起業した人必見!起業直後におすすめの融資制度とその利用方法

起業した人必見!起業直後におすすめの融資制度とその利用方法

記事更新日: 2019/09/09

執筆: 編集部

起業したばかりの人や会社は、事業が軌道に乗るまでの間に資金繰りが悩みのひとつになります。事業継続のための資金調達として出資だけでなく、融資を上手に活用するのもポイントです。

この記事では、起業したばかりの会社が活用できる融資制度とその活用法、それぞれのメリット・デメリットを比較して紹介します。

起業直後におすすめの融資制度3つ

起業してから事業が軌道に乗るまでの間は資金繰りに苦労するものです。その間は、「死の谷」と表現されることがあります。

その死の谷を乗り越えるためには、出資と融資を上手に活用し資金調達する必要があります。

しかし、起業したばかりの会社は実績や信用がまだないので、民間の金融機関の融資を受けるための審査をクリアするのは難しいという問題があります。

そこでおすすめなのが、国や自治体が推進している融資制度を利用する方法です。

この記事では、起業して間もない会社におすすめの融資制度として次の3つを紹介します。

1. 制度融資

2. 新創業融資制度

3. 新規開業資金

それぞれの融資制度の内容・利用方法をまず紹介します。

1. 制度融資


制度融資とは中小企業の資金調達を援助するために、各地方自治体が信用保証協会や金融機関と連携して融資を図る制度です。

自治体により制度融資の内容には相違があります。都道府県単位の制度融資もありますし、市区町村単位の制度融資もあります。

会社の所在地の自治体がどんな制度融資を準備しているのかホームページや役所の窓口で調べることができます。

信用保証協会とは?

制度融資を利用するうえで重要な役割を果たすのが信用保証協会です。

同協会は、信用保証協会法に基づいて中小企業の金融円滑化のため設立された公的機関です。

企業や経営者が金融機関からの融資を受ける際、信用保証協会はその企業の「信用保証」をするという形で資金調達をサポートします。

信用保証協会は47都道府県と横浜市・川崎市・名古屋市・岐阜市の4市にあり、それぞれの地域に密着した業務サービスを提供しています。

中小企業と信用保証協会の関係は?

信用保証協会はいわば中小企業の公的な保証人となってくれる組織です。

制度融資を利用するにあたって中小企業は信用保証料を納めます。

それにより万が一返済が出来なくなったときは金融機関への返済を立て替えてもらえます。

信用保証協会が保証人となってくれるので、金融機関も創業間もない企業に安心して融資できるのです。

制度融資を利用する流れ

制度融資を利用するまでの手続きを順番に説明します。

1. 自治体の窓口で申請

2. 金融機関に融資を申し込む

3. 信用保証協会に保証を申し込む

4. 信用保証協会による保証審査

5. 金融機関による最終審査

6. 融資

7. 返済

 

1. 自治体の窓口で申請

会社の所在地がある該当する自治体の窓口に相談します。

例として目黒区の制度融資を利用する場合を挙げます。

庁舎内の商工相談所に2回来所する必要があります。

1回目の相談の際には、直近の確定申告書・決済所・創業支援資金の融資の場合は創業計画書・直近の売上資料が必要です。

1回目の相談では、

1. 事業の内容、融資の希望額などを確認し相談カードを作成、

2. 利用資格の有無の確認、利用できる制度の決定などの面接、

3. 申込書の受取、次回必要な書類の説明

が行われます。

2回目の来所では、申込書類や資格の審査が行われます。2日~3日後に斡旋書が郵送で届きます。

2. 金融機関に融資を申し込む

斡旋書に必要書類を添えて金融機関に融資を申し込みます。

3. 信用保証協会に保証を申し込む

信用保証協会への保証の申し込みには一般的に2つの方法があります。

1. 金融機関の窓口で融資を申し込んだ際に、信用保証の申込手続を行う方法。金融機関が融資適当と判断したならば、必要書類を金融機関経由で信用保証協会に提出する。

2. 該当する信用保証協会を訪問し、相談を受けた後、申込書を受取り、必要事項を記入し、必要書類を添付して提出する方法

 

4. 信用保証協会による保証審査

申込が受け付けられると信用協会が保証審査を行います。審査過程で訪問や面談が行われるケースもあります。

信用保証協会が保証を適当と判断したならば、金融機関に「信用保証書」が発行されます。

5. 金融機関による最終審査

信用保証協会の審査を通過すれば、金融機関による最終審査が行われます。

6. 融資

「信用保証書」の記載条件に沿って金融機関から融資が実行されます。

融資実行の際には、所定の「信用保証料」を金融機関経由で信用保証協会に支払います。

一般的には融資実行までに2,3ヶ月かかると言われています。

7. 返済

返済条件に基づき金融機関に借入金を返済します。

2. 新創業融資制度

つぎに紹介するのは新創業融資制度です。

政府系金融機関の日本政策金融公庫が取り扱っている新たに事業を始める方や事業を開始して間もない方向けの無担保・無保証人で利用できる融資制度です。

資金の用途は、新たに事業を始める、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金に限られています。

新創業融資制度の利用対象者

新創業融資制度を利用するなら以下の3つの要件に該当しなければなりません。

要件 内容
1.創業の要件

新たに事業を始める方
もしくは事業開始後税務申告を2期終えていない方

2.雇用創出等の要件

以下の一定の要件に該当する方

  • 雇用の創出を伴う事業を事業を始める方
  • 現在勤めてる企業と同じ業種の事業を始める方
  • 産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方
  • 民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方
  • すでに事業を始めている方は、事業開始時に一定の要件に該当した方
3.自己資金要件 新たに事業を始める方、もしくは事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方

