Web面接とはZoomなどのサービスを使って、オンラインで行う面接のことです。コロナ禍の影響で一気に導入する企業が増えました。
移動の時間がかからないなどメリットも多いWeb面接ですが、ただでさえ緊張してしまう面接なのに、普段慣れないWebでの面接となると緊張してしまう人がほとんどです。
そこで今回は、慣れないWeb面接で失敗してしまわないよう、Web面接に必要な準備・マナー・失敗事例を解説します。
万全な準備で面接で臨めるよう、重要なポイントをしっかり押さえましょう。
このページの目次
候補者がミスコミュニケーションを防いで面接官に悪い印象を与えないためには、何ができるのでしょうか?
ここでは、Web面接をおこなうときの準備について紹介しています。
Web面接に使われるツールには、企業によって異なります。Web面接が決まったら、必ず使用するツールはどれなのか?を確認しておきます。
指定のツールが使用未経験であれば、事前にアプリやソフトウェアをダウンロードしたり、IDを取得したりしておかねばならない場合もあります。
ツールによって操作方法も異なるため、不慣れなまま面接に挑むことがないように、面接当日までに実際に使ってみて以下のポイントをチェックしておきましょう。
よくある失敗には、Web面接中に接続が切れてしまう、音声が届かないといったことが挙げられます。
このほかにも、ツールに表示されるアイコンやプロフィール画像がビジネスに適したものになっているかも確認しておきましょう。
プライベートでも使用しているツールの場合、アイコンやプロフィール、表示名が私的なもののままになっているケースがあります。
アイコンに設定する写真で適切なものがないのであれば、履歴書の写真を使う、あるいは設定なしにしておくのが無難です。
インターネット接続状態の悪い環境では、Web面接が中断する原因にもなりかねません。
ツールによってパソコンにかかる負荷が異なるため、アプリやソフトウェアをインストールしたら、まずは通信状態を確認しましょう。
通信速度については、契約している通信会社で確認するか、NETFLIXが提供しているこちらのサイト『https://fast.com/ja/#』にアクセスしてみてください。リアルタイムで通信速度を測定してくれます。
あまりに通信速度が遅い場合は、ルーターを再起動、あるいはモデムの電源をオフ/オンしてみましょう。接触不良や接続不良などで通信状態が悪くなっている可能性があります。
また、WEBブラウザのキャッシュが溜まっていると、パソコンの処理能力や通信状態に影響することがあります。
こちらは、ブラウザの設定から「閲覧履歴のクリア」を選んでデータを削除して、負荷を軽くするようにしましょう。
最近では、コワーキングスペースなどで個室を一時利用することも可能です。
こうしたところでのインターネット環境は比較的安定していますから、自宅でWeb面接を受けられない場合は、利用を検討してみてください。
Web面接を受ける場合は、カメラの位置が顔と正対になるようにセッティングします。
高さが合っていないと、カメラを覗き込んだり、見上げたりする格好になり、面接官からあなたの顔が確認しにくい状態になります。
それでは表情も伝わりにくくなるため、せっかくの熱意や誠意も半減します。
内蔵カメラが搭載されていないパソコンを使用する場合は、外付けのWebカメラを事前に用意しておきます。安いものであれば、ネット通販で2,000円ほどで購入可能です。
スマートフォンやモバイル端末を使用するのであれば、必ずスタンドを使いましょう。手に持ったままでは、画面が揺れたり、カメラの画角から顔が外れたりする原因になります。
スタンドも、Webカメラ同様にネット通販で購入可能です。価格は、1,000円ほどでありますので、事前に用意をしておきましょう。
画面の位置を合わせてみて、顔が暗く映るようならスタンドライトを用意するなどして明るさを調整します。
暗い顔のままでは印象も悪いですし、表情も見えにくいので、面接官が顔を確認しにくくなるからです。
Webカメラは、意外にも広い画角で相手のモニターに映ります。そのため、自室でWeb面接を受けていると、背景に室内の映像が映り込むことも少なくありません。
身なりを清潔に整えていても、乱雑な室内が映ってしまっては、「見えないところでだらしがない」などと思われてしまう可能性も。
Web面接前に一度、画面に映る室内の状態を確認してみましょう。
カメラを通してみると、意外と雑然としていると感じることも少なくありません。事前に生理整頓しておけば、本番直前に慌てることもありません。
どうしても部屋が狭く、室内の様子が映り込んでしまうようであれば、壁を背景にするといいでしょう。
最近では、多種多様なバーチャル背景がありますが、プライベートで使用するならまだしも、Web面接での使用は不適切です。
また、自室でWeb面接を受けるのが難しいときに、カフェなどの飲食店をWeb面接の場に使うのはおすすめしません。
雑音も発生しやすく、会社の情報が漏れてしまう可能性があるからです。こうしたときは、コワーキングスペースやネットカフェを利用するなどしましょう。
Web面接では、対面面接以上に予期せぬトラブルに見舞われやすいものです。たとえば、Web面接中に通信トラブルによる中断や音声の停止、映像のタイムラグなど。
考えうる限りのトラブルを想定したうえで、必要な書類を手元に準備してWeb面接に臨みましょう。以下に、用意しておくといいものを列挙しています。ぜひ参考にしてください。
