岸田内閣に任せても大丈夫?衆議院選挙に向けて重点をまとめてみた

岸田内閣に任せても大丈夫?衆議院選挙に向けて重点をまとめてみた

記事更新日: 2021/10/27

執筆: 大和咲弥花

岸田内閣発足から早々、今月の31日に衆議院選挙があります。

総裁選、衆議院解散、衆議院選挙と期間が短く、よくわからない人も多いのではないでしょうか

今回は岸田内閣の特徴や政策、それに対する意見について、わかりやすく説明していきます。

岸田文雄とは

まず、岸田文雄氏とは、どういった方なのでしょうか。

実は前回の総裁選にも出馬していましたが、惜しくも菅元官房長官に敗れました。

前回の総裁選に出馬していたこと自体知らない方も多いと思いますが、岸田氏の沿革や人柄を簡潔に紹介していきたいと思います。

岸田文雄 自民党総裁へ 9.29 - YouTube

出典元:岸田文雄公式youtubeより

沿革

岸田氏は、1957年東京都渋谷区に生まれました。

現在64歳です。

都内私立の名門校、「開成高校」出身で、大学は早稲田大学に進学しました。

卒業後は日本長期信用銀行に入行し、その後父の秘書を務めて衆議院議員になりました。

池田勇人総理が創立した自民党で最も歴史のある名門派閥である、「宏池会」(岸田派)の会長であり、自民党の中ではリベラル派(ハト派)に位置付けられます

(※安倍元首相などの保守派は「タカ派」と呼ばれています)

近年の安倍内閣では外務大臣と防衛大臣を憲政史上初兼任し、安倍政権を支えてきました。

安倍総理辞任に伴う2020年の自民党総裁選では、当時官房長官であった菅義偉氏に敗北。

そして今回、2021年総裁選で河野太郎氏、高市早苗氏、野田聖子氏を抑え自民党総裁に選出されました。

人柄は?

岸田氏の人柄を語る際、「良くも悪くも特徴のない人」と書かれてることが多いようですが、言動や雰囲気からは「堅実家」という言葉が当てはまります。

岸田氏自身は、自らを「『聞く力』が強みだ」と言い、今までの国民の声を自身のノートに取り溜めていたようです。

早稲田大学時代からの友人であり同じ衆議院議員の岩屋毅氏は、

「昔から自己主張する人ではなく、人の話をよく聞く。ガツガツしたところはない紳士。新しい宏池会のプリンスという育てられ方をされ、謙虚で誠実な人柄でそつなくこなしてきた感じです」

と述べていたそう。

先陣を切って引っ張っていくというよりかは、様々な人の話を聴きながら誠実に物事を進めていくタイプのリーダーのようです。

岸田内閣発足

岸田首相は操り人形?話題の内閣人事

岸田内閣の人事が、波紋を呼んでいます。

新内閣は全20閣閣僚で、そのうち13名が初内閣。平均年齢は61.8歳で、女性閣僚が3人、衆院当選3回の若手が3人起用されました。

女性や若手を従来より増やす動きから、内閣に「新しい風を吹かせたい」という気持ちはうかがえるものの、「今までの政治と変わらないのでは」という声が多く見られています。



岸田内閣の構成

3Aの影

その理由に、「3A体制」というものがあります。

3Aとは、安倍元首相、麻生副総裁、甘利幹事長の3名を指します。

岸田内閣人事では、安倍元首相が率いる党内最大派閥の細田派から官房長官として松野博一氏が起用されたり、経済産業省には安倍氏最側近の萩生田光一氏が、防衛大臣には安倍氏実弟の岸信夫氏が再任したりと、「3Aに対してご機嫌取りの人事では」と揶揄されているそうです。

そういった意味で、安倍氏や麻生氏の色が濃く残る岸田内閣では従来の政治と変わらないのでは、という見方をされています。

改革派は末端へ

岸田内閣の人事配置において、総裁選で共に戦った3人の候補の処遇にも焦点が当てられています。

総裁選で最下位だった野田聖子氏は少子化担当相に、3位の高市早苗氏を党政調会長として起用。対して、岸田氏と接戦で敗れてしまった河野太郎氏を党役員の「末席」とされている党広報本部長として起用しました。野田氏と高市氏を重宝し取り込み、河野氏を冷遇していると取られても仕方ない結果となりました

総裁選の中でも「改革派」だった河野氏でしたが、こういった人事配置からも保守的な色が強いのではないかと言われています。

岸田内閣発足で株価暴落?

