記事更新日: 2025/01/31
問い合わせ管理にExcelを活用すれば、対応漏れを防ぎながら効率的に管理できます。
本記事では、Excelを使った問い合わせ管理の具体的な手順やメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
問い合わせ管理システムのメリットも紹介しますので、対応業務の質やスピードを向上させたい方はぜひ参考にしてください。
このページの目次
問い合わせ管理は、顧客満足度に大きな影響を与える重要な存在です。お客様は商品やサービスそのものの価値だけでなく快適さも考慮して行動します。
例えば、欲しい商品があって問い合わせをした際に、スタッフ間での情報共有が不十分で長時間待たされると購入を控えるでしょう。
そのほかにも、問い合わせ管理に不備があると、以下のような問題が発生します。
迅速丁寧な問い合わせ対応をするためには、顧客情報を見やすく整理したり、スタッフ間で情報共有できる仕組みを整えないといけません。
問い合わせ管理を徹底し、満足度の高いサービスを提供できれば、売上がアップするだけでなく、企業イメージの向上にもつながります。
Excelは表計算ソフトですが、問い合わせ管理にも活用できます。必要な情報をすばやく見つけるために、Excelで一覧表を作成して顧客データを管理しましょう。
顧客の名前・連絡先、問い合わせ日時・内容、対応者等の項目を作って記録・更新していけば、問い合わせがあった時に適切な対応ができます。
ここでは、Excelで問い合わせ管理表を作成する具体的な手順を解説します。
初めて作成する方にもわかりやすく、業務効率化に役立つポイントもお伝えします。
まずは、自社に必要な項目を明確にしましょう。基本的には、以下の項目が含まれると便利です。
また、項目は横並びで配置すると見やすくなります。
「カテゴリ」や「対応ステータス」といった選択肢が決まっている項目には、プルダウンを設定しましょう。
プルダウンを利用すれば、入力の手間が省けるだけでなく、ミスタイプや誤変換も防止できます。
プルダウンを設定する手順
問い合わせ日時や対応完了日時の入力には、「有効な日付」の設定がおすすめです。
カレンダーから日付を選択できるため、手打ちで日付を入力するよりもスムーズになります。
設定手順
フィルター機能を活用すると、特定の条件に一致するデータだけを抽出できます。
例えば、「未対応」のステータスだけを表示すれば、対応漏れの防止につながります。
フィルタ設定手順
複数の担当者で問い合わせ管理表を共有する場合は、ブックの共有設定を行いましょう。
ブックの共有設定をすれば、複数のユーザーが同時に編集できるようになります。
共有設定手順
Excelの問い合わせ管理表が完成したら、運用ルールを定め、管理表を扱う全ての従業員に周知させましょう。
ルールを決めておかないと、入力ミスや対応漏れが発生しやすくなり、管理表の運用が非効率になってしまいます。
以下のポイントを意識して、運用ルールを策定・共有しましょう。
次はExcelで問い合わせ管理をするメリットについて考えてみましょう。
主なメリットについて、それぞれ詳しく説明します。
Excelは自由度が高いソフトです。レイアウトや項目に関する制限がないので、自社オリジナルのテンプレート作成が可能です。
使いやすい問い合わせ管理表があれば、従業員がストレスを感じずに業務を行えて、生産性の向上が期待できます。
また、問い合わせ管理表はブラッシュアップすることが大切です。問い合わせ管理を始めると自社の問題点が見えてくるので、項目を追加・変更して最善の状態に近づけてください。
そして、計算や分析が簡単に行えるのもExcelの魅力。便利な機能をフル活用すれば、戦略立案の際にも役立つ問い合わせ管理表が完成します。
Excelで問い合わせ管理するメリットは、導入ハードルが低いことです。
Microsoft officeのアプリが入っていれば無料でExcelを使えます。
初期費用をかけずに問い合わせ管理を行えるので、予算に余裕がない企業でも導入しやすいです。
Excelは扱いに慣れている人が多いのもメリットです。
