Clubhouseの次の招待制アプリとして話題のDispo。
Dispoはあえて機能を制限し、アプリを使いやすく設計していています。ユーザーに写真の取り直しや写真を撮るための時間を使うのではなく、一緒の空間にいる人とその瞬間を楽しんで欲しいという想いのもと作られています。「アンチインスタグラム」と言われるほどに細かくアプリの設計にこだわりが見えます。
Dispoの特徴は、1.フィルムカメラの様なレトロな写真が撮れること、2.撮った写真が次の日の朝9時まで確認できないことです。
従来のインスタグラムは、工夫をしてどれだけお洒落な写真を撮れるかという楽しみがあります。一方で、Dispoは撮った写真がどの様に写っているか、写真を待つことの楽しさを教えてくれます。
フィルムカメラの様により自然な、純粋に「写真」そのものを楽しめる工夫がDispoが人気の理由です。
人気沸騰中のDispoの特徴、使い方、危険性について、超入門編として説明しています。
機能をご理解していただいたあとに、Dispoが今後SNSとしてどの層に定着するのか?企業利用が可能か?についても答えています。
このページの目次
動画業界で著名な彼は、YouTubeで約1800万人の登録者を持つインフルエンサーです。そんな彼は、2019年6月に「davidsdisposable」というアカウントを作成し、ひたすらフィルムカメラで撮影した写真のみを投稿し始めます。
David Dobrikが投稿するフィルムカメラで撮れる自然でお洒落な写真は、高く評価され、多くのフォロワーを集めました。現在では326万人のフォロワーの大人気インスタグラムアカウントとなっています。
https://www.instagram.com/davidsdisposable/
創業者のDavid Dobrik氏は、以前に参加したパーティーから着想を得たとNew York Timesに語っています。
以前に参加したパーティーでは、フィルムカメラを持って参加し、夜通しいたるところで写真を撮るのが当たり前だったとDavid Dobrik氏は話します。そして、次の日の朝にフィルムカメラを集めて、昨日のパーティの至る所で何が起きていたか振り返る。
フィルムカメラに映ることの偶然性や、忘れていた瞬間を思い出せることに魅力を感じ、アプリ開発の決意が固まったそうだ。
したがって、Dispoは加工なしの自然体を取ることを目的にし、より内輪で純粋に「写真」そのものを楽しめる設計になっています。
Instagramでは、インスタ映えや、商業利用が当たり前になっています。純粋に写真を楽しむことが難しくなってきたからこそ、Dispoは注目がされているのです。
Dispoは昔のフィルムカメラをモチーフとして作られたアプリです。
撮った写真はフラッシュを強く焚いた、レトロな雰囲気が出て、味のある写真に仕上がります。写真がうまく撮れない方でも、なんだかいい感じに撮ってくれます。
Dispoで撮った写真は次の日の朝9時まで見れません。
フィルムカメラで撮った写真をすぐに確認できない様に、Dispoも同じく確認できない仕様になっています。
時に煩わしくなるかもしれませんが、撮った写真がどの様に撮れてるかを次の日に確認する楽しさがあります。
Instagramのストーリーは「24時間経って消える前に見ないといけない」という焦りでユーザーを引きつけますが、Dispoは「次の日の朝に撮った写真を見たい」という楽しさでユーザーを引きつけています。
Clubhouse同様に、Dispoもまた招待制です。
最近では招待制が多いというイメージがありますが、初期のfacebookや、mixiも招待制でした。初期のSNSには招待制から生まれる、招待される喜びと、知ってる人と始める安心感が必要なのです。また、サーバーに負荷がかからないという理由もあるそうです。
招待を受けるためには、招待を送るにはなどの招待に関する詳しい説明は「使い方」からご確認ください。
Rollsとは、Dispo特有の写真共有機能です。
従来のSNSでは、フィードが存在して、そのフィードにフォローしているアカウントの投稿が常に流れてきます。
しかし、Rollsはそのフィード自体を何個でも作成することができます。作成したRollsはそのRollsに投稿を共有できる人を限定することができ、閲覧する人も限定できます。
わかりやすいイメージとしては、友人とカメラロールを共有している感覚です。友人に共有したい写真のみを、撮った写真の中から選択し、Rollsに追加して共有する。Spotify を利用している方は、Spotifyの共有プレイリストの様なものとイメージしてください。
以下の「使い方」にRollsの追加の仕方、検索の仕方、設定の仕方など、より詳しい説明をご確認下さい。
DispoのRollsに共有できる写真は全てDispoで撮影しなければなりません。
ではDispoのカメラでは何ができるのか?