画像元:【3分解説】「岸田ショック」で株安が止まらない理由


岸田政権発足で株価が下がっていると言います。

これは、岸田氏が掲げた「新しい資本主義」の中で、株式譲渡益や配当金といった金融所得に対する「金融所得課税」の強化を進める意向を示したからだとされています。

海外投資家からは、改革派で英語の堪能な河野氏が支持されていたようですが、今回の岸田氏の選出に対して、投資家からの期待値があまり良くないということが現れていると言えます。

長期政権を築く?

一方で、今回の衆議院選挙の結果次第では、岸田政権は長期政権を築くのでは、という期待の声も見られます。

選挙で国民からの信任を得て、最大の争点である新型コロナ対策と経済回復ができれば、長期政権も十分可能と考えられています。

批判の多かった安倍政権も、2012年〜2020年と結果憲政最長の8年間政権が続いたので、「下手をこかない」堅実な性格である岸田氏が政権を握ることになれば、安定した政治が続くのでは、という見方もあります。

岸田内閣の政策は?

政策で重点が置かれているのは、やはりコロナ対策と経済政策のようです。

岸田氏がよく口にするフレーズとして、「成長と分配」という言葉があります。

岸田氏は、「小泉改革が経済格差を助長した」として、小泉氏が行ってきた「新自由主義」経済政策から転換するとしています。

岸田氏は経済政策発表時に、

「富む者と富まざる者の格差が生まれ、コロナ禍でさらに広がってしまった。最大のポイントは、一部の人間だけでなく、広く多くの人の所得を引き上げることだ」

と述べています。

新型コロナ対策と経済政策が重点に置かれているのは、「コロナ対策における行動規制」と「経済成長」とのバランスが難しく、政治家としての裁量が試されているからでしょう。

以下、実際に自民党のHPに掲載されている政策内容です。

1.新型コロナウイルス対策
「納得感のある説明」と「常に最悪を想定すること」を原則として対応する。
まず、病床、医療提供体制の確保や、自宅療養者の対策強化など、安心確保のための取組の全体像を早急に国民に示し、国民と共有し、その共通の認識の下に、新型コロナ対応を行う。
同時に、これまでの対応を徹底的に分析し、何が健康危機管理のボトルネックになっていたのかを検証し、我が国の健康危機管理を抜本的に強化していく。
これらに加え、国民の協力を得られるよう、経済支援を行う。


2.新しい資本主義の実現
富める者と富まざる者、持てる者と持たざる者の分断を防ぎ、成長のみ、規制改革・構造改革のみではない経済を目指すための「成長と分配の好循環」と、デジタル化など新型コロナによってもたらされた社会変革の芽を大きく育て、「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとした、新しい資本主義を実現していく。
そのための第一歩として、成長戦略については、

(1)科学技術立国
(2)デジタル田園都市国家構想
(3)経済安全保障
(4)人生100年時代の不安解消に向けた社会保障改革

に取り組む。

また、分配戦略については、

(1)働く人への分配機能の強化
(2)中間層の拡大
(3)公的価格のあり方の抜本的見直し
(4)財政の単年度主義の弊害是正

に取り組む。 併せて、交通・物流インフラなど地方を支える基盤づくりに積極的な投資を行うとともに、農業、観光、中小企業など地方を支える産業の支援に万全を期す。


3.国民を守り抜く、外交・安全保障
日米同盟を基軸に、世界の我が国への「信頼」と以下に掲げる「三つの覚悟」の下、毅然とした外交・安全保障を展開し、「自由で開かれたインド太平洋」を強力に推進する。

(1)自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を守り抜く覚悟
(2)我が国の領土、領海、領空及び国民の生命と財産を断固として守り抜く覚悟
(3)核軍縮・不拡散や気候変動問題など地球規模の課題に向き合い、人類に貢献し、国際社会を主導する覚悟

中国に対しては、対話を続けつつ、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求める。 北朝鮮の拉致、核、ミサイル問題を包括的に解決し、国交正常化を目指すとともに、北方領土問題を解決し、日露平和条約の締結を目指す。


4.危機管理の徹底
万一、大規模な自然災害やテロなど、国家的な危機が生じた場合、国民の生命と財産を守ることを第一に、政府一体となって、機動的かつ柔軟に全力で対処する。 そのために、「常に最悪を想定し」平素から準備に万全を期す。


5.東日本大震災からの復興・国土強靭化
東北の復興なくして日本の再生なしとの強い思いの下、被災者に寄り添い、被災者支援、農業・生業の再生、福島の復興・再生に全力を尽くす。また、災害に強い地域づくり・国土強靱化を一層推進する。

自民党HPより引用

 

