見積書・納品書・請求書の役割と作成ポイントをひな型付きで解説!

見積書・納品書・請求書の役割と作成ポイントをひな型付きで解説!

記事更新日: 2020/08/03

執筆: 高浪健司

企業だろうと、個人事業主だろうと、フリーランスだろうと、ビジネスを展開していくうえでは様々な取引が行われます。

日本はハンコ文化の国ですから取引する際は多くの書類を必要とします。

なかでも見積書・納品書・請求書はもっとも使用頻度の高い書類となります。

そこで今回は、ビジネスを行ううえで使用頻度の高い「見積書・納品書・請求書」について、それぞれどのような役割を持つものなのかを、詳しく解説していきます。

それぞれのひな型や、ソフトの導入についても解説しているので、お役立てください!

見積書とは

見積書とは、個人または企業間において取引が行われる際、その取引に関する商品名や数量、単価、合計金額、支払い条件など、取引内容や条件等を明らかにし、取引先(発注側)へ提示するための書類です。

見積書は、発注したものの「想像していた内容と違う」や「思っていた以上に金額が高すぎる」など、発注者に対する認識のズレによって生じうるトラブルを未然に防ぐといった役割を持つため、非常に重要な書類となります。

また、見積書には他社と商品やサービスを比較する場合にも活用されるケースもあります。

ちなみに、検討している同等の商品・サービスに対して複数の業者に見積りを出してもらい、その金額や内容を比較することを「相見積もり」と言い、相見積もりはビジネスシーンにおいて良く使われます。

つまり見積書は、発注しようとする商品やサービスの内容を確認し、発注するか否かを検討する、いわば判断材料として活用されるのです。

では続いて見積書の書き方について見ていきましょう。まず、下記は見積書のひな型です。

書き方とポイント

見積書を作成するにあたり、商品・サービスなど細かい部分は企業によって様々ですが、一般的に見積書として記入すべき項目としては下記のとおりです。

  • 見積発行日
  • 見積書番号(通番)
  • タイトル
  • 発注者側の名称
  • 件名
  • 受注者側の名称
  • 納期・支払条件・有効期限
  • 商品・サービスの詳細と合計金額
  • 備考

 

見積発行日

見積書の発行日を記入します。見積書に記載してある日付は、その取引がいつの時点のものであるかを明らかにするためのものです。忘れずに正確な年月日を入れるようにしてください。

見積書番号(通番)

見積書番号(通番)に関しては特に規定はないため、記載してもしなくてもどちらでも構いません。

ただ、社内で管理する際、しっかり番号付けしてあると管理がしやすくなるため、番号を記載する企業が多いです。

タイトル

見積書の中央にタイトルを記入します。なお、タイトルを記載する際は「見積書」「見積り書」「御見積書」「お見積書」が一般的です。

また、全体の文字サイズよりも大きく、太字で目立たせるようにすると良いでしょう。

発注者側の名称(宛名)

見積書を提出する顧客(発注者)の名称を記入します。なお、見積書の宛名に記載する敬称「御中」「様」の表記に関して、間違えのないよう気を付けましょう。

【御中】: 社名や団体名、部署名の場合
【様】: 個人名の場合

ー 注意 ー

「○○○○株式会社 御中 ○○ ○○ 様」のように「御中」と「様」が重複するのは誤りです。
担当者の名前が分かっている場合は、「○○○○株式会社 ○○ ○○ 様」のように、御中は付けずに「様」だけを使用するようにします。

件名

件名に関しては特に入れる必要はありません。件名を入れる場合は対象となるプロジェクト名や商品・サービス名を記入します。

受注者側の会社名

見積書を発行する受注者の名称も忘れてはいけません。

記載する内容としては「会社名」「住所」「電話番号・ファックス番号」「メールアドレス」「担当者名」ですが、ファックス番号とメールアドレスに関しては特に記入しなくても問題ありません。しかし、「会社名・住所・電話番号・担当者」の4項目は必須です。