・履歴書
・職務経歴書、エントリーシート
・ポートフォリオ
・質問事項のメモ書き
・伝えたいことのメモ書き
・緊急時の先方の連絡先
当日は、できるだけ面接官の顔を見て受け答えができるように、書類の内容はしっかりと頭の中に入れておくのがベストです。
面接中、何度も手元の書類を確認するようなことがあれば、視線を外すことになり、ミスコミュニケーションのもとになります。
不安な場合は、目線の少し上に当たる壁面などに貼っておくのもおすすめです。
通信トラブルによる切断が起こる事態も想定して、緊急時の連絡先は事前に必ず確認しておきましょう。
万が一、面接前や面接中にトラブルで中断せざるを得なくなった場合、連絡先がわからないと慌てる羽目になります。
こうしたときにどんなアクションが取れるかも、企業側は見ています。
事前に想定できるはずのことに対して対応策を講じていないとなれば、それもまた面接官の印象を悪くする原因になりかねません。
Web面接中、いつ面接官から何を言われるかわかりません。いつでもメモが取れるように準備しておけば、すぐに対応できます。
手書きよりもパソコンでメモを取ればいいじゃないか、という声も聞こえてきそうですが、Web面接中は控えましょう。
タイピング音は自分が思っている以上に相手によく聞こえています。
話をしている最中に、カチャカチャとキーを打つ音が聞こえてくると話しづらいものですし、耳元も煩くて不快感を与えてしまうかもしれません。
キーボードで入力しているときも、視線がカメラから外れるなどして「ちゃんと聞いているのか?」と思われる可能性もあります。
相手にはこちらの画面が見えていませんから、「本当にメモを取っているのか?」と勘繰られてしまっては、不利になります。
メモを取る際も「メモを取らせていただいてもよろしいですか?」と前置きしてから始めましょう。
自宅でWeb面接を受ける場合でも、そのまま会社に行けるくらいの服装(オフィススタイル)が適切です。
受験する企業によっては、個性を求めるところもあれば、そうでないところもあります。
スーツスタイルよりも私服のほうが感触が良いケースもありますので、リサーチをしてから服装を決めるのが良いでしょう。
モバイル端末やノートパソコンでWeb面接に臨む際には、バッテリーの状態にも注意しましょう。面接中にバッテリーが切れてしまっては大変です。
特にコワーキングスペースなど自宅外で受験するときには、Web面接前に十分に充電しておくか、電源コードを用意して電源供給しておくようにしましょう。
Web面接中、不要な画面を開いていたり、起動させたままにしていたりして通知音が鳴っているケースがあります。その音は、機器を通して面接官の耳にも聞こえています。
Web面接前には必ず、SNSや通知が届くサイトは全て終了させておきましょう。
スマホやモバイル端末の場合、マナーモードでバイブレーションだけにしていても、その振動音が伝わります。サイレントモードに切り替えておくのを忘れないでください。
内蔵スピーカーを使ってコミュニケーションを図ることは可能ですが、互いの声が聞き取りにくくなったり、周りの雑音が入り込んで伝わりにくくなったりすることがあります。
それらを避けてスムーズなコミュニケーションを図るならば、マイク付きイヤホンは必須と考えましょう。
無線よりも有線のものがベストです。無線マイク付きイヤホンの場合、本体との接続状態によっては音声の受発信ができなくなります。
有線であれば、断線したり、壊れたりしていない限りは接続状態に影響されません。事前に、念のため音声テストもしておきましょう。
Web面接途中でマイク付きイヤホンに着け替えるときは、一旦こちらの音声をミュート状態にします。
音声が繋がっている状態でイヤホンジャックに抜き差しをすると、大きな雑音が面接官の耳に届きます。
マイク付きイヤホンを使わずにWeb面接に臨んだものの、音声が聞き取りにくい状態のまま質問に無理に答えようとして的外れな返答をしてしまうといった失敗例もあります。
お互いにクリアな音声でコミュニケーションを図るためにも、マイク付きイヤホンは事前にセットしておきましょう。
また、マイク付きイヤホンでよく起こりがちなのが、知らないうちに断線していたり、紛失していたりしていざ使おうとしたときに使えないケースです。
マイク付きイヤホンは、安いものであればネット通販でも1,000円ほどで購入可能ですから、予備を常備しておくと安心ですね。
Web面接では、普段の対面と同じようなレスポンスで話すと、面接官の言葉と重なってしまうことが多々あります。
これが積み重なると、お互いに非常にストレスになり、ミスコミュニケーションのもとになります。
そんな失敗をしないために、ここではWeb面接受験時の注意点について紹介しています。
Web面接では、高頻度でタイムラグが生じると考えておいたほうがいいです。ラグを意識しないでいると、不意にタイムラグが生じたときに慌ててしまうからです。
それを挽回しようと焦って話してしまえば、余計に聞き取りにくい音声になってしまいかねません。
相手が話し終わった頃合いを見計らい、落ち着いてゆっくり話すようにすると、聞き取りやすく、ちょうどいい間も取れるはずです。
対面面接とは違って、相手の話し終わったタイミングが非言語コミュニケーションからは読み取りにくいため、普段よりも一呼吸おいて話すくらいの意識を持って臨みましょう。