 

新創業者融資制度の融資限度額など

新創業者融資制度の融資限度額や利率、返済期間などは以下の表の通りです。

融資限度額 3,000万円(うち運転資金1,500万円)
返済期間 各種融資制度内で定められた返済期間内
基準利率(年)

2.51~2.70%(令和元年7月1日現在)

担保・保証人 原則不要

 

なお、新創業融資制度については以下の記事で詳しく解説しています。

 

新規開業資金

日本政策金融公庫が取り扱っている新しく事業を始めた人向けの別の融資制度として新規開業資金(新企業育成貸付)があります。

この資金の用途も、新たに事業を始める、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金に限られています。

新規開業資金の利用対象者

先ほど紹介した新創業者融資制度は、新たに事業を始める方と事業開始後税務申告を2期終えていない方が対象でした。

この新規開業資金は、新たに事業を始める人と、事業開始後おおむね7年以内の方が対象です。

ですから、起業してから数年経過したが新たな資金調達が必要という場合は、新規開業資金の申込を検討できます。

さらに以下に記載する要件も満たす必要があります。

  • 雇用の創出を伴う事業を事業を始める方
  • 現在勤めてる企業と同じ業種の事業を始める方
  • 産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方
  • 民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方
  • この資金の貸付金額が1,000万円以内の場合、本要件は満たされたものとされます

新規開業資金の融資限度額など

新規開業資金の融資限度額や利率、返済期間などは以下の表の通りです。

融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間

設備資金 20年以内(うち据え置き期間2年以内)

運転資金 7年以内(うち据え置き期間2年以内)

基準利率(年)

担保不要の融資 2.16~2.35%

担保提供の融資 1.16~1.95%

担保・保証人 融資申込者の希望を伺いながら要相談

 

新創業融資制度と新規開業資金の申込の流れ

どちらも日本政策金融公庫の融資制度ですが、どのように融資の申込ができるのか、その流れを中小企業の申込例を参考に説明します。

流れは以下の通りです。

1. 相談

2. 申込

3. 審査

4. 融資

5. 返済

 

1. 相談

日本公庫の支店にある中小企業事業の窓口に相談する。電話や最寄りの商工会議所の定例相談でも相談に乗ってくれる。

会社案内・決算書・事業計画書などの具体的な資料があれば具体的な相談に対応可能

2. 申込

申込に当たっては以下の資料が必要

  • 会社案内・製品カタログなどの事業内容が分かる参考資料
  • 法人の登記事項証明書
  • 最新3期分の決算書・税務申告書
  • 納税証明書
  • 最新の試算表
  • 設備投資の場合は見積書などの概要が分かる資料
  • 担保の内容が分かる資料

 

3. 審査

事業内容や計画を理解を深めるために、公庫職員が会社を訪問したり事業計画予定地に伺うなどして融資の検討を行います。

4. 融資

融資可能と判断されると、貸付契約の打ち合わせが行われる。

貸付契約、抵当権設定などの手続き完了後送金される。

5. 返済

返済は元金均等割賦返済により、取引金融機関の口座から自動振替される。

設備資金の融資の場合は、融資対象の物件の取得が適性に行われたかどうかの報告を必要とし、固定資産台帳への計上確認や現地確認が行われる。

3つの融資制度のメリット・デメリットの比較

制度融資・新創業者融資制度・新規開業資金の3つを新しく起業したばかりの方向けの融資制度として紹介しました。

それぞれのメリット・デメリットをまとめましたので、比較検討する参考にしてください。

  メリット デメリット
制度融資

1%未満の低金利
(自治体により格差あり)

  • 融資実行までに2、3ヶ月かかる
  • 自己資金要件が比較的厳しい(新創業者融資制度は自己資金割合が10分の1、制度融資は2分の1を求めている場合が多い)
新創業者融資制度
  • 起業家への融資に積極的
  • 3,000万円まで無担保・無保証人で融資可能
  • 融資実行まで1ヶ月程度と早い
  • 自己資金割合の要件が制度融資よりも緩やか
  • 2%の金利なので制度融資より金利が高い(とはいえ民間の金融機関からの融資を受けた場合と比べると金利は低い)
新規開業資金
  • 設備投資であれば7,200万円、運転資金であれば4,800万円まで融資可能
  • 自己資金要件がない
  • 金利は新創業融資制度よりも低い
  • 不動産担保や保証人が必要


それぞれのメリット・デメリットを比較してみると分かることがあります。

例えば、ある程度の資金さえ融資してもらえれば十分という新しい会社ならば、無担保・無保証人で3,000万円(運転資金なら1,500万円)まで融資してもらえる新創業者融資制度がおすすめです。

なぜなら、仮に事業の継続が難しくなり倒産したとしても、経営者は返済義務を負うことがないからです。

融資してほしい金額や、担保・保証人の有無、返済能力などを考慮して融資制度を選びましょう。

まとめ

新しく起業したばかりの会社におすすめの融資制度として、自治体と信用保証協会、金融機関が連携して融資してくれる「制度融資」、日本政策金融公庫が扱う「新創業融資制度」「新規開業資金」の3つを紹介しました。

それぞれにメリット・デメリットがあるので、融資希望額や担保・保証人の有無などを考えてふさわしい融資制度を選びましょう

事業を軌道に載せるまでの間は「死の谷」ですが、それを乗り越えるためには資金という体力が必要です。

出資と融資を上手に活用すれば事業継続に必要な資金を確保できるでしょう。

画像出典元:pixabay

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