クラウドサインとドキュサインは、どちらも有名で人気がある電子契約サービス。
クラウドサインは日本の法律に特化していて、ドキュサインは米国やEUの法律にも対応しているのが特徴です。それぞれに違う強みがあるので、自社にマッチした電子署名サービスを使いましょう。
当記事では、クラウドサインとドキュサインの特徴や選び方のポイントを徹底解説します。
色々な視点から各システムに向いている企業を紹介するので、サービス選びの失敗を防げます。電子契約導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
このページの目次
画像出典元:「クラウドサイン」公式HP
クラウドサインの特徴は日本の法律に完全対応していること。ユーザーからの評価が高く信頼されているサービスです。
【クラウドサインの特徴】 |
|
クラウドサインは日本国内での市場認知度、契約送信件数、有料プランへの導入企業数がトップクラスのサービスです。30万社以上の導入実績があり、大企業だけでなくベンチャー企業でも利用されています。
これだけ国内で普及しているので、取引先がクラウドサインを使った経験がある可能性が高いです。利用経験があればスムーズに契約締結できるのがメリットです。
クラウドサインの料金体系は「月額固定費用+送信1件ごとにかかる費用」です。月に5件までなら無料で利用できるFree Planもあり、契約件数が少ない企業に最適です。
無料プラン |
契約書の作成・署名が5件/月まで利用可能 |
有料プランは以下の3種類。どのプランもユーザー数や送信件数は無制限ですが、Lightは電子契約を始めるための最低限の機能のみに制限されています。
有料プラン | ||
Light | Corporate | Enterprise |
月額 11,000円(税込) | 月額 30,800円(税込) | 月額料金 要問い合わせ |
送信1件 220円(税込) | 送信1件 220円(税込) | 送信1件 要問い合わせ |
※紙の書類のインポート数が10,000書類を超えると、10,000書類ごとに保管費用11,000円/月(税込)がかかります
クラウドサインは「弁護士ドットコム」が運用している電子契約サービス。
弁護士による法律監修があり、日本の法律に特化しているので違法性・証拠力・印紙税など色々な面でリスクを回避できるのが強みです。
例えば、合意された書類には弁護士ドットコム株式会社名義で電子署名をつける方法で証拠力を担保しています。
クラウドサインは、「電子署名法」に定める電子署名に該当することを法務省・デジタル庁に初めて認められたサービス。
日本国内での知名度が高く信頼されています。その証拠として官公庁や金融機関でも利用されていて、セキュリティ面に関しても万全です。
クラウドサインは100以上の外部サービスとAPI連携できます。
提携しているのは、salesforce、サイボウズ、Microsoft Teams、LINE WORKS、slack、FUJI FILM、freee会計、楽楽労務など。
自社で利用中のシステムと連携させれば、様々な業務がオンラインで完結します。
クラウドサインの特徴は、操作画面がシンプルでIT機器に不慣れな人でも使いやすいこと。
送信者も受信者も迷わずに契約を締結できます。自社の担当者だけでなく、取引先にも負担をかける心配がありません。
そして、契約に関する情報を一元管理できるのもクラウドサインの魅力。電子契約だけでなく、過去に紙で締結した書類をスキャンしてクラウドサインにアップロードできます。
他にも、自社の契約書の雛形をテンプレートとして保存できる機能もあるので、ITスキルがない人でも効率的に業務が行えます。
注意点は、アカウント作成と書類送信はスマートフォンやタブレットに対応していないこと。
契約書の受信はスマホでも行えますが、クラウドサインを導入するためにはパソコンが必須です。
画像出典元:「ドキュサイン」公式HP
ドキュサインの特徴は世界中の企業で採用されていること。海外の法律やセキュリティ規制にも対応しています。
【ドキュサインの特徴】 |
|
ドキュサインは世界中で利用されているので、導入実績は100万社以上。180か国以上で法的拘束力があり43言語で署名・13言語で契約書を送信できます。
日本はもちろん世界中の国々から信頼されているのが最大の強みです。
契約書は法的に認められていないと意味を成しません。ドキュサインは米国の電子署名法や統一電子取引法、EUのeIDAS規則に対応していて裁判の証拠としても有効です。
世界各地の広範囲をカバーしているドキュサインなら、海外企業との取り引きでも安心して利用できます。
