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反社会的勢力について正しく知っていますか?
自分には関係ないと思っている起業家や経営者は取り返しのつかないトラブルに巻き込まれるかもしれません。
夢を持って起業を果たし、事業を成功させた矢先、こういった勢力との関係性が全てをめちゃくちゃにしてしまうかもしれないのです。
今回は反社会的勢力について、実際に起こった事例・要注意のパターンを解説します。正しい知識を身に着けて、あなたの会社、そしてあなた自身を守りましょう。
このページの目次
「反社会的勢力」とは基本的に暴力団のことを指します。また、最近は明確に暴力団ではない半グレと呼ばれるような個人や団体も増えてきていると言われています。
法務省は2007年に下記の指針を示しました。
反社会勢力は巧妙に実態を隠して企業や個人に接触することで、活動資金を得ようとします。その排除のために法務省はコンプライアンス強化への呼びかけ・規制を行なっています。
暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である「反社会的勢力」をとらえるに際しては、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった属性要件に着目するとともに、暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件にも着目することが重要である。
反社勢力の資本が入っている場合には上場ができなくなります。
起業してから必死に会社を成長させ、ついに上場、大きな成功を果たそうとした矢先に道が途絶えてしまうのです。「知らず知らずのうちに出資を受けていた」というパターンも多くあります。
スタートアップは大きなお金を動かすことになります。その分大きな財産を生み出す可能性もあるということであり、反社勢力はそこを狙っているのです。
また、スタートアップの経営者の中には反社会勢力と接点を持ってしまったがゆえに、社外株主からのプレッシャーを受け退任に追い込まれるケースもあります。
最悪の場合には企業の未来が潰れるだけでなく、個人の金銭や人間関係なども搾取されて人生がめちゃくちゃになってしまうかもしれません。
有名な大企業でも、最近は上場している大手飲料メーカー、消費財メーカー、化粧品企業、出版社が、フットワークの軽いマーケティング(デジタル含む)や新規事業担当者を通じて反社の息の根のかかったベンチャー企業とやり取りをしてしまっている事例もあります。
また、実際にスタートアップへの出資や業務上での関わりを持とうとするケースが増えています。
経営者や会社が繋がりを持っているにも関わらず、従業員は全く気づかずに日々の業務を行なっているというケースもあるそうです。
そういった反社会的勢力について、実際に起こった事例や要注意のパターンを解説します。
実現したいビジョンを持って起業し、頑張って経営をしていても、取り返しのつかないトラブルに会ってしまったら一瞬で会社は終わりです。
最悪の場合、あなた個人の人生もめちゃくちゃになってしまいます。
正しい知識を身に着けて、あなたの会社、そしてあなた自身を守りましょう。
反社勢力はどのように企業に入り込んでくるのでしょうか。自分には関係ない、気を付けているから大丈夫と考えている方こそ注意が必要です。
出資や融資など、彼らの巧妙な手口を理解しておきましょう。
昔は反社組織のフロント企業がある場合が多かったそうですが、最近は長期的に寄生するために、株主や取締役で入らず(対策が厳しくバレたら関係が切れる)、社長個人と切れない関係を持とうとしてきます。
社長個人への資金提供(融資含む)や会社に株式の過半数を超えない出資(マイノリティ出資)や融資を行い、表向きは元の社長が在籍しているように見えるが、裏では契約の締結を行って反社会的勢力が実質経営者やオーナーになるケースも増えています。
優秀なビジネスパーソンとしてリクルートした相手がその手の人であった、というパターンはよくあります。
夜のクラブや会食で知り合った人、紹介で知り合った人などが豊富な人脈を持っており、一緒に仕事をするようになったが実際には...というケースが多いです。
表の仕事も持っていることが多いのでパッと見では、わからないのが厄介です。
「普通の仕事をしているし、友人からの紹介だから大丈夫だろう」と思わせ、会社に入り込んできますが、社長も社員も簡単には気付くことができません。
結果そうだったと気付くタイミングは、他人から言われる、週刊誌に書かれてしまう、上場審査で知らされるなど、取り返しがつかなくなってからということがほとんどです。
表の仕事としては広告代理店や芸能事務所、ソーシャルゲームの会社を経営している人が多いと言われています。
六本木や西麻布のクラブやバーなど、女性を使って近付いてくるパターンです。
お金関係のトラブルなどを嗅ぎつけて取り入ってきます。飲みの場での出会いや友人同士の紹介が多いです。
基本的に頭が良く、経営者とも対等に話ができるため、親密な関係を築いてしまいます。
