メリービズ株式会社 代表取締役社長
工藤博樹
日本IBM グローバルプロジェクトのプロジェクトマネージャーを担当。 INSEAD MBA取得。経営戦略事務所にて大手企業向けに経営戦略をコンサルティング。Locondo.jp立ち上げ。スローガン新規事業パートナー、GREEグローバルアライアンス担当。
自身の苦労や周りの起業家の悩みから事務作業を楽にできるサービスを用意したいと考え、2011年7月にメリービズ株式会社を創業。2015年にFinTech協会を創業。
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まずは導入するべきタイミングです。
おすすめする導入時期は業界・業種によって違いますが、毎回ワードやエクセルでの作成処理では大変になってきた頃です。
請求書は税理士、会計士に任せることはできない部分なので、管理したいニーズがでてきたタイミングで導入するべきです。
取引先に対して多くの請求書を発行しているBtoB企業でサービスをしている会社なら、特に重要だと思います。
請求書発行サービスの魅力は、エクセルで請求書業務をやらなくてもよくなり、煩雑さから解放され、管理しやすくなるところです。あまり請求書がでない段階では、エクセルでも十分かもしれませんが、請求書関連の業務が増えていくに連れて、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
https://www.misoca.jp
Misocaは4年ほど前に、弥生株式会社に吸収合併されましたが、元々は独立したスタートアップが開発・提供していたサービスでした。
弥生会計との連携が非常に優れていることが特徴として挙げられます。
またMisoca共同創業者である豊吉さんがエンジニアだったこともあってか、非常に機能が充実していて、カード決済等の機能があるところも特徴です。
具体的には、請求書の決済は、普通なら振り込みで行わなければなりませんが、Misocaを利用していればPayPalのカード決済で完結できます。
この機能があるおかげで、振り込みミスなどがなくなります。
他にも特徴的な機能で、「Misoca回収保証」というサービスがあります。
このシステムは、Misoca回収保証が付与された請求書に対しては、支払いの遅延や取引先の倒産等によって売掛金が回収できなくなった際に、損害を補填してくれるというものです。
この機能は個人事業主など小規模の会社にとっては、非常にありがたいと思います。
こういった機能があるおかげか、Misocaは実際に個人事業主から中小企業によく利用されている印象がありますね。
無料プランからはじまり、有料プランも基本料金も800円~と比較的リーズナブルなのも、利用者層のことを考えて設計されているからでしょう。
基本機能として、エクセルなどで管理していた請求書作成を簡単にするともに、データベース化して再作成や支払いが実際に行われたかどうかの確認もできます。
またMisocaには、紙の請求書郵送機能があることも、良いポイントです。
MakeLeapsは5年ほど前から、株式会社リコーの資本に入っている会社です。
取引先ごとに仮想口座を発行することで、振込人特定作業にかかる時間や手間を大幅に軽減します。
MakeLeapsは紙の請求書発行にも対応してくれるのが良いですね。
また、Salesforce用のAPIがあり、非常に連携が取りやすいです。
売り上げレポートや入金管理などの細かい機能も充実していて、営業チームとの連携を意識しているのが設計にもよく現れています。
営業メンバーが請求書を送付したり、回収対応を行ったりする会社には、非常に有用なはずです。
また「バーチャル口座」機能も注目しています。
銀行口座への振込人名不一致や、入金消込の弊害となりうる事象を、この機能が排除してくれます。
様々なプランがあり、個人からある程度大きな企業まで、料金体系が細かく分けられています。
https://www.infomart.co.jp/seikyu/index.asp
BtoBプラットフォーム請求書は、ある程度までは無料で利用できるところが魅力です。
このサービスは、飲食業界でよく使われています。
飲食で強い理由としては、BtoBプラットフォームを運営しているインフォマートが元々、商談や取引先を発見するプラットフォームとしてスタートしたことがあります。
例えば自分がレストランをやっていて、珍しい食べ物を入荷したいとしましょう。
以前まではそういった需要を満たすためには、産地を周ったり、展示会にいく必要がありました。
そういった方々に、食品と店舗を結び付けられるようなシステムを作ったのが、インフォマートでした。
