TOP > SaaS > 経理 > 請求書管理 > Web請求書とは?必要性とシステム導入のメリットを解説!
TOP > SaaS > 経理 > 請求書管理 > Web請求書とは?必要性とシステム導入のメリットを解説!
紙媒体に頼らずWebで発行・送信できるWeb請求書の普及が進んでいます。
コスト削減や業務効率化が大幅に促進でき、電子契約保存法やインボイス制度に対応すれば、さらに導入するメリットは広がります。
そこで本記事では、Web請求書とは何か、そのメリットや発行方法、便利なWeb請求書システムについて解説します。
このページの目次
2024年10月1日より郵便料金が値上げされます。
定形郵便の場合、従来は25g以内が84円、 50g以内が94円だったものが、一律110円となります。
請求書の郵送コストが10〜30%前後アップするため、コスト増対策として郵便代や切手・封筒などが不要なWeb請求書の導入が非常に有効となります。
Web請求書とは、Web上で発行から送信まで行える請求書を意味します。
従来、請求書は一定期間ごとに紙でプリントしたものを封入して郵送するのが一般的でした。
その点、Web請求書はパソコンで作成のうえ、電子メールやクラウド、Web請求書システムなどを活用して送信できるため、大変利便性が高いといえます。
Web請求書が注目されている理由について解説しましょう。
主に以下の3点が挙げられます。
電子帳簿保存法の改正により2024年1月から、手書きではなくパソコンで作成した決算書類や税務関連書類、取引関係書類などは、電子データでの保存が義務化されています。
取引先から電子データでの請求書を求められるケースもあるため、Web請求書を利用する企業が増えているのです。
2023年10月1日よりインボイス制度が開始され、企業が適切な仕入税額控除を受けるには、商品ごとの消費税率と消費税額などが記載されたインボイス(適格請求書)が必須となりました。
消費税が8%および10%と複数存在する現状において、請求書の作成は以前よりも手間と時間が必要になりました。
そこで、パソコン上で請求書の作成が自動化できたり、簡単に修正できたりするWeb請求書が注目されています。
テレワークの普及も、Web請求書が注目される要因となっています。
紙の請求書の場合は、請求書をプリントのうえ切手を貼付し封筒に入れて投函しなければなりません。
取引先が多い場合、この業務をオフィス以外で行うのは困難です。
しかしWeb請求書なら会社以外でもパソコンを使って迅速かつ容易に発行・送信が行え、出社する手間も省けます。
Web請求書の導入によって得られるメリットについて見ていきましょう。
Web請求書を導入すると、コスト削減が確実に進みます。
ペーパーレスになるので、用紙、切手、封筒、インクなどが不要になるうえ、請求書を折って封筒に詰め、投函する人件コストもカットできます。
1件ごとのコストは大したことがなくても、月、年と積み重なると、その額は膨大になります。
そのため、Web請求書導入のコストメリットは計り知れないでしょう。
Web請求書は、請求業務の効率化が進む点も魅力です。
請求書は基本的に毎月作成して、取引先別に郵送しなければなりません。
請求書をプリントし三つ折りにして封入する作業は、意外と手間がかかります。
とくに取引先が多い場合は、この作業だけでも相当な負担となるでしょう。
ましてや手書きの場合は、間違えれば書き直す必要があるため非常に面倒です。
その点Web請求書なら、発行から送信までを自動化、簡略化できるため請求業務の効率が大幅に促進できます。
Web請求書には、請求書管理が効率化できる利点もあります。
紙保存の場合は、必要に応じていちいちファイリングされた中から探さなければならず、その手間や収納スペースが必要になります。
紛失リスクも否定できません。
その点、Web請求書はデジタル管理できるため、検索が容易で、万が一削除した場合でも送信履歴から復元可能です。
収納スペースも不要になります。
Web請求書には、受け取り側のメリットもあります。
請求書を紙で受領する側は、開封して記載事項に間違いがないかを確認しなければなりません。
とくにインボイス導入により、確認工数は従来よりも増加しています。
しかしWeb請求書ならパソコンなどの画面上で受領・確認が完了するため、手間が省けます。
またWeb請求書で受領できると、会計管理や支払管理システムと連携というかたちで利活用が可能です。
インボイスに必要な事業者番号をデータ化すれば、新たに追加された事業者番号突合作業も自動化できます。
Web請求書には、以下の3つの発行方法があります。
各項目について解説しましょう。
パソコン上でExcelやWordを使って作成した請求書をPDFに変換して電子メールで送信する方法です。