それは1. ズーム機能、2. 外・内カメラ切替、3. フラッシュオン・オフの3機能のみです。
3. フラッシュオン・オフ機能に関しては、Dispoらしいレトロな写真を取るにはフラッシュオンが必要不可欠なので、無いのと同じです。
最新モデルのカメラと比べると撮影時に行える設定変更は驚くほど少ないです。ただし、写真撮影の機能に制限をかけることで、ユーザーの写真を取ることへのハードルをさげ、純粋に写真を取ることに楽しさを感じさせてくれます。
実は、Dispoは招待がなくても始められます。しかし、Dispo運営から承認されるために順番を待つ必要があり、世界中で人気沸騰中のDispoの現状を見ると、招待をもらう方が早い気がします。
Clubhouseは2人の招待枠をもらえますが、Dispoの場合は20人の招待枠がもらえます。
Clubhouseよりは比較的に始めやすいと思います。
招待をもらうためには、Dispoを使っている友人からもらうのが早いですが、リリース初期のDispoを使っている人が周りにいない場合が多いと思います。
Clubhouseの時の様に、招待を売っていたり、無料で配っているアカウントを見かけます。招待をもらうには自身の電話番号を教えなければなりません。電話番号を見ず知らずの他人に教えることはとてもリスクが高いことなのでおすすめはしません。
招待の仕方は、紹介相手の電話番号を携帯に登録し、Dispoのアプリの右上の「・・・」から「invite」を押します。すると、携帯に登録されている連絡先のリストが表示されます。そのリストから招待したい相手を選択し、携帯に元から入っているメッセージアプリから招待を送ります。
招待を受けた人はDispoアプリをダウンロードし、自身の携帯番号で登録すると利用可能になります。
撮った後の写真でできることは1.追加したいRollsに追加する、2.複数枚選択してスライドショー化、3.他アプリに投稿・保存の3つです。
Instagramの様に共有する写真にキャプションをつけることはできません。
簡単に3つのやり方説明します。
まず、撮った写真の選択画面を開きます。
右上の「select」を押し、画像を選択します
そうすると、「delete」「add to」「share」「create」が表示されます。
それぞれの意味は以下になります。
「delete」→削除
「add to」→ロールに追加
「share」→他アプリにシェア・保存
「create」→スライドショー制作
「create」では動画の長さ(Speed)、動画の背景(Theme)の設定ができます。
Rollは自分で作成できます。作成する際には、プライベートか、パブリックかを選択します。その後、一緒にそのRollを作る人を選択します。
Rollがパブリックな場合、Rollをフォローすることが可能です。フォローした場合、そのRollが左下のRollsに追加されます。気に入ったRollはフォローし、好きな時に見れる様にしておきましょう。
ただし、注意点としては、Rollをフォローしただけでは自分の写真をそのRollに共有することはできません。自分の写真を共有するためには、そのRollに付随するQRコードを読み込む必要、またはRollの管理者に追加される必要があります。
さらに、DispoのSNS要素の中心はRollsですが、Rollsを直接検索することはできません。できる検索はユーザーの検索と、自分がすでにフォローしているRollsの検索です。
面白いRollsを見つけたい場合は、Twitterなどで探してみるのをおすすめします。
Dispoでは従来のSNSと同様にライクとコメントを残すことができます。
ライク・コメントどちらもフォロー・フォロワー関係なく、誰のどの写真にも残すことができます。
近年、SNSにおける誹謗中傷・ヘイトスピーチ・差別発言は非常に問題視されています。Dispoは招待制であるため、匿名アカウントや、捨てアカウントの数は少ないと思います。
懸念点はパブリックな写真であれば、誰もがアクセスし、コメントできる点です。
現在ではコメントはほぼ見ない状況です。コメントをする文化は無く、写真を見てライクを残すのが主流なため、あまり心配の声は見かけません。
Dispoにも他のSNS同様に自分の名前や住所が特定される可能性はあります。
特にDispoでは加工や取り直しができないため、自身の住所や名前が写らない様に気をつけましょう。せっかく良い写真が取れたのに、個人情報が乗っているため共有できないなんて悲しいですよね。
ただし、Dispoは朝の9時に写真が見れる様になるため、Instagramの様にストーリーを投稿した後に居場所を特定されることは心配しなくて良さそうです。
Dispoは「アンチインスタグラム」と言われています。
写真投稿アプリであるインスタグラムはいいね・フォロワーのこだわりからインスタ映えが大事なり、投稿へのハードルが高騰しています。写真の取り直しはもちろん、写真の加工は当たり前です。さらに、Instagramの商業化も行いやすくなり、多くのブランドや商品が購入できるスーパーマーケット状態と言えます。
この様なインスタグラムの現状に対してDispoが提供するのは、いいねやフォロワーではなく、加工のない自然な写真が映す、その一瞬の出来事を楽しむことです。撮った写真に文字を足したり、キャプションが付けられないので、企業の介入は難しくなっています。
写真を共有したいけど、インスタグラムでは他の投稿と比べられてしまうから投稿しにくいと感じていた方、Instagramの広告や商業化に疲れてしまった方は、Dispoの環境をとても楽しめると思います。
Dispoは10代、20代の学生の間で流行すると予想しています。
Dispoで体験できるのは、内輪感です。作成されるRollは何かしらのコンセプトをもち、そのコンセプトに沿った写真が追加されていきます。そのコンセプトに興味を持った人がRollをフォローし、写真を追加していきます。つまり、Rollのコンセプトに興味を持った人だけのコミュニティが形成されます。
同じ趣味を持った人たちが集まったLINEグループとインスタグラムのストーリー機能が合わさった様なものです。
趣味を共有したり、少人数の内輪で盛り上がることは10代、20代の学生の間で流行すると思われます。
Dispoは画像の加工、キャプションを付けることができないため、企業による利用は少し難しいです。
おすすめ投稿も存在しないため、投稿した写真が見られる可能性も低いです。
考えられる方法としては、自社のブランド服のコーディネートを集めたRollを作成したり、自社の商品を被写体の写真を集めたRollなど、自社でモノを扱っている場合は可能です。
自社の商品のファンとの関係を深めるための方法としては、効果大だと思います。しかし、新規顧客獲得はDispoの仕様上あまり期待できないでしょう。
Dispoは招待制のため、ユーザーの爆発的な伸びはありませんが着実に数を増やしています。ユーザー数は約7000万人です。
これから新しい機能が追加されていくので、Dispoが盛り上がる可能性大です。ぜひ一緒に動向を追いましょう!
この記事で紹介した内容は以下の4点です。