よく知られたソフトなので、操作方法をマスターしている人が大半のため、Excelを用いた問い合わせ管理なら、従業員の教育コストを抑えられます。
Excelでの問い合わせ管理には、以下のようなデメリットもあるので注意してください。
Excelは複数人が同時に編集できない仕組みなので、ほかの人がファイルを開いている時には利用できないのがデメリットです。
ブックの共有機能を使えば複数人で同時に編集できますが、「セルの結合・結合解除」「グラフの作成・挿入・変更」「シートの削除」などは使えません。
Excelのデメリットはセキュリティ面の脆弱性です。問い合わせ管理表のデータは、USBメモリを使ったり、メールにファイルを添付すれば簡単に社外に持ち出せます。
パスワード設定をすれば部外者の侵入が防げるとはいえ、セキュリティ対策としては不十分です。
問い合わせ管理は顧客の個人情報を扱うことが多いため、万が一、顧客情報が漏れたら確実に信用を失います。
Excelを使って問い合わせ管理をする際には、セキュリティ対策を万全にして、情報漏えいに十分に注意してください。
事業規模によっては、担当者の負担が大きくなるのがExcelのデメリットです。
問い合わせの件数が増えると、何度も同じ質問に答えたり、判断が難しいケースに遭遇する確率が高くなります。
また、問い合わせ件数の増加に伴い、ファイルが重くなるのも問題です。
検索に時間がかかると作業効率が落ちて余計な人件費が発生するうえに、顧客に不快な思いをさせてしまいます。
ここでは、Excelでの問い合わせ管理が難しいと感じた際の対処法を紹介します。
問い合わせ件数が増加してExcelでは対応が難しくなった時には、件数を減らすための取り組みを行いましょう。
FAQや商品説明を充実させたり、チャットボットを導入したら問題解決につながるはずです。
問い合わせ件数を減らせば、担当者の業務負担が軽減し、顧客を待たせるリスクも回避できます。
複数人が同時に管理表を編集する企業は、Excelの「ブックの共有機能」を使えば問題が解決します。
ただし、セルの結合など一部の機能が制限されるのがデメリットです。
また、共有した人が勝手に「ブックの共有」を解除しないためにパスワード設定を行う必要もあります。
これらの手間をかけたくないなら、共有機能が標準搭載されているGoogleスプレッドシートを使うのもひとつの手です。
無料で利用でき、Excelとほぼ同じ機能がついているので、リアルタイム共有したいならGoogleスプレッドシートの利用を検討しましょう。
問い合わせ管理をExcelやGoogleスプレッドシートで使う方法は、問い合わせ件数が多い場合には不向きで、セキュリティ面での課題も残ります。
このような課題を解決し、業務を効率化するためには「問い合わせ管理システム」の導入が効果的です。
ここでは、問い合わせ管理システムの主なメリットを3つ紹介します。
問い合わせ管理システムでは、すべての問い合わせ情報が一元化され、リアルタイムで情報を共有できます。
また、過去の対応履歴もひとつの管理画面から簡単に検索できるため、問い合わせの早期解決にもつながります。
問い合わせ管理システムは、セキュリティ面でも優れた対策が施されています。
主なセキュリティ対策は、データの暗号化通信を可能にするSSLの対応、不正アクセス防止やバックアップ機能、閲覧・編集などの管理権限の付与などです。
問い合わせ管理システムに備わっている回答テンプレート機能やFAQなどを活用すると、問い合わせ対応がスムーズになり、顧客満足度が向上するのもメリットです。
また、担当者の回答も均一にできるので、対応品質の向上や標準化に役立ちます。
Excelでの問い合わせ管理は、問い合わせ件数が少ない場合やビジネスが小規模の場合に有効です。
Excelでの管理が不向きな場合は、問い合わせ件数を減らす努力をしたり共有機能を活用する方法を試してみてください。
最もおすすめなのは、セキュリティ面に不安のない問い合わせ管理システムを導入することです。
さまざまなサービスがあるので、利用料金や機能を比較して自社に合ったシステムを見つけましょう。
画像出典元：O-DAN
