商標登録の流れを徹底解説!商標の種類や登録申請のポイントも確認しよう

商標登録の流れを徹底解説!商標の種類や登録申請のポイントも確認しよう

記事更新日: 2019/05/20

執筆: 小石原誠

商標登録は自分で開発した商品やサービスが生み出す利益を守るための手段の一つです。特に商標登録は早い者勝ちの権利ですから、必要であればいち早く登録しておかないと、悪意ある第三者に商標の権利を奪われてしまうリスクが生じます。

今回は、商標登録の流れについて解説をするとともに、意外と見落としがちな商標の種類や登録申請のポイントについても確認していきます。

商標登録の目的と商標の種類


 

商品やサービスを他のものと区別する

商標を登録することの最大の目的は「他のものと区別する」ことです。

例えば「コーラ」という種類の炭酸飲料は世の中に沢山あります。その中でも、「コカ・コーラ」や「ペプシコーラ」は特に人気の商品であり、美味しいコーラとして消費者に認知されています。

ところが、もしこれら以外のコーラが勝手にコカ・コーラあるいはペプシコーラを名乗ったら、コカ・コーラやペプシコーラが本来得られるはずであった売上が得られなくなるばかりか、コカ・コーラやペプシコーラに対する信頼を落としかねません。

そこで、ザ コカ・コーラ カンパニーやペプシコは自社が売り出すコーラ製品を他のものと区別するために、オリジナルのロゴと商品とをセットで商標権として登録します。

これにより、関係のない他者が勝手にコカ・コーラあるいはペプシコーラのロゴをつけてコーラを売り出すことができなくなるのです。

商標権は売買できる

商標権は貸したり売ったりすることもできる権利です。

商標登録自体はおよそ10万円で誰でも申請可能ですが、商標は商品やサービスが有名になれば高額で取引することができます。実際に「東京ガールズコレクション」という商標が譲渡された際には、およそ8億円もの金額で売却されています。

商標権の登録は「先願主義」といい、最初に申請を行った人が登録の優先権を得られる仕組みになっています。そのため商標権の売買を目的とした「商標ビジネス」が成立し、中には片っ端から価値が上がりそうな商標を登録申請してしまうような悪質な業者も存在します。

登録できる商標の種類

商標といえばロゴマークが思い浮かびますが、商標法第2条に「人の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの」とされているとおり、商標は様々なかたちで登録できます

特に「色彩又はこれらの結合、音」は平成26年5月に行われた商標法改正により新たに登録できるようになったものです。

これらは、わかりやすい言葉で言い換えると「動き」「ホログラム」「音」「位置」「色彩」などということができます。

新しい形の商標として特に有名なのは、「大幸薬品(株)の音商標」です。これは、ラッパのマークの正露丸のBGMのことであり、テレビCMなどであのBGMを聞けば誰もが「正露丸」という胃腸薬の商品を思い浮かべることができるために、商標登録が認められています。

他にも、「色彩」の商標としてはセブンイレブンの看板やトンボ鉛筆の消しゴムなどが登録されています。

商標登録の流れ

 


それでは、ここから商標登録を行うための具体的な流れを説明していきます。商標登録の流れは大まかに分けて以下のとおりとなっています。

1. 登録したい商標の区分等の調査

2. 商標登録出願

3. 審査

4. 登録料納付・設定登録(商標権が発生)

それぞれ、詳しく解説していきましょう。

1. 登録したい商標の区分等の調査

まず最初に、自分が登録したい商標をどの区分等で申請すればよいかを調査します。

区分は次のステップである「商標登録出願」の際に指定する必要がありますし、すでに同じような商標が登録されていないかを確認する意味もあります(詳細は後述)。

2. 商標登録出願

自分が登録したい商標の区分等が分かり、同じような商標がすでに登録されていないことも調べがついたら、いよいよ出願です。出願は、書類を提出する方法と、インターネットを使用する方法があります。

書類を提出する方法の場合、「商標登録願」という書式の書面を作成します。

商標登録願には「商標登録を受けようとする商標」を実際に記載するのですが、この際「立体商標」「動き商標」「ホログラム商標」「色彩のみからなる商標」「音商標」「位置商標」については、特定ができるように詳細な説明も加えなければいけません。

さらに、音商標の場合のみその音を記録したCD-RもしくはDVD-Rを添付する必要があります。できた書類を特許庁に持参するか、もしくは郵送すれば出願完了です。

インターネットによる出願(電子出願)の場合は、まず電子証明書を購入し、さらにインターネット出願ソフトを入手・インストールして環境を整えます。

それができたらインターネット出願ソフトを利用し申請人利用登録をした上で「商標登録願」を作成。できたファイルをまたインターネット出願ソフトを使用して特許庁に送信することで出願完了となります。