納期・支払条件・有効期限

納期に関してハッキリとした日にちが決まっている場合は、明確に年月日を記載します。なお、年月日ではなく「発注確定後○週間以内」もしくは「発注確定後○ヶ月以内」といったように記載します。

支払条件は、主に支払方法と支払期限の2つです。支払方法は「現金」もしくは「銀行振込」が一般的ですが、そのほか手形や小切手も可能であれば、その旨を記載します。

支払期限は「請求後○日以内」といったように、会社が設けた支払期限を記入します。

有効期限は、見積書に記載している内容の有効期限のことです。

有効期限をしっかり明記しておかないと、その時の情勢や原材料の価格変動など見積書を提示した当時の価格では対応できない場合があります。そのため、「本見積提出後○週間」というように有効期限を記載するようにしましょう。

また、有効期限を設けることで発注者へ発注に対する意思決定を促す効果もあります。

商品・サービスの詳細と合計金額

商品・サービス名や数量、単価に合計金額など、これは見積書のなかでのメインとなる部分です。

数字に間違えがないようしっかり確認しながら記入し、商品名なども相手から見ても分かりやすいように丁寧に記入します。なお、単価に関しては空欄でも特に問題ありません。

備考

最後の備考欄は、何か相手先に伝えておきたいことをあらかじめ記入しておくところです。

なお、備考欄でよく書かれていることと言えば、振込手数料はどちらが負担するのか、という約束事です。

備考欄に記入する例とはしては…

  • お振込手数料は貴社ご負担にてお願い致します。
  • 振込手数料は弊社にて負担致します。

このように、どちらが振込手数料を支払うのかを明確に記載しておくことで、後のトラブルを回避することができます。

納品書とは

さて、次に納品書についてです。

納品書というのは「商品を間違いなく納品した」ということを証明するための書類であり、商品やサービスを受け渡すタイミングで渡します。

そのため、一般的には届ける成果物(商品・サービス)と一緒に付随されています。

ただし、納品書の作成は法的に発行が義務付けられているものではないため、納品書は発行しなくても特に問題はありません。

しかし、実際には商品・サービスが正しく納品されたかを確認する重要な役割を持つため、ほとんどの企業で納品書は発行されています。

つまり、法的には発行しなくても問題は無くても、一般的には納品書の発行は必要である。ということが言えるわけです。

では、見積書と同様、納品書の書き方について見ていきましょう。まずは納品書のひな型です。

このように、基本的には見積書と同じに内容になるはずです。では、見積書と同様それぞれ必要事項を見ていきましょう。

書き方とポイント

発行日

納品書を発行した日付を記入します。日付を記入する際は西暦・和暦どちらでも構いません。見積書同様、いつ取引したかが分かるよう、正確な日付を記入してください。

納品書番号(通番)

納品書番号(通番)は、特に必須項目ではございません。社内で管理しやすくするため、必要に応じて記入するようにしてください。

タイトル

タイトルは、この書類が何の書類なのかを示すうえで大切な項目となります。ここでは「納品書」と目立つよう、中央に若干大きめなフォントサイズで記載しましょう。

発注者側の名称(宛名)

見積書でも記述したように、社名だけなら「御中」、個人名がある場合は「様」をつけるなど、御中と様の使い方には気をつけ、発注者側の宛名を適切なカタチで記入してください。

件名

件名は商品名やサービス名などを明確にするために記入します。特に記入する必要がなければ省いてしまっても問題ありません。

受注者側の会社名

受注者(差出人)の宛名を記入します。

記入する項目としては「会社名」「住所」「電話番号」「担当者名」の4つです。なお、ファックスやメールがある場合は、そちらも記入するようにしてください。

担当者印

書類作成者や商品・サービスのチェックなど、取引に携わった担当者の印鑑を押印します。

押印に関して法的に義務づけられているものではないため必須というわけではありません。ただし、押印が有無では相手方に与える印象や信頼性は全然違ってくるので、なるべく押印するようにしましょう。

