オンプレミスとは|クラウドとの違いを比較!メリット・デメリットも

オンプレミスとは|クラウドとの違いを比較!メリット・デメリットも

記事更新日: 2020/06/19

執筆: 浜田みか

オンプレミスとクラウド、何が違うのか?どちらを選ぶのがいいのか?といった視点で見てしまいがちですが、オンプレミスもクラウドもそれぞれに長所と短所があります。

自社システムに導入する場合、オンプレミスとクラウドの適性を鑑みて判断するのがベストです。

しかし、そもそもオンプレミスってどんなもの?と何となくでしか理解できていないと、その比較すらできません。

そこで今回は、オンプレミスとは何か? クラウドとの違いから、オンプレミスのメリット・デメリット、クラウドへ移行するときの注意点について解説します。

これから自社のシステム管理や保守を任される人にとっては、知っておくべき内容です。ぜひ参考にしてください。

オンプレミスとは

ここではオンプレミスとは何か、概要や基本的な仕組みについて解説していきます。

オンプレミスとは

オンプレミスとは、自社内で顧客データなどの情報を保有して、自社内の設備で運用管理することをいいます。

自社内には、さまざまなサービスやインターネットなどの通信回線、それらに付随するサービスなどが展開されています。

オンプレミスの一例

・サーバー

・ネットワーク

・ソフトウェア

これらの情報システムは、自社内の人員によって運用管理されています。

近年では、クラウドサービスが普及しつつあり、社外のサーバー(これを外部サーバーといいます)やサービスを使用することも少なくありません。

これらと区別するために、オンプレミスと呼ぶようになったのです。

オンプレミス(on-premises)の語源

Premisesはpremiseの複数形で、構内や邸内、会社などの建物・敷地といった意味があります。

on-the-premisesで敷地内や構内、店内を指すことから自社内という意味に転じて、クラウドとの差別化のために「自社運用」を表す言葉になったのです。

オンプレミスとクラウドの違い

オンプレミスは、情報やシステムの管理運用を自社内で行うこと。社内で使われているサービスやシステムは、社内で構築されたものを活用します。

その一方でクラウドは、インターネット経由で接続された外部サービスやシステムを利用します。

このほかにも、オンプレミスとクラウドにはさまざまな面で違いがあります。

費用面の違い

オンプレミスでは、サーバー機器やネットワーク回線といったハードウェアの導入・設定費用、ソフトウェア利用にかかるライセンス料などが初期費用としてかかります。

この金額は、規模や機能などによっても幅が出るところではありますが、数百万円以上かかることも少なくありません。

一方で、クラウドの場合は、インターネットを介して外部のハードウェアやソフトウェアを利用することになるため、導入・構築にかかる費用はかなり抑えられます。

また、毎月の固定費としてかかる費用については、オンプレミスの場合は固定のため予算を立てやすいのもメリットとして挙げられます。

クラウドの場合は、プロジェクトや利用状況などによって費用が変動することが多いため、オンプレミスより割高になってしまうこともあります。

運用面の違い

オンプレミスでは、自社の環境に合わせてカスタマイズすることが可能ですが、それに合わせて必要な機器を自社で用意する必要があります。増強や連携を行う場合においても同様です。

その手配や設計に合わせた設定など導入にあたって時間がかかりやすいため、すぐに運用を開始しにくい面もあるのです。

クラウドの場合は、必要に応じてプランを変更したり、オプションを追加・変更するだけで即時対応が可能です。

しかし、これも用意されたプランやオプション内での変更になるため、提供されている以上のカスタマイズはできません。

障害対応における違い

オンプレミスでは有線によるLAN接続であることが多く、障害が起きても「誰が・いつ・どこから・何にして」アクセスしたのか特定が容易です。

対応には、障害に対処できる人員を常に確保しておく必要があり、修理もその人員のリソース内で行うことになります。

人員不足や従業員の知見などによって対応に時間がかかることがあります。

クラウドの場合は、インターネット回線を用いての接続になるため、契約している回線の通信状況などに依存します。

回線に障害が起きれば、サービス自体は正常であっても接続・利用ができずに業務に影響を及ぼすこともあります。回線が正常でサービスにシステム障害が起きていても同様です。

利用者側からでは対応ができないため、復旧を待つしかありません。しかし、災害による障害でない場合は、比較的短時間でトラブルが解消されやすいのはクラウドのメリットでもあります。

災害時の対応における違い

災害大国日本では、災害時のことも十分考慮する必要があります。オンプレミスの場合、サーバーやシステムに関係する機器を分散設置などするのが一般的な方法です。

自社のある地域から遠く離れた場所に設置することで、万が一の災害時にもデータやシステムを温存できる可能性が高まるからです。

クラウドでは、こうした対策を予め取っているサービスもあります。よくあるのが、レンタルサーバーや企業のデータを保管・管理するようなものが挙げられます。

東日本や西日本で機器を分散設置して、災害が起きても復旧できる態勢が整えられていることも少なくありません。

このほか、クラウドの詳しい解説は、こちらの記事にまとめられています。ぜひ参考にしてください。

 

両者の利点を合わせたハイブリッド型も登場

最近では、オンプレミスの良さとクラウドの良さを取り入れたハイブリッド型も登場しています。ハイブリッドがマッチするのは、以下のような場合です。

  • 物理的拠点が広範囲に点在しているケース
  • 顧客数が膨大で自社サーバーでの管理がコスト・運用面などから難しいケース
  • サーバーや回線機器などのハードウェアの自社所有率が高くなるケース
  • 事業やビジネス上、WEBへのアクセス頻度に一時的な負荷がかかるケース

