リモートワークが普及した流れに合わせて、Web面接も一般的になってきました。
面接のプロセスが対面での面接とは異なり、画面越しのコミュニケーションでは特有の配慮も必要になります。
Web面接で面接官に好印象を与え、挨拶の仕方などを含めた「準備しておくべきいくつかのポイント」を解説します。
このページの目次
Web面接は自分の姿が画面越しであることと、音声がスピーカーやイヤホンというフィルターを通したものになってしまうことを意識する必要があります。
面接官に好印象を与える要素についてご紹介します。
「相手の目を見て話す」ことはコミュニケーションの基本です。
相手と視線を合わせて会話することにより、自信があるように見え、印象形成にプラスの効果をもたらします。
Web面接の場合、画面上の相手の目線と、相手からの視線にあたるカメラの位置が異なります。
そのため、画面上の相手の目を見ると相手からは視線を逸しているように映ります。
Web面接でノートPCなどのデバイス越しに対話をする場合は、デバイスのカメラの位置を確認した上で、カメラの位置を相手の視線と考えてカメラ目線を意識しましょう。
カメラ目線といっても、過剰に意識し凝視してしまうと、かえって不自然な印象を与えてしまいます。
好感度が高いアイコンタクトは0.5~1秒間で、2秒以上視線をあわせると好感度が下がるといわれています。
意識しすぎない、自然なカメラ目線がWeb面接の際に最も意識すべきポイントです。
初対面のときや公式の場での挨拶ではお辞儀・会釈をするのが日本の習慣です。
Web面接の場合でも、こちらの姿が相手に見えている以上、お辞儀や会釈をするのは自然なことです。
画面越しとなるWeb面接では、こちらの動作を細かく把握しにくいこともあるので、挨拶の際のお辞儀は、普段よりもゆっくりと丁寧に行うことを心がけましょう。
Web面接では自分の姿だけでなく画面に映っているものすべてが、相手にとっての判断・評価の材料となります。
自分以外に注意を向けられるものがないように、カメラに映る背景はシンプルな壁だけが映るような場所でWeb面接を行うのが基本です。
相手側に映る画面全体の明るさがこちらの印象を左右するため、背景は白を基調としたもの、あるいは、照明を使って暗くならないように注意します。
バーチャル背景は、ものによっては面接にふさわしくないものもあり、不自然な印象を与えてしまうので使わないほうが無難です。
状況に合わせてしかるべき行動や作法を取ることがマナーの基本です。
Web面接であっても面接であることに変わりはなく、礼儀と気遣いの基本を守ることを大切にしましょう。
Web面接に限らず、改まった場に臨む際には、時間に余裕を持って落ち着いた状態で始められるように準備しておくことが大切です。
Web面接が始まるまでの5分ほどで、画面や音声の確認と、面接に集中するために気持ちの切り替えを行いましょう。
直前まで何か別のことをしていた場合、カメラ越しでもその雰囲気が伝わってしまいます。
落ち着いて面接に臨むためにも、時間に余裕を持って準備・行動することが大切です。
対面の面接とWeb面接の開始時の違いは、対面の面接では実際に面接室に入るというプロセスがあるのに対し、Web面接にはそれがないという点です。
Web面接では互いの画面に姿が表示され、対話の第一声となる挨拶がWeb面接全体の印象を左右します。
「初めまして、(名前)です」を基本に、「よろしくお願い致します」「本日は、お時間を頂きましてありがとうございます」など、相手にハッキリと伝わるよう、間に注意しながら声を張って発声するようにします。
Web面接のために用意する環境によりますが、一般的にはイヤホンマイクを使うほうが音声を聞き取りやすくなります。
イヤホンマイクを使うこと自体は問題ありませんし、特に相手の許可を求めるものでもありません。
面接という改まった場を意識していることを印象づけるため、最初の挨拶のあとに、イヤホンマイクを使っていいかどうかの断りを入れると、礼儀正しさを演出することができます。
通信環境によっては、音声が遅れて聞こえる遅延が発生することがあります。
会話の間がとりづらくなり、スムーズなやりとりが難しくなりますが、慣れていくしか方法はありません。
特に、Web面接を開始した直後は遅延の感覚をお互いにつかめず、挨拶も含めて発言が被りがちになります。
画面と音声を意識しながら発言のタイミングをはかり、普段よりも間をあけて話すようにしましょう。
Web面接の際に戸惑うこととして、始まり方や終わり方に関するものが多くあげられているようです。
Web面接の挨拶でありがちな疑問について解説します。
オンライン映像で対話する場合は、バストアップの画角とすることがほとんどです。
Web面接をする際のカメラのセッティングも同様なので、その状態から立ってしまうと画面から見切れてしまいます。
座ったままの挨拶の動作が自然に見えるように、鏡やテスト画面で前もって確認しておきます。
面接が終了した時点で、相手側が先に退出する場合、また、退出を促される場合など、さまざまな状況が考えられます。
相手方がログアウトした後でこちらの接続を切るのが基本ですが、退出を促された場合は、一言お礼を述べてからログアウトするようにします。
スマートフォンでもしっかりした映像と通信環境が確保できれば、Web面接に使用することができます。
しかし、着信や通知など、面接中にスマートフォンの動作に反応しなければならない可能性があるため、おすすめしません。
スマートフォンを使用する場合の注意点として、手持ちの状態では画面が動き不快に感じられるため、スタンドなどに固定した状態で使用します。