また、直接接近してくる人だけでなく、運転手やボディガードなどとして業界に入り込み、経営者たちとの人脈を形成している場合もあります。様々な情報を取り込み、経営者がトラブルを抱えた時に接近してくるのです。
経営者は孤独です。経営者にしかわからない悩みも多いです。
それをわかってくれるような人にお酒の場で出会いったら...。ついいろいろと話してしまい、気づいたら親しい関係になってしまってしまうのではないでしょうか。
でも気づいたらその人が反社だった、そんなことが起こります。
株価が上がらない、倒産する手前など、苦しいタイミングで漬け込まれるとさらに事態は悪化します。エグジットしてお金がある時など、夜の街で知り合った人には十分警戒心を持つようにしましょう。
会社や会社のお金を扱う経理担当などの従業員の危機に助け舟を出す形で関係を構築されたり、逆に不祥事のネタを握られ脅迫を受けるパターンです。
会社やその社員にも後ろめたい部分があるが故に、関係が続いてしまうという悪循環を引き起こします。
実際にある会社では経理担当役員が横領をしていることが反社組織にばれてしまい、その情報をネタに経理担当が資金を脅し取られ続けてしまったそうです。
また、その場で脅迫を受けるだけではなく、過去の個人の不祥事をネタに次の会社での資金を反社組織に流すように仕向けるケースもあります。
横領などは本来あってはならないことですが、ごまかそうとするとどんどん悪循環を引き起してしまいます。
実際に多額の調達資金を横領し、それが株主に発覚した結果反社に取り入られてしまった経営者の事例があります。
その経営者は横領発覚時にその事実を嘘で隠そうとしましたが、当然嘘がバレてしまい株主からの信頼を完全に失ってしまいました。結果、株式の買い戻し請求を受けます。当然その時点でその経営者にお金はないので反社組織から融資を持ちかけられそれを受けてしまいました。
会社の経営がままならなくなるのはもちろん、個人としても取り返しの付かない事態となってしまいました。
企業と反社会的勢力が、共通の利益のために共謀するケースです。
典型例は、暴力団の主要な資金源のひとつである立ち退き交渉、すなわち「地上げ」です。80年代の「土地・株バブル」で猛威を振るっていたことが知られています。
大型の投資実行によって企業が急速に事業を展開しようとした時に、暴力団の「非合法な交渉力」を利用してしまう企業があるということです。
強引な事業展開が必要な領域に散見されます。
豊富な裏人脈で上層部に食い込むケースです。
反社組織の運営していたある企業は、暴力団排除が叫ばれる情勢にも関わらず、銀行から100億円以上の巨額の融資を受けていました。
このような融資実行に至った経緯が上層部へとつながる「人脈」なのです。
経営危機を利用され、そのまま経営権を奪取されるケースです。ある会社の事例を紹介します。
順調に業績を伸ばし上場を果たしたものの数年で赤字決算に転落し、経営者は粉飾決算に走ってしまいました。そこを反社勢力に狙われ経営権を奪われてしまいます。
経営権を奪い、副社長として暗躍した人間は実は暴力団組長であり、以前から乗っ取り屋として行動していたとのことです。
乗っ取った会社を使って、別会社の不要機器などを買い取らせ、資産を搾取していました。
上場したベンチャーの乗っ取り被害には要注意です。
特に、上場後に思ったより業績が振るわず焦っている時などに社長が取り込まれたりして乗っ取られることが多くあります。
反社勢力からすると上場企業の箔はかなりの価値があるのです。
ITバブル期には未熟なビジネスプランのまま上場できてしまったベンチャー企業が多く、早々にメッキをはがされて業績も株価も悪化してしまいました。
それらの企業は、反社会的勢力の格好の標的にされました。
新興市場のベンチャー企業に限らず、業績が低迷したまま、ただ漫然と上場を続けている会社も標的にされやすいです。
資金繰りの行き詰まった経営者は、当面の延命資金を工面してもらう見返りとして反社組織に加担してしまうのです。
反社勢力の魔の手は経営者に差し伸べられます。
どのような経営者が狙われやすいのかを紹介しますので、自分や関係会社が当てはまる場合には注意しましょう。
豪快にお金を使う経営者は夜の街に出入りすることも多くなりますから取り入る機会が多くなります。
また、金銭的トラブルに巻き込まれやすいため必然的に狙われやすくなります。
女性関係が弱点の経営者は取り入る隙が多くなってしまいます。
エグジットによって大きなキャッシュを持った途端に近付いてくる女性は警戒心を持って接しましょう。会社の秘密を簡単に教えてはいけません。
このようなタイプはフットワークが軽く、多くの人に会う社交的な方が多いです。ある意味「調子のいい」ようなタイプです。
そのため反社側からすると、気軽に接点を持つことができます。
また、相手が困っている場合やおもしろそうな誘いに対し、自身の感情を優先して瞬時に飛び込んでしまうことがあります。
行動力の高さや瞬発力の高さに漬け込まれないように気をつけましょう。
以前よりは少なくなってきたようですが、関係性の強い業界は現存します。