拠点が各地に点在している場合、それぞれの拠点でオンプレミスを展開するのは得策とはいえません。コストパフォーマンスで見たときにコストに比重がかかってしまいかねないからです。

こうしたケースでは、必要なシステムをクラウドに置き換えることで、導入や人件費、保守などコストを抑えることが可能です。

顧客数が膨大になるようなビジネスを展開しているケースでは、サーバーの規模やセキュリティ、それらの保守・運用などのコストが莫大になることもあります。

こうした場合では、外部サーバーを利用することで導入から毎月の固定費までを抑えることが可能になります。

オンプレミスとクラウドでは、それぞれ利点が異なります。それらの良い部分を組み合わせた運用方法が、ハイブリッド型と呼ばれるものになります。

オンプレミスのメリットとデメリット

クラウドが登場してから時代遅れだと揶揄されるようになったオンプレミスにも、クラウドにはない良いところがあります。

ここでは、オンプレミスのメリットとデメリットについて解説しています。

オンプレミスの3つのメリット

1. 高いカスタマイズ性

2. 自社内システムとの連携の容易性

3. セキュリティの安心感

オンプレミスは、求める環境に合わせて、システム構築がしやすいのが利点です。

1からシステムを構築しますから、自社内の環境や状況に合わせて柔軟に設計・構築できます。また、既存の社内システムに加えて新システムを導入する場合も、連携や統合が容易です。

セキュリティにおいても、社内だけでネットワークが完結するため、第三者が介入しにくい環境を作り上げることが可能です。その結果、セキュリティも頑強になるという安心感があります。

オンプレミスの3つのデメリット

1. 初期コストが大きくなりやすい

2. システム完成までに期間を要する

3. 自社内に障害対応できる体制が必須

オンプレミスでのシステム導入には、初期投資・保守コストが発生します。

コストがかかる一例

・ベンダー保守費用

・保守にかかる人件費

・セキュリティシステムの運用コスト など

これらの金額は、システムの規模や機能によっても大きくなります。導入を検討する際は、長期スパンでのコストパフォーマンスを踏まえて結論を出す必要があります。

構築を1からできるオンプレミスでは、そのシステム完成までに期間を要します。

まず、何をどんな環境で行いたいのかを洗い出し、そのうえで求める環境に合わせたシステムやネットワークなどを構築していくことになります。

今すぐに始めたい!と思っても、すぐに始められないため、クラウドに比べて開始スピードが劣ります。

自社内でシステムを運用管理する場合、各システムの障害やトラブルに対応できる体制を用意することは必須です。

たとえば、ネットワーク障害が発生した場合。そのネットワークで連携しているシステムは使えなくなるばかりか、関連業務に支障さえ出てしまいかねません。

社内に復旧できる人員の配備や体制が整っていないと、いつまでも障害を取り除くことができず、業務が滞る原因にさえなってしまいます。

オンプレミスからクラウドへ移行は可能?

読者の中には、「自社内でシステムを構築していたけれど、データが増えてオンプレミスでは難しくなってきた」「管理運用コストを軽減したい」といった方もいらっしゃるでしょう。

このようなケースの解決策の一つとして、オンプレミスからクラウドへの移行があります。

システムをクラウドへ移行したい場合

システムを丸ごとクラウドに移行するとなると、各システムに相当するサービスを提供している業者と契約をすることになります。しかし、実際のところ、これは現実的とはいえません。

自社内で構築されたシステムは、自社環境に則したものになっており一般的なシステムと乖離しているケースもあります。

こうした場合では、提供されているサービスでは対応できない可能性があるからです。

クラウドで提供されているサービスの多くは、一般的な業務形態に合わせて設計されています。

自社システムと合致しない場合、クラウドサービスは使用できないことになってしまうため、ここではサーバーの仮想化を行うことで、クラウドを疑似化して活用するのが最も適した方法でしょう。

方法 ※簡易的に表現しています。

1. 自社の物理サーバーのリソース(保存領域)を分割

2. 分割したリソースを仮想サーバーとして割り当てる

3. オンプレミス上にあるデータやアプリケーションを、仮想サーバーへコピーする

これらの方法を取るには、専門的知識を要します。

外部サーバーをレンタルして行う場合であれば、セキュリティや提供されるサービスプランの内容、ランニングコストなども併せて検討しましょう。

データのみをクラウドサーバーへ移行したい場合

オンプレミスのデータだけを移行したい場合は、クラウドサーバーと契約して、そこにデータをコピーして利用するのが一般的です。

提供されるサーバーのリソースは、コピーするデータ量にもよって異なります。

サービス内容と移行させたいデータがマッチしているかどうか、セキュリティ面はどうなっているか、保守などの運用面も併せて検討しましょう。

ソフトウェアやアプリケーションをクラウドへ移行したい場合

一番簡単なのは、使用しているソフトウェアあるいはアプリケーションのクラウド版に乗り換えることです。

クラウド版がないときは、使用しているソフトウェアなどに近いクラウドサービスを選び、そこにデータを移行することになります。

このケースでは、今までと操作性が変わるため、操作に関するレクチャーを行うなどして社内でフォロー体制を築く必要があるでしょう。また、誤操作を防ぐための権限の制限も必須です。

まとめ

オンプレミスとは、社内で完結するシステム形態のことです。それに反して、クラウドはインターネット上のシステムを利用するサービス形態を指します。

オンプレミスの対義語として使われることの多いクラウドですが、それぞれに長所と短所があります。

オンプレミスの導入には初期投資として大きな費用がかかりがちですが、自社の環境にマッチしたシステムを設計しやすい側面もありますから、一概にどちらが良いとは言い切れません。

オンプレミス、クラウドそれぞれの適性を鑑みて、自社にマッチするものを導入しましょう。

画像出典元:Pixabay

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