納品日・支払条件

商品やサービスなど配送が伴うものに対して、到着する日付(納品日)を記入します。

納品日の記載は特に必要なければ記入が無くても問題ありませんが、いつ納品したのかが明確になりますし、通し番号と同様に、社内管理がしやすくなるので記入しておいた方が良いでしょう。

支払条件は、現金支払いなのかそれとも銀行振込かなど、商品・サービスを受注した際に決定した方法を記載します。

商品・サービスの詳細と合計金額

商品名、またはサービス名、数量や単価、合計金額など、提供する商品・サービスの詳細を記入していきます。

見積書と同様、内容に間違いがないよう確認しながら記入しましょう。なお、単価に関しては空欄でも特に問題ありません。

備考

備考は注意事項など、納品に関して相手先に伝えておきたいことを記入します。特に注意点などが無ければ空欄のままで構いません。

請求書とは

請求書とは、販売する商品やサービスが購入された際、その対価として購入者に対して代金を請求するために発行する書類です。

また、請求書には販売した商品の名称や個数などサービス内容や支払合計金額、支払い期限、振込先などを記入するのが一般的です。

ちなみに、請求書の発行に関して法律的には規定がありません。そのため、販売側と購入側とが了承している場合は、特に請求書を発行しなくても法的には問題ありません。

しかし請求書が無いと、支払い金額が違ったり、支払い自体が行われなかったりなど、何らかのトラブルが発生しやすい状態となります。

請求書は法的に発行の義務は無いものの、万が一支払いが行われなかった場合の証拠にもなり得る重要な文書でもあります。

こうしたトラブルを未然に防ぎ、期日までにしっかりと支払ってもらうためにも請求書は確実に発行した方が良いと考えるべきです。

では、請求書の書き方について見ていきましょう。下記が請求書のひな型です。

それでは、上記ひな型を参考に請求書に記入すべき事項をそれぞれ見ていきましょう。

書き方とポイント

取引年月日

取引年月日は、取引がいつ行われたのかを明確にするためのものです。表記の仕方に関しては西暦・和暦、どちらでも構いません。正しく正確な日付を記入するようにしましょう。

請求書番号(通番)

これは必須項目ではないため、記載してもしなくてもどちらでも構いません。ただ、記載してあると管理がしやすくなるので、記載しておくと良いでしょう。

タイトル

この書類が「請求書」であるということが一目でわかるよう、太く大きなフォントで記載するようにしましょう。

発注者側の名称

請求書の交付を受ける側の名称を記載します。見積書・納品書と同様、「御中」「様」の表記に気を付け、間違いなく適切な表記で名称を記入しましょう。

また、株式会社を(株)のように、省略すのは失礼にあたりますので、双方の間で了承がない限り基本的には省略せず、そのまま記入するようにしてください。

件名

例えば「2020年1月ご請求分」など、請求に対する件名を記入します。

なお、件名の下に「平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。下記の通りご請求申し上げます。」や「下記のとおり、ご請求申し上げます。」のように、挨拶文を付け加えると、相手方に与える印象が良くなります。

受注者側の会社名と捺印

会社名・住所・電話番号・担当者名など、受注者側の名称を記入します。また、この請求書が正式な書類であることを示すため、会社の角印を押印します。

なお、会社印を押印する際の位置としては、書類の改ざん防止の観点から会社名の右端が少し被るくらいが丁度良いです。

商品・サービスの詳細と合計金額

商品・サービス名、数量、単価、合計金額など、取引内容を詳細に記入します。

なお、この項目は非常に重要な部分でありながらもヒューマンエラーが発生しやすい部分でもあるため、丁寧に確認しながら記入していく必要があります。

また、請求する際に源泉徴収額を記載しなければならないケースがありますので、必要に応じて「源泉徴収額」という項目を追加してください。

備考

備考欄には基本的に相手方に伝えたいことなどを記入する場所となります。ここには「振込先の詳細」や「振込手数料の負担について」、さらに「支払期限」を必要事項として備考欄に記載します。

