5Gが利用され、人々の生活が便利になると予想されます。
5G通信の発展によって、人々の生活はより便利になると期待できます。
とはいえ5Gは、2022年時点でまだまだ浸透の余地を残している技術です。
発展途上であるため、以下のような懸念点もあります。
すべての懸念点が現実になるかは現時点でわかりません。
しかし、新しい技術を利用する以上、ある程度のリスクを含むことは意識しましょう。
5Gの活用によって、スマホやパソコンだけでなく、家電や医療機器など多くのモノがインターネットに接続可能となります。
インターネット接続できる機器が増えれば、必然的にサイバー攻撃などを受けるリスクも高まります。
生活に5Gが定着するほど、万が一セキュリティが崩れる事態が発生した際、人々に与える影響は甚大です。
被害を防ぐためには、セキュリティソフトの導入やパスワードの徹底管理などが欠かせません。
5Gは現在、段階的に浸透している状態です。
そのため、5Gの対応機器やエリアは限定的であり、現状では普段使いにあまり向いていません。
2020年3月から一部地域で5Gの利用がスタートしましたが、すぐに拡大することは難しいです。
しばらくは4Gをメインとしながら、徐々に5Gに移行する流れになるでしょう。
5Gは優れた通信技術ですが、世の中に浸透していない分、携帯料金などが高くなる可能性があります。
5G通信が世の中に浸透すれば料金も下がると期待できますが、しばらくは利用にコストがかかる可能性は高いです。
5Gの登場により、いずれは超高速通信が主流になる可能性は高いです。
それでは、3G・4Gは今後どのように扱われるのでしょうか?
結論、3Gは徐々に終了する可能性が高いです。
主要三大キャリアも、以下のスケジュールで3Gを停波すると発表しています。
4Gに関しては、2022年3月時点で正式な停波の発表はありません。
現在は4G通信が主流である上、3Gの停波が始まったばかりなので、「数年以内に使えなくなる」という心配はほぼないでしょう。
4Gがすぐ終了するという可能性は低いため、時間をかけて5Gが浸透すると予想されます。
現状では5Gの対応エリアは限定的であり、対応機種も価格が高いので、用途や場所によって使い分けることがオススメです。
ここまで解説したように、5Gには以下のメリットがあります。
データ通信は目に見えるモノではないため、「正直5Gに変わるメリットを感じない」という人もいます。
確かに、4Gであっても問題なくインターネット接続や動画視聴は可能ですし、4Gでも十分生活できている人は多いでしょう。
特に5Gはエリアが限定的なので、「利用場所を選ぶくらいなら4Gでも問題ない」という考えもあって当然です。
このように、日常生活の中では5Gの恩恵を感じる機会が少ないかもしれません。
ただ、日常生活では気づかなくても、実は以下のような場面で5Gが良い影響を及ぼすと期待されています。
5Gの高速通信や多数接続によって、IoT製品の普及が期待できます。
「IoT」とは、日常で利用するモノとインターネット通信を結びつけて活用する技術のことです。
従来では、インターネットと接続できるのは、携帯やパソコンなどと限定的でした。
しかしIoTの発達により、家電・自動車・冷蔵庫など、多くの「モノ」がインターネットに接続できるようになったのです。
具体的には、以下のような製品が当てはまります。
上記のような便利な家電製品は、いずれも5Gを活用して作られています。
あまり意識していないと、「便利な家電が発売された」というくらいの認識かもしれません。
しかし、便利な製品が発売された土台には5Gの存在があるとわかると、重要性が理解できるはずです。
日常生活に絡む分野以外に、ビジネスの効率化にも5Gは役立ちます。
分野ごとの具体的な活用例は以下の通りです。
ビジネス分野への応用は、日常生活の中ではなかなか気付きにくい部分です。
しかし実際には、5Gの登場により多くの業種が効率化されています。
特に医療分野に関しては、わずかなデータ遅延が患者の命取りになる可能性があるのです。
4Gよりも遅延時間を削減した5Gの登場によって、オンライン上の診察や健康チェックなども可能になりました。
5Gでは、トラフィック(通信量)が急激に増加しても対応できます。
新型コロナウィルスの影響もあり、2022年時点で在宅勤務やオンライン上でのコミュニケーションの機会が増えました。
オンラインのコミュニケーションが主流になると、必然的に通信データ量も増大し、回線にも負担がかかります。
5Gであれば大容量通信に対応しているため、データ量が増大しても、遅延などを防止した上でやり取りが可能です。
5Gは、多くの分野や製品に大きな変化を与えました。
最後に、各分野の「5Gを活用したIoT製品事例」を紹介します。
MAmoria it(マモリアアイティー):地震の揺れを感知して自動で点灯するLEDライト
「MAmoria it」は、震度4相当以上の地震に反応し点灯するLEDライトです。
地震の揺れを感知したら自動で点灯し、万が一停電等が発生しても暗闇を避けられます。
スマホとの連携で、MAmoria itの電池残量通知や天気情報の確認なども可能です。
FieldServer FS-2300(フィールドサーバ):遠隔操作で農作物を管理できるシステム
「FieldServer FS-2300」は、遠隔操作で農場管理ができるシステムです。
従来の農業では、実際に現場へ行き農作物の直接チェックが必要でした。
FieldServer FS-2300では、農場をカメラで遠隔確認したり作物の生育状況を常時モニタリングしたりできます。
栽培環境に合わせて測定データの種類などを調整できるため、多くの農業従事者の負担を軽減できると期待されています。
HEXOSKIN(ヘキソスキン):着用するだけで心拍数や呼吸率などの生体信号を計測できるシャツ
「HEXOSKIN」は、患者の負担を軽減して心拍数などを調査できるシャツです。
シャツを通常通り着るだけで、心電図・心拍数・呼吸率・歩数などを自動で計測し、スマホやタブレットでモニタリングできます。
今まで生体信号の計測といえば、病院へ出向き体に機器をつないで行うイメージがありました。
5Gの発達により、患者の負担を軽減した検査が可能になったのです。
5G技術は新しい技術なので、普段の生活ではメリットをなかなか感じにくいです。
利用エリアも限定的であるため、現状は使いにくさを感じるかもしれません。
しかし5Gは、今後普及することで、私たちの生活を格段に改善できる可能性を秘めています。
5Gのメリットを正しく把握して、超高速通信の恩恵を逃さないようにしましょう。
画像出典元:pixabay
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