画面に近すぎると、相手に圧迫感を与えます。かといって、近すぎるのも表情が見えにくくなるので、おすすめできません。
適切な距離は、頭のてっぺんから肩までがモニター内に収まるくらいです。それくらいの距離であれば、比較的細かな表情も伝わりやすくなります。
声とボディランゲージは普段よりも2割増しにする
2割増しというのは、あくまでも目安です。Web面接では、細かな表情の違いが伝わりにくく、接続状況によっては音声も聞こえにくくなります。
自分の接続状態はなかなか把握しにくいことから、Web面接中は、声やうなづきなどの仕草も普段よりも大きめにすることを意識しましょう。
Web面接中は、視線をつい画面の面接官に合わせてしまいそうになりますが、それでは面接官から見たときに視線が合いません。面接官と目を合わせるには、Webカメラを見ます。
このとき、カメラの位置が低かったり、高かったりすると目線を合わすために姿勢が悪くなってしまいます。
そのためにも、事前に画面の高さを調節してカメラと目の高さが同じになるようにしておくことが大切です。
Web面接の開始時間になったからといって、急に通話を始めるのはやめましょう。
まずはWeb面接を受ける準備が整ったことをメッセージなどで伝え、企業側からのアクセスがあるまで待機します。
面接が終了したら、面接をしてもらったことに対してお礼を伝えましょう。企業側も面接のために時間を割いているのですから、そこにきちんとお礼を述べられるかどうかも見られています。
Web面接のよくある失敗は、ログインや入り方がうまくいかず、開始時間に遅れてしまうことです。ここでは、Web面接の始め方について利用ツール別に解説します。
Web面接では、パソコンやスマートフォンなどでオンライン会議用のツールを使用して行います。SkypeやZoom、Googleハングアウトなど、使用されるツールは企業によって異なります。
Web面接を受ける際は、まずはどのツールを使用するのかを企業側の担当者に確認しておきましょう。その後の流れは、次の通りです。
1. アプリまたはソフトウェアを使用する機器にダウンロード
2. ダウンロードしたアプリまたはソフトウェアのセッティング
3. その他のWeb面接での準備
4. Web面接の実施
ここからは、各ツールでのWEB面接を受けるまでの流れを解説していきます。
スマートフォンであれパソコンであれ、Skypeを使用する際には、アプリのダウンロードが必要です。アプリは、Skypeの公式ホームページからダウンロードできます。
ダウンロード後は、アカウントを作成します。
1. メールアドレスまたは電話番号を登録
2. パスワードを設定
3. メールまたは電話に送られてくる確認コードをSkypeアプリに入力
4. プロフィール画像の設定
5. マイク音声の入力確認
6. カメラ映像の映写確認
Web面接当日、企業側から指示された時間には、いつでも通話が始められるようにスタンバイしておきましょう。
パソコンで使用する場合、ホスト(Web面接を開催する側)から送られてきたURLにGoogle chromeなどのWebブラウザでアクセスすると、自動的にソフトウェアのダウンロードが始まります。
その後の流れは、以下の通りです。
1. インストールが終わると、自動でZoomのビデオチャット画面が立ち上がります。
2. ダイアログで「コンピューターでオーディオに参加」のボタンが表示されます。
3. ボタンをクリックして、マイクとスピーカーがオンになっていることを確認します。
これで通話できます。特にアカウント登録は必要ありませんが、アカウントがないままZoomに参加すると、相手には名前が表示されません。
特にそこを指摘されることはありませんが、気になるようであれば、予めアカウントを作成しておくといいでしょう。
スマートフォンやモバイル端末でWEB面接を受ける場合は、予めアプリをダウンロードしてインストールしておく必要があります。
Zoomの使い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。参考にしてください。
Whereby(ウェアバイ)は、SkypeやZoomよりももっと簡単にビデオチャットを始められます。
ゲスト(Web面接を受ける候補者)は、ホストから送られてきたURLにアクセスするだけで、Web面接にすぐに入れます。
ソフトウェアをインストールしたり、アカウントを作成したりする必要がありません。
機能は、ほぼZoomと同じです。違うのは、Zoomは日本語表記ですが、Wherebyは英語表記のみという点です。ですが、難しい表記があるわけではありません。
以下に通話中に使える主な機能を列挙しておきます。
・Share Screen(シェアスクリーン:画面共有)
・Record(レコード:録画)
・Mic(マイク:マイクのオン/オフ機能)
Wherebyの特徴や機能については、こちらの記事を参考にしてください。
Web面接においてのマナーは、従来の対面面接とさほど変わりません。ただ、オンラインでおこなわれるという点では、対面面接のときにはなかった注意点が多々あります。
しかし、準備すべき点さえしっかりと押さえておけば、慣れないWeb面接で仮にトラブルがあったとしても冷静に対処できるはずです。
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