リリースから半年あまりでもはや聞かない日はないほど普及した生成AI「ChatGPT」
巷では便利と噂が立っているものの、具体的にどんな風に活用すればいいのかわからない方も多いと思います。
確かに、以前までChatGPTはアウトプットが文章だけであり、よほどの知能労働をしている人で無い限り、すんなり業務を効率化することは少し難しかったかもしれません。
しかし、ChatGPTのプラグインが開放されたことによりChatGPTが文章だけでなく、「グラフ作成」、「各種の図の作成」、「WEB検索」、「PDFの解析」「他ページの調査」など文章作成に留まらないアウトプットを実現できるようになりました。
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ChatGPTにおけるプラグインとは、ChatGPTの技術を活かして文章作成以外の作業を行うためのアプリのようなものです。
現在はChatGPT Plusに加入しているユーザーへの限定公開となっているため、利用するためには必然的に月額20ドルを支払う必要があります。具体的には、ChatGPT Plugin storeから全種類をチェックすることができます。
ChatGPT Plugin storeのスクリーンショット
GPT-4( ChatGPT Plus)への加入方法は、以下の記事で詳しく解説しているのでこれから加入したい!という方は是非チェックしてみてください。
現在プラグインはデフォルトでオンになっているようですが、いつでもSettingからON/OFFを切り替えることができます。
手順としては
まずは、トーク履歴の最下部にある自分のアカウント横の「︙」ボタンをクリック
そこから「Setting」を選択して、「Beta features」から「Brouse with Bing」と「Plugins」をオンにすれば完了です。
GPT-4 Browse with BingはGPT-4に標準搭載されているプラグインで、このように最初から選択することができます。
このプラグインは名前の通りでOpenAIの出資元、Microsoftが運営する検索エンジン『Bing』を使ってGPT-4が検索を行いながら情報を収集、整理してリサーチを補助してくれるプラグインです。
プラグインをオンにしてプロンプトに『web検索しながら』と付け加えるだけで使えます。
例えば、従来のChatGPTが苦手としていた『2021年9月以降の情報』についてもこの機能を使用することで克服できます。
今回の記事では2023年6月現在、どんな書籍がベストセラーとなっているかをリサーチしてもらいました。
これらは実際に上記期間でベストセラーとなっており、しっかりとソースとなったwebサイトも提示してくれます。情報の信憑性に課題があったChatGPTでのリサーチも、より精度の高いリサーチへ一歩前進したと言えるでしょう。
上記で解説したBrowse with Bingが、web上を完全にChatGPTの裁量で検索してくれるのに対してWebpilotはこちらが指定したURLの中身をリサーチしてそれに基づいた解答を作成してくれます。
例えば、ソースが外国語&難解な場合は役に立ちます。私の場合、ISOの国コードについて調べていた際、ドイツ語で他言語翻訳のウィキペディア記事を理解するのに役立ちました。
ShowMe Diagramsは、グラフやマインドマップなどテキスト以外の視覚的な情報を出力してくれるプラグインです。今までテキストでのはアウトプットに限定されていただけに、なかなかインパクトがある機能を持ったプラグインだと思います。
先程紹介したWebpilotなどと組み合わせることでweb上から情報を抽出→Show Me Diagramsで可視化といった作業効率化を図ることが可能です。
例として先程紹介した『WebPilot』と『Show Me Diagrams』を併用して折れ線グラフを作成してみました。
作ってみた感想として、まず、縦軸はもっとズームで良い!と思いました。
細かい部分でいくつか欠点はありますがつい最近までテキストベースで虚言率も高かったことを考えると、驚くべきペースで進化しているな、と感じました。
ChatGPTを使う時にどういうプロンプトを書けば自分が求める情報を出力できるか、迷ってしまうことはよくあることだと思います。
そんな時におすすめしたいのが、この『PromptPerfect』です。これは、抽象的なプロンプトでも自動でそれを具体的な指示に書き換えて最適化した上でプロンプトとして送信してくれます。
例えば『◯◯についてわかりやすく説明して』とお願いした場合、「わかりやすい」が抽象的なので「明確な」、「包括的な」、「理解いしやすい」などの要素にわけて送信してくれます。
『SceneXplain』は画像URLを入力するとそれをテキストで描写してくれるプラグインで、主にMidjourneyやStable diffusionなどの画像生成AIとの併用を前提としています。