なお、商標登録の際には出願手数料を支払う必要があります

書類提出による出願の場合は、3,400円 +(区分の数×8,600円)の手数料相当額の「特許印紙」を商標登録願に貼り付けて納付します。

電子出願の場合は、1,200円+(700円×提出書類の枚数)を、商標出願後に送付されてくる払込用紙を用いて支払います。

3. 審査

登録を出願された商標は、特許庁の審査官によって審査が行われます。審査はまず書類のチェックを行う「方式審査」が行われ、その後に出願内容に問題がないかなどを確認する「実態調査」が行われます。

審査がすすみ審査結果が出てくるまでには、およそ9か月かかります。審査が無事終了し登録が認可(「登録査定」といいます)されれば、あとは登録料を納付すればOKです。

もしNGとなってしまった際(「拒絶査定」といいます)に不服がある場合には、「拒絶査定不服審判」という手続きをとれば複数の審判官によって審理してもらえます。

4. 登録料納付・設定登録(商標権が発生)

登録料は商標権の存続期間である10年分を納付します。

金額は10年一括の場合は「28,200円×区分数」を、分割の場合は「16,400円×区分数」を前期・後期に分けて納付します。登録料が納付されれば、特許庁が「設定登録」を行い、はれて特許権が発生します。

商標登録を行う際のポイント

 

 

商標の検索調査など事前の準備を怠らない

商標登録を行う際にまず大事なポイントは、申請しようとしている商標と同じようなものがすでに登録されていないのかをしっかり確認しておくことです。先述のとおり商標登録は先に申請したもの勝ちなので、すでに登録してある商標は審査が通りません。

厄介なのは、先述のとおり商標登録は出願の時点で手数料を支払う必要がある点です。つまり、すでに登録してあるのと同じような商標を登録しようとすると、ムダにお金を支払うことになるのです。

なお、すでに登録してある商標については、独立行政法人工業所有権情報・研修館が運営する「J-PlatPat」というウェブサイトで検索することができます。

登録できない商標に注意する

商法第3条では登録できない商標が定められています。登録できない商標はおもに3つに分けることができ、それぞれの視点から出願しようとする商標を事前に確認しておく必要があります。

他人の商品・役務と区別することができないもの

商標とは、あくまで自社が開発した商品やサービスを他と区別するためのものです。ですから、他のものと区別することができない商標は登録することができません。

例えば「北海道牛乳」という商標は認められません。なぜなら、たとえ自社が北海道で生産している野菜を特別視していようとも、「北海道で生産される牛乳」は他にもたくさんあり、この商標だけではそれらと区別ができないからです。

公益に反する商標

公益に反する商標について具体的に言うと、公序良俗を害するおそれがあるものや、商品やサービスの内容について誤認を生じさせるおそれがあるものが該当します。

前者でいえば、ひわいな文字や図形あるいは人種差別用語を用いた言葉はダメです。後者では、例えばビールの商品なのに「○○ウイスキー」というような商標は登録ができません。

また、公益に反する商標としては他にも、各国の国旗や国際機関の紋章、あるいは国や地方自治体の標章など公に使用されているものと紛らわしいものもNGとなっています。

他人の商標と紛らわしい商標

商標の目的からいって、他人がすでに登録している商標と紛らわしい商標も当然認められません。

また、他人の商標だけではなく、他人の氏名や芸名などに似た商標もアウトとなります。ちなみに著名な芸名はそれ自体がすでにタレント事務所などが商標登録していることも多いので、すでに登録されている、という理由からでもアウトです。試しに「J-PlatPat」で検索してみてください。

まとめ

今回は、商標登録の流れについて解説してきました。商標登録の手続きは大まかにいうと「事前調査」と「書類提出」のみで終わりますから、個人でも取り組める範囲の手続きといえるでしょう。

しかし、もし商標登録の手続きに不安があるという場合は、知的財産管理の専門家である弁理士に代行等を依頼するのも手です。

個人でも取り組めるとはいえ、例えば調査が不十分で商標登録がNGとなってしまうと、出願手数料がパーとなってしまうとともに、審査に費やされた時間も無駄にしてしまいます。

特に、速やかにかつ確実に商標登録の手続きを行いたいという場合は、積極的に検討してみるのがよいでしょう。

画像出典元:pixabay、PEXELS

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