収入印紙が必要になった時、どこで購入できるかご存知ですか?
平日は?急遽必要になった深夜は?土日祝日でも手に入る?など、収入印紙の購入の仕方について、きちんと把握しておいて損はありません。
さらに、そもそも収入印紙とはどういうものなのかも詳しく見ていきましょう。
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取引先に行くときに、収入印紙を忘れてしまった!なんてこと、経験したことはありませんか?実は身近な場所において非課税で購入できるのです。収入印紙はどこで購入可能なのか、見ていきましょう。
購入できる代表的な場所は郵便局です。主に平日9時から17時が営業時間です。
収入印紙は全部で31種類ありますが、出張所や簡易郵便局、小さな郵便局では全種類取り扱っていないことがあります。使用する収入印紙の金額が大きい場合は、最寄りの大きな郵便局に行くことをおすすめします。
郵便局のホームページでお近くの郵便局を探しましょう。
見つけたら、該当店舗ページの「店舗情報」欄にある「郵便窓口の営業時間」というグレーのボタンを押します。
ページが表示後、「郵便」のタブを押すと、「営業時間」と「取り扱い内容」が表示されます。表の「印紙」欄に「〇」があれば、取り扱っています。
緊急時や、近くの郵便局が空いていない深夜や土日に頼りになるのがコンビニです。大手のコンビニならば収入印紙を置いています。
しかし、一番使用頻度が高い200円の収入印紙しかおいていないと考えておきましょう。
印紙の取り扱いがある店舗の多くは、郵便マークの縦棒の左に「印紙」が書いてあります。
実際に探してみると、最寄りの大手コンビニのドア付近のガラスに郵便マークが描かれており、その縦棒の下に「切手・はがき 印紙」と書いてありました。表記には多少差異はあるようです。
耳馴染みのない言葉ですが「印紙売りさばき所」は文字通り「印紙」を取り扱っている所で、収入印紙を購入できます。コンビニもその一つです。
多くはありませんが、昔ならがらの「酒屋」や「たばこ屋」の看板に「印紙」の文字があれば、そこは「印紙売りさばき所」です。一部書店や商店でも取り扱っているところがあります。
いずれも、「印紙売りさばき所」の印として、郵便マークに「印紙」の文字が掲げられています。
普段、足を運ぶことはあまりありませんが、法務局でも購入できます。
法務局内(または併設)の売店に「印紙売りさばき所」や「印紙」の文字が表記されています。
しかし、取り扱っていない場合もあるようです(当方最寄りの法務局では取り扱っていませんでした)。
お近くの法務局で取り扱っているかどうか、一度調べてみることをおすすめします。
収入印紙は、実は一種類ではありません。全部で31種類もあります。くわしく見ていきましょう。
収入印紙は全部で31種類(1円、2円、5円、10円、20円、30円、40円、50円、60円、80円、100円、120円、200円、300円、400円、500円、600円、1,000円、2,000円、3,000円、4,000円、5,000円、6,000円、8,000円、10,000円、20,000円、30,000円、40,000円、50,000円、60,000円、100,000円)あります。
そのうち200円から100,000円の印紙19種類は、偽造防止技術を施すため平成30年(2018年)に形式が改正されました。
領収書に貼る収入印紙の中で最も低い金額は200円です。
200円の収入印紙は、5万から100万円までの領収証に貼る必要があり、最もよく使われる収入印紙だと言ってもいいでしょう。
それゆえ、使用頻度の高い200円の収入印紙はコンビニでも手に入るのです。
例えば、10億円以上の領収書は、200,000円の収入印紙が必要になります。そんな額の収入印紙を求めてコンビニに来る人が果たしてどれほどいるでしょうか。
金額の大きな収入印紙がコンビニで取り扱っていない理由も頷けますね。200円以外の使用頻度の低い収入印紙を購入する場合は、郵便局に行きましょう。小さい郵便局では大きな額は取り扱っていない場合もありますので大きな郵便局がおすすめです。
郊外や山間部、人口密集地から離れていると、土日祝日に最寄りの郵便局が空いていません。
土日祝日に急遽収入印紙が必要になった場合はどのようにすればいいのでしょうか。購入できるところを知っておきましょう。
郵政民営化以降、営業時間は大きく変わりました。大きな郵便局であれば、需要がありますので土日祝も営業しています。都内であれば24時間営業もあります。「郵便窓口」は開いてないけれど「ゆうゆう窓口」は開いているという場合もあります。
しかし、人口密集地から離れれば離れるほど、営業時間は短くなる傾向にありますのでご注意ください。営業時間は店舗ごとに問い合わせるか、郵便局のホームページで調べましょう。
200円の収入印紙が必要なのであれば、コンビニに駆け込みましょう。大手のコンビニであれば取り扱っています。
200円以外の収入印紙が欲しい場合は、郵便局が有力です。少し遠くでも「ゆうゆう窓口」が深夜まで空いているところを探し、収入印紙獲得の旅に出ましょう。
郵便局のホームページにて「営業時間」と「取り扱い内容」を確認することができます。
郵便局でも、法務局でも、収入印紙は現金には戻せません。
使用しない収入印紙を現金化するには、ネットオークションに出したり、金券ショップで買い取ってもらいます。額面より目減りしますが、現金が手に入ります。売られた収入印紙は売上利益分を上乗せされた状態で店頭に並びます。
しかし、郵便局などで購入するよりも安くなければ買ってもらえません。そのため額面より少し安く購入することができるのです。