このサービスを作っているうちに、それが派生して受発注や請求書が必要となり、開発されたのが、BtoBプラットフォーム請求書です。
こういった背景があり、飲食業界で強いサービスとなったのです。
しかし最近では、飲食に限らず、ホテルのサービス業やIT業界など広い業界での利用者も増えています。
特に、多くの取引先を抱える、外食産業・製造業・小売業者には非常にオススメできるサービスです。
小売業には大手メーカーから、超小規模の会社まで様々な取引先があります。
大手なら良いですが、個人レベルの小規模取引先が有料請求書サービスの導入をするのは難しいです。
そういった時に、最初に挙げたように小規模なら無料で利用できるため、小規模取引先にBtoBプラットフォームを導入してもらうことで、取引先とも電子上で完結にやりとりできます。
意外と無料でサービスを提供しているものは少ないので、取引先数が多く、規模も様々な会社にはぜひオススメしたいサービスです。
https://www.freee.co.jp/houjin/invoice/
freeeはワークフローを意識した設計思想のサービスだと感じています。
またfreee自らが言っているように、ERPのように統合的に使うことで価値を最大化できるツールですね。
なぜならfreee系列のツールは全て、一貫した設計思想を持っているからです。
まずfreeeには、経理の基本である借方貸方の概念を意識しなくても、口座からのお金の出入りで経理を集計するシステムを採用しており、根本から他のツールとは異なっています。
freee内の概念だと、いわゆる簿記の勉強をしてきたというより、初めて会計・経理を始める人が直感的に使いやすくなっています。
この概念を一貫して共有しているため、freeeのサービスでシステムを揃えると、より効果が得られます。
特に請求書と会計はサービス間ではもっとも密接につながっているため、あわせて使われることをおすすめします。
freeeが主に狙っている顧客群は、初めは個人事業主だったと思います。
しかし最近は、プロフェッショナルプランという、ERPサービスも提供しています。
実際に顧客としても、野村証券さんなどの大企業もおり、IPOしているようなスタートアップでも多く利用されています。
以上を踏まえると、昔から大事にされている個人事業主やフリーランスの方はもちろん、大企業の方にもオススメできるサービスになっているといえます。
楽楽明細は最近、小中規模くらいの会社に多く利用されている印象があります。
これはシンプルでコスパよく利用できるという魅力を持ったサービスだからです。
もともと楽楽明細を運営しているラクスは、メール配信サービスなども運営していたり、最近はBtoBの事務サービスを開発していて、それが今順調に伸びている印象があります。
請求書の送付の際に、納品書や、チラシ・お知らせといった書類の発送も対応できる点が、かゆいところに手が届く部分ではないでしょうか。
CMも放送されており、認知も広がってきていると思いますが、必要機能はしっかりと揃っている心強さを感じます。ベーシックな機能だけコスパよくを利用したい人には非常にオススメのサービスです。
https://biz.moneyforward.com/invoice
マネーフォワードは請求書以外にも会計、決済、勤怠、経費精算など、様々なサービスを提供しています。
マネーフォワード製品の最大の特徴は、これらがそれぞれ独立性を持っているところです。
会計を使っているけど、給与は別の企業の製品を使って、勤怠はマネーフォワード製品を利用するなどができます。エンジニア的に言えば、「疎結合」できるようなモジュールを設計しているサービスです。
新機能を連続して進めるというよりは、システムの堅牢性確保のためにしっかりと時間と工数をかける意思決定をするを伺っており、安心できる企業スタイルだと感じます。
主な顧客としては小規模な会社だと思います。
マネーフォワード クラウド会計をお使いであれば、もちろん連携しやすいので、おすすめです。
boardもワークフローを意識したサービスです。
例えば、見積書をboard内で作れたり、一連のセールスから経理までのコミュニケーションをboard内で解決してくれます。
この表からわかるように、自分たちの得意な領域を明確に規定して、それをしっかりとこなしてくれます。
最近ではDocuSign、ともAPI連携できるようになり、多くの外部サービスとの連携もしています(連携しているAPIについてはこちらをご覧ください。https://the-board.jp/helps/help_list_of_external_services)。board内のワークフローで発生するような契約関連も簡単にすますことができます。