また、Wi-Fiではなくスマートフォンの通信回線を使う場合は、通信状態が安定しているかどうか、通信制限を受ける可能性がないかを確認しておく必要があります。
Web面接はPCなどのデバイスを使うこと、面接官とは別の場所・環境となることが対面での面接との違いです。
しかし、面接の目的や面接で行われることは、対面の場合と基本的には変わりません。
Web面接であっても対面の場合と同様に、緊張感を持って臨めるマインドセットを作っておきましょう。
会社で行われる対面の面接と主に自宅で行うWeb面接では、自分の置かれる環境が全く違います。
初めて訪れる場所と普段過ごしている自分の部屋では、緊張感を持つという意味で大きく異なり、自宅で行うWeb面接は対面よりも緊張感が薄れてしまうかもしれません。
この点を意識して、面接が始まったら面接官の質問に集中し、応募者としてふさわしい態度やふるまいを取れるよう、緊張感を持って臨むことが必要です。
面接では自己紹介や志望動機、自己PRは必ず聞かれますので、準備として文章化しておきましょう。
しかし、Web面接の実際の場面でカンペを読むことは避けたほうが無難です。
カンペを見るために目線を落として話す姿は自信がないように映りますし、面接官も良い印象を持ちません。
自己紹介や志望動機といった、面接で聞かれる定番の内容については、繰り返し練習して何も見ずに話せるようにしておきましょう。
就活生がWeb面接を受けた際に実践したこととして、よく聞かれることを紹介します。
基本は、デバイスやツールに関する準備を怠らないことと、それらを使っていることに対する気遣いです。
相手の話を聞く時に要点をメモすることは必要なことであり、真剣に話を聞いている態度として相手からの印象も良くなります。
すべてを書く必要はありませんが、ポイントを押さえてメモを取りましょう。
イヤホンマイクを使う時に許可を求めると印象がよくなることを述べましたが、同様にメモを取ることも前もって伝えるひと言が好印象につながります。
面接の冒頭でイヤホンマイクを使うことに加えて、メモを取ることも伝えておくとよいでしょう。
Web面接では、通信環境と映像や音声の状態に不具合があると面接をスムーズに進行することができなくなってしまいます。
途中で途切れることのない通信容量のある回線かどうか、カメラの映りや音声の状態に不備はないかを予め確認しておきます。
事前に友人などを相手として、接続状況や画面映りを確認しておくことは多くの就活生が実践しています。
回線の状況やカメラ映り、音声のレベルなどが具体的にわかるので、本番の際に不具合が起こる可能性を減らすことにつながります。
事前に回線と機材のテストを行って万全の準備をしていても、本番の時にトラブルが起きる可能性をゼロにすることはできません。
場合によっては相手方の回線に不具合が起きることもあり得ます。
トラブルにより面接が中断された場合に備えて、相手方と連絡を取ることができる連絡先を確認しておくことを忘れないようにしましょう。
電話、メール、チャットなどの連絡先をWeb面接が決定した時点のやり取りのなかで交換しておきます。
採用担当者が面接の際に見ているポイントは、対面の面接でもWeb面接でも大きく変わるところはありません。
強いてあげるとすれば、Web面接のための機材や環境に対する準備をきちんと行っているかどうかというところです。
しかし、この点はWeb面接に臨む際の最低限の準備であり、マイナスになることはあってもプラスには働かない要素といえます。
面接全体のなかで、特に意識しておきたいポイントについて解説します。
対面での面接でも、相手に聞こえるようにハキハキと話すことは基本的なことです。
Web面接では使っているデバイスによって音声の質が大きく変わります。
対面で面接を行う場合と比較すると、Web面接の音声は聞こえにくくなることが多いため、普段よりも聞き取りやすい話し方を心がけることが重要です。
特に、営業や接客など人と話す仕事の場合は、話し方はチェックポイントの1つとなります。
音声のやり取りにマイナス面のあるWeb面接の弱点を克服できるよう、聞き取りやすい話し方を意識しましょう。
しっかりとした受け答えができることは、仕事への適性や能力の評価以上に全体の評価を底上げする要素です。
相手の質問の趣旨を理解し、それに答える内容を返しているか、答えの内容は説得力のあるものであるかどうかを意識します。
必要以上にあがったり、緊張したりすると普段の自分を出すことが出来なくなるので、普段と変わらない受け答えができるように気持ちを落ち着かせて面接に臨むことが大切です。
面接は能力や適性が見られる場であるとともに、人間性を見られる場でもあります。
対面の面接の場合は、話し方や表情、しぐさなど体の動き全体を通して、人となりが見えてくるものです。
Web面接の場合は、画面で見える部分と音声が相手に伝わる情報のすべてであり、対面と比べて人間的な要素が伝わりにくい面があります。
前向きな姿勢や学ぶ意欲が伝わるよう、話し方や表情を意識するとよいでしょう。
Web面接は、画面映りや音声の状態など、準備に関わる作業が対面の面接よりも多くなります。
しかし、それらの準備は必要最低限のものであり、本来、準備に力を入れるべきなのは、自信を持った態度で臨めるよう自分の棚卸しをしておくことです。
これを踏まえて、面接で最高のパフォーマンスが発揮できるよう環境を整え、Web面接を乗り切りましょう。
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