これらは非常に重要な情報となるため、間違えの無いよう確認しながら記入してください。

【振込手数料について】「

振込手数料に関して、一体どちらが負担するべきなのか、といった疑問が湧いてきます。

民法上、どちらも意思表示が無い場合は基本的に発注側が負担するということになります。しかし、これはケースによって変わってくるため、振込手数料でトラブルが発生しないよう事前に双方で話し合って決めるようにすると良いでしょう。

 

見積書・納品書・請求書の役割

さて、ここまで「見積書・納品書・請求書」について、それぞれどのような書類なのかをひな型と共に作成ポイントをお伝えしました。

ここでお伝えした3つの書類は、ビジネスを行ううえで欠かすことのできない書類となりますので、今一度それぞれの役割を確認しておきましょう。

見積書

  • 提供する商品やサービスに対し、発注者側が金額など取引内容を検討し、その後発注するか否かを判断する判断材料となります。
  • 見積書に価格や支払い条件など、取引内容を具体的に明記することで、認識のズレによるトラブルを防止する効果があります。
  • 見積書は発注の意思決定を促す役割もあります。見積書を見て発注側が不安にならないよう、分かりやすく丁寧に作成することが発注の意思決定につながります。

納品書

  • 商品・サービスを間違いなく提供した。という証拠としての役割があります。
  • 納品書は、発注した商品・サービスが正しく納品されたか確認するための書類です。現物・見積書・納品書、それぞれを照らし合わせることで誤りが無いか確認することができます。

請求書

  • 提供した商品やサービスに対し、期日までに代金を支払ってください。という支払いの意思表示を示す役割があります。
  • 万が一、期日が過ぎても代金の支払いが行われない場合、発行した請求書が取引先に対する回収権のひとつの証拠となる。

このように、見積書・納品書・請求書にはそれぞれ重要な役割があり、ビジネスを行ううえで必ず必要となってくる書類ですので、しっかりと理解しておくことが大切です。

おすすめは請求書や見積書作成ソフトの導入!

ここまでで、見積書・納品書・請求書の役割や書き方のポイントをひな型付きで解説をしてきました。

でもやはり、こういった業務の手間は極力減らしたいものです。

そこで、便利なのが、帳票を発行できるソフトの導入です。ソフトがあれば、簡単にこれらの不随業務を行う事ができるので、コア業務に集中する事ができます。

ソフトといっても沢山あるので、一体どんなものを選んだらいいの?と、思われる方も多いでしょう。

下記記事では、おすすめの請求書・見積書の作成ソフトを14選ピックアップし、比較・紹介しています。

もちろん、選ぶときにはどんなポイントに気をつければいいのかも解説していますので、きっと自社に合ったソフトに出会えるはずです!

どうぞ、導入する際には参考にしてくださいね。

 

まとめ

ビジネスを行うなかで、提供する商品やサービスを購入してもらったり、業務における仕事に対する取引を行うことがあるでしょう。

こうした取引には見積書、納品書、請求書といった帳票を場面ごとに発行する必要があり、一般的に取引を行う際の流れとしては下記のとおりです。

1. 発注者に対して発注内容に基づいた「見積書」を提示する

2. 見積書の内容(金額や取引条件 など)を確認し、合意できたら契約に至る

3. 商品・サービスの納品と一緒に「納品書」を同封する

4. 「請求書」を発行し、発注者へ送付する

このように、ビジネスにおいて取引を行う際は必ずと言って良いほど見積書、納品書、請求書が必要になってきます。

また、前述のとおり、見積書や納品書、請求書というのはそれぞれ異なった役割を担っており、発行するタイミングもそれぞれ異なります。

そのため、それぞれの帳票の意味をしっかりと理解し、必要事項を間違いなく正確に作成することを心がけましょう。

的確なタイミングで分かりやすく作成することで、取引先との良い関係を継続させることに繋がっていきます。

画像出典元:PhotoAC

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