昨今の社会情勢からWeb面接を行う企業が増えています。
Web面接は「密にならずに済む」というメリットがありますが、企業にとってはそれ以上に大きな恩恵があるようです。
本記事では、Web面接のメリットやデメリットのほか、Web面接の注意点などを紹介します。また、Web面接ではWeb面接システムの導入が不可欠です。
数あるWeb面接システムの中から特におすすめのシステムも紹介するので、併せてチェックしてみてくださいね。
このページの目次
Web面接とは、PCやスマホなどの画面を通して行われる面接です。インターネットとカメラに接続できる環境なら、遠距離でも顔を合わせてやり取りできます。
近年のコロナ禍の影響により、さまざまな企業がWeb面接の導入に踏み切りました。例えばトヨタ自動車、ユニクロなどがその好例です。
また、「リクルートキャリア就職みらい研究所」の調査によると、2021年卒業予定で就職活動を行っている学生のうち、半数以上がWeb面接を受けた経験があるのだとか。
社会が「withコロナ」に変化している今、Web面接を導入する企業はますます増えていくと考えられます。
対面で面接を行うことは「ソーシャルディスタンス」が叫ばれる昨今の情勢にマッチしています。しかし、Web面接のメリットはそれだけではありません。
対面ではなくあえてWebで面接を行うのにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
Web面接のメリットを紹介します。
Web面接は、面接の場所を問いません。遠隔地からの応募者も対象となるため、より優秀で自社にマッチした人材を選びやすくなります。
遠方に住んでいる応募者にとって、「面接に行かねばならない」というのは大きなネックです。採用されるかどうか分からない上、移動には時間もコストもかかります。
「興味はあるけれど、わざわざ行くのは大変…」と感じれば応募を躊躇してしまうでしょう。
ところがWeb面接で済むのなら、応募者は自宅にいながらにして面接を受けられます。Web面接によって応募のハードルが下がり、会社の企業理念や目標に賛同してくれる人が集まりやすいのです。
実際に面接を行うとなると、会場設営や移動などのコストをカットできます。加えて種々の準備も不用となるため、面接担当者は面接の準備に追われることがありません。
当日は社内の静かな部屋とカメラ付きPCさえあればよく、面接にかかる手間や工数も大幅にカットできます。
Web面接は、インターネット環境さえ整っていれば、時間や場所を選びません。応募者・企業側とも都合を付けやすく、話が合えば「明日面接しましょう」ということも可能です。
Web面接を早めに行えれば、結果の通知も早くなります。
例えば優秀な人材は、複数の企業にアプローチしていることが多いものです。もたもた検討していたら辞退されてしまった…、ということもあり得ます。
早めに採用を通知することで、優秀な人材を逃すリスクを避けられるかもしれません。
また、「不採用」を通知する場合でも、スピード感は大切です。応募者はすぐに次の企業に行けるため、どのような結果でも早いほうがありがたいでしょう。
「採用」「不採用」までが早いのは、企業側・応募者側にとって大きなメリットです。
Web面接の様子は、そのまま社内ノウハウとして活用できます。録画機能のあるWeb面接システムを使えば、面接の様子を後で振り返ることも可能です。
これは面接官の育成につながる上、面接担当者の判断基準をそろえたり面接の流れを一定化したりするのに役立ちます。
企業にマッチした人材を選ぶ上で、面接の精度は重要です。
Web面接で振り返りを行って面接自体を適切に仕組み化することで、新規採用者の粒をそろえることができます。
「対面ではなくWeb上で行う面接」は、従来の対面型とは大きく異なります。メリットが多い一方で、不慣れな部分に関しては「デメリットだ」と思えることもあるでしょう。
Web面接のどのような点がデメリットと感じられやすいのでしょうか。Web面接のデメリットとなり得るポイントを紹介します。
Web面接では、インターネット環境によって成否が左右されます。応募者側・企業側が都合を付けて顔を合わせても、通信トラブルがあれば面接はできません。
企業側・応募者側とも、事前に通信環境や機器の調子をしっかりチェックしておく必要があります。
Web面接ではカメラを通した情報しか得られません。
カメラの位置や明るさ、背景などによって面接者が受ける印象は異なります。対面のときのように会話が弾んだり、相手に親密さや連帯感を感じたりするのは難しいかもしれません。
Web面接後に会ってみたら「イメージと違った」というのは珍しいパターンではありません。
応募者だけではなく面接する側がWeb面接に慣れていない場合、相手を正しく評価するのは難しくなるでしょう。
