TOP > 資金調達 > 投資 > シード・アーリー期に強いVC(ベンチャーキャピタル)一覧|独立系・海外系など20社紹介
国内外には数多くのVCがあり、投資領域や運営方針にそれぞれ特徴があります。
ベンチャー企業の経営者にとって、自社とマッチするVCを探して出資を受けることは重要なミッションです。
本記事では、数多のVCの中からとくに創業初期(シード・アーリー期)に投資を行っているVCを一覧で紹介します。
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現在、登録済のベンチャー企業は2,600社以上、投資家数は900名以上にのぼります。
このページの目次
VCとは、銀行や投資家などから広く資金を集めてファンドを組成し、ベンチャー投資を行う投資組織のことです。
一般的に、ベンチャー企業の株式を買い、投資先が成長することでキャピタルゲイン(売買差益)を得ます。
出資者は、このキャピタルゲインの利益を分配してもらうことで利益を上げるという仕組みです。
VCには大きく分けて以下のような種類があります。
独立系 | 独立した投資機関で、親会社のしがらみなしに純粋な投資を行う |
事業会社系 | 事業会社が、事業シナジーを狙って投資する。別名CVC |
海外系 | ファンドの規模が大きく、国内よりも大規模な投資を受けられる |
大学・政府機関系 | 主に研究・技術シーズを事業化するフェーズへの投資を行う |
金融機関系 | 銀行や証券会社や保険会社などを親会社に持つVCで、資金力がある |
VCによっては、投資先に条件がある場合や、比較的規模が大きくなった企業への投資をメインにしている場合があります。
VCの仕組み・ビジネスモデルについて詳しく知りたい方はこちら
画像出典元:「JAFCO」公式HP
創設1973年の歴史がある国内最大規模のVCです。
元々は野村グループの系列でしたが、2017年に事実上の独立を果たしました。
シード・アーリー期の企業に対して、数億円規模の大型出資を行っており、出資金の総額は1兆円(2024年3月時点)、累計投資社数は4,200社を超えます。
大きな特徴は投資先への支援体制が充実している点。
投資先の状況や成長段階に応じて「HR」「マーケティング・セールス」「バックオフィス」の面からサポートを受けることができます。
Chatwork株式会社、株式会社マネーフォワード、UUUM株式会社など
画像出典元:「500 Startups Japan」公式HP
シリコンバレー発祥の世界的なベンチャーキャピタルである「500 Startups」の日本拠点です。
2016年に設立され、シード期のスタートアップへの投資に特化しています。
本家シリコンバレー企業へのコネクションが強いことが特徴であり、イグジット先として米国を候補に入れたいと考えている企業におすすめです。
株式会社カナリー、株式会社SmartHR、WHILL株式会社など
画像出典元:「伊藤忠テクノロジーベンチャーズ」公式HP
シードからレイター期までの企業を支援する独立系VCです。
伊藤忠商事は、1970年代初頭からシリコンバレーでITベンチャーの創業支援に関わってきた歴史があり、その経験を土台にして設立されました。
長年蓄積してきたノウハウを最大限に活かし、特にITやハイテク分野における支援を得意としています。
株式会社メルカリ、ファストドクター株式会社、スマートキャンプ株式会社など
画像出典元:「ANOBAKA」公式HP
シード期のスタートアップに特化した独立系VCです。
ITをはじめとする広い領域に投資を行っています。
投資先には各キャピタリストがハンズオンで支援を行い、事業成長の初期段階からEXITまでサポート。
また、投資先企業に向けた勉強会やイベントを定期的に開催しており、交流や学びの場を提供しています。
AVA Intelligence株式会社、CBcloud株式会社、カクトク株式会社など
画像出典元:「Gree Ventures」公式HP
親会社であるグリー株式会社が100%出資する子会社です。
「インターネットを通じて、世界をより良くする。」というミッションを引き継ぎ、スタートアップとVCファンド双方への投資を行っています。
スタートアップ投資は、インターネット領域を中心とした、シード期・アーリー期の企業がメイン。
2014年以降、60件の投資を行い、総運用額は80億円を突破しています。
ALTURA X 株式会社、株式会社スーツ、スマートニュース株式会社など
画像出典元:「サイバーエージェント・キャピタル」公式HP
親会社であるサイバーエージェントグループのノウハウを活かし、インターネット領域に特化した投資を行っています。
同社の強みは、中国、タイ、ベトナムなどの6カ国8都市に拠点を持っている点です。
最新の市場動向の共有や、各国のローカル企業とのサービス提携など、投資先のグローバル進出を支援します。
BASE株式会社、Sansan株式会社、株式会社クラウドワークスなど
画像出典元:「株式会社ジェネシア・ベンチャーズ」公式HP
デジタル領域のスタートアップに投資を行うVCです。
2024年は、特にリテール・フィンテックやSoftware Defined Vehicle (SDV)などの領域にも注目しています。
日本、インドネシア、ベトナム、インドに拠点を持っており、現地のネットワークを活用した包括的なサポートが魅力。