従来はプリントしていたものをメール送信するだけのため、新たにコストがかかるとか、特別なスキルが必要になることはありません。
ただし、いちいちPDFに変換しなければならない点は、手間になるでしょう。
ExcelやWordで作成した請求書をPDFに変換してクラウドにアップロードしたものを取引先にダウンロードしてもらう方法です。
電子メールで送る手間が省け、誤送信の心配がないのが利点です。
ただし、PDFに変換する手間がかかります。
Web請求書システムは、請求書の発行から送信までをまとめて行うことができます。
なかには、入金確認や督促を自動化できるものもあるため、さらに業務効率化に役立つでしょう。
電子帳簿保存法やインボイスにも対応しているので、安心して利用できる点がおすすめです。
業者がサービス提供しているWeb請求書システムを導入するメリットについて解説します。
Web請求書システムを利用すると、請求書の発行から送信・保管、入金確認や督促といった業務までを一貫して行うことができます。
請求関連業務は、企業の売上と信用に直結するため、間違いや遅れがあってはなりません。
請求書を郵送したり電子メールで送信したりせず、クラウドで完結できるので請求関連業務が大幅に効率化できます。
2024年1月から電子帳簿保存法が全面的に導入されることをうけ、請求書関連業務もその対応が必要になります。
請求書の保存・管理については、タイムスタンプを付すなどの「真実性の要件」と、請求書類などを画面上に明瞭かつ速やかに出力できるといった「可視性の要件」からなる法的要件を満たすことが必須です。
Web請求書システムは、上記の要件を満たしているため、電子帳簿保存法への対応がスムーズになります。
Web請求書システムは、セキュリティ面が強化できる利点もあります。
請求書関連業務では、取引先の機密性が高い重要データを取り扱うため、情報漏洩は致命傷になりかねません。
その点、Web請求書システムなら、通信の暗号化や請求データへのアクセス権限設定、クラウドによる送信などセキュリティや誤送信対策が施されているため、情報漏洩リスクが軽減できます。
Web請求書システムを導入するにあたって注意すべきポイントもあります。
まず、取引先にインターネット環境が整備されていることが必須となります。
通信状況によっては、データの送信や閲覧ができなくなる点も注意が必要でしょう。
取引先によっては、請求書の書式を指定されることもあるので、書式がカスタムできたり、郵送に対応できたりするものを選ぶことも大切です。
Web請求書システムを選択するにあたってのポイントについて解説します。
2024年1月からは、電子帳簿保存法への対応が義務化されています。
そのため、「真実性の要件」と「可視性の要件」からなる電子帳簿保存法の法的要件を満たしたWeb請求書システムを導入する必要があります。
なお電子帳簿保存法の法的要件を満たしているかは「JIIMA認証」の有無を確認すれば間違いありません。
JIIMA認証とは、公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)による認証制度で、システムが電子帳簿保存法の法的要件を満たすことを保証するものです。
すでに導入されているインボイス制度に対応可能な機能があることも不可欠です。
具体的には、以下の6点の記載が必須になります。
Web請求書システムには、3つのタイプがあります。
導入の目的に合わせてどのタイプにするかを選択するようにしましょう。
Web請求書システムを単独で利用するというのは、あまり現実的ではありません。
会計や支払、販売管理システムといった他システムやツールと連携できてこそ、利便性と業務効率性の促進が期待できます。
したがって、現在利用している・今後導入予定のシステムやツールと連携可能かどうかを必ず確認するようにしましょう。
取引先の重要データの漏洩や請求書の誤送信を回避するために、セキュリティ対策が万全かどうかを確認する必要もあります。
具体的には、とくに以下の点について確認しましょう。
現在、請求書関連では、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応など、重要度の高い業務が求められています。
対応が後手に回ると、収益圧迫や取引先からの信頼欠如に繋がりかねません。
そこで業務効率化やコスト削減のためにも、Web請求書の活用がおすすめです。
コストを最小限にしたい場合は、ExcelやWordで作成した請求書を電子メールで送るのがよいでしょう。
ただし、インボイスや電子帳簿保存法への対応を行うためには、Web請求書システムの活用がよいでしょう。
画像出典元:Pixabay