応募者のITリテラシーはさまざまです。中にはWeb面接のツールの扱い方が分からないという人もいるかもしれません。
応募者がシステムに不慣れな場合、面接担当者がフォローする必要があります。しかし、担当者がシステムに不慣れでは話になりません。
面接を担当すると決まった人は、システムの扱いや注意点まできちんと把握する必要があります。もしもWeb面接ツールの機能が複雑だった場合、これは面倒な作業となるかもしれません。
Web面接は、特定のツールを使って行います。通常の対面式面接とは様子が大きく異なるため、事前の準備が必要です。
ここでは、企業がWeb面接を行う際のやり方や注意点を紹介します。
Web面接をすると決めたら、まず応募者側にツールを指定しなければなりません。応募者が持っていないツールならダウンロードを依頼するとともに、簡単に使い方なども説明しておきましょう。
また、インターネット環境が不可欠なため、応募者には「インターネット環境の整備」と「機器の点検」をお願いすることも大切です。
当日の面接がスムーズに行えるよう、応募者が分からないことは面接者がきちんとフォローしてあげましょう。
面接当日には、なるべく人のいない静かな環境が望ましいといえます。空いている会議室などがある場合は、そちらを押さえておきましょう。
また、応募者側に依頼したのと同様に、自社でもインターネット環境を整えておく必要があります。万が一トラブル害が起きたときのため、マニュアルも作っておくのがベターです。
Web面接に使う機器類は事前にしっかりとチェックし、当日に慌てずに済むようにしておくこともお忘れなく。
そのほかの注意点としては、服装や身だしなみのマナーです。応募者は「面接」ということでスーツなどを着用します。
面接する側もカジュアルすぎる服装を避け、面接という場にふさわしい格好で画面に向かいましょう。
Web面接では、面接する側が応募者をチェックするだけではありません。応募者もまた、面接者をチェックしているはずです。
Web面接の当日は、余裕を持ってPCの前で待機しておきましょう。時間通りに面接をスタートできるよう、機器の点検やインターネット環境のチェックも行っておきます。
応募者の多くは、時間通りツールにログインしてくるはずです。面接する側がルーズな印象を与えないようにしましょう。
丁寧な応募者の場合は自ら「準備ができました」とメッセージをくれます。しかし、Web面接に不慣れな人や緊張して気が回らない人はじっと待っているはずです。
開始時間になったらメッセージを送り、「本日はよろしくお願いいたします。」などと伝えましょう。面接者から言葉を投げかけることで、相手も緊張がほぐれます。
応募者にコールしたら、面接がスタートします。応募者の経歴や志望動機、これまでのキャリアなど必要なことを漏らさずに聞きましょう。
相手側の音が聞こえにくい、画面が見にくいなどがあれば相手に調整をお願いしてください。
通常の面接と同様に、相手が話しやすい雰囲気を作ることが大切です。
面接が終わったら、「お疲れさまでした、ありがとうございました」と一言添え、結果を通知する予定日を伝えます。
また、応募者は面接者より先に切りにくいものです。
相手が通話を切断しやすいよう、早めにシステムから出てあげると親切かもしれません。
Web面接を行うには、PCやスマホなどで使えるシステムを導入する必要があります。
システムには無料・有料タイプがありますが、企業として安定的に活用していくつもりなら有料のシステムを選ぶのがベターです。
有料のWeb面接システムを導入することによりどのような効果があるのかを見ていきましょう。
無料のWeb面接システムは、通信が不安定だったり途切れたりするものが少なくありません。これは、スムーズな面接を行う上で致命的となることがあります。
ツールにもよりますが、有料タイプのWeb面接システムは無料ツールと比較して、安定性を重視した仕様です。
「通信速度が極端に遅くなる」などの事態にはなりにくく、通信環境による面接トラブルのリスクを低下できます。
企業の採用面接などに使うなら、面接に特化してより機能が充実しているシステムがおすすめです。
例えばWeb面接システムの中には、面接候補日時の指定から応募者による日程確定までをシステム上で行えるものがあります。
さらに面接予定のリスト化や面接後のデータ管理も可能なので、Web面接にかかわるあらゆるデータ・スケジュールを一元的に管理できます。
応募者がアカウント不要で参加できるシステムなどもあり、「使いやすさ」では、無料よりもやはり有料のWeb面接システムに軍配が上がります。
Web面接ではインターネットを介するため、セキュリティについては万全を期したいところです。この点についても有料のWeb面接システムの方が徹底しています。