直近だと、仮想通貨、インフルエンサー事務所(Instagrammer、Youtuberなど)、芸能事務所、広告代理店(ネット含む)、単品通販、アパレル、ウェブメディア、飲食店、風俗店、不動産、建築、エネルギー関連、人材。
そういった噂がよく立つ業界にいる場合には十分な予備知識をつけておく必要があります。火のないところに煙は立ちません。
心の弱さに漬け込まれてしまいます。精神的に病んでいる時期に優しく接してくる人を信じてしまい、簡単にコントロールされてしまう場合が多いので気をつけましょう。
意外かもしれませんがこういうタイプが一番厄介な場合があります。
カリスマ性があり、世界的なサービスを作りたいという思いや熱量を持っており、真剣に仕事を打ち込んでいるタイプです。
怠け者ではなく、むしろ自身のビジネスには精力的に取り組みますが、大きなトラブルを起こすことがあります。
なぜかというと、カリスマ性があるために周囲が暴走を止められないからです。
結果、反社組織と社長の取り引きが発生したり、取締役に引き込もうとしても止められなくなります。社員もカリスマ社長を盲信していますから疑うことも少なくなります。
つまり、一度トラブルに巻き込まれるとそのカリスマを使って周囲に影響を及ぼし、事態を大きくしてしまうリスクがあるタイプということです。
取引先が反社、または彼らの息のかかった企業であったというパターンも非常に多くあります。
以下のような特徴にあてはまる企業は有名企業・大企業でも取引は慎重になりましょう。
時代の流れが来ている事業は魅力的であり投資が集中します。しかし、それは反社勢力にとっても同じことです。
また、新しいテクノロジーで急速に発展した事業領域などは法令整備が追いつかずにグレーな事業も多くなります。
そういった領域こそベンチャーの切り開く新興市場でありますから、しっかりと取引先を見極めましょう。
無許可でホームページや媒体資料に有名企業との取り引き実績をやたらと掲載していたり、有名人や芸能人を使いたがる会社は怪しいです。
経営者が自分の悪い噂などを上書きして消したいという気持ちの現れの可能性があります。
小さいことでも大々的にプレスリリースを打ちたがる傾向が強く、大企業との取引などは戦略度外視で積極的に実行しようとします。
中には嘘の事例などをホームページや媒体資料に掲載している企業も見受けられます。
危ない会社が集まる地域やビルというのが存在します。新米経営者や移転して来たばかりの経営者はそういった情報をしっかり入手しておきましょう。
当たり前のことではありますが、社長や経営陣のレファレンスを過去在籍企業や取引先も含めて取っていった時に、評判の悪さが目立つような会社は警戒しましょう。
特に、金銭面や女性面での評判の悪さ、裏切り行為、嘘をつく、などの話が出てきた場合は要注意です。
請求書や領収書が無いものを計上している可能性があるということです。そのような使途不明金は反社勢力に流れているかもしれません。
一回でも関係があった会社は、今でも危ない可能性があります。本当にクリーンな会社になっているのかはしっかりと調査しましょう。
ここまで反社勢力のリスクや手口を説明してきました。ここでは具体的にどのような対策を取るべきかを示します。
取引先や出資者について、信頼できる先輩起業家や投資家、反社の情報に詳しい人などにヒアリングをすることは有効な手段です。
助け合える起業家コミュニティを持っておくことが大きな対抗策になります。
当たり前のことですが、必要がなければなるべくリスクの高い組織・人とは関わらないようにしましょう。自身がお金を持っている時はなおさらです。
大金を持つ人は自分が思っている以上に他人から意識されていることを自覚しましょう。
日経テレコンや帝国データバンクといったサービスで、過去の雑誌や新聞、インターネット記事などで当該企業についての情報を調査することができます。取引先の企業が事件を起こしていないかなどを確認しましょう。
しかし、それでもチェック体制は不完全であり、特に企業情報の少ない若手ベンチャーのチェックは難しいです。
大企業だと特防連に連絡を行えば、反社組織のフロント企業なのかどうかを確認できます。
しかし、当該企業の取引先や資本関係までは調べる事ができない為、経営者や従業員などの個人が反社に関与しているかまではわかりません。
調査会社などを利用するのが一番確実ですが、大企業であっても利用していないケースが非常に多いです。
また、最近では新興のグレーな団体なども出てきており、反社勢力なのか判断が難しいケースもあります。
警戒心を持ち、企業を嗅ぎ分け、怪しい場合には徹底的に調査する、といった姿勢が重要です。
そのような場合、反社チェックツールを利用するのも一つの手です。
以下では、編集部おすすめの反社チェックツールをご紹介します。
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意外と身近であり、非常に大きな問題である反社会的勢力のトラブルについて、基礎的な知識から具体的な事例までを紹介してきました。
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画像出典元:Burst