画像生成AIを利用する際、こんな画像を作りたい!というようなイメージが明確にあっても、それを客観的な単語に落とし込むのって相当難しいんです。
そうしたシチュエーションでは、このプラグインが大変役に立ちます。
まず、SceneXplainを使って画像を言語化します。
次に、Photorealisticを使ってそれをMidjourney用のプロンプトに変換します。
論より証拠というわけで、ここでは例としてweb上に存在する適当な画像を、この2つのプラグインとMidjourneyを活用して再現してみたいと思います。
web上から拾ってきた猫の写真
今回はweb上で「猫」と検索して拾ってきた猫の写真を使います。
まずはこの画像のURLをコピーしてChatGPTに読み込ませます。
ChatGPTに猫の画像を言語化&プロンプト化してもらう
次に、出力されたプロンプトをMidjourneyに打ち込みます。
こうしてプロンプトにしてみると、これだけの長いプロンプトを一瞬で書けてしまうことに感銘を受けます。
そして、出力された画像がこちらです。
Midjourneyを使って起業LOGが作成
Midjourneyを使って起業LOGが作成
確かに、元の写真と猫の数や色など多少異なる部分はありますが、構図や雰囲気などはかなり忠実に再現されているように思います。
あらためて見比べても、一瞬ではどちらがAI生成の画像かが判別できません。
「オープントリビア」はカテゴリと難易度を設定すると文字通りそれに関するトリビアクイズを出題してくれるプラグインです。ここまで実用的なものばかり紹介してしまいましたが、このような遊び心に溢れたプラグインも続々と登場するのがインターネットのいいところですね。
今回は「歴史、上級」でトリビアをお願いしてみました。
上級ではないような気もしますが、良い暇つぶしにはなりそうです。
ここまでは、ChatGPTを前提として開発されたプラグインを紹介しましたが、ここからは既にあるサービスがChatGPT用に開発したプラグインを紹介します。
かなりメジャーなwebサービスのため、使ったことがある人も多いはずです。
食べログのプラグインでは、予約したいお店の雰囲気や場所、時間などをChatGPTに話すと勝手に最適なお店を見つけてくれるプラグインです。
このように、一度聞けば数軒のお店を教えてくれ、これらはもちろん実際に指定した時刻に予約可能なお店です。自分が飲み会の幹事になった時などに使えば便利と感じるかもしれません。
但し、自分が使ってみた感想としては自分がプライベートで利用するレストランくらいは自分で探した方が良いです。その方が楽しいので。
webショッピングの価格比較でおなじみの価格.comのプラグインはこのように、◯◯の価格を比較して。といえば勝手に比較してくれますが、結局価格.comのサイトに遷移しないと比較表を見れないため、「だったら最初から価格.com見た方が速いのでは?」と思いました。
食べログの場合もそうですが、ChatGPTのプラグインは、「元々複雑な作業を伴うものを自然言語処理能力を使って簡易化する」ことに強みがあると思うので、元々が一般ユーザー向けで簡単に使えるサービスは、わざわざプラグインを利用する必要はないと感じました。
但し、それは筆者がある程度webサービスを使い慣れているからかもしれません。
食べログや価格.comに触れたことがないといった人であれば、このように自然言語でwebサービスを使えるのはありがたいかもしれません。
筆者はどちらかと言うと、ChatGPTにwebサービスのプラグインが増えることよりも、webサービスでChatGPTが使えるようになるプラグインが増えた方がいいのではないかと考えています。
Expediaのプラグインも、食べログなどと同じようにChatGPTがかわりにサイト内検索を行ってくれるというものです。
この記事では「チェコスロバキア 7月15日~19日」という条件で使用してみました。
今回は、見やすいように表でまとめてもらいました。表での出力はデフォルトでも対応しているので「表にして」などと書けば対応してくれます。
ただ、やはり宿泊施設にしてもたとえどんなにChatGPTが速く正確に宿を教えてくれるとしても個人的には自分で探したいと思いました。ビジネスなどなら有用かもしませんが、旅行となると自分だけの複合的条件もあるので、そこは難しいところです。
但し、チェコスロバキアは既に解体しているので実在しません。こちらも信憑性には注意が必要です。
ここまで、ChatGPTのおすすめプラグイン10選を紹介しました。
リリース当初は限定公開でプラグインの数も限られていたものの、Plus加入ユーザー全員へ公開された途端、爆発的にプラグインのリリースが増え、本格的に『ChatGPT』という市場が開拓されつつあるのをひしひしと感じます。
個人的には、まだChatGPTPlusを使ったことがない、めぼしいプラグインや使い方が見当たらない方も一度加入してご自身で手にとってみることをおすすめします。