例えば無料のWeb面接システムはアカウントを作って登録するタイプが多い印象ですが、有料のWeb面接システムなら「1回きりの使いきり」URLを配布できます。
「企業と何ら関係のない人が企業アカウントにアクセスできる」というのは、あまり好ましい状況ではありません。有料のWeb面接システムなら、こうしたリスクを回避しやすくなります。
また、サポート体制が充実しているのも有料のWeb面接システムならではです。万が一何かあったときも、365日いつでもOKのサポート体制を敷いている企業もあり、安心です。
Web面接システムを安易に導入すると、欲しい機能がなかったりその後の運用で苦労したりしがちです。システムの導入は検討を重ね、自社に合うものを見つけねばなりません。
また、実際に運用するときも注意しておきたい点がいくつかあります。
Web面接システムの導入・運用時に注意したいポイントを見ていきましょう。
Web面接システムを導入する際は、情報管理部門にも早い段階から参加してもらいましょう。
検討を重ねてWeb面接システムを絞っても、情報管理的見地からNGを出されてしまうケースは少なくありません。
これを防ぐには、業者との面談の時点から情報管理部門に立ち会ってもらうことが必要です。
Web面接システムを導入する際必ず確認しておきたいのが、「Web面接システムに何を求めるか」という点です。
一口にWeb面接システムといっても、機能や種類はさまざまあります。まずは自社に必要な機能を洗い出し、優先順位を付けておきましょう。
例えば「自社に合った優秀な人を採用したい」という場合は、管理者の全てが情報を共有できるよう、応募者のデータベース化や共有が容易なシステムが望ましいでしょう。
一方「採用担当業務のコストや負担を減らしたい」という場合は、従量制ではなく1プライスの定額制システムがベターです。
Web面接システムの目的や必要な機能が分かれば、「どのシステムを選ぶべきか」が見えやすくなります。
Web面接システムのほとんどはクラウドサーバーを活用するため、導入費用がかからない、あるいは低価格で済むケースがほとんどです。しかし、料金体系はメーカーによって異なるため、事前に確認しておきましょう。
低価格を謳っているシステムでも、必要な機能をプラスしていくと高額になるケースもあります。
メーカーが提示している料金だけを見るのではなく、「自社のケースだといくらになるか」を確認しておきましょう。
Web面接でよくあるトラブルとしては、以下のようなものがあります。
これらは、面接者がシステムの扱いに不慣れなことが原因です。
Web面接をスムーズに行えるよう、システムの使い方の講習を行い、面接者全員が問題なくシステムを使えるようにしておきましょう。
Web面接システムを使用する際は、応募者にも何らかの準備や心構えをしてもらわねばなりません。面接が決まった時点で、応募者に「Web面接の前にすべきこと」を伝えておきましょう。
このとき、必要なことを全てまとめてマニュアル化しておくとスムーズです。
「アプリのダウンロードが必須」「ブラウザが限定される」などがある場合は事前にきちんと伝えておけば、応募者は落ち着いてWeb面接に望めるはずです。
コロナ禍の中、大企業も採用時の面接を「Web面接」で行うケースが増えています。ここでは、日本のトップ企業「トヨタ自動車」「ユニクロ」のケースを見てみましょう。
トヨタ自動車は、2021年春入社の新卒採用にてWeb面接を導入しました。対象は事務職に当たる「総合職」「技術職」の2部門で、これはトヨタにとって初めての試みなのだとか。
書類選考に合格した応募者は一次選考、二次選考、最終選考へと進みます。面接は全てWeb上で行われ、最後まで面接者と直接顔を合わせることはありません。
トヨタは3月以降企業説明会などを中止しており、合格者のほとんどはほぼWeb上だけで内定まで進む、ということになります。
このWeb面接のメリットは、やはり企業に合った人材を集めやすいこと。トヨタでは、普段なら応募が難しい海外や遠方の優秀な学生とマッチする可能性を期待しています。
ユニクロはコロナ禍以前からWeb面接を導入していました。しかし、全ブランド・職種における全ての選考をオンライン化したのは、2021年度採用が初めてです。
説明会もオンラインチャットを利用し、効率的に質疑応答を行いました。
また、実際の面接ではディスカッション形式での面接を主とし、通常の「グループ面接」は廃止したそう。Web面接ならではのメリットを最大限生かせるよう、「1対1」の人材評価に絞っています。
ユニクロ面接担当者は、Web面接をメインにしたことにより、応募者が「論理的に物事を伝えられるか」「物事を洞察し考え抜いているか」ということを、対面のときよりも判断しやすくなったと伝えています。