オークションなどで個人が出品している場合は非課税となりますが、ショップが出しているものは消費税が課税されています。
通常、郵便局などで非課税で購入した収入印紙の勘定科目は、使用目的であれば「租税公課」、貯蔵する場合は「貯蔵品」です。
しかし金券ショップで購入した場合は、厳密に計算するならば、購入金額から消費税を算出し、それを別の勘定科目としてあげなければなりません。
オークションで購入した収入印紙を会社で使用する際、どのような勘定科目であげるべきか、しっかり会計法を確認しましょう。
収入印紙を購入するとき、そして貼り付けるときに、注意しなければならないことがあります。これを怠ると、ただの損になってしまいますよ。
契約金額の大きさによって、支払う印紙税の額が変わります。
国税庁ホームページにて「印紙税の手引き」を確認の上、ご自身の支払う額の収入印紙を購入しましょう。
ちなみに、「200円の収入印紙は、5万から100万円までの領収証に貼る」必要がある、と前述しましたが、平成26年4月以前は5万円ではなく3万円でした。このように印紙税の範囲が改定されてありますので、きちんと確認してから貼りましょう。
課税文書に間違った金額の収入印紙を貼ってしまった場合、収入印紙の交換はできませんので気を付けてください。
購入する際に気を付けたいのが名前です。マスクをしたままや、飴を舐めたまま発音すると、「収入印紙」に似ている「収入証紙」と聞き取られることがあります。
収入印紙の納め先は国で、収入証紙の納め先は各都道府県です。念のため、購入窓口にいるその場で確かめるべきでしょう。
収入印紙と間違って収入証紙を買ってしまった場合、有難いことに返金可能ですので申し出てください。
様々な種類がある大量の切手に混ざってしまった場合、一見どれが収入印紙が区別がつきません。それぐらい似ています。
切手とは別に保管し、使用する際には「収入印紙」という文字の有無を確認してから貼りましょう。
切手と間違って収入印紙を封筒などに貼ってしまった場合は、郵便局にもっていけば交換可能ですが手数料がかかります。
必要な収入印紙を貼らず印紙税が未納のまま税務調査で指摘された場合は、過怠税を払う必要があります。これは納付するはずだった印紙税の3倍の金額となります。
当初の金額が大きければ大きいほど痛手ですね。指摘される前に申告すれば、1.1倍で済むので、未払いの印紙税がある方は今のうちに申告しましょう。
いやいや、すべての契約書を見せるわけではないし、貼らなくても大丈夫なのでは?と思いますか?どうやら、見る人が見れば、「こんなに大きな契約をしているのに、印紙税がこれだけしか払われてないのはおかしい」と、すぐに見破られるそうです。気を付けてください。
国税庁によると、未使用(消印が押されていないもの)で破損していないもの、または、明らかに課税文書ではないもの(白封筒など)に貼ったものに限り、手数料を支払えば別の収入印紙に交換可能としています(国税庁HP 収入印紙の交換制度)。
しかし、いかなる場合も返金はできないようです。収入印紙の交換は、郵便局にて可能ですので、お近くの郵便局に問い合わせましょう。
ここまで収入印紙が必要なとき、どこで購入可能かを見てきました。しかし、そもそも収入印紙とは一体どのようなものなのでしょうか。どうして貼らなければならないのでしょうか。それを知るには「印紙税」について知っておく必要があります。
今現在お役所では「こういう理由で印紙税があります」と説明はしてくれません。
「法律で定められているので」という回答が返ってくるのみです。ここでは、とても簡単に噛み砕いて「印紙税とはなにか」を説明しますが、100%の正解ではないと前置きしておきます。
契約を結ぶときには、契約書が必要になります。契約の金額が大きくなればなるほど、契約書は重要になり、法律に則って作成された契約書があるからこそ、売る側も買う側も安心して取引ができます。その安心を支えているのは、作成の基礎となる法律です。
そこで、契約にも税をかけることになりました。それが印紙税です。そして税をかける文書を課税文書と呼ぶことにしました。
納税方法を簡単にするために、課税文書に貼る形式が採用されました。それが収入印紙です。貼ったあとに、使用済みである証として消印を押します。
消印は、収入印紙の再利用防止のために、課税文書の用紙と収入印紙にまたがるように印を押さなければなりません。その消印があれば、該当する課税文書はきちんと納税されているとわかる、いうわけです。
できます。
少し難しい話ですが、印紙税がかかるのは「紙の契約書の作成」であるという解釈で、電子契約書はこれにあたらない、とされています。
そのため、現在電子契約書には印紙税がかからず、印紙代を節約するのならば、紙媒体ではなく電子契約書で契約を結べばいいのです。
現在、紙媒体での契約書を減らし、電子契約書を増やしている、いわば契約書の移行時代です。紙での契約書は、作成にも確認にも管理にも手間と費用がかかります。そのため、政府としては電子契約書を増やしたいのです。
しかしながら、電子契約書に概ね移行した暁には電子契約書自体に税がかかるときがくるかもしれませんね。ですので、「2020年現在」は電子契約書で契約することによって印紙税を節約できる、と考えておきましょう。
収入印紙は、意外と身近な場所で購入することができます。土日祝日、深夜など、急を要する時にはコンビニで購入するのが一番速いでしょう。
しかしながら、深夜でも昼間のような明るさの人口密集地であれば、少し探せば営業している郵便局も見つかりますよ。
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