資金調達・事業機会の創出に加え、CxOの採用なども支援します。
スタートアップ同士の交流を促進するため、勉強会やイベントを通じたコミュニティ作りにも注力しています。
株式会社タイミー 、株式会社Appdate、株式会社HRBrainなど
画像出典元:「OPEN VENTURES株式会社」公式HP
プレシード・シード期を対象に支援する、RPAホールディングスの子会社です。
オートメーション、DX、地方創生、AI/IOT・5Gを対象領域として、豊富な知見を活かした提案をしています。
グループが展開するバックオフィス自動化ソリューションの提供や、レンタルオフィスの無料開放など、投資先がコア業務に集中できる環境作りもサポートしています。
CLITCH株式会社、株式会社ウィズテックファーマ、株式会社フィルダクト
画像出典元:「グロービスキャピタルパートナーズ」公式HP
投資だけでなく、グローバルな人脈と豊富な実績に裏付けられたノウハウを強みとした支援を行っている、ハンズオン型のVCです。
2023年4月には7号ファンドの募集を727億円にて完了し、運用総額の累計は1,800億円を突破しました。
投資領域はITサービス・ツールが多い傾向にあります。
投資ステージは創立初期のアーリーステージから、IPO直前の企業にまで幅広く持っています。
株式会社メルカリ、グリー株式会社、スマートニュース株式会社など
画像出典元:「日本ベンチャーキャピタル」公式HP
1996年に設立された独立系VCです。
取締役名誉会長には、三井不動産株式会社の岩沙弘道氏が就任しており、その他経営陣及び株主には有名大企業の名前が並んでいます。
起業経験や大企業での経営経験に基づいた幅広いネットワークとノウハウを活かし、創業初期から上場までを支援します。
投資領域はITサービス系が比較的多いですが、幅広く投資をしています。
投資ステージはアーリーステージの企業が中心となっています。
Aiロボティクス株式会社、株式会社MFS、Chordia Therapeutics 株式会社など
画像出典元:「グローバル・ブレイン株式会社」公式HP
アーリーステージを中心に、シードからポストIPOまで幅広く支援を行う独立系VCです。
徹底したハンズオンスタイルで、投資だけでなく、ビジネスモデルや営業体制の構築、人材採用、提携先交渉まで総合的にサポート。
投資領域は、ヘルスケアなどのディープテックをはじめ、AIやエンタープライズなど幅広く、毎年100件以上の投資を行っています。
日本、アメリカ、イギリス、インド、韓国、シンガポールなど世界各国に拠点を持っている点も大きな強みです。
株式会社ROXX、ベースフード株式会社、ウェルスナビ株式会社など
アクセラレーターとは、既にある企業の成長を「加速する」という名の通り、期間限定(3~6ヶ月)でのプログラムによって、ベンチャー企業の成長を一気に加速させる企業のことを言います。
アクセラレータープログラム後の結果によって、事業提携や投資へとつながっていく場合もあります。
インキュベーターは、ビジネスモデルや会社を構築することを目的として革新的なアイデアを生み出すこと(インキュベート)に注力し、イノベーションに重点を当てています。
シードステージへのVC投資を行うほか、資金面以外の支援を行っているのが特徴です。
アクセラレーターと異なり、一般的には期限が設けられていません。
画像出典元:「株式会社サムライインキュベート」公式HP
2008年の設立以来、10カ国・240社を超えるスタートアップに投資や支援を行なってきたインキュベーターです。
運営ファンドでは、シード期の場合、1件あたり1,000万~1億円のレンジで投資を行っています。
投資領域は、IT系が中心となりますが、社会的課題を解決するビジネスモデルへの投資が多い傾向にあります。
勉強会や講演会のほか、大企業を巻き込んでのイベントも多く開催しており、ベンチャー企業と大企業の協業アレンジを行っていることも強みです。
株式会社Sally、MOON-X株式会社、株式会社カルディオインテリジェンスなど
画像出典元:「インキュベイトファンド株式会社」公式HP
国内最大規模のシード投資に特化したVCです。
2010年に設立され、これまでに1,250億円以上の資金を運用し、400社以上のスタートアップに投資してきました。
2010年からは、資金調達を目指すシード・アーリーステージ起業家のための「起業家/投資家合同経営合宿」を運営。
250名以上の起業家が参加し、過去参加企業の累計調達額は90億円を突破しています。
投資先:株式会社ispace、ウェルスナビ株式会社、ベルフェイス株式会社など
画像出典元:「SKYLAND VENTURES」公式HP
「The Seed Maker.」をミッションとし、シード期のスタートアップへの投資を専門としています。
主な投資分野はインターネット領域全般で、2022年からはWeb3・生成AIなどへの投資にも注力。
また同社では、シード期のスタートアップを対象に、毎週決まった日時でオンラインMTGを実施しており、起業や事業アイデアなどについて気軽に相談することができます。
株式会社ROXX、株式会社アイデミー、株式会社ジェイタマズなど
画像出典元:「東京大学エッジキャピタルパートナーズ」公式HP