ドキュサインの料金体系は、ユーザー数で料金が決まる仕組み。
無料プランで利用できるのは文書への署名のみですが、送信数の制限がなく署名した契約書はドキュサインのクラウドに保管されて簡単にアクセスできます。
無料プラン |
署名だけなら何通でも利用可能 |
有料版には電子署名プランと不動産プランがあり、1ユーザーあたりの利用料金は以下の通りです。
電子署名プラン | ||
Personal | Standard | Business Pro |
月額プラン 15$/人 | 月額プラン 45$/人 | 月額プラン 65$/人 |
年間一括払い 120$/人(月額 10$/人) | 年間一括払い 300$/人(月額 25$/人) | 年間一括払い 480$/人(月額 40$/人) |
不動産プラン | |
Real Estate Starter | Real Estate |
月額 15$/人 | 月額 40$/人 |
年間一括払い 120$/人(月額 10$/人) | 年間一括払い 300$/人(月額 25$/人) |
ドキュサインの魅力は、世界各地の厳しいセキュリティ基準を満たしていること。これらの認定を取得しています。
日本以外の国々のセキュリティにも対応しているので、海外企業との取り引きでも安全性が確保されているのがメリットです。
ドキュサインに連携可能な外部システムの数は350以上。MicrosoftやGoogle、Apple、Salesforceなどのアプリケーションから直接、送信・署名等のアクションを行えます。
例えば、Microsoftと連携させると、Wordから重要な文書を送信したり署名できます。効率的に業務が行えて生産性の向上につながるのは間違いありません。
ドキュサインの特徴は専用のモバイルアプリがあり、Webブラウザだけでなくスマートフォンやタブレット等のモバイル機器でも利用できること。
アプリは無料でダウンロードでき、既存のテンプレートや様々なドキュメントソースを使って契約書が作れます。
スマホでスキャンした紙の文書のアップロードもできる、オンライン署名に加えてオフライン署名や対面での手書き署名も可能、アプリで送受信した契約書が一元管理できる…と便利な機能が満載です。
電子契約サービスの選定ポイントは、この5つ。これらをチェックすれば自社に最適なシステムが分かります。
選定ポイント | 候補になるサービス |
どんな企業と取り引きが多い? | ・日本企業→クラウドサイン ・海外企業→ドキュサイン |
求めているのは署名機能だけ? | ・YES→ドキュサイン ・無料版書類作成もしたい→クラウドサイン無料版 ・多機能が良い→どちらかの有料プラン |
毎月の契約数は? | ・毎月5件以下→クラウドサイン ・無料版毎月8件以下→ドキュサイン ・毎月9件以上→ドキュサイン不動産プラン(年払い) ・毎月9件以上→クラウドサイン |
システムを扱う人の数は? | ・3人以内→どちらでもOK ・4人以上→クラウドサイン |
何を重視する? | ・誰でも使いやすい→クラウドサイン ・サポート体制→クラウドサイン ・カスタマイズ性→ドキュサイン ・拡張性→ドキュサイン ・スマホだけで完結したい→ドキュサイン |
ちなみに、クラウドサイン・ドキュサイン以外の電子契約サービスも含めたおすすめのサービスを知りたい方は以下の記事で解説してるので、こちらも参考にしてみてください。
海外企業との取り引きが多い企業は、ドキュサインが向いています。
クラウドサインは日本での知名度はトップクラスですが、世界レベルで見るとドキュサインのほうが圧倒的に有名で信頼度も高いからです。
契約は信用が命です。取引先が認めるサービスを利用しないと電子契約を断られるので、グローバル展開している企業がクラウドサインを選ぶと不都合が生じる恐れがあります。
クラウドサインは英語と中国語に対応しているとはいえ、米国やEUの法律に則って作られているわけではありません。ドキュサインなら世界中の企業から信頼されているので安心です。
しかし、日本の法律の観点から判断するとクラウドサインに軍配が上がります。日本の法律に完全対応しているので、国内企業との取り引きがメインならクラウドサインにしましょう。
クラウドサインとドキュサインの違いは無料プランの内容です。
ドキュサインの無料プランは署名機能だけなら何通でも利用できますが、クラウドサインの無料プランで利用できるのは月に5件まで。
その代わりに、クラウドサイン無料版では月に5件まで契約書の作成・送信もできます。
求めている機能が電子署名だけならドキュサイン無料版がおすすめです。署名だけでなく、契約書の作成もしたい場合は、クラウドサイン無料版を利用しましょう。
6件以上の契約書を作成したい場合や業務全般をシステム化したい場合は、どちらかのサービスの有料プランに申し込む必要があります。必要な機能が揃っていて予算内に収まるコースを選んでください。
クラウドサインは契約ごとに料金がかかる仕組み。ドキュサインは何通利用しても同一料金です。作成・署名する契約書の数が多い場合はドキュサインのほうが割安です。
1ヶ月あたりの契約数の平均でクラウドサインを使った場合の利用料金を計算して、ドキュサインの月額料金と比較すれば、どちらが低コストで運用できるか分かります。
ただし、ドキュサイン電子署名プランのPersonalと不動産プランのReal Estate Starter は月に5回までしか契約書の送信・署名依頼が行えません。
最も安価な有料プランへの申し込みを検討している企業で月に6件以上の取り引きがあるなら、クラウドサインのLightが最適です。
ドキュサイン電子署名プランは有料でも年間100件を上限としており、月ごとに振り分けられた件数までに制限されています。
単純計算して月に約8件までしか利用できないので気をつけてください。
初年度に100枚以上の文書を送信すると、さらに上位のプランに変更するために営業チームから連絡がきたり、新しい契約書を送信できない可能性があると公式HPに記載されています。
件数の上限を気にしたくない場合は、無制限で使えるクラウドサインにしましょう。クラウドサインはすべての有料プランで契約書数の制限がありません。
または、ドキュサイン不動産プランのReal Estate(年間一括払い)なら、送信できる文書数が無制限です。不動産を扱っていて契約数が多い企業におすすめです。
クラウドサインはユーザー数の制限がないサービス。ドキュサインはユーザー数で料金が決まる仕組みなので、システムを扱う人の数が多いならクラウドサインのほうがお得です。
ドキュサインのPersonalはユーザー1名まで、他の有料プランでもユーザー数が最大3人までで、4人以上で利用する場合は要問い合わせの上位プランに申し込むか、有料プランに追加料金を支払う必要があります。
クラウドサインは、Free Planだとユーザー数1名のみですが、有料プランはすべてユーザー数が無制限です。
ある程度の事業規模になるとシステムを複数人で扱うことが多いので、クラウドサインが向いています。もしくは、ドキュサインに直接問い合わせて、自社に導入した場合のコストを計算しましょう。
クラウドサインもドキュサインもたくさんの外部システムと連携できますが、数の多さはドキュサインが勝っていてAPI連携でできることが格段に多いと評価が高いです。拡張性に関してはドキュサインのほうが優秀です。
システムに関する知識のある人材がいて自社仕様にカスタマイズしたい場合は、ドキュサインが有力候補になります。
スマホだけですべての業務を行いたい企業も、モバイルアプリがあるドキュサインにしましょう。
クラウドサインは比較的簡単にAPI連携できて、シンプルな操作画面なのが特徴。カスタマイズする必要がないなら、使いやすいクラウドサインがイチ押しです。
システムの導入に慣れていない企業や、誰でも使いやすいサービスを希望している企業もクラウドサインにしましょう。
検討時の導入コンサルティングから、利用開始後の運用サポートまで手厚いサポート体制が整っています。
クラウドサインとドキュサインはどちらも優れたサービスですが、得意分野が異なります。
国内企業との取り引きが多いならクラウドサイン、海外企業との取り引きが多いならドキュサインが最適です。
他には、料金体系が大きく違うので、送信する契約書の数やシステムを扱う人の数を考慮すればベストな選択肢が分かります。
使い勝手を確かめるためには、無料トライアルが便利です。クラウドサインにもドキュサインにも無料版があるので電子契約を体験してみましょう。
画像出典元:O-DAN、写真AC
【不安解消】電子契約の受取側の対応方法をわかりやすく解説!デメリット・メリットも紹介
電子契約の普及率は?増加の背景や法律・電子契約にするメリットなど事例をあげて解説!
電子契約を求められたらどうすればいい?導入メリットや拒否する場合についても解説
電磁的方法とは?種類やメリット・デメリット・活用事例を詳しく解説
【イラスト付き】割印とは?割印の正しい押し方と注意点、契印や収入印紙に押す消印との違いも解説!
文書管理規定とは?作成方法やメリット・文書管理マニュアルとの違い
【契約書の郵送方法】今さら人に聞けない超キホン&マナーとは?
契約書の保管期間は最長10年?法律上の保管期間とおすすめ方法
電子契約書に印鑑が不要はホント!電子印鑑のリスクと押印方法
長期署名って何?電子署名の有効性を10年伸ばす仕組みを解説