請求書分野にだけ集中しているからこそ、他のツールよりもより細かく機能を搭載してくれています。
様々なSFA、CRM、会計ソフトなどと連携できるのが魅力の一つであるため、SFAやCRMを使わない個人事業主より、事業を行っている会社にオススメできるサービスです。
https://www.concur.co.jp/newsroom/author/sap-concur-japan
SAP ConcurはSAPに吸収合併される前は独立したツールで、大企業がメインの顧客でした。
最近では料金設定も頻繁に変えていて、中小でも使いやすいサービスを提供してくれています。
様々なサービスとのAPI連携もありますし、協業などもされています。
製品とは少し関係ない話になりますが、電子帳簿保存法が10月に改定されたこともあり、日本の電子化を進めようと旗を振って進めてくれているのがConcurです。様々な方の声を発信し続けていて、電子化の空気を作ったという面では非常に貢献度が高いです。
また海外SaaSであるため、外国の通貨や税率に対応していて、多国籍企業には欠かせないツールだといえます。
海外通貨に対応しているツールはなかなかないので、こういった機能は非常に魅力的です。
請求管理ロボ
Bill One
SaaSを利活用するためには、そのサービスをよく理解している必要があります。
最近ではどんどん新しいサービスがでてきているので、それらを十分理解することは難儀ですし、そもそもそこまで人手が回らない企業が多いと思います。
弊社ではそういった課題を解決できるアウトソーシングサービスを提供しています。
メリービズのサービスの中には現在、900名以上の経理に関するプロフェッショナルが在籍しています。
お客様にはそれぞれ、別々の課題やその課題のレベルがあると思います。
メリービズでは、それぞれの課題に最適な専属チームをお客様に提供することで、その課題を解決しています。
そのためいわゆる、クラウドソーシングのマッチングではなく、我々がメリービズとしてお客様の依頼を受けて、採択という形で運営しております。
これにより、納品スケジュールや品質の高さを、会社として管理・追求しています。
必ず会社としてサービスをしっかり提供することにこだわっているため、その点はご安心していただけるポイントになります。
また、チームを組んでいるため、安定感があります。例えば、フリーランスの方お一人に頼む場合や、会社の経理の方がお一人の場合、その方が急に体調不良や何らかのご事情で働けなくなった時、トラブルが発生してしまいますが、そういった事態が起こりづらいです。
誰かが欠けても他のメンバーが補いますし、すみやかに他のメンバーが追加でチームに入ります。つまりリソースを増やしたり減らしたりの調整が非常に効きやすいです。
他にも経理を雇うとなると、小さい会社なら特に1人くらいが限界だと思います。
そうなると、どのレベルの方を雇うかが非常に大事な問題になると思います。
例えば、簿記2級を持っている方を雇って、主な業務を任せていたとしましょう。
普段の基本的な業務はこの方が十分に補ってくれていても、決算書の細かい論点や、税理士さんから税務上の細かい論点での質問が来た際、簿記2級の方では捌けなかったりします。
これを防ぐため、簿記1級だったり、税務に強い方を雇うことはできますが、決算書を作成する時間や論点への対応などは月数時間ほどしかないので、非常にコスパが悪くなってしまいます。
メリービズではこういった課題も解決できます。
先ほどのとおり、メリービズで専属チームをお客様ごとに用意するため、仕訳は簿記2級の方に、決算書は得意な方に、というように適材適所が実現します。
これは働く側にとっても効率的であり、自分がやりたいレベルの業務をやりたい時間できるようになります。
最後に私たちは、付加価値を出すことに注力しています。
これはコスト削減に直結しなくても、会社内にいらっしゃる経理業務にたずさわる社員の方が付加価値のあるコア業務に集中できます。例えば、経営陣へのレポーティングや、管理会計の粒度を詳細化する等の業務にしっかりと時間を割くことができます。総合的に見ればコストを削減できている状態になるはずです。
働き方を分業化し、自分がやるべき業務に集中する考えにより、弊社のビジョンである「ビジネスを楽しく」を実現することができています。
「メリービズ」の名前に関しても、「メリー」がメリークリスマスと同じのハッピーという意味を表す単語で、「ビズ」がビジネスを表しています。
まずお客様のビジネスが、どんどん良いものになっていただきたいのはもちろん、働く側のスタッフや社員がやりたい仕事、時間にあった仕事を提供することを大事にしています。