2004年の設立以降、順調に実績を伸ばしており、累計5本の運営ファンドは約850億円という規模に至ります。(2024年5月時点)
投資対象の主軸は東京大学に関連する研究開発型の企業ですが、国内外の大学や研究機関とも連携をとっており、幅広い支援を行っています。
独自性の高い研究技術を持つシード・アーリー期のスタートアップに対して、創業からイグジットまでのビジネス活動を支援しています。
ライフネット生命保険株式会社、株式会社アイデミー、株式会社ELEMENTSなど
画像出典元:「大阪大学ベンチャーキャピタル」公式HP
大阪大学の100%出資のVCで、2021年に設立された2号ファンドの規模は106億5,000万円です。
投資対象は大阪大学の研究成果を活用したスタートアップからアーリーステージのベンチャー、および、大阪大学発ベンチャーや共同研究中のジョイントベンチャーとなります。
一般的なVCからは投資を受けづらい、研究開発型ベンチャーのスタートアップ期を支援し、他社VCへの協調が可能な段階にまで成長をサポートしています。
株式会社Thinker、株式会社アイ・ブレインサイエンス、マイクロ波化学株式会社など
画像出典元:「慶應イノベーション・イニシアティブ」公式HP
2015年に、慶應義塾大学の研究成果を活用しているスタートアップを支援するために設立されました。
2020年1月の2号ファンドでは投資対象を拡大し、慶應義塾大学以外の大学や研究機関にも支援を行っています。
注力領域として、医療・健康、デジタル・テクノロジーの分野が示されています。
newmo株式会社、株式会社JCCL、株式会社elleThermoなど
画像出典元:「SMBCベンチャーキャピタル」公式HP
三井住友フィナンシャルグループのリソースを活かし、幅広い業種やステージの企業に支援を行っているVCです。
未上場企業を対象とした基幹ファンドに加え、大学や研究機関の研究成果を活用するベンチャー企業に投資する産学連携ファンド、NECグループと共同運営する領域特化型ファンドがあります。
株式会社Schoo、株式会社オルツ、株式会社ROXXなど
画像出典元:「三井住友海上キャピタル」公式HP
独自性・革新性・先見性という3つの観点で厳選したスタートアップへ投資を行っています。
投資対象は、IT関連、製造業、サービス業、医療など幅広く、ステージも限定していません。
三井住友海上グループのネットワークを活かした手厚い支援が魅力で、資本提携やM&A、弁護士などの紹介、上場準備など、各企業のニーズにあったサポートを受けられます。
株式会社QPS研究所、株式会社AERWINS Technologies Inc、tripla株式会社など
画像出典元:「三菱UFJキャピタル」公式HP
1974年創設の株式会社セントラル・キャピタルをルーツとする歴史あるベンチャーキャピタルで、2005年に三菱UFJキャピタル株式会社が設立されました。
2005年以降の投資実績だけを見ても、投資件数約1,700件、総投資額約1,005億円に上ります。(2024年3月時点)
幅広い業種・ステージに投資を行っていますが、特に専門性の高いバイオ医療品や再生医療などについては、その分野に精通する担当者が経営のサポートも行っています。
株式会社Sapeet、Hmcomm株式会社、株式会社オルツなど
投資専門の通常のVCの他、事業会社の投資部門であるCVCも増えてきており、エンジェル投資家という選択肢もある中で、最適な投資家を探すためにはどうしたらよいのでしょうか?
投資家もまた膨大な起業家から投資先を探しています。そのため、信頼関係のある知り合いからの紹介は効果的なアプローチの1つです。
自身の事業を理解してくれる方ならば、最適な投資家を紹介してくれるでしょう。
逆に、アプローチしたい投資家がいれば知り合いに紹介をお願いすることも有効です。
ピッチイベントやビジネスコンテストに登壇して、投資家に注目してもらうことも有効です。ただし、自身の事業をピッチする実力は不可欠ですし、狭き門であることも理解しなくてはなりません。
資金調達はタイミングも重要ですし、起業家にとっては時間は貴重ですから、時間をかけて準備したにも関わらず成果が出ないリスクを認識しましょう。
やるからには全力で臨み、大きな注目を獲得することを目指すべきです。
多忙を極める起業家の方々にとって、自社に最適な投資家を見つけ出し、比較・検討するのは大きな負担となります。
そこで、起業家が最小限の負担で資金調達を達成し、事業推進に注力するために生まれたサービスが「StartupList(スタートアップリスト)」です。
StartupListを利用すれば、VC、CVC、エンジェル投資家を含む投資家のリストを一覧で見ることが出来ます。
登録済のベンチャー企業は2,600社以上、投資家数は900名以上にのぼります。
近年VCの数は増えてきています。想像以上に多くのVCがあることが分かっていただけたのではないでしょうか?
VCの中には、独立系や地域特化型など、様々なジャンルがあります。VCによってはしがらみがあったり、ご自身の事業方針と合わない場合もあります。また、本来の価値よりも安く見積もられていることに気付かないこともあるかもしれません。
VCは数多くありますから、選択肢を広く持って、ご自身の事業にあったVCを見つけることが大切です。
▼参考記事:VCの仕組み・ビジネスモデル
画像出典元:Pexels