今後「採用を決める工程の大部分をWeb面接で行いたい」という場合は、通信障害が発生しにくく、充実した機能を持つWeb面接システムがおすすめです。
ここからは、企業のスムーズなWeb面接の実施に有益なおすすめのWeb面接システムを紹介します。
自社の課題や目的に合ったシステムを見つけ、Web面接のメリットを最大限享受できるようにしましょう。
画像出典元:「Calling」公式HP
「Calling」は1ID1,500円で無制限・通話時間無制限で利用することができるWeb面接システムです。
ソフトのインストールは不要で、主催者が作成したURLをワンクリックするだけで簡単にWeb面接を始めることができます。PC・スマホ・タブレットとデバイスを選ばず利用できるのも大きな魅力です。
録音・録画機能付きで、その内容をURLでシェアすることもできるため社内で採用効率改善のための振り返りを行うことも簡単にできます。
・録画機能
・ホワイトボード機能
・画面共有
・1ID:1,500円 / 月
・初期費用:200,000円
料金は初期費用20万円+1ID1,500円 / 月となっています。
契約してるユーザーが入室してないと通話が出来ない仕組みとなっておりますが、通話無制限&ルーム作成無制限と、充実した内容となっています。
画像出典元:「i-web LIVE」公式HP
「i-web LIVE」は採用管理システム「i-web」と連動したオンライン面接システムです。
採用管理システムと連動していることの最大のメリットはWeb面接の情報も、他の選考データと同様に手間なく一元管理できることです。
面接の予約促進や参加後のフォローメールなど、きめ細かい働きかけが簡単にできるため、オンライン面接導入によるコミュニケーション面での不安も軽減されます。
「画面が映らない」「声が聞こえない」などのWeb面接ならではの問題も、応募者・面接官ともに「接続確認ツール」を使って事前に確認することが可能なため、トラブルのリスクもほとんどないと言えるでしょう。
・採用管理システムと連動
・録画機能
・内定者のフォロー面談
「i-web LIVE」の料金は、利用時間に応じて変動します。
詳しくはお問い合わせが必要です。
「i-web LIVE」は採用管理システム「i-web」の利用が前提のサービスとなっています。
独自のWeb面接機能を備えた採用管理システムは他社になく、連動することでWeb面接の評価をすぐにシステム内に登録できるため、リアルタイムで全国の面接官からの評価データを人事に集約することが可能です。
Web面接の機能をより円滑に利用し、採用業務全般の効率を改善したいと考えている場合に特におすすめのサービスです。
画像出典元:「HARUTAKA」公式HP
「HARUTAKA」は、顧客満足度No.1を誇るWeb面接システムです。直感的に使えるシンプルなデザインが特徴の1つ。操作性に優れているため、企業はもちろん、応募者も使いやすいシステムと言えます。
また、HARUTAKAは採用管理システム「SONAR」と連携しているのでライブ面接での評価や録画内容と応募者のデータを一元管理することが可能です。
ライブ面接だけでなく、応募者が予め録画した面接動画も蓄積できるため、ライブでの日時の都合が合わない時にも面接が可能です。
また応募時はアプリをダウンロードする必要がなく、応募者に負担がかからないため、歩留まり改善にも繋がるでしょう。
・設問登録機能
・録画動画面接機能
・チャット機能
「採用管理さくらさん」は、採用管理業務の効率化や社員の離職防止に活用ができるシステムです。
採用管理さくらさんを導入することによって、選考状況を一元管理し、採用の状況をタイムリーに把握することが可能になります。
オンラインによるAI一次面接を実施・分析することで、入社前と入社後のギャップを埋め離職率を低下させる事が出来るのも特徴です。
採用管理を効率化したい企業適したサービスです。
料金については問い合わせが必要になります。
初期費用+月額費用の料金体系のサービスが多いため、予算を確認しておくと良いでしょう。
Web面接を導入すれば、応募のハードルを下げられます。地方や遠方の優秀な人材とつながるチャンスとなり、自社にマッチした社員を確保しやすくなります。
また、インターネットを介しての面接となるため、面接場所を確保したり移動したりする必要がありません。Web面接システムの導入が面接業務のコストカットにもつながるのは、大きなメリットです。
近年の社会情勢により、Web面接システムを導入する企業は増加しています。それに伴いさまざまなメーカーから多様なシステムが提供されているので、自社に合うシステムを見つけましょう。
まずは現在抱えている課題を洗い出し、必要な機能を適切に見極めてください。
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