なぜ?このタイミングでの解散と選挙

今回、総裁選で岸田首相が選出され、すぐに衆議院を解散することを取り決めました。

なぜこのタイミングで衆議院を解散したのでしょうか。

1.単に任期満了だったから

今回の衆議院解散は、単に任期満了だったから、と唱える人もいます。

実際、10月21日で衆議院は任期満了を迎える予定でした。

どっちにしろ、「任期満了」か「解散」で選挙を迎えるかの二択だったため、任期満了を迎える前に解散を迎えることで、「想定外の思い切った決断」と内閣の支持率が上がると予想したのでは、という考えもあります。

2.コロナが落ち着いてきているから

ワクチン接種の普及もあり、新型コロナ第5波が落ち着いてきたのに際し、再び緊急事態宣言が発令される前に選挙を急ぐ形となりました。

コロナが落ち着いてきたことと、なるべく政治に空白期間ができないよう、急ぎ足での選挙となりそうです。

3.選挙への戦術

前述のように、岸田内閣は安倍氏や麻生氏の色が濃いのではないかと言われており、そういった野党からの追及を交わしたいという意図があるのでは、という見方もあります。

加えて、今回は解散から選挙までの期間が17日間という、圧倒的に短いスパンで行われます。

これは、野党同士が共闘のための調整がつかないうちに選挙を仕掛けたかったのではないかと見られています。

選挙の課題

1.選挙期間が短い

今回は選挙の期間が短く、各候補も準備はしてきたものの大慌てでのスタートとなりました。

候補者も戸惑うばかりでなく、投票者も各候補の意気込みや政策を聞いてじっくり考えるいとまがあまりありません。

むしろ、いきなりの解散からの選挙ということで、「何を基準にして代表を選べばいいかわからない」という問題も出てきます。

候補者は、この短い期間の中で、簡潔にかつ印象的に自らの思いや政策を伝える術が必要となるでしょう。

2.若者の選挙離れ

若者の選挙離れの問題も浮き彫りになっています。

票獲得のために、投票率の高い高齢層に有利な政策ばかり述べ、それを受けてまた若者の投票率が下がってしまう悪循環が顕在しています。

これを受けて、若者の声を政府に届ける活動をしている「polipoli」というサービスや、候補者も若者の票獲得のためにSNS運用を拡大するなど、選挙の動向は若者にも多くかかっていると言えます。

SNSや動画の活用、若者に関係する奨学金問題への取り組みや給付金などが、若者の票獲得を左右するのではないでしょうか。

岸田総理とスタートアップ


画像元:
Twitterより


9月17日に放送された「world business satellite」では、岸田首相はこれから

の成長産業を「スタートアップ」だと述べています。

これだけ見ると、スタートアップは産業ではない、という反対意見も見られましたが、

もちろん岸田氏は、「産業ではないが、ひとつの産業に絞ることなくスタートアップが成長の鍵」ということを付け加えています。

日本は起業家が足りない、ユニコーンが少ない、と言われていますが、政府がスタートアップの支援に力を入れることで、スタートアップ界隈もより盛んになるのでしょうか。

一方で、「岸田氏が挙げていたGAFAも民間が創ってきた。政府が関わると余計スピード感が無くなるのでは」という意見も見られました。

様々な意見があるようですが、政府がアントレプレナーシップ教育への投資やスタートアップが育ちやすいシステムを構築し、優秀な人材を潰すことのない環境を整えることができれば、日本でも革新的なスタートアップが次々に立ち上がるかもしれません

今後の流れ

今月14日に衆議院を解散し、19日に公示、31日に投開票となります。

やはり選挙の明暗を分けるのは、コロナ対策と経済政策でしょうか。給付金の有無や金額なども、投票者にとってはひとつの選択基準となるかもしれません。

野党は、「新自由主義からの脱却」「再分配」など、与党と政策が似た部分もあり、真っ向からの勝負がしにくい反面、3Aの力が強いことで「安倍内閣や菅内閣と何も変わらない」と強気で攻めうる面もあります。

非常に短い選挙期間ですが、与党だけでなく、野党はどのような動きをしてくるのか見極めることも重要なようです。

まとめ

今回は、岸田内閣と選挙についてまとめました。

賛否両論ある今回の岸田内閣。

しかし、最初の支持率は政権の長さとは比例しないと考えられています。

混乱する世の中で、いつもよりも政策に対してシビアになることは当然です。

そして、ある人からしたら良い評価であり、ある人からしたら悪い評価であることも至極当然です。

今はネットやSNSで気軽に情報が手に入る時代となりましたが、一層「自分の判断軸を持つことが大事な時代となりました

与党、野党の今後の動きに注目し、自分なりの判断軸で選挙に赴きたいですね。


画像出典元:首相官邸ホームページより岸田文雄氏安倍晋三氏麻生太